JPS6259213B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は圧縮点火エンジンのシリンダへ計量さ
れた燃料チヤージを高圧下にて順次供給するため
に使用される型の改良された燃料噴射ポンプに係
り、更に詳細には或る予め定められた速度範囲全
体に亘つてエンジンの負荷や速度の変動に拘りな
く実質的に一定のクランクシヤフト角に於いて燃
料がエンジンの各シリンダ内へ噴射され始めるよ
う燃料噴射ポンプを改良することに係る。

燃料噴射が行われる内燃エンジンの運転に於い
ては、液体燃料の計量されたチヤージがエンジン
の運転サイクルと同期してエンジンの各シリンダ
へ高圧下にて供給される。入口に於いて計量が行
われ且つカムの外形がそのカムにより駆動される
プランジヤのポンプストロークに変換される噴射
ポンプに於いては、ポンプカムが一定に調整され
ていればポンプストロークの終点は一定である。
かかるポンプに於いて性能を最良にし且つ排気ガ
スを制御するためには、エンジン速度が増大した
とき種々の速度に於いて上至点前の同一のエンジ
ンクランク角に於いて燃料噴射が開始するようエ
ンジンの運転サイクルに対しポンプ運動のタイミ
ングを進めるのが望ましい。更にエンジンの運転
中種々の負荷レベルに於いても実質的に同一のエ
ンジンクランク角に於いて燃料噴射が開始するの
が望ましい。

ポンプカムが一定位置に設定されていると、エ
ンジンのクランクシヤフトに連結されてこれと同
期して回転するポンププランジヤはエンジンクラ
ンク角に同期して往復動するが、かかるポンププ
ランジヤにより圧送された燃料が燃料噴射ノズル
より噴射されるタイミングは、一回の噴射当りの
燃料噴射量が多いほど進み側に偏倚しまた逆に少
ないほど遅れ側に偏倚するので、同一のエンジン
クランク角に於て燃料噴射を開始させるために
は、ポンプカムは燃料噴射量（即ち負荷）の増大
又は減少に応じてそれぞれ遅れ側又は進み側へ偏
倚されなければならない。また噴射された燃料は
速やかに燃焼し、その燃焼速度は噴射された燃料
の量の多少には殆ど左右されないが、それでもエ
ンジンが高い速度にて運転されている時には、燃
料噴射のタイミングが幾分進み側に修正されるの
が好ましい場合がある。

従つて本発明の主要な目的は、効率的な運転を
行い且つ排気ガスの制御を行い得るよう必要に応
じてポンプ運動のタイミングを調整しこれにより
変化するエンジン運転条件の下に於いても実質的
に同一のエンジンクランク角に於いて燃料噴射が
開始するようにする燃料噴射ポンプ用タイミング
制御装置を含む上述した如き型式の新規にして改
良された燃料噴射ポンプを提供することである。
かかる目的には、各ポンプに於いてより容易に同
一の結果を再現し得る燃料噴射ポンプ用タイミン
グ制御装置を提供することも含まれている。

本発明の他の一つの目的は、ポンプ運動のため
の機械的に調整可能なタイミング制御装置であつ
て、デザインが単純であり且つ所期の性能を期待
でき且つ負荷や速度の変化に応じて任意の所要量
の且つ所要スケジユールのタイミング変化を与え
ることができるタイミング制御装置を有する燃料
噴射ポンプを提供することである。

本発明の更に他の一つの目的は、エンジンへ供
給される燃料の量に応じてポンプ運動のタイミン
グを制御する機械的な調整可能なサーボ弁を有す
る燃料噴射ポンプを提供することである。かかる
目的には、サーボ弁のための機械的制御がスロツ
トルの運動に干渉してエンジンへ供給される燃料
の量を低減することがないような設計にかかる燃
料噴射ポンプを提供することも含まれている。

