JPS6112107B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は関連する内燃機関に計量された個々の
液体燃料チヤージを供給するために使用される燃
料噴射ポンプに係り、更に詳細には圧縮点火型エ
ンジンのためのロータリデイストリビユータ型ポ
ンプに係る。

本発明に関する型の燃料ポンプは、関連するエ
ンジンの幾つかのシリンダにその運転と時間的に
関連して計量された液体燃料のチヤージを連続し
て供給するものである。かかるエンジンが長時間
の休止の後に始動すべくクランクされるときに
は、燃焼室内の圧力及び温度が低いので、エンジ
ンが比較的低温であることと共にクランク回転速
度が小さいことによつて、燃焼プロセスは亜影響
を及ぼされる。従つてエンジンが始動して正常な
運転速度に達するまで燃料供給量は正常運転時よ
りも多いのが望ましい。更に始動速度に於て燃料
噴射ポンプによつて供給される燃料は、特にエン
ジンが暖機状態にあり且燃料の粘性が小さいとき
には、漏洩のために正常な運転速度に於るよりも
かなり小さなものである。燃料供給が非常に小さ
く、始動が困難或いは不可能な場合もある。この
ことは噴射される燃料量が小さい小型エンジンに
ついては特に問題である。更にシリンダ内に噴射
される霧化された燃料に於て小径の油滴が主要部
をなすようになる時に、燃焼の開始は改善され
る。従つて本発明の一つの目的は、関連するエン
ジンの始動特性を改善する内燃機関のための改良
された燃料ポンプを提供することである。

本発明の他の一つの目的は圧縮点火型エンジン
のための改良された燃料ポンプを提供することで
あり、この改良された燃料ポンプは始動速度に於
てはシリンダに噴射される燃料の量を増大し且あ
る予め定められた速度レベルまでの最初の加速中
には増大された燃料噴射を自動的に持続するもの
である。又予め定められた速度レベルに於て増大
された量の燃料を供給するのを自動的に停止し、
且エンジンが実質的に停止するまでかかる増大さ
れた量の燃料を供給するというポンプの機能を阻
止する装置を提供することも本発明の目的に含ま
れている。

本発明の更に他の一つの目的は、始動時にはポ
ンプによる燃料の噴射率を増大し、これにより噴
射圧力を増大し且エンジンに噴射される霧化され
たスプレー状の燃料に於て油滴の主要部を小径の
ものとする燃料噴射ポンプを提供することであ
る。

本発明のその他の目的は、以下に添付の図を参
照しつつ行われる本発明の実施例についての詳細
な説明より明らかとなるであろう。

以下に添付の図を参照しつつ、本発明をその実
施例について詳細に説明する。

添付の図に於て、本発明を例示する燃料ポンプ
が、実質的には内燃機関の幾つかのシリンダの燃
料噴射ノズルに計量された燃料チヤージ或はパル
スを供給するよう構成された型のポンプとして示
されている。ポンプハウジング１２がポンプを取
巻いており、又ボア１４を与えており、ロータ２
０が回転し得るように軸受けされる円筒状ボア１
８を与えるべく、ボア１４の中に液圧ヘツド１６
が固定されている。スタツド軸２２はロータ２０
を回転すべくロータ２０を作動的に関連するエン
ジンに接続している。

低圧の容積型移送ポンプ２４がポンプ入口装置
２６によりリザーバ（図示せず）からの燃料を受
ける。このポンプ入口装置２６は圧力調整器２３
と共に、ほぼエンジン速度に関連する吐出圧力を
与えるものである。ポンプ２４の出力はポンプ入
口通路２８を経て可変計量弁３０に供給される。
この可変計量弁３０は該計量弁を速度に応じて設
定制御する遠心錘３２を有する遠心調速機による
如く周知の要領により、ポンプによる燃料供給を
制御するものである。特定の調速機の配置は本発
明の一部をなしてはおらず、一つの好適な調速機
配置は米国特許第3704963号の第１図に示されて
いる。

ロータ２０により与えられる高圧ポンプは、該
ロータ内の横方向のボア３６内に往復動可能に装
着された一対の対向プランジヤ３４により形成さ
れたポンプ室４０を含むものとして示されてい
る。

