JPS61124501A - 紡錘型を呈した鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末及びその製造法 - Google Patents

紡錘型を呈した鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末及びその製造法

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JPS61124501A
JPS61124501A JP59245300A JP24530084A JPS61124501A JP S61124501 A JPS61124501 A JP S61124501A JP 59245300 A JP59245300 A JP 59245300A JP 24530084 A JP24530084 A JP 24530084A JP S61124501 A JPS61124501 A JP S61124501A
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三島 啓男
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Yoshitaka Yoshinaga
吉永 良隆
Akira Mukozaka
向坂 章
Setsuhiro Kurata
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高密度記録用の磁性粒子粉末殊に、短波長記
録に最適である粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在し
ておらず、粒子のからみ合い等がなく、その結果、かさ
密度が大きいものであり、且つ、軸比(長軸=短軸)が
小さく3:l以下、殊に2:1以下であって保磁力50
0〜1000Oeを存し、しかも優れた分散性を有する
紡錘型を呈した鉄を主成分とする金属rR磁性粒子粉末
びその製造法に関するものである。
〔従来技術〕
近年、磁気記録再生用機器の長時間記録化、小型軽量化
が進むにつれて、これら磁気記録再生用機器と磁気テー
プ、磁気ディスク等の磁気記録媒体との両面において高
性能化、高密度記録化の要求が益々高まってきている。
磁気記録媒体の高性能化、高密度記録化の為には、分散
性、充填性、残留磁束密度Br、保磁力11c、飽和磁
化σSの向上、テープ表面の平滑性の向上及び塗膜の薄
層化が必要である。この事実は、例えば、総合技術セン
ター発行「磁性材料の開発とけ粉の高分散化技術(19
82年)」の第140頁の「高記録密度化は、・・・一
定の出力を確保するためにBrを太き(する必要がある
。 Brを大きくするには、磁場配向は勿論のこと磁性
粉の充填率を高めなければならない。」なる記載、同資
料第15頁の「磁気記録における性能を表す重要な指数
は、・・・記録密度である。その増加は今まで、王に(
■気へノドと記録媒体を改良することによって行われて
きた。
この分野における今までの改良の方向を要約すると、・
・・記録媒体;薄くかつ高い抗磁力(保磁力)(He)
の磁性層を実現することに重点がおかれ・・・」なる記
載、同資料第141頁の[高密度記録のために、塗膜の
薄層化はもっとも重要な因子である。
」なる記載、同資料第312頁の「塗布型テープにおけ
る高密度記録のための条件は、短波長信号に対して低ノ
イズで高出力特性を保持できることであるが、そのため
には、保磁力Heと残留磁化Brが・・・バランスしな
がら共に大きいことと塗膜の厚みがより薄いことが必要
である。」なる記載、及びリジッドディスクのようなヘ
ッド浮上型の場合に於ける同資料第143頁の「ヘッド
の浮上量は高密度記録の支配要因であり、これを小さく
することにより高密度化が可能となる。・・・低浮上量
化した場合、ディスクの表面性が悪いと、ヘッドのチッ
ピングによる再生出力の低下や、安定浮上が乱されヘッ
ドクラ7ンユが発生する。したがって、・・・塗膜表面
の高精度仕上げが重要となる。」なる記載から明らかで
ある。
磁気記録媒体のこれら緒特性は、磁気記録媒体に使用さ
れる磁性粒子粉末と密接な関係を持っており、磁性粒子
粉末の特性改善が強く望まれている。
今、磁気記録媒体の緒特性と使用される磁性粒子粉末の
特性との関係について詳述すれば次の通りである。
先ず、磁気記録媒体の残留磁束密度Brは、磁性粒子粉
末のビークル中での分散性、塗膜中での配向性及び充填
性に依存している。
そして、ビークル中での分散性、塗膜中での配向性及び
充填性を向上させるためには、ビークル中に分散させる
磁性粒子粉末の粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在し
ておらず、その結果、かさ密度が大きいことが必要であ
り、また、粒子及び粒子相互間の焼結が防止された粒子
であることが要求される。
次に、磁気記録媒体の表面性の改良の為には、分散性、
配向性が良く、且つ、粒子サイズが小さい磁性粒子粉末
がよく、そのような磁性粒子粉末としては粒度が均斉で
あり、樹枝状粒子が混在しておらず、その結果、かさ密
度が大きいことが必要であり、また、粒子及び粒子相互
間の焼結が防止された粒子であることが要求される。
更に、磁気記録媒体の塗膜の薄層化の為には、前出責料
第141頁の「塗膜のi]N化は磁性粉のサイズを小さ
くし、塗膜厚み方向での配向を良くする必要がある。薄
い塗膜を形成するということは、結局は2.3.で述べ
たように吸油量の小さい磁性粉を使用して、塗布性の良
い磁性塗料を作るということにつながる。」なる記載か
ら明らかな通り、分散性、配向性が良い磁性粒子粉末が
よく、そのような磁性粒子粉末としては、前述したよう
に、粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在しておらず、
また、粒子及び粒子相互間の焼結が防止された粒子であ
る事が要求される。
6磁性粒子粉末は、一般に、出発原料であるゲータイト
粒子、これを加熱脱水して得られるヘマタイト粒子、又
はこれらに鉄以外の異1!fi金属を含有するものを還
元性ガス中、加p3元してマグネタイト磁性粒子粉末、
若しくは鉄iff性粒子粉末とするか、又は必要により
更に酸化してマグネタイト磁性粒子粉末とすることによ
り得られている。
上述した粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在しておら
ず、また、粒子及び粒子相互間の焼結が防止された磁性
粒子粉末を得る為には、先ず、出発原料粒子が粒度が均
斉であり、樹枝状粒子が混在していないことが重要であ
り、次にいかにしてこの粒子形状を保持継承させながら
加熱還元するかが大きな課題となる。