本発明の更に他の一つの目的は、燃料の粘性の
変化やポンプ及びエンジンの製造誤差に拘りなく
或る予め定められた負荷範囲全体に亘つて再現可
能なタイミング進角を与えるために、スケジユー
ル制御され負荷に関連した進角信号を発生するこ
とのできる改良された燃料噴射ポンプを提供する
ことである。

他の目的は一部明らかであり一部はこれ以降行
われる本発明の詳細な説明に於いて指摘されるで
あろう。

以下に添付の図を参照しつつ、本発明をその好
ましい実施例について詳細に説明する。

図示の実施例は内燃機関の幾つかの燃料噴射ノ
ズルへ計量された量の燃料チヤージを加圧下にて
順次供給すべく構成された型の燃料ポンプとして
示されている。このポンプは固定手段１６により
固定されたカバー１４を設けられたハウジング１
２を有している。このハウジングにはエンジンに
より駆動される駆動軸２０を有する燃料分配ロー
タ１８が軸受支持されている。

ベーン型の移送ポンプ或は低圧供給ポンプ２２
がロータ１８によつて駆動されるようになつてお
り、これは図には示されていないリザーバからポ
ンプ入口２４を経て燃料を受取るようになつてい
る。このポンプからの吐出燃料は加圧下にて軸線
方向通路２８、環状通路３１、通路３０を通り、
更に計量弁３２を経て導かれる。符号３４にて全
体的に示された移送ポンプ圧力調整弁が前記移送
ポンプ２２の吐出圧力を調整し、過剰の燃料をポ
ンプ入口２４へ戻すようになつている。この調整
弁３４は、高速になるほどエンジンの要求燃料が
増大することに適合するよう、エンジン速度の増
大に伴つて増大する移送ポンプ吐出圧力を与え、
又燃料ポンプの補助機構を作動させるに適した燃
料圧力を与えるよう設計されている。

ロータの直径方向ボア３９内に往復動し得るよ
う装着された一対の対向するプランジヤ３８を含
む高圧チヤージポンプ３６が、ロータ１８が回転
しているとき該ロータの傾斜入口通路４２と順次
連通するよう構成された複数個の角方向に隔置さ
れた半径方向ポート４０（そのうちの一つのみが
図示されている）を経て計量弁３２より計量され
た燃料を受けるようになつている。

燃料チヤージがチヤージポンプ３６により高圧
に加圧され、前記ロータに於ける軸線方向ボア４
６を経て分配通路４８へ供給され、該分配通路は
複数個の角方向に隔置された出口通路５０（その
一つのみが図示されている）と順次整合するよう
になつている。前記出口通路５０は各々ハウジン
グ１２の周囲に隔置された吐出口取付具５１を経
てエンジンの各燃料噴射ノズルへ通じている。軸
線方向ボア４６内に設けられた供給弁５２が、チ
ヤージポンプ３６のポンプストロークの最終段階
に於いて前記各燃料ノズルへ至る燃料を鋭く遮断
し、これによりエンジンの燃焼室内に燃料液滴が
滴り落るのを阻止するようになつている。

チヤージポンプ３６へ至る角方向に隔置された
ポート４０はロータボアの周縁の周りに配置され
て、プランジヤ３８のインテークストローク中ロ
ータ１８の傾斜入口通路４２と順次整合するよう
になつており、又角方向に隔置された出口通路５
０はこれと同様に配置されて、プランジヤ３８の
圧縮ストローク中分配通路４８と順次整合するよ
うになつている。

直径方向に対向した複数対のカムローブを有す
る環状のカムリング５４が、ポンププランジヤ３
８を内方へ向けて駆動してこれらの間に燃料チヤ
ージを周期的に加圧し、これにより周期的に加圧
された燃料チヤージを順次エンジンへ供給するよ
うになつている。ローラシユー５８により担持さ
れた一対のローラ５６がプランジヤ３８と半径方
向に整合してロータにより装着されており、プラ
ンジヤ３８を内方へカム駆動するようになつてい
る。