内側に突出しているカムローブを有する環状カ
ム４６がプランジヤ３４を取巻いており、従つて
シユー４５内に装着されたローラ４４がカム４６
のカムローブと係合することにより、ロータ２０
の回転がカム４６の輪郭を連続的なポンプストロ
ークに変換するようになつている。燃料をポンプ
ロータ２０に装入すべく、計量弁３０からの計量
された燃料が導管４２を経て第一のポンプ室４０
に入れられる。又ロータ２０が回転し続けると、
ローラ４４が環状カム４６のカムローブと係合す
るためにポンププランジヤ３４が内側に移動する
ことにより、ポンプ室４０内の燃料は高圧に加圧
され、米国特許第3771506号に於て詳細に開示さ
れている如き従来の方法により、ロータの回転に
つれてエンジンの幾つかのシリンダに燃料を供給
すべく、ポンプ出口通路４２を経てロータを取巻
く複数個の角方向に隔置された出口通路に順次供
給される。プランジヤ３４の外方向への最大移動
はシユー４５が板ばね８０の端部と係合すること
により制限されており、その位置は米国特許第
2828697号に於て詳細に開示されている方法によ
り、ねじ８４により調整可能である。

本発明の一つの特徴によれば、エンジンを始動
させるための追加燃料を供給する装置が与えられ
ている。図示の如く、かかる追加燃料を供給する
この装置は、ポンプ室４０ａを有する第二の高圧
ポンプを含んでおり、この第二の高圧ポンプはポ
ンプ室４０を有する高圧ポンプと共働して始動さ
れつつあるエンジンに高圧燃料を供給すべく、選
択的に制御されるものである。

第２図に示された高圧ポンプと同一である第二
の高圧ポンプを第３図に示す。この第二の高圧ポ
ンプは、ポンプ室４０を形成しているボアと平行
であり且これより軸線方向に隔置された横方向の
ボア３８内に各々装着された二つのポンププラン
ジヤ３５の間にポンプ室４０ａを有している。プ
ランジヤ３５のポンプストロークはプランジヤ３
４のポンプストロークと同一の環状カム４６とロ
ーラ４４とシユー４５とにより制御されるものと
して図示されている。ポンプ室４０ａは通常ポン
プ室４０より離隔されているが、通路４８と軸線
方向に摺動可能なピストン５４のリセス５２と通
路５０とによりポンプ室４０に選択的に接続され
ている。第１図に於る如くピストン５４が右側に
位置しているときには、ポンプ室４０と４０ａと
の間の連通接続はリセス５２により与えられ、従
つて燃料がポンプ室４０に供給されるときには燃
料はポンプ室４０ａにも供給され、そこでポンプ
室４０に装入された燃料と同時に加圧され、ポン
プ室４０に於て加圧される燃料チヤージと共にポ
ンプ出口通路４２を経て吐出され、かくしてポン
プストローク当りの燃料吐出量を増大する。

通路４８と５０との間の連通接続の制御は速度
に応じて調整される。図示の如くピストン５４は
ボア５６内に往復動可能に装着されており、又ば
ね５８により第４図に示す如きリセス５２が通路
４８と通路５０との間の連通接続を与える位置へ
バイヤスされている。

エンジンが作動している時に、球６２に対して
連続的に燃料圧を及ぼすべく、分岐通路６０が移
送ポンプ２４の出力側に接続されている。エンジ
ンが停止している時或は始動直後の低速にて運転
している時には、球６２はばね５８のバイヤス力
の下にピストン５４により弁座６４上に支持され
ている。ピストン５４は弁座６４に固定され且つ
ピストン５４内の軸線方向孔６８内に摺動可能に
受けられたピン６６により、定められた角方向位
置に支持されている。又ピン６７が弁座６４をボ
ア５６内に固定している。球６２は弁座６４に形
成された分岐通路６０の一端に通ずる円錐状の窪
みをなす弁ポートを閉じる弁体として作用し、こ
の弁ポートの開口面積であつて分岐通路６０を経
て供給される流体圧が球６２によつて構成された
弁体に作用する面積はピストン５４の室７１に露
呈された端面の面積より十分小さい値である。

エンジンが始動される時には、移送ポンプ２４
からの燃料はポンプ室４０と４０ａに供給され、
次いで加圧されてエンジンシリンダに供給され
る。移送ポンプ２４からの吐出圧力は導管２８及
び６０を経て弁座６４内にある球６２の露呈面に
も及ぼされる。移送ポンプ２４からの吐出圧力は
速度の上昇と共に増大するので、球６２に及ぼさ
れる液圧は、ある予め定められた速度、例えば
1200rpmに於て、ばね５８のバイヤス力に打克
ち、球６２は弁座６４より持上げられる。次いで
移送圧力がピストン５４の全面積に及ぼされる。
圧力が及ぼされる面積が急激に増大するので、ピ
ストン５４は室７６の左端７０にピストン５４が
着座する位置まで移動する。この状態では補助ポ
ンプの作動は停止され、主ポンプのみが作動す
る。従つてピストン５４を含む弁機構は補助ポン
プのためのポンプ入口通路及びポンプ出口通路の
一部を遮断して補助ポンプの作動を停止させる作
用をなす遮断弁として作用し、また球６２を含む
弁機構はピストン５４を含む遮断弁の作動を開始
させるパイロツト弁として作動する。又このピス
トン５４は、一旦上記の如く左へ移動すると、エ
ンジンが停止している時或は実質的には通常のア
イドル速度以下の非常に遅い速度に達する時に起
こる如く、移送圧が非常に小さなレベルに低下す
るまでその位置に維持される。