従来、出発原料であるゲータイト粒子を製造する方法と
して最も代表的な公知方法は、第−鉄塩溶液に当量以上
のアルカリ水溶液を加えて得られる水酸化第一鉄粒子を
含む溶液をpH11以上にて80℃以下の温度で酸化反
応を行うことにより、針状ゲータイト粒子を得るもので
ある。
この方法により得られたゲータイト粒子粉末は、樹枝状
粒子が混在しており、また粒度から言えば、均斉な粒度
を有した粒子であるとは;い難い。
次に、加熱還元過程について言えば、出発原料であるゲ
ータイト粒子を加熱還元して磁性粒子を得る場合、還元
温度が高ければ高い程、大きな飽和磁化を存する磁性粒
子を得ることができるが、還元温度が高くなると、磁性
粒子の粒子の変形と粒子及び粒子相互間の焼結が著しく
なる。
加熱還元過程において、粒子の変形と粒子及び粒子相互
間の焼結が生起する原因について以下に説明する。
一般に、ゲータイト粒子を300°C付近の温度で加熱
脱水して得られるヘマタイト粒子は、ゲータイト粒子の
粒子形状を保持継承したものであるが、一方、その粒子
表面並びに粒子内部には脱水により発生する多数の空孔
が存在し、羊−粒子の粒子成長が十分でなく、従って結
晶性の度合が非常に小さいものである。
このようなヘマタイト粒子を用いて加熱還元した場合、
隼−粒子の粒子成長、即ち、物理的変化が急激であるた
め単一粒子の均一な粒子成長が生起し難く、従って、単
一粒子の粒子成長が急激に生起した部分では粒子及び粒
子相互間の焼結が生起し1粒子形状がくずれやすくなる
と考えられる。
また、鉄磁性粒子粉末を得る場合の加熱還元過程におい
ては、酸化物から金属への急激な体積収縮が生起するこ
とにより粒子形状゛よ一層くずれやすいものとなる。
従って、加熱還元過程において粒子形状の変形と粒子お
よび粒子相互間の焼結を防止するためには、加熱還元過
程に先立って、予めヘマタイト粒子の単一粒子の充分、
且つ、均一な粒子成長を図ることにより結晶性の度合が
高められた実質的に高密度であり、且つ、ゲータイト粒
子の粒子形状を保持継承しているヘマタイト粒子として
おく必要がある。
このような結晶性の度合が高められた実質的に高密度な
ヘマタイト粒子を得る方法としてゲータイト粒子を非還
元性雰囲気中で加熱処理する方法が知られている。
一般に、ゲータイト粒子を加熱脱水して得られるヘマタ
イト粒子は、非還元性雰囲気中で加熱処理する温度が高
ければ高い程、効果的に羊−粒子の粒子成長をはかるこ
とができ、従って、結晶性の度合も高めることができる
が、一方、加熱処理温度が650℃を越えて高くなると
焼結が進んで粒子形状がくずれることが知られている。
従って、結晶性の度合が高められた実質的に高密度であ
り、且つ、ゲータイト粒子の粒子形状を保持継承してい
るヘマタイト粒子を得る為には、非還元性雰囲気中で加
熱処理するに先立って、あらかしめ、焼結防止効果を有
する有機化合物、無機化合物でゲータイト粒子の粒子表
面を被覆する方法が知られている。
本発明者は、長年に亘り、磁性粒子粉末の製造及び開発
にたずされっているものであるが、その研究過程におい
て、焼結防止効果を有するSi化合物で被覆されたゲー
タイト粒子を製造する方法を既に開発している。
例えば、次に述べるようである。
即ち、P化合物とSi化合物で被覆されたゲータイト粒
子↑5)末は、第一鉄塩水+8液とアルカリ水l容液と
の湿式反応により生成したゲータイト粒子を母液から分
離した後、水中にセ、濁させ、該111濁液にpH値8
以上の状態でFeに対しP換算で0.1〜2.5原子%
のリン酸塩を添加し、次いでFeに対しSi換算で0.
2〜8.0原子%の水可溶性ケイ酸塩を添加した後、p
H値を3〜7に調整することにより、得ることができる
上記の方法について説明すれば次のようである。
一般に、ゲータイト粒子は、湿式反応時における反応母
液中の結晶成長の過程でかなり強固にからみ合い、結合
し合った粒子群を形成しており、該からみ合い、結合し
合っているゲータイト粒子の粒子群をそのまま焼結防止
剤で被覆した場合には、それ以上の焼結を防止するだけ
で、反応母液中の結晶成長の過程で発生したからみ合い
、結合はそのままの状態である為、上記からみ合い、結
合し合っているゲータイト粒子を非還元性雰囲気中で加
熱処理した後、加熱還元して得られた磁性粒子粉末も粒
子がからみ合い、結合し合ったものとなる。このような
粒子は、ビークル中での分散性、塗膜中での配向性及び
充填性が十分であるとは言い難い。
従って、ゲータイト粒子をSi化合物で被覆するに先立
って、あらかじめ、反応母液中の結晶成長の過程で発生
したからみ合い、結合を解きほぐしておく必要がある。
ゲータイト粒子を母液から分離した後、水中に懸濁させ
、該懸濁液にpH値8以上の状態でFeに対しP換算で
01〜2.5以下%(Pに換算)のリン酸塩を添加する
ことにより、粒子のからみ合い結合を解きほぐすことが
可能である。
ゲータイト粒子は、ゲータイト粒子の生成後、常法によ
り反応llB:液より戸別、水洗したものを用いれば良
い。
Q4液の濃度は、水に対して20w t%以下であるの
が望ましい、 20wt%以上の場合には懸濁液の粘度
が高すぎて、リン酸塩の添加によるからみ合い等を解き
ほぐす効果が不十分となる。
リン酸塩の添加量は、懸IA液中のFeに対しPに換算
して0.1〜2.5以下%であれば、該粒子のからみ合
い等を解きほぐし、粒子を均一に分散させることができ
る。
添加したリン酸塩は、ゲータイト粒子表面に吸着され、
後出の表2に示される通り、得られたゲータイト粒子は
Feに対しPvA算で0.31−1.’16原子%を含
有している。
添加量が0.1以下%以下の場合には添加効果が十分で
ない。
一方、添加量が2.5以下%以上の場合には粒子を分散
させることはできるが、粒子が液中に均一に強分散して
いる為、液中からの戸別分離が困難となり適当でない。
添加するリン酸塩としては、例えば、メタリン酸ナトリ
ウム、ピロリン酸ナトリウム等が挙げられる。
リン酸塩を添加する懸濁液のpH4Mは8以上でなけれ
ばならない。
pH値が8以上である場合には、粒子を分散させようと
するリン酸塩を2.5以下%以上添加しなければならず
、リン酸塩を2.5以下%以上添加すると前述した通り
、p別分離において弊害が生ずる為、好ましくない。
次に、ゲータイト粒子の粒子表面に形成させるSi化合
物被膜について述べると、該Si化合物被膜の形成は、
必ず、リン酸塩によりゲータイト粒子のからみ合い等を
解きほぐした後でなければならない。
水可溶性ケイ酸塩を添加する際の懸濁液のpH値は8以
上の状態であることが望ましい。
pH値が8以下の状態で水可溶性ケイ酸塩を添加すると
、添加と同時に固体である5i(hとして単独に析出し
てしまい、粒子表面に効率よく薄膜として形成させるこ
とができない。
従って、懸濁液のpH値が8以上の状態で水可溶性ケイ