エンジンの運転に関連して燃料ノズルへの燃料
分配のタイミングをとるために、環状のカムリン
グ５４はコネクタピン５７によりカムリング５７
に接続された適当なタイミング制御ピストン５５
により角方向に調整されるようになつている。

ポンプ軸２０の周りにこれと共に回転し得るよ
う装着された複数個のガバナ錘６２が、ポンプ軸
２０上に摺動可能に装着されたスリーブ６４上に
可変の軸線方向力を与えるようになつている。ス
リーブ６４は枢支されたガバナアーム６６に係合
し、これを支持枢軸６８の周りに第１図で見て時
計廻り方向へ駆動する。

ガバナアーム６６はガバナばね組立体７０によ
り反対方向へ枢動するよう付勢されており、その
軸線方向位置はスロツトルアーム７５に接続され
たスロツトル軸７４により作動されるカム７２に
よつて調節されるようになつている。スロツトル
アーム７５は自動車の運転室内に設けられたフー
トペダルに接続されている。

ガバナアーム６６は計量弁に固定された制御ア
ーム７６を介して計量弁３２の角方向位置（回動
位置）を制御し得るよう接続されており、かかる
接続については本願と同一の出願人に係る特願昭
53―117831号に於いて詳細に説明されている。

周知の如く、一回のポンプストロークに於いて
チヤージポンプにより供給される燃料チヤージの
量は、計量弁３２によつて燃料通路に与えられる
絞りを変えることによつて容易に制御される。

上述の特許出願に於いて説明されている如く、
ガバナはアイドル速度範囲及び最大速度に於いて
エンジン速度を自動的に制御し、中間速度に於け
る燃料の計量はただ単にスロツトルバルブを駆動
するフートペダルを機械的に作動することによつ
てのみ制御される。

第２図に於いて、タイミング制御ピストン５５
はスロツトル軸７４に平行な横方向ボア８０内に
摺動可能に装着されている。ボア８０と連通した
通路８２が移送ポンプ２２からの軸線方向吐出通
路２８と連通しており、この通路に制御された移
送ポンプ吐出圧力を供給するようになつている。

ピストン５５により軸線方向ボア８４が与えら
れており、この中にサーボ弁８６が摺動可能に装
着されている。サーボ弁８６の一端にはサーボ弁
偏倚ばね８７が係合してこのサーボ弁を第２図で
見て右方へ偏倚するようになつている。作動に於
いては制御された移送ポンプ吐出圧力がサーボ弁
８６の一端に設けられた弁室８８内に常に存在し
偏倚ばね８７の偏倚力に対抗する力をサーボ弁８
６に及ぼすようになつている。移送ポンプの吐出
圧力はエンジン速度の関数であるので、サーボ弁
８６の位置はエンジン速度に依存する。

弁室８８内の圧力がエンジン速度の増大と共に
増大するにつれて偏倚ばね８７を圧縮し、これに
よりサーボ弁８６のランド９０が通路９２のポー
ト９１を開きこれにより燃料が弁室８８よりタイ
ミング制御ピストン５５の一端に形成されたピス
トン室９４内へ流入する。ピストン室９４内の燃
料量が増大するとタイミング制御ピストン５５は
ランド９０が通路９２のポート９１を閉じるまで
図にて左方へ移動し、タイミング制御ピストン５
５がその平衡位置を占める時に弁室８８とピスト
ン室９４との間の燃料の流れを遮断し、これによ
りカム５４の角方向位置従つて噴射のタイミング
が固定される。

エンジン速度が低下すると弁室８８内の圧力も
減少しサーボ弁偏倚ばね８７の偏倚力によりサー
ボ弁８６が図にて右方へ移動されて通路９２と環
状通路９６との間に連通が与えられ、ポンプハウ
ジング１２の内部と連通するボア９８を経て燃料
がピストン室９４より排出され、ついにはタイミ
ング制御ピストン５５が再度その平衡位置を占め
るようになる。

