JPS6060016B2 - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はシーケンス的な計量された燃料のチヤーージ
を関連する内燃エンジンヘ供給するために従来より使用
されている燃料ポンプに係り、特に圧縮点火型のエンジ
ンのための燃料ポンプに係る。

本発明に含まれる形式の燃料噴射ポンプが自動車に適
用された場合、その燃料噴射ポンプが曝さ。れる温度は
通常の周囲温度よりも実質的に高いレ ベルから実質的
にＯ゜Ｆ（−１８℃）よりも低いレベルにまで変化する
。極端に高い温度も又極端に低い温度もエンジンのプリ
セットアイドル速度に影響を及ぼすことが分つている。
エンジンのアイドル速度はすべての温度条件の下て一様
であるのが望ましい。なぜならば、その自動車がオート
マチツクトランスミツシヨンを有している場合には速度
が高すぎるとその自動車が前進クリープを起こし、又ア
イドル速度が低すぎると特に高速度に問題てしばしば発
生する如くエンジンが急激に減速された場合にそのエン
ジンが失速することがあるからである。従つて本発明の
主要な目的はかかる問題に対する解決策を提供すること
である。 本発明の他の一つの目的は、改良された調速
機を有しこれによりポンプが曝される運転条件に変化に
も拘わらずそのアイドル速度が維持される燃料噴射ポン
プを提供することである。

選択されたアイドル速度を再現することが可能である調
速機を提供することもこの目的に含まれている。 本発
明の更に他の一つの目的は、スロットルペダルの運動が
実質的にキヤブレター型エンジンのそれと同一である燃
料噴射型エンジンのための調速システムを提供すること
である。 本発明の更に他の一つの目的は、フードペダ
ルの位置に拘わりなくエンジンの最大速度が実質的に一
定のレベルに維持される如き調速機を有する改良された
燃料噴射ポンプを提供することである。

又ポンプを製造する際の製造変化や誤差に拘わりなくエ
ンジンの最大速度がポンプ毎に実質的に一定である如き
燃料噴射ポンプを提供することもこの目的に含まれてい
る。他の目的は一部は明らかであソー部はこれ以降行わ
れる本発明の詳細な説明によつて指摘されるであろう。

以下に添付の図を参照しつつ、本発明をその好ましい実
施例について詳細に説明する。

本発明による燃料ポンプが、加圧下にて燃料のシーケン
ス的な計量されたパルス或はチャージを内燃エンジンの
いくつかの燃料噴射ノズルへ供給するよう構成された形
式のエンジンとして図示されている。

このポンプはファスナ１６により固定されたカバー１４
を設けられたハウジング１２を有している。エンジンに
より駆動される駆動軸２０を有する燃料分配ロータ１８
がハウジング内に軸受け支持されている。ベーン型の移
送ポンプ或は低圧供給ポンプ２２がロータ１８により駆
動されて、リザーバ（図示せず）よりポンプ入口２４を
経て燃料を受けるようになつている。

その吐出燃料は加圧下にて軸線方向通路２８、環状通路
３１、通路３０、計量弁３２を経て供給される。符号３
４にて全体的に図示された移送ポンプ圧力調整弁が移送
ポンプ２２の吐出圧力を調整し、過剰の燃料をポンプ入
口２４へ戻すようになつている。調整弁３４は、高速時
に於てエンジンが多量の燃料を必要とするのに適合し且
つ燃料ポンプの補助機構を作動するため−に使用可能な
燃料圧力を与えるべく、エンジン速度に応じて移送ポン
プの吐出圧力を増大するよう設計されている。ロータの
直径方向ボア３９内に往復動し得るよう装着された一対
の対向するプランジャ３８を含．む高圧チャージポンプ
３６が、ロータ１８が回転している時該ロータの傾斜入
口通路４２とシーケンス的に連通するよう構成された複
数個の角方向に隔置された半径方向ボート４０（そのう
ちの一つのみが図示されている）を経て計量弁３２より
，計量された燃料を受けるようになつている。

チャージポンプ３６からの加圧状態の燃料がロータ内の
軸線方向ボア４６を経て複数個の角方向に隔置された出
口通路５０（そのうちの一つのみが図示されている）と
シーケンス的に連通する分配通路４８へ供給される。出
口通路５０はそれぞれハウジング１２の周縁の周りに隔
置された吐出取付口５１を経てエンジンのそれぞれの燃
料噴射ノズルと連通している軸線方向ボア４６内の供給
弁５２が、エンジン燃焼室内に燃料液滴が滴り落ちるの
を阻止すべくノズルへ至る燃料を鋭く遮断するようにな
つている。プランジャ３８のインテークストローク中傾
斜ｌ入口通路４２とシーケンス的に連通するよう入口通
路４０はロータ１８の周縁の周りに角方向に隔置された
状態て配置されており、同様に出口通路５０はプランジ
ャ３８の圧縮ストローク中分配通路４８とシーケンス的
に連通するよう角方向に隔置されて配置されている。