酸塩を添加し、該懸濁液中に均一に混合した後にpH値
をSiO□の析出する範囲、即ち、pH値を3〜7に調
整すれば、SiO□は粒子の表面上に析出して被膜を形
成する。
添加する水可溶性ケイ酸塩の星は、S4二換算してFe
に対し0,2〜8.0以下%である。
添加した水筒)容性ケイ酸塩は、後出の表2Iこ示され
る通り、ゲータイト粒子表面に析出吸着される。0.2
以下%以下の場合には、添加の効果が顕著に現れず、8
,0以下%以上の場合には、加熱還元に長時間を要する
尚、添加する水可溶性ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリ
ウム、ケイ酸カリウム等が挙げられる。
次にゲータイト粒子にP化合物とSi化合物で被膜を形
成させた後、懸濁液中から該粒子をp別分離する条件に
ついて述べる。
通常の炉別手段を用いる場合には、粒子が均一に液中に
強分散していると、例えば炉布痛れ、あるいはが布の目
づまり、その他種々のp過動率も悪化させる要因となる
p過動率を高める為には、前記したリン酸塩の添加によ
り分散させた粒子が適度に凝集している必要がある。
リン酸塩の添加量を0.1〜2.5以下%の範囲内とし
た場合、懸濁液のpH値を7以下とすれば懸濁液の粘度
は上昇し、粒子の凝集が起き、戸別を容易に行うことが
できる。
また、Qi液のpH(直を3以下とした場合にもゲ−タ
イト粒子の凝集及びリン酸塩の吸着、更には11社述し
たSiO□被膜の形成は可能となるが、設Of上の問題
及び品質上の間H(溶解等)が発生する為、好ましくな
い。
尚、pH3〜7に調整する為には、酢酸、硫酸−リン酸
等を使用することができる。
以上、説明したところによって得られるP化合物とSi
化合物で被覆されたゲータイト粒子を非還元性雰囲気中
で加熱処理して得られたヘマタイト粒子は、結晶性の度
合が高められた実質的に高密度なものであり、且つ、粒
子のからみ合いや結合のない出発原料粒子の粒子形状を
保持継承したものである。
非還元性雰囲気中における加熱処理の温度範囲は500
〜900℃であることが望ましい。
非還元性雰囲気中の加熱処理温度が500℃以下である
場合には、P化合物とSi化合物で被覆されたヘマタイ
ト粒子の結晶性の度合が高められた実質的に高密度な粒
子とは言い難く、900℃以上である場合には、粒子形
状の変形と粒子及び粒子相互間の焼結を引き起してしま
う。また、精度の高い設備、高度な技術を必要とし工業
的経済的ではない。
上述の結晶性の度合が高められた実質的に高密度なもの
であり、且つ、粒子のからみ合いや結合のない出発原料
粒子の粒子形状を保持継承しているP化合物とSi化合
物で被覆されたヘマタイト粒子を還元性ガス中還元する
ことにより得られた磁性粒子粉末もまた粒子表面並びに
粒子内部の結晶性の度合が高められた実質的に高密度な
ものであり、且つ、粒子のからみ合いや結合のない出発
原料粒子の粒子形状を保持継承したものであり、焼結が
防止された粒子である。
ところで磁気記録媒体の保磁力Hcは、前述した通り、
高密度記録の為には、出来るだけ高いことが必要であり
、その為には、ビークル中に分散される磁性粒子粉末の
保磁力Hcが出来るだけ高いことが必要である。
現在、磁気記録用磁性粒子粉末として主に針状晶マグネ
タイト粒子粉末または、針状晶マグヘマイト粒子粉末が
用いられている。これらは一般に、保磁力Hc 250
〜350Oe程度を有するものである。
そして、上記針状晶マグ7タイト粒子粉末または針状晶
マグヘマイト粒子粉末にコバルトを添加することにより
保磁力を向上させることが知られており、これらは、保
6■力Hc 400〜800Oe程度を有するものであ
るが、飽和磁化σSが70〜85 emu/gである為
に磁気記録媒体として塗布した時のBIllが高々20
00 Gauss程度のものしか得られない。
磁気記録媒体の高密度化の為には、6■性粒子粉末が高
い保磁力Hcと大きな飽和磁化グSを存することが必要
であり、高い保磁力11cと大きな飽和磁化σSを有す
る鉄磁性粒子粉末又は鉄を主成分とする金属磁性粒子粉
末が圧目を浴びており実用に供されている。
現在、得られている鉄磁性粒子粉末又は鉄を主成分とす
る金属磁性粒子粉末の飽和磁化σSは110〜17Oe
+ou/ g程度であり、また、保磁力Hcは1000
〜1500Oe程度であり、更に、保磁力向上の為の努
力が払われている。
一方、磁気記録媒体の保磁力Hcと磁気へノドの性能と
は密接な関係があり、磁気記録媒体の保磁力ticがあ
まりに高すぎると、書込み電流が高くなる為、現在量も
広(用いられているフェライトへノドではへノドコアの
飽和磁束密度8+s不足によりコアが磁気的に飽和して
しまい、磁気記録媒体を十分磁化することができなくな
ることが知られている。
この事実は、例えば、電子通信学会技術研究報告MR8
2−19(1982年)の第19頁の「・・・これら高
11cテープ(Hc 1000〜1500Oe )に記
録するためには高飽和磁束密度(Bm)コアを用いたビ
デオヘッドが要求され、従来のMnZnフェライトを用
いたものではBm不足によるヘッドコアの磁気飽和が起
こり、高Hcテープを十分磁化できないことが懸念され
る。
・・・」なる記載から明らかである。
上述した通り、磁気記録媒体の保(仕方llcと磁気ヘ
ットの性能とは密接な関係があり、その為に、針状晶マ
グネタイト粒子粉末、針状晶マグヘマイト粒子t5′i
末及びこれらの表面層をCoで変成した針状晶酸化鉄粒
子粉末等保磁力Hcが1000Oe以下を有する磁性粒
子粉末を用いて製造される磁気記録媒体用に対応する磁
気記録再生用機器にはフェライトヘッドが用いられてい
る。
一方、鉄磁性粒子粉末又は鉄を主成分とする金属磁性粒
子粉末等の保磁力Heが1000Oe以上を有する磁性
粒子粉末を用いて製造される磁気記録媒体に対応する磁
気記録再生用機器にはセンダストへノド、アモルファス
ヘッド、薄膜ヘッドなとへノドコアの飽和磁束密度が高
い材質のものが使用されている。
しかしながら、これらの材質を用いたヘッドでは、磁気
記録媒体と記録用、再生用へノドとの接触によるヘッド
磨耗等のフェライトへノドでは比較的問題にならなかっ
た新たな問題点が発生している。その為、飽和磁化σS
が大きく、且つ、フェライトヘッドを用いた磁気記録再
生機器に使用できるような適当な保磁力Hcを有する鉄
磁性粒子粉末又は鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末が
要求されている。
上述した通り、磁気記録媒体の保磁力Hcは、高密度記
録化及び磁気ヘッドの材質の両面から考慮してバランス
のとれたものであることが必要である。現在最も広く普
及しているフェライトヘッドを組み込んだ磁気記録再生
機器に使用する磁気記録媒体としては、高密度記録化が