第２図に図示されている如く、サーボ弁偏倚ば
ね８７の一端は軸線方向に摺動可能なばね座１０
０に係合しており、その軸線方向位置は枢軸１０
６により枢支されたレバー１０４の調整可能な停
止ねじ１０２により決定される。枢軸１０６はポ
ンプハウジング１２の側部より突出した一対の耳
状部により装着されている。

レバー１０４の他端には軸線方向に延在する円
筒状ボス１１４が設けられており、この上にロー
ラ１１６が軸受されている。

第２図に最も良く図示されている如く、カム１
１８がスロツトル軸７４に調整可能に固定されて
おり、該スロツトル軸７４には環状溝１２０が設
けられてスロツトル軸７４に対するカム１１８の
軸線方向位置を固定すべく固定ねじ１２２の一部
を受けている。

カム１１８には半径方向に突出するフランジ１
２４が設けられており、このフランジ１２４には
一端に平坦部分１２８を有し中間に傾斜部分１３
０を有し他端に平坦部分１３２を有するカム面が
与えられている。

レバー１０４のローラ１１６はカム１１８の前
記カム面と係合してレバー１０４を枢動し、これ
によりスロツトル軸７４の回動位置に応じてサー
ボ弁偏倚ばねのばね座１００を機械的に変位し得
るようになつている。スロツトルアーム７５が低
負荷位置へ回動されると、ローラ１１６は第２図
に於いて実線にて示されている如くカム面の平坦
部分１２８に係合し、これによりばね座１００を
第２図で見て左方へ最大距離だけ変位し、これに
より或る与えられたエンジン速度にとつて最大の
噴射タイミングの進角を与える位置までタイミン
グ制御ピストン５５を移動するようになつてい
る。スロツトルアーム７５が第３図に図示された
位置よりその全負荷位置へ回動されると、ローラ
１１６は第４図に於いて破線にて示されている如
くカム１１８の上向きに傾斜した部分１３０に係
合し、それによりスロツトルアーム１０４をそれ
がばね座１００を右方へ移動する方向へ枢動し、
これによりピストン室９４より或る程度の燃料を
排出して噴射のタイミングを遅らせるようになつ
ている。

スロツトルアーム９５が更にその全負荷位置に
向けて移動されると、カム１１８はそのローラ１
１６がカム１１８の高い方の平坦部分１３２に係
合するよう回動されてばね座１００をその最大量
だけ押圧しこれにより或る与えられたエンジン運
転速度にとつて最大の量だけ噴射のタイミングを
遅らせる方向へタイミング制御ピストン５５を移
動するようになつている。

計量弁３２はアイドル速度範囲以上に於いては
直接スロツトルアーム７５の位置により制御され
るので、スロツトル軸７４の回動変位量はほぼエ
ンジン負荷に比例している。更にカム１１８の傾
斜部分１３０の外形や長さは、負荷レベルの所定
量の変化に対応して負荷範囲の一部や噴射タイミ
ングの変化量を変化すべく変化されてよい。更に
カム１１８の二つの平坦部分１２８と１３２との
間の軸線方向距離を制御することにより、エンジ
ンに課せられる負荷レベルの変化により定まる噴
射タイミングの最大変化量を容易に変化すること
ができる。

噴射タイミングを調整するために、まず移送ポ
ンプの吐出圧力が調整される。次いでスロツトル
アーム７５が或る所定のポンプ速度に於いて計量
弁をその全開位置へ開くよう移動され、ローラ１
１６がカム１１８の全負荷に対応する平坦部分１
３２に係合するようカム１１８の角方向に調整す
ることにより停止ねじ１００が所要の噴射タイミ
ング進角量を与えるよう調整される。かかる調整
が行われ且つロツクナツト１０３が締付けられた
後、ローラ１１６がカム１１８の傾斜部分１３０
に係合する部分負荷条件に合わせて位置決めさ
れ、カム１１８が所要の噴射タイミングが得られ
るまでスロツトル軸に対し角方向に調整される。
固定ねじ１２２がカム１１８をスロツトル軸７４
に固定すべく締付けられる。

