JPS6111831Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコインロツカーの初期料金設定機構に
関するものである。

本考案の目的は初期又は初日料金金額に表示を
変えることが出来る初期料金設定機構を提供する
ことにある。

前記目的を達成しうる本考案の実施例を図面と
共に説明すれば、１はコインロツカー錠部のケー
ス、２はそのフロント、３はフロント２のカバー
であつて、ケース１の外部カバー３上には手動料
金設定錠７、コイン投入口８、金額表示窓、使用
状態表示窓１０、シリンダー錠１１及びコイン返
却口１２が設けてある。

一方フロント背後のケース１内には、上下移動
する第１昇降板１３と第２昇降板１４、フロント
と直角方向に移動する横動板１５、回転作動する
一方向に傾斜した鋸歯を有するラチエツト板１６
と金額表示板１７および施錠桿１８を設ける。

また４，５は対面する２枚のコインガイド板で
あり、また前記板５上に座板６を取りつける。両
ガイド板４，５の一側には上下連通するコインの
返却口１９を、他側には収納路２０を設け、該返
却路１９の上部開口端および下部開口端を夫々フ
ロント２のコイン投入口８および返却口１２の直
後に位置せしめる。

一方、収納路２０の上端はガイド板４の内部に
設けた壁４ａを介して返却路１９の上部に開口
し、下端はガイド板５の下方に設けたコイン収納
函（図示せず）に開口せしめる。

金額表示板１７はフロント２を貫通した回転軸
２１の一端に固定され、該軸の他端は円周方向に
一定の間隔で突設した複数のピン２２ａを有する
調整盤２２に固定され、この調整板の回転にとも
ない金額表示板も同時に回転する。

一方第１昇降板１３にはその上下に縦方向の長
孔１３ａおよび１３ｂを穿ち、該長孔１３ａ，１
３ｂをフロント２の背後に突設したガイドピン２
３ａ，２３ｂに摺動自在に嵌合することにより上
下方向への昇降のみ可能な如く構成する。従つて
第１昇降板１３は、後述する通常の施錠状態で
は、孔１３ａの上端がピン２３ａによつて支持さ
れた一番