可能であり、且つ、フェライトヘッドの磁気飽和を回避
できるような適当な保磁力Hcs即ち、500〜100
0Oe程度を存することが要求されている。保磁力Hc
が500〜1000Oe程度である磁気記録媒体を得る
為には、ビークル中に分散させる磁性粒子粉末が保磁力
500〜1000Oeを有していることが必要である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
高密度記録化が可能であり、且つ、フェライトヘッドの
磁気飽和を回避できるような磁性粒子粉末として、樹枝
状粒子が混在しておらず、粒子のからみ合い等がなく、
その結果、かさ密度が大きいものであり、且つ、保磁力
500〜1000Oeを有し、しかも侵れた分散性を有
する鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末は、現在最も要
求されているところであるが、出発原料であるゲータイ
ト粒子を製造する前述の公知方法により得られる粒子粉
末は、前述した通り、樹枝状粒子が混在しており、また
粒度から言えば、均斉な粒度を有した粒子であるとは言
い難い、また、粒子形状について言えば、軸比(長軸:
短軸)がlO:1以上の針状形態を呈した粒子である。
このように樹枝状粒子が混在し、且つ、粒度が不均斉で
あるゲータイト粒子を還元性ガス中、加熱還元して得ら
れた鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末もまた、樹枝状
粒子が混在し、且つ、粒度が不均斉なものとなる。
このような鉄を主成分とする金属6n性粒子粉末を用い
て磁気記録媒体を製造した場合には、ビークル中での分
散性、塗膜中での配向性及び充填性が悪く、従って、残
留磁束密度が低下することとなる。
そこで本発明者は、第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリとを
反応させて得られたFeC01を含む水溶液に酸素含有
ガスを通気して酸化することによりゲータイト粒子を製
造する方法(特開昭50−80999号公報)に着目し
た。
この方法による場合には、粒度が均斉であり、樹枝状粒
子が混在しておらず、紡錘型を呈したゲータイト粒子か
らなる粉末が得られる。この粒度が均斉であり、樹枝状
粒子が混在していない紡錘型を呈するゲータイト粒子を
出発原料として加熱還元して得られる紡錘型を呈した鉄
を主成分とす、る金属磁性粒子もまた、粒度が均斉であ
り、樹枝状粒子が混在していないものであるが、保磁力
Hcが1000Oe以上となってしまう、この事実は、
例えば特開昭53−10100号公報の「実施例3」の
記載から明らかである。即ち、特開昭53−10100
号公報の「実施例3」に記載の方法は、第一鉄塩水溶液
と炭酸アルカリとを反応させて得られたFeCChを含
む水?S?&に酸素含有ガスを通気して酸化することに
より得られた紡錘型を呈するゲータイト粒子を加熱還元
することにより鉄を主成分とする金属磁性粒子を得るも
のであるが、酸鉄を主成分とする金属磁性粒子の保磁力
は1020〜++65Oeである。
そこで、上記粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在して
いない紡錘型を呈した鉄を主成分とする金属磁性粒子の
保磁力を500〜1000Oe程度に制御する方法の確
立が強く要望されているのである。
〔問題点を解決する為め手段〕
本発明者は、粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在して
おらず、且つ、保磁力500〜1000Oeを有する鉄
を主成分とする金属磁性粒子粉末を得るべく種々検討を
重ねた結果、第−銖第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリとを
反応させて得られたFeCO3を含む水溶液に酸素含有
ガスを通気して酸化することにより紡錘型を呈したゲー
タイト粒子を生成させるにあたり、前記第一鉄塩水溶液
、前記炭酸アルカリ及び酸素含有ガスを通気して酸化反
応を行う前の前記FeC0+を含む水溶液のいずれかに
水可溶性ケイ酸塩をFeに対し5tlA算で0.1−1
0原子%添加しておくことにより、Siを含有する紡錘
型を呈したゲータイト粒子を生成させ、該Siを含有す
る紡錘型を呈したゲータイト粒子若しくはこれを加熱脱
水して得られたSiを含有する紡錘型を呈したへマタイ
ト粒子を水中にQfiさせ、該懸濁液にpH値8以上の
状態でFeに対しP換算で0.1〜2.5原子%のリン
酸塩を添加し、次いで、Feに対しSi換算で0.2〜
8.0原子%の水可溶性ケイ酸塩を添加した後、懸濁液
のpi値を3〜7に調整することによりP化合物とSi
化合物で被覆されたSiを含有する紡錘型を呈したゲー
タイト粒子若しくはヘマタイト粒子とし、該 p化合物
とSi化合物で被覆されたSiを含有する紡錘型を呈し
たゲータイト粒子若しくはヘマタイト粒子又は上記P化
合物とSi化合物で被覆されたSiを含有する紡錘型を
呈したゲータイト粒子を非還元性雰囲気中500℃〜9
oo℃で加熱処理することにより得られた実質的に高密
度なP化合物とSi化合物で被覆されたSiを含有する
紡錘型を呈したヘマタイト粒子を加熱還元した場合には
、粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在しておらず、且
つ、保磁力500〜1000Oeを有する鉄を主成分と
する金属磁性粒子を得ることができるという知見を得た
即ち、本発明は、軸比(長軸、短軸)が3:l以下であ
って、SiをFeに対し0.3〜13原子%及びPをF
eに対し0.1〜2.5原子%含存しており、且つ、保
磁力50(1−1000Oeを有することを特徴とする
紡錘型を呈した鉄を主成分とする金属磁性粒子からなる
鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末及びその製造法であ
る。
〔作 用〕
先ず、本発明に係る紡錘型を呈した鉄を主成分とする金
属磁性粒子は、粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在し
ておらず、且つ、保磁力500〜1000Oeを存する
粒子であり、そのi!l造にあたっては、出発原料であ
る紡錘型を呈したゲータイト粒子の生成機構に起因して
高密度記録化が可能であり、且つ、フェライトヘッドの
磁気飽和を回避できるような適当な保6荘力を有すると
いう特徴を有するものである。
本発明による場合には、紡錘型を呈した鉄を主成分とす
る金属磁性粒子の保磁力を何故5oo−too。
Oe程度に制御できるかについては未だ明らかでないが
、本発明者は、鉄を主成分とする金属磁性粒子の形状異