複数対の直径方向に対向するカムローブを有する環状カ
ムリング５４がチャージポンプのプランジャ３８を内方
へ駆動して燃料の各チャージを加圧すべく設けられてい
る。

一対のローラ５６及び”ローラシュー５８がプランジャ
３８を内方へ駆動すべく該プランジャと半径方向に整合
して設けられている。燃料をノズルへ分配するタイミン
グをエンジン運転に合わせるべく、環状カムリング５４
はコネクタ５７により該カムリングに接続された適当な
タイミングピストン５５により角方向に調整可能である
。ポンプ軸２０の周りに隔置された複数個の調速機錘６
２が軸２０上に摺動可能に装着されたスリーブ６４を可
変的に偏倚するようになつている。

スリーブ６４は枢支されたプレート６６に係合してこれ
を枢軸６８の周りに第１図て見て時計回り方向に押圧す
る。調速機プレート６６は調速機ばね組立体７０により
前記方向とは反対の枢動方向に偏倚されており、該組立
体の軸線方向位置はスロットルアーム７５に接続された
軸７４により駆動されるカム７２により調整可能てある
。ス咄ントルアーム７５は自動車の運転室内に設けられ
た制御フートペダルへ接続されている。調速機プレート
６６は、計量弁３２に固定された制御アーム７６を経て
、又該制御アーム７６へ枢動的に接続され且つ通常引張
はね８２（その両端はそれぞれ駆動リンク７８と調速機
プレート６６とに接続されている）により調速機プレー
ト６６と係合状態に維持された駆動リンク７８により、
計量弁３２の角方向位置を制御すべく接続されている。

駆動リンク７８には調速機プレート６６と駆動リンク７
８とを遊びがある状態にて接続すべく調速機プレートの
タブ７９に設けられた溝（図示せず）内に受けられるピ
ン７７が設けられている。電気ソレノイド８４が駆動リ
ンク７８上の耳状体８８に係合するフラツパアーム８６
を有しており、このソレノイドが励磁される楊合以外は
ばね９０の偏倚力の下で計量弁３２を閉状態に維持する
ようになつている。

チャージポンプ３６の一回のポンプストロークにより供
給される燃料のチャージの量は、燃料の通過を制限する
計量弁３２の制限度合を変化することによつて容易に制
御される。

かくして計量弁３２の角方向位置が関連するエンジンの
速度を制御するが、この場合調速機錘の遠心力が第３図
で見て計量弁３２を時計回り方向に偏倚し、これにより
速度が増大しはじめると計量弁を通過する燃料の流れに
対する制限を増大するために使用される。かかるチャー
ジポンプは当技術分野に於て従来より使用されているポ
ンプである。

第２図及び第３図に於て本発明を組込んだポンプの実施
例には、アイドル速度範囲及び最大速度に於てエンジン
速度を自動的に制御し中間速度に於ける燃料の計量がス
ロツトルフートベダルの機械的作動によつてのみ制御さ
れる調速機が設けられている。

第２図及び第３図に最もよく図示されている如く、調速
機ばね組立体７０はポンプハウジング１２の端壁に固定
された軸線方向案内棒９２を含んでいる。

円筒状のブッシュロッド９４には該案内棒９２を摺動可
能に受ける中央ボアが設けられている。二股に分かれた
上端を有する垂直のスロットルブロック９６がブッシュ
咄ンド９４を軸線方向に調整し得るよう該ブッシュロッ
ドにねじ式に係合しており、二股の上端９８，１００は
その間にス罎ントルカム７２を受けている。ブッシュロ
ッド９４に固定された半径方向に突出するピン１０２が
、ブッシュロッド９４の上に摺動可能に装着されたスリ
ーブ１０６の長孔１０４内に受けられている。