かくしてポンプ運動のタイミングがスロツトル
軸の位置及びエンジン速度に直接対応づけられ、
又カムはスロツトル軸の位置に対し容易に調整可
能であるので、ある与えられた速度及び負荷条件
の下に於ける噴射タイミングをポンプ毎に容易に
再現可能であり且つポンプ毎の製造誤差に拘わら
ず予め設定することが可能である。更にローラ１
１６はフルスロツトル位置に於いてカム１１８の
平坦部分１３２に係合し、又スロツトル軸７４は
たとえレバー１０４が何らかの理由により枢動不
能であつても計量弁を閉じるよう回動し得るの
で、かかる設計に係るポンプは安全である。

以上に於いては本発明をその特定の実施例につ
いて詳細に説明したが、本発明はかかる実施例に
限定されるものではなく、本発明の範囲内にて種
種の修正並びに省略が可能であることは当業者に
とつて明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による燃料噴射ポンプの一つの
好ましい実施例を一部断面し一部破断して示す解
図的長手方向縦断面図である。第２図は第１図に
図示された燃料噴射ポンプの実施例を一部断面し
一部破断して示す解図的拡大図である。第３図は
第１図及び第２図に図示された実施例の解図的拡
大部分図である。第４図は第２図の線４―４によ
る解図的拡大部分断面図である。 １２…ハウジング、１４…カバー、１６…固定
手段、１８…燃料分配ロータ、２０…駆動軸、２
２…移送ポンプ、２４…ポンプ入口、２８…軸線
方向通路、３１…環状通路、３０…通路、３２…
計量弁、３４…調整弁、３６…高圧チヤージポン
プ、３８…プランジヤ、３９…直径方向ボア、４
０…ポート、４２…入口通路、４６…ボア、４８
…供給通路、５０…出口通路、５１…吐出口取付
具、５２…供給弁、５４…カムリング、５５…タ
イミング制御ピストン、５６…ローラ、５７…コ
ネクタピン、５８…ローラシユー、６２…ガバナ
錘、６４…スリーブ、６６…ガバナアーム、６８
…枢軸、７０…ガバナばね組立体、７２…カム、
７４…スロツトル軸、７５…スロツトルアーム、
７６…制御アーム、８０…ボア、８２…通路、８
４…ボア、８６…サーボ弁、８７…サーボ弁偏倚
ばね、８８…弁室、９０…ランド、９１…ポー
ト、９２…通路、９４…ピストン室、９６…環状
通路、９８…ボア、１００…ばね座、１０２…停
止ねじ、１０４…レバー、１０６…枢軸、１１４
…円筒状ボス、１１６…ローラ、１１８…カム、
１２０…環状溝、１２２…固定ねじ、１２４…フ
ランジ、１２８…平坦部分、１３０…傾斜部分、
１３２…平坦部分。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ポンププランジヤ３８を有する燃料噴射ポン
   プの該ポンププランジヤのポンプストロークのタ
   イミングを可変に制御するためのタイミング制御
   装置にして、ボア８０と、該ボア内に装着された
   タイミング制御ピストン５５と、前記ボアの閉じ
   た一端と連通する通路８２，９２と、前記通路の
   途中を選択的に遮断するサーボ弁８６と、前記サ
   ーボ弁に偏倚力を与えるサーボ弁偏倚ばね８７
   と、前記サーボ弁偏倚ばねの偏倚力に抗して前記
   サーボ弁に作用するエンジンの回転速度に関連し
   た圧力の流体を与える流体圧源２２と、前記サー
   ボ弁偏倚ばねに対する可動のばね座１００と、一
   回のポンプストロークによつて吐出される燃料の
   量を機械的に制御するスロツトル軸７４と、一端
   にて前記ばね座と係合し他端にて前記スロツトル
   軸に連結されたカム１３０と係合し前記スロツト
   ル軸の動きに応じて前記サーボ弁偏倚ばねの偏倚
   力を変えるレバー１０４とを有することを特徴と
   するタイミング制御装置。