球６２が脱座するエンジン回転速度及びピスト
ン５４を通じて作用するばね５８のバイヤスによ
り球６２が再着座するエンジン回転速度は、球６
２の相対的な着座面積、及びばね５８のばね力に
より決定される。

始動中には、高圧燃料がピストン５４のリセス
５２より室７１へ漏洩することにより、室７１内
の圧力が上昇し、これによりピストン５４がばね
５８のバイヤスに抗して早めに偏倚し、増大され
た燃料がエンジンに供給されるのが早めに停止せ
しめられる可能性が生じる。かかる可能性をなく
すために、室７１はオリフイス７４及び通路７７
を通つて低圧室７６へ逃がされている。エンジン
が始動された後の正常なエンジン運転中には、室
７１からの燃料の損失は阻止される。何故なら
ば、上述した如く、ピストン５４がばね５８のバ
イヤスに抗して正常なエンジン運転のためのその
左方位置に移動している時には、オリフイス７４
は通路７７と整合していないからである。

第４図で見てピストン５４が左端７０に着座す
べく左方に移動するときには、リセス５２はもは
や通路４８とは整合せず、このときリセス５２は
通路５０と室７６との間に連通接続を与えて室４
０ａをハウジング圧に連通する働きをなす。かく
してピストン５４がその遮断位置へ衝撃的に偏倚
するときポンプ室４０ａ内に存在していた残留燃
料は、ポンプ室４０ａ内に液圧的に閉じ込められ
るのを回避すべく、捨てられる。

かくして本発明は、追加燃料が始動速度に於て
供給され、又それがある予め定められた速度レベ
ルに達するまでの最初の加速の間自動的に継続さ
れ、ここで追加燃料の供給はエンジンが停止する
迄停止され、これによりエンジン始動の安定性を
保障する装置を提供するものであることが理解さ
れよう。更に本発明は、ポンプストロークの期間
を増大することなく、エンジンへの燃料供給量及
び燃料供給率を増大するものであることが明らか
であろう。燃料供給率が増大するので、関連する
噴射ノズルの吐出オリフイスを横切る圧力降下も
始動時に増大され、これによりシリンダに供給さ
れる燃料の霧化を改善して始動の信頼性を改善す
る。

互に交差する横方向のボア内に装着された四つ
の主ポンププランジヤ３４を有し、これらプラン
ジヤが共働すべく構成されて６気筒エンジンに使
用されるべく配列されたポンプに適用された本発
明の他の実施例を第５図に示す。この実施例の作
動は第１図より第４図までの実施例の作動と同一
であり、このポンプは一対或は二対の燃料プラン
ジヤを有する追加のポンプ室を備えていて良い。
かかる配置に於てはプランジヤの外方向への最大
ストロークを制御するために、異つた板ばね調整
が使用されている。

第５図に示す如く、板ばね８０ａがシユー４５
の最大移動即ちプランジヤ３４の最大ポンプスト
ロークを制限するために設けられており、これに
よつてポンプにより供給される最大燃料チヤージ
を制限するようになつている。板ばね８０ａの中
央はロータ２０の盛上つた周縁の当接面８２に当
接バイヤスされており、各板ばねのための一対の
ねじ８４ａは、シユー４５の最大移動を制限すべ
く独立して調整し得るようになつている。かかる
配置については、任意のねじ８４ａが他のねじよ
り独立して調整されてよく、従つて全プランジヤ
のポンプストロークが等しくなるよう、全プラン
ジヤの外方向への最大移動が独立して調整されて
よいことが理解されよう。