圧縮ばね１０８がブッシュロッド９４を囲繞しており、
該ブッシュロッド９４内に形成された周縁方向溝内に嵌
合した割型保持ワッシャ１０９が設けられている。ばね
１０８はスリーブ１０６に偏倚力を及ぼしてピン１０２
を溝１０４の右端部に当接保持するよう圧縮状態に予荷
重がかけられており、これによりエンジン速度が或る予
め定められた最大速度（このとき調速機プレートにより
及ぼされる軸線方向力がばね１０８の予荷重を越える）
に到達するまでスリーブ１０６をブッシュロッド９４と
一体に移動せしめるようになつている。更に例えば４２
００ｒ′Ｐｍの如き予め定められた最大速度に於ては、
ばね１０８が圧縮を開始すると調速機錘６２の質量中心
の半径が増大し、調速機プレート６６により調速機ばね
組立体７０に及ぼされる軸線方向力をばね１０８のばね
力の増大よりも速い割合にて増大し、これによりばね１
０８が収縮して計量弁を急激に閉ざし、スロットルの設
定に拘わらず予め定められた最大レベルにその速度を制
限するようになつている。最大速度ばね１０８は予め設
定された速度以下の速度に於ては圧縮されず、従つて調
速機スリーブ１０６は予め定められた速度に到達するま
でブッシュロッド９４に対し完全に延ばされた（図に於
て左方へ偏倚された）状態に維持されるようになつてい
ることが理解されよう。

スリーブ１０６はその端部に円筒状の軸線方向突起１２
４が設けられており、アイドルばね１１０がその上に装
着されている。

このアイドルばね１１０は中間の巻回１１０ｂよりも稠
密に隔置された端部巻回１１０ａを有する二重ばねの比
のばねである。かかる構成のために調速機プレート６６
によりアイドルばね１１０上に及ぼされる圧縮力は最初
のうちは比較的小さなばね力により抵抗され、次いで例
えば８００ｒ′Ｐｍの如き速度に於て稠密に隔置された
巻回１１０ａが互に当接し、ばねの剛性がばね１１０の
有効巻回の数が減少することによつて増大する。従つて
ばね１１０を所要量圧縮するためにはより大きなりが調
速機プレート６６により加えられなければならなくなる
。かくｊしてアイドルばね１１０は８００ｒｐｍ以下の
速度に於てよソー様なアイドル速度調整を行い、スリー
ブ１０６の延長部１２４が調速機プレート６６に係合す
るまで８００ｒ′Ｐｍ以下の速度に於てより敏感なスロ
ツトルフートペダル感覚を与える。従つて自動車加速中
のペダルの踏込み量が少くてもエンジンの応答性が良好
であるよう構成することによりペダル惑覚が改善される
。更にアイドルばねのみが収縮されはね組立体７０の他
の構成要素が動かないよう、アイドルばね１１０を調速
機プレート６６と調速機ばね組立体７０の端部との間に
配置することにより、従来技術に於ける如き摩擦や慣性
が除去される。スリーブ１０６の円筒状延長部１２４に
対しばね１１０が回転するのを阻止するようその巻回１
１０ｃが該延長部１２４に係合しているのが好ましい。

かかる構成によれば、調速機プレート６６に係合するア
イドルばね１１０の端部が四辺形ではないが為にアイド
ル速度がその調整されたレベルより変化するようなこと
はなくなる。アイドル速度はブッシュロッド９４上のス
ロットルブロック９６をねじ調整して計量弁３２のアイ
ドル速度平衡位置を固定することにより例えば５５０〜
６００ｒ′Ｐｍに調整することが可能であることが理解
されよう。

又予荷重をかけられた最大速度ばね１０８により、プリ
セット最大速度は製造変化や誤差に拘りなく狭い速度範
囲内に設定することができることが理解されよう。

更にスロットルブロック９６の上端を二股に形成するこ
とにより、調速機ばね組立体７０は該はね組立体の摺動
部材が拘束されていても、ス山ントル軸７４がアイドル
位置に戻されるとき確実にエンジンアイドル位置へ移動
される。本発明の一つの重要な特徴は、ポンプを取巻く
周囲温度が如何あれ実質的に終始一貫したアイドル速度
を維持する手段が設けられていることである。