方性が小さくなったことによるものと考えている。
即ち、出発原料である紡錘型を呈したゲータイト粒子の
生成にあたり、第一鉄塩水溶液、炭酸アルカリ及び酸素
含有ガスを通気して酸化反応を行わせる前の前記FeC
O5を含む水溶液のいずれかに水可溶性ケイ酸塩を添加
した場合には、生成する紡錘型を呈したゲータイト粒子
の軸比(長軸:短軸)を小さくすることができ、咳軸比
(長軸:短軸)の小さい紡錘型を呈したゲータイト粒子
を出発原料として加熱還元して得られる鉄を主成分とす
る金属磁性粒子もまた軸比(長軸;短軸)の小さいもの
となり、その結果形状異方性が小さくなるものと考えて
いる。
この現象について、本発明者が行った数多くの実験例か
ら、その一部を抽出して説明すれば、次の通りである。
図1は、水可溶性ケイ酸塩の添加量とSiを含有する紡
錘型を呈したゲータイト粒子の軸比との関係図である。
即ち、Fe”1.0mol/ lを含む硫酸第一鉄水溶
液3.01を、あらかじめ、反応器中に準備されたケイ
酸ソーダをFaに対しSi換算で0〜10以下%を添加
して得られた炭酸ソーダ水溶液2.01に加え、pH約
lOにおいてpecOtを含む懸濁液を得、該懸濁液に
温度50℃において毎分151の空気を通気して酸化反
応を行わせることにより得られたSiを含有する紡錘型
を呈したゲータイト粒子の軸比(長軸:短軸)と水可溶
性ケイ酸塩の添加量との関係を示したものである。
図1から明らかな通り、水可溶性ケイ酸塩の添加量の増
加に伴って軸比(長軸:短軸)が小さくなる1頃向にあ
る。
図2は、水可溶性ケイ酸塩の添加量と図1の場合と同様
にして得られたSiを含有する紡錘型を呈したゲータイ
ト粒子粉末のカサ密度との関係を示したものである。
図2から明らかな通り、水可溶性ケイ酸塩の添加量の増
加に伴ってカサ密度が大きくなる傾向にある。
図3は、水可溶性ケイ酸塩の添加量とSiを含有する紡
錘型を呈したゲータイト粒子を加熱還元して得られたS
iを含有する紡錘型を呈した鉄を主成分とする金属磁性
粒子の軸比(長軸:短軸)との関係図である。
即ち、Fe”°に対してCO換算で5.0以下%のCo
”を含む硫酸コバルトとFe”1.0mo1/ 1を含
む硫酸第一鉄水溶液3.01を、あらかしめ、反応器中
に準備されたケイ酸ソーダをFeに対しSi換算で0〜
10以下%を添加して得られた炭酸ソーダ水溶液2.0
1に加え、pH約10においてFeC01を含むQi液
を得、該懸濁液に温度50℃において毎分151の空気
を通気して酸化反応を行わせることにより得られたSi
とCoを含有する紡錘型を呈したゲータイト粒子を空気
中500℃で加熱処理して得られた実質的に高密度なS
i、 Goを含有する紡錘型を呈したヘマタイト粒子粉
末を300℃で8時間加熱還元することにより得られた
鉄を主成分とする金属磁性粒子の軸比(長軸:短軸)と
水可溶性ケイ酸塩の添加量との関係を示したものである
図3から明らかな通り、水可溶性ケイ酸塩の添加量の増
加に伴って鉄を主成分とする金属i荘性粒子の軸比(長
軸:短軸)が小さくなる傾向にある。
鉄を主成分とする金属磁性粒子の軸比(長軸:短軸)が
3:1以下の場合、保磁力11cを500〜1000O
eに制j1することができ、軸比(長軸:短軸)が2:
1以下の場合、保磁力Hcを500−850Oeに制御
することができる。
前出特開昭53−10100号公報の「実施例3」に記
載の発明は、軸比(長軸:短軸)が5・lの紡錘型を呈
したゲータイト粒子を出発原料としており、該粒子を加
熱還元して得られる鉄を主成分とする金属磁性粒子の軸
比(長軸:短軸)は、同公仰第3図(B)から明らかな
通り出発原料であるゲータイト粒子と同じ5;l程度で
あり、その結果、保磁力が+000Oe以上のものしか
得られなかったものと考えられる。
次に、本発明実施にあたっての諸条件について述べる。
本発明において使用される第−鉄塩水溶液としては、硫
酸第一鉄水溶液、塩化第−鉄水溶液等がある。
本発明において使用される炭酸アルカリとしては、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウムを単独で
、又は、これらと炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸水素アンモニウム等の炭酸水素アルカリとを併
用して使用することができる。
本発明における反応温度は、40〜80℃である。
40℃以下である場合には、紡錘型を呈したゲータイト
粒子を得ることができない。80℃以上である場合には
、粒状Fe5Qaが混在してくる。
本発明におけるpHは、7〜11である。7以下、又は
11以上である場合には、紡錘型を呈したゲータイト粒
子を得ることができない。
本発明における酸化手段は、酸素台をガス(例えば空気
)、を液中に通気することにより行う。
本発明において使用する水可溶性ケイ酸塩としては、ナ
トリウム、カリウムのケイ酸塩がある。
本発明における水可溶性ケイ酸塩は、生成する紡錘型を
呈したゲータイト粒子の軸比(長軸・短軸)に関与する
ものであり、従って、紡錘型を呈したゲータイト粒子の
生成反応が開始される前に存在させておくことが必要で
あり、第一鉄塩水溶液、炭酸アルカリ及び酸素含有ガス
を通気して酸化反応を行わせる前のFeCO3を含む水
溶液のいずれかに添加することができる。
本発明における水可溶性ケイ酸塩の添加量は、Feに対
しSi換算で0.1〜10原子%である。
0.1原子%以下の場合には、本発明の目的とする紡錘
型を呈した鉄を主成分とする金属磁性粒子の軸比(長軸
;短軸)を小さくするという効果を十分達成することが
できない。
lO原子%以上の場合にも、軸比(長軸:短軸)の小さ
い紡錘型を呈した鉄を主成分とする金属磁性粒子を得る
ことができるが、10原子%程度で軸比(長軸:短軸)
を小さくするという効果はほぼ飽和に達し、必要以上に
添加する意味がない。
紡錘型を呈した鉄を主成分とする金属磁性粒子の軸比(
長軸:短軸)を考慮した場合、0.3〜8原子%が好ま
しい。
添加した水可溶性ケイ酸塩は、はJf全装が生成ゲータ
イト粒子粉末中に含有され、後出の表1に示されるとお
り、得られたゲータイト粒子粉末は添加量とほぼ同量の
Feに対し5i111j算テ0.1Q 〜8.01原子
%を含有している。
本発明のSi化合物による被覆処理にあたり、添加する
水可溶性ケイ酸塩の量は、前述した通り、Feに対しs
t換算で0.2〜8.0原子%である。但し、紡錘型を
呈したゲータイト粒子の生成反応において添加される水
可溶性ケイ酸塩とSi化合物の被覆にあたり添加する水
可溶性ケイ酸塩の添加量との総和がPaに対しSi換算
で13原子%以下であることが好ましい。
13原子%以上の場合には、生成する紡錘型を呈したゲ
ータイト粒子からなる粉末を加熱還元することにより得