以上に於ては本発明をその特定の実施例につい
て詳細に説明してきたが、本発明の範囲内にて種
種の修正並びに省略が可能であることは当業者に
とつて明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の好ましい実施例を組込んだ燃
料ポンプの、一部破断され一部解図的に示された
長手方向の部分断面図である。第２図は第１図の
線―に沿つた一部破断された部分断面図であ
り、本発明を実施する際に使用されて好適である
ロータを示す図である。第３図は第１図の線―
に沿つた第２図と同様の断面図である。第４図
は本発明を解図的に示す部分図である。第５図は
追加の主ポンププランジヤを有する他の実施例を
示す第２図と同様の断面図である。 １２……ポンプハウジング、１４……ボア、１
６……液圧ヘツド、１８……円筒状ボア、２０…
…ロータ、２２……スタツドシヤフト、２４……
移送ポンプ、２６……ポンプ入口、２８……ポン
プ入口通路、３０……可変計量弁、３２……遠心
錘、３４……プランジヤ室、３６……横方向のボ
ア、４０，４０ａ……ポンプ室、４２……ポンプ
出口通路、４４……ローラ、４５……シユー、４
６……環状カム、４８，５０……通路、５２……
リセス、５４……ピストン、５６……ボア、５８
……ばね、６０……分岐通路、６２……球、６４
……弁座、６６，６７……ピン、６８……軸線方
向の孔、７０……左端、７１……室、７４……オ
リフイス、７６……低圧室、７７……通路、８
０，８０ａ……板ばね、８２……当接面、８４，
８４ａ……ねじ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内燃機関のための燃料噴射ポンプにして、ポ
   ンプハウジング１２と、前記ポンプハウジング内
   にて回転可能であり半径方向に延在する第一のボ
   ア３６と第二のボア３８とを有するロータ２０
   と、前記第一のボア内に往復動可能に装着された
   該第一のボア内に第一のポンプ室４０を郭定し前
   記ロータの半径方向外向きに移動して前記第一の
   ポンプ室の容積を増大させる吸入行程を行い前記
   ロータの半径方向内向きに移動して前記第一のポ
   ンプ室の容積を減少させる吐出行程を行う第一の
   プランジヤ３４と、前記第二のボア内に往復動可
   能に装着された該第二のボア内に第二のポンプ室
   ４０ａを郭定し前記ロータ室の容積を増大させる
   吸入行程を行い前記ロータの半径方向内向きに移
   動して前記第二のポンプ室の容積を減少させる吐
   出行程を行う第二のプランジヤ３５と、前記ロー
   タを囲み前記第一及び第二のプランジヤに係合し
   て前記ロータの回転に伴つて前記第一及び第二の
   プランジヤを往復動させる環状のカム４６と、前
   記第一のポンプ室４０に通じる第一のポンプ入口
   通路２８及び第一の出口通路４２と、前記第二の
   ポンプ室４０ａに通じる第二のポンプ入口通路２
   ８，４０，４８，５２，５０と第二のポンプ出口
   通路４２，４０，４８，５２，５０と、内燃機関
   の回転速度に応答して作動し該回転速度が所定値
   以上に上昇したとき前記第二のポンプ入口通路及
   び前記第二のポンプ出口通路の一部を遮断する遮
   断弁５４，５６，６２とを有することを特徴とす
   る燃料噴射ポンプ。 ２ 特許請求の範囲第１項の燃料噴射ポンプにし
   て、前記第二のポンプ入口通路及び第二のポンプ
   出口通路はその一部に前記第一のポンプ室４０を
   含んでいることを特徴とする燃料噴射ポンプ。 ３ 特許請求の範囲第１項又は第２項の燃料噴射
   ポンプにして、前記遮断弁は一端に作用する流体
   圧によつて他端に作用するばね力に抗して前記一
   端より前記他端へ向かう方向に駆動されるとき前
   記第二のポンプ入口通路及び前記第二のポンプ出
   口通路の一部を遮断するピストン５４と、前記ピ
   ストンの前記一端に於ける油圧面の面積よりも小
   さい開口面積を有する弁ポートとばね力により付
   勢されて前記弁ポートを閉じる弁体６２とを有す
   るパイロツト弁６２とを含み、前記パイロツト弁
   の前記弁ポートに内燃機関の回転速度の増大に応
   じて増大する流体圧が供給されるようになつてお
   り、前記弁ポートが開かれた時には該弁ポートに
   供給されている流体圧が前記ピストンの前記一端
   の全面に作用するように構成されていることを特
   徴とする燃料噴射ポンプ。 ４ 特許請求の範囲第１項〜第３項の何れかの燃
   料噴射ポンプにして、前記遮断弁はそれが前記第
   二のポンプ入口通路及び前記第二のポンプ出口通
   路の一部を遮断するとき前記第二のポンプ室を外
   部へ解放する室７６を含んでいることを特徴とす
   る燃料噴射ポンプ。 ５ 特許請求の範囲第３項又は第４項の燃料噴射
   ポンプにして、前記遮断弁はそれが前記第二のポ
   ンプ入口通路及び前記第二のポンプ出口通路の一
   部を遮断しない状態にあるとき前記ピストンの一
   端が露呈されている室７１を外部へ解放する通路
   ７４，７７を有していることを特徴とする燃料噴
   射ポンプ。