第４ａ図、第４ｂ図、及び第４ｃ図に最もよく図示され
ている如く、調速機プレート６６は一対の片持ち支持さ
れたストリップ部材を介して調速機ばね組立体７０へ接
続されており、前記ストリップ部材はその一端に於てリ
ベット１１６により調速機プレート６６に固定されてい
る。ストリップ部材１１２は通常温度に於て調速機プレ
ート６６に平行に位置するバイメタルストリップであ−
る。ストリップ部材１１４がバイメタルストリップ１１
２がその平行な位置より曲するのに抵抗するのみならず
アイドルばね１１０のための係合面を与える板ばねであ
る。もしポンプ内の温度が例えば１３０゜Ｆ（５４℃）
の如き高い温度になると、バイメタルストリップ１１２
は第４ｂ図に図示されている如く調速機プレート６６よ
り湾曲して離れ、アイドルばね１１０により調速機プレ
ート６６に加えられる偏倚力を増大して計量弁の開度を
増大し、これによりエンジンのプリセットアイドル速度
に於けるポンプの燃料供給の低下を補償するようになつ
ている。もしポンプ温度が実質的に通常の温度範囲以下
”に低下すると、バイメタルストリップ１１２が第４ｃ
図に図示されている如く反対方向に湾曲し、板ばね１１
４の自由端をバイメタルストリップ１１２の自由端より
離し、再度アイドルばねに加えられる偏倚力が増大して
低温時（この場合通常の運転条件下に於るよりもその燃
焼が不安定である）に於てエンジンのアイドル速度を維
持或は増大する。

かくして本発明の温度補償手段によれば、ポンプの高温
時及び低温時に於てエンジンのアイドル速度を維持する
ことにより通常の温度条件下に於ても低いアイドル速度
に設定することができることが理解されよう。バイメタ
ルストリップ１１２のばね力はエンジンの最大速度に影
響を及ぼさないようばね１０８の予荷重よりも小さく設
定されている。本発明の他の一つの特徴は、ショット間
の一様性を効果的に維持し且つア・イドル速度に於ける
燃料供給の再現性を効果的に維持する手段が設けられて
いることである。

第３図に図示されている如く、計量弁制御アーム７６に
はワイヤ型の片持ばね１１８が装着されており、その自
由端は好ましくは計量弁３２の回転軸線上にて案内棒９
２の円筒状上面に係合している。燃料噴射ポンプが従来
より、ポンプに入る燃料内に捕捉された空気を除去し又
ポンプ内のハウジング圧力を例えば８〜１２１ｂ／１ｎ
２（イ）．５６〜０．８４ｋｇ／ｃ！ｔ）に維持するブ
リード弁１２０が設けられている。

高速及び低負荷条件下に於て計量弁３２がほとんど完全
に閉じられると、チャージポンプへ至る燃料の流れに大
きな抵抗が与えられ、通路４０内の圧力が計量弁の上に
ある調速機室内の圧力よりも小さくなることがある。

かかる状況に於てはボート４０と通路４２とが交互に連
通したり連通を遮断されたりすることにより計量弁３２
が軸線方向に変位される。かかる変位はそれぞれのポン
プストローク毎にチャージポンプ３６へ供給される燃料
の量を増減し、関連するエンジンのいくつかのシリンダ
入供給される燃料の量をショット毎に変化させる。かか
る好ましからざる事態を克服するために片持ばね１１８
が通路４０内の計量弁の下流側圧力により発生される上
向きの力を増大するばね力を与え、このばね力は常に計
量弁よりも上のハウジング圧力による下向きの力を超過
しこれによりかかる脈動を阻止するようになつている。
片持装着されたばね１１８は棒状であり、計量弁３２の
回転軸線上に於てほぼ点接触にて案内棒９２の円筒上面
に係合し、非常に小さなねじり負荷を与えて計量弁を回
転しようとする力に抵抗する。かかる負荷も一様である
ので、エンジンのアイドル速度は全ての運転条件下に於
て再現可能てある。以上に於ては本発明をその特定の実
施例について詳細に説明したが、本発明はかかる実施例
に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて種々の
修正並びに省略が可能てあることは当業者にとつて明ら
かであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一つの好ましい実施例を示す燃料噴射
ポンプの一部断面し一部破断して示す側面図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内燃エンジンのための燃料噴射ポンプに於て、前記
   ポンプによりエンジンへ供給される燃料を可変的に計量
   すべく開弁及び閉弁方向に調整可能な計量弁と、エンジ
   ン速度の増大に応じて力を増大し前記計量弁をその閉弁
   方向へ偏倚することにより前記計量弁を調整するよう構
   成されており且つ前記計量弁をその開弁方向へ偏倚すべ
   く偏倚力を与えるアイドル速度制御ばねを含むエンジン
   速度感応調速機と、前記アイドルばねの偏倚力を設定し
   て前記エンジンのアイドル速度を設定する手段とを含み
   、前記ポンプの温度が上昇或は低下すると前記アイドル
   ばねの偏倚力を増大すべく前記調速機と前記アイドルば
   ねとの間に介在配置されたバイメタル装置を含み、これ
   により広範囲に変化する温度条件の下で前記エンジンの
   アイドル速度を維持するようになつていることを特徴と
   する燃料噴射ポンプ。