られる鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末の飽和磁化が
低下する為好ましくない。
本発明におけるP化合物とSi化合物で被覆されたSi
を含有する紡錘型を呈したゲータイト粒子若しくはこれ
を加熱脱水して得られたSiを含有する紡錘型を呈した
ヘマタイト粒子を還元する場合の還元温度は350℃〜
600℃が好ましい。
350℃以下の場合には、還元反応の進行が遅く、長時
間を要する。また、600℃以上である場合には、還元
反応が急激に進行して粒子形態の変形と、粒子および粒
子相互間の焼結を引き起こしてしまう。
本発明におけるP化合物と51化合物で被覆された実質
的に高密度なSiを含有する紡錘型を呈したヘマタイト
粒子を還元する場合の還元温度は350°C〜600°
Cが好ましい。その理由は、Siを含有する紡錘型を呈
したゲータイト粒子を加熱還元する場合と同様である。
〔実施例〕
次に、実施例並びに比較例により本発明を説明する。
尚、前出の実験例及び以下の実施例並びに比較例におけ
る粒子の軸比(長軸/短軸)、長軸は、いずれも10万
倍以上に拡大した2視野以上の電子顕微鏡写真から10
0個以上の粒子について測定した数値の平均値で示した
ものであり、かさ回度はJIS K 5101 r顔料
試験方法」に従って測定した。
粒子中のSi量、P量、Co、 Zn及びNilは、「
螢光X線分析装置3063 M型」 (理学T1機工業
製)を使用し、JIS K 0119の[けい光X線分
析通則」に従って、けい光X線分析を行うことにより測
定した。
鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末の磁気特性は、V、
S、M、で外部磁tJ%10 KOeの下で測定した値
であり、磁気テープの緒特性は外部磁場2にOeの下で
測定した結果である。
塗布膜の表面光沢は、日本重色工業−社製の入射角60
@のグロスメーターで測定した値であり、標準板光沢を
89.0%とした時の値を%表示で示したものである。
〈紡錘型を呈したゲータイト粒子の製造〉実施例1−1
0、比較例1; 実施例I Fe” 1.0 mol/ 1を含む硫酸第一鉄水溶液
301を、あらかじめ、反応器中にtjl−671され
たFeに対し5ilA算で0.20原子%を含むように
ケイ酸ソーダ(3号)(Si0□28.55wt%)1
2.7gを添加して得られた3、53 molのNaC
0,水溶液201に加え、pH9,9、温度50℃にお
いてSiを含有するFeC01の生成を行った。
上記Siを含有するFeCO5を含む水?8tLに温度
50℃において、毎分1301の空気を6.5時間通気
してSiを含有するゲータイト粒子を生成した。
酸化反応終点は、反応液の一部を抜き取り、塩flI酸
性に調節した後、赤血塩溶液を用いてFe”の青色呈色
反応の有無で判定した。
生成粒子は、常法により、濾別、水洗、乾燥、粉砕した
このSiを含有するゲータイト粒子粉末は、電子顕微鏡
観察の結果、平均値で長軸0.38μ鋼、軸比(長軸/
短軸)2.5・lの紡錘状を呈した粒子からなり、粒度
が均斉で樹枝状粒子が混在しないものであった。
また、この紡錘型を呈したゲータイト粒子粉末は、螢光
X線分析の結果、Feに対しStを0.19原子%含存
したものであり、そのかさ密度は0.41 g /cc
であった。
実施例2〜1O Fe”°水溶液の種類、炭酸アルカリの種類並びに濃度
、水可溶性ケイ酸塩の種類、添加量並びに添加時期、金
属イオンの種類並びに量及び温度を種々変化させた以外
は実施例Iと同様にして紡錘型を呈したゲータイト粒子
を生成した。
この時の主要製造条件及び生成ゲータイト粒子粉末の特
性を表1に示す。
比較例1 ケイ酸ソーダを添加しない以外は実施例1と同様にして
ゲータイト粒子粉末を生成した。
得られたゲータイト粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果
、平均値で長軸0.55μm、軸比(長軸:短軸)7:
lであり、かさ密度は0.33g/ccであった。
く紡錘型を呈したヘマタイト粒子の製造〉実施例11 実施例1Oで得られたSiを含有する紡錘型を呈したゲ
ータイト粒子粉末1000 gを空気中320℃で加熱
脱水してSiを含有する紡錘型を呈したヘマタイト粒子
粉末を得た。
この粒子は、電子i!Ji微鏡観察の結果、平均値で長
軸0.22μm、軸比(長軸:短軸H,5:1であり、
粒度が均斉で樹枝状粒子が混在しないものであった。
また、螢光X線分析の結果、Feに対しSiを1.00
原子%含有したものであり、そのかさ密度は0.49g
/ccであった。
くP化合物とSi化合物で被覆された紡錘型を呈したゲ
ータイト及びヘマタイト粒子粉末の製造ン実流側12〜
22、比較例2; 実施例12 実施例1で得られたが別、水洗したSiを含有する紡錘
型を呈したゲータイト粒子のペースト2500g (S
iを含有する紡錘型を呈したゲータイト粒子約1000
 gに相当する。)を501の水中にQiさせた。この
時の懸濁液のpH値は8.3であった。
次いで上記懸濁液にヘキサメタリン酸ナトリウム7gを
含む水溶液300 ml  (Siを含有する紡錘型を
呈したゲータイト粒子に対しPとして0.55原子%に
相当する。)を添加して30分間撹拌した。
次いで上記懸濁液にケイ酸ナトリウム(3号水ガラス)
120g  (Siを含有する紡錘型を呈したゲータイ
ト粒子中のFeに対しSiとして5.07原子%に相当
する。)を添加し60分間撹拌した後、懸濁液のpH値
が5.5となるように10%の酢酸を添加した後、プレ
スフィルターによりSiを含有する紡錘型を呈したゲー
タイト粒子をp別、乾燥してP化合物と31化合物で被
覆されたSiを含有する紡錘型を呈したゲータイト粒子
粉末を得た。
得られたP化合物とSi化合蝙で被覆された紡錘型を呈
したゲータイト粒子粉末の緒特性を表2に示す。
実施例!3〜22、比較例2 被処理粒子の種類、リン酸塩添加時のゼFA液のpH、
リン酸塩の添加量、水可溶性ケイ酸塩の添加量、調整後
のpHを種々変化させた以外は、実施例12と同様にし
てP化合物とSi化合物で被覆されたSiを含有する紡
錘型を呈したゲータイト又はヘマタイト粒子粉末を得た
この時の主要製造条件及び特性を表2に示す。
〈P化合物とSi化合物で被覆された実質的に高密度で
ある紡錘型を呈したヘマタイト粒子の製造〉実施例23
〜32、比較例3゜ 実施例23 実施例12で得られたP化合物とSi化合物で被覆され
たSiを含有する紡錘型を呈したゲータイト粒子粉末8
00gを空気中700℃で加熱処理してP化合物とSi
化合物で被覆された実質的に高密度なSiを含有する紡
錘型を呈したヘマタイト粒子粉末を得た。
この粒子は、電子顕微鏡観察の結果、平均値で長軸0.
38μ鍋、軸比(長軸:短軸)2.5:1であり、粒度
が均斉で樹枝状粒子が混在しないものであった。
実施例24〜32、比較例3 被処理ゲータイト粒子の種類、加熱処理温度及び非還元
性雰囲気の種類を種々変化させた以外は、実施例23と
同様にしてP化合物とSi化合物で被覆された実質的に
高密度なSiを含有する紡錘型を呈したヘマタイト粒子
粉末を得た。
この時の主要製造条件及び緒特性を表3に示す。
得られたP化合物とSi化合物で被覆された実質的に高
密度なSiを含有する紡錘型を呈したヘマタイト粒子粉
末は、電子顕微鏡観察の結果、いずれも粒度が均斉であ
り、樹枝状粒子が混在しないものであった。
く紡錘型を呈した鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末の
製造〉実施例33〜43、比較例4;実施例33 実施例23で得られたP化合物とSi化合物で被覆され
たSiを含有する紡錘型を呈したヘマタイト粒子粉末1
20gを31のレトルト還元容器中に投入し、駆動回転
させなからHtガスを毎分351の割合で通気し、還元
温度400℃で還元した。
還元して得られたSi及びPを含有する紡錘型を呈した
鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末は、空気中に取り出
したとき急激な酸化を起こさないように、一旦、トルエ
ン液中に浸漬して、これを蒸発させることにより、粒子
表面に安全な酸化皮膜を施した。
このように得られたSi及びPを含有する紡錘型を呈し
た鉄を主成分とする金属6n性粒子粉末は、螢光X線分
析の結果、Feに対しSiを4.25原子%、Feに対
しPを0.55原子%含有しており、電子顕微tfi観
察の結果、長軸0.38μ鋼、軸比(長軸:短軸)2.
5:1であって、粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在
しないものであった。
また、比表面積42.4m/g、かさ密度0.63 g
 /ccであって、且つ、磁性は、保磁力875Oe、
 il和磁化152.3 eIIu/ gであった@実
施例34〜43、比較例4 出発原料の種類及び還元温度を種々変化させた以外は実
施例33と同様にして紡錘型を呈した鉄を主成分とする
金属磁性粒子粉末を得た。
この時の主要製造条件及び緒特性を表4に示す。
実施例34〜43で得られたSi及びPを含有する紡錘
型を呈した鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末は、電子
顕微鏡観察の結果、いずれも、粒度が均斉であり、樹枝
状粒子が混在しないものであった。
実施例34及び実施例36で得られたSi及びPを含有
する紡錘型を呈した鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末
の電子顕微鏡写真(x20,000)をそれぞれ図4及
び図5に示す。
(磁気テープの製造〉実施例44〜54、参考例;実施
例44 実施例33で得られたSi及びPを含有する紡錘型を呈
した鉄を主成分とする金属tn性粒子粉末を用いて、適
量の分散剤、塩ビ酢と共重合体、飄可望性ポリウレタン
樹脂及びトルエン、メチルエチルケトン、メチルイソフ
゛チルケトンからなるl昆合イ容剤を一定の組成に配合
した後、ボールミルで8時間混合分散して磁気塗料とし
た。
得られた磁気塗料に上記混合溶剤を加え適性な塗料粘度
になるように調整し、ポリエステル樹脂フィルム上に通
常の方法で塗布乾燥させて、磁気テープを製造した。
゛  この磁気テープの保磁力Heは、820Oe、残
留磁束密度Brは、3290 Gauss、角型Br/
amは0.69、配向度1.40、表面光沢度82%で
あった。
実施例44〜54 紡錘型を呈した鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末の種
類を種々変化した以外は実施例44と全く同様にして磁
気テープを製造した。
この磁気テープの緒特性を表5に示す。
参考例 実施例1で得られたSi含有する紡錘型を呈したゲータ
イト粒子粉末170 gを31のレトルト還元容器中に
投入し、駆動回転させながら+12ガスを毎分351の
割合で通気し、還元温度350℃で還元し得られたSi
含有する紡錘型を呈した鉄を主成分とする金属磁性粒子
粉末は螢光X線分析の結果、Feに対しSiを0.19
5原子%含有しており、電子顕微鏡観察の結果、長軸0
.34μm、軸比2.5:lであった。
また、比表面積29.0m/g、かさ密度0.62 g
 /CCであって、且つ、磁性は、保磁力845Oe、
 飽和磁化151.Oemu/ gであった。
上記Si含有する紡錘型を呈した鉄を主成分とする金属
磁性粒子粉末を用いて実施例44と同様にして磁気テー
プを製造した。
得られた磁気テープの特性は、保磁カフ80Oe。
残留磁束密度2640 Gauss、角型0.645、
配向度1.19、及び光沢度20%であった。
〔効 果〕
本発明に係る紡錘型を呈した鉄を主成分とする金属磁性
粒子粉末は、前出実施例に示した通り、粒度が均斉であ
り、樹枝状粒子が混在しておらず、粒子のからみ合い等
がなく、その結果、かさ密度が大きいものであり、且つ
、保磁力500〜1000Oeを存し、しかも優れた分
散性を有するものであるため、現在、最も要求されてい
る高記録密度用の磁性粒子粉末として好適である。
また、本発明により得られるSi及びPを含有する紡錘
型を呈した鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末は軸比(
長軸:短軸)が小さく3:l以下、殊に2=1以下であ
るから短波長記録用の磁性粒子粉末として好適である。
軸比(長軸;短軸)の小さい磁性粒子が短波長記録用の
磁性粒子粉末として好適であることは、例えば、特開昭
57−.183626号の「本発明は、・・・上記先行
技術で用いられている長径0.4〜2μあるいは0.3
〜1μで縦/横比(軸比)5〜20の通常の針状粒子に
代えて、粒子サイズを0.3μ以下と小さく、・・・そ
の縦/横比を1を超え3以下という短い形状とすること
により、粒子の大きさに起因する磁化の不連続によるノ
イズレヘルを下げると共に、縦/横比を小さくすること
により・・・粒子が面内に横たわって配向しようという
性向を抑え、かつ必要なら積極的に面に垂直に配向と易
い性向をもたせて面に垂直な残留磁化を大きく取れるよ
うにしたことを特徴とするものである。」なる記載及び
「このようにして得られた磁気記録媒体は実施例にも述
べるように、記録波長の短い範囲、例えばlμで出力が
高く、しかもノイズが低いので、その結果、S/N比の
すぐれたものを得ることができる。」なる記載から明ら
かである。
更に、磁性塗料の製造に際して、本発明により得られる
Si及びPを含有する紡錘型を呈した鉄を主成分とする
金属磁性粒子粉末を用いた場合には、ビークル中への分
散が良好であり、充填性が極めて優れ、好ましい磁気記
録体を得ることができる。
また、本発明によれば、鉄を主成分とする金属磁性粒子
粉末のビークル中への分散が良好である結果、得られた
塗布幌表面の光沢度が著しく向上するという効果も得ら
れる。
上述した本発明の効果は、従来から鉄を主成分とする金
属磁性粒子粉末の各種特性の向上の為に、出発原料ゲー
タイト粒子の生成に際し添加されるCo5Mg5Al、
Crz ZnSNi、 T’s Mn、5nSPb等の
Fe以外の異種金属を添加する場合にも有効に働くもの
である。
【図面の簡単な説明】
図1は、水可溶性ケイ酸塩の添加量とSiを含有する紡
錘型を呈したゲータイト粒子粉末の軸比との関係図であ
る。 図2は、水可溶性ケイ酸塩の添加量とStを含有する紡
錘型を呈したゲータイト粒子粉末のカサ密度との関係を
示したものである。 図3は、水可溶性ケイ酸塩の添加量とSiを含有する紡
錘型を呈した鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末の軸比
との関係図である。 図4及び図5は、いずれも紡錘型を呈した鉄を主成分と
する金属磁性粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真
(X20,000)であり、図4及び図5は、それぞれ
実施例34、及び実施例36で得られたSi及びPを含
有する紡錘型を呈した鉄を主成分とする金属磁性粒子粉
末である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)軸比(長軸:短軸)が3:1以下であって、Si
    をFeに対し0.3〜13原子%及びPをFeに対し0
    .1〜2.5原子%含有しており、且つ、保磁力500
    〜1000Oeを有することを特徴とする紡錘型を呈し
    た鉄を主成分とする金属磁性粒子からなる鉄を主成分と
    する金属磁性粒子粉末。
  2. (2)軸比(長軸:短軸)が2:1以下であって、Si
    をFeに対し0.5〜11原子%及びPをFeに対し0
    .1〜2.5原子%含有しており、且つ、保磁力500
    〜850Oeを有する特許請求の範囲第1項記載の紡錘
    型を呈した鉄を主成分とする金属磁性粒子からなる鉄を
    生成分とする金属磁性粒子粉末。
  3. (3)第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリとを反応させて得
    られたFeCO_3を含む水溶液に酸素含有ガスを通気
    して酸化することにより紡錘型を呈したゲータイト粒子
    を生成させるにあたり、前記第一鉄塩水溶液、前記炭酸
    アルカリ及び酸素含有ガスを通気して酸化反応を行う前
    の前記FeCO_3を含む水溶液のいずれかに水可溶性
    ケイ酸塩をFeに対しSi換算で0.1〜10原子%添
    加しておくことにより、Siを含有する紡錘型を呈した
    ゲータイト粒子を生成させ、該Siを含有する紡錘型を
    呈したゲータイト粒子若しくはこれを加熱脱水して得ら
    れたSiを含有する紡錘型を呈したヘマタイト粒子を水
    中に懸濁させ、該懸濁液にpH値8以上の状態でFeに
    対しP換算で0.1〜2.5原子%のリン酸塩を添加し
    、次いで、Feに対しSi換算で0.2〜8.0原子%
    の水可溶性ケイ酸塩を添加(但し、前記ゲータイト生成
    反応にあたり添加する水可溶性ケイ酸塩の添加量とSi
    化合物の被覆にあたり添加する水可溶性ケイ酸塩との添
    加量の総和が13原子%以下)した後、懸濁液のpH値
    を3〜7に調整することにより、P化合物とSi化合物
    で被覆されたSiを含有する紡錘型を呈したゲータイト
    粒子若しくはヘマタイト粒子とし、該P化合物とSi化
    合物で被覆されたSiを含有する紡錘型を呈したゲータ
    イト粒子若しくはヘマタイト粒子を還元性ガス中で加熱
    還元することを特徴とする紡錘型を呈した鉄を主成分と
    する金属磁性粒子からなる鉄を主成分とする金属磁性粒
    子粉末の製造法。
  4. (4)紡錘型を呈したゲータイト粒子の生成にあたり添
    加する水可溶性ケイ酸塩の量が、0.3〜8原子%であ
    る特許請求の範囲第3項記載の紡錘型を呈した鉄を主成
    分とする金属磁性粒子からなる鉄を主成分とする金属磁
    性粒子粉末の製造法。
  5. (5)第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリとを反応させて得
    られたFeCO_3を含む水溶液に酸素含有ガスを通気
    して酸化することにより紡錘型を呈したゲータイト粒子
    を生成させるにあたり、前記第一鉄塩水溶液、前記炭酸
    アルカリ及び酸素含有ガスを通気して酸化反応を行う前
    の前記FeCO_3を含む水溶液のいずれかに水可溶性
    ケイ酸塩をFeに対しSi換算で0.1〜10原子%添
    加しておくことにより、Siを含有する紡錘型を呈した
    ゲータイト粒子を生成させ、該Siを含有する紡錘型を
    呈したゲータイト粒子を水中に懸濁させ、該懸濁液にp
    H値8以上の状態でFeに対しP換算で0.1〜2.5
    原子%のリン酸塩を添加し、次いで、Feに対しSi換
    算で0.2〜8.0原子%の水可溶性ケイ酸塩を添加(
    但し、前記ゲータイト生成反応にあたり添加する水可溶
    性ケイ酸塩の添加量とSi化合物の被覆にあたり添加す
    る水可溶性ケイ酸塩との添加量の総和が13原子%以下
    )した後、懸濁液のpH値を3〜7に調整することによ
    り、P化合物とSi化合物で被覆されたSiを含有する
    紡錘型を呈したゲータイト粒子とし、該P化合物とSi
    化合物で被覆されたSiを含有する紡錘型を呈したゲー
    タイト粒子を非還元性雰囲気中500℃〜900℃で加
    熱処理することにより得られた実質的に高密度なP化合
    物とSi化合物で被覆されたSiを含有する紡錘型を呈
    したヘマタイト粒子を還元性ガス中で加熱還元すること
    を特徴とする紡錘型を呈した鉄を主成分とする金属磁性
    粒子からなる鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末の製造
    法。
  6. (6)紡錘型を呈したゲータイト粒子の生成にあたり添
    加する水可溶性ケイ酸塩の量が、0.3〜8原子%であ
    る特許請求の範囲第5項記載の紡錘型を呈した鉄を主成
    分とする金属磁性粒子からなる鉄を主成分とする金属磁
    性粒子粉末の製造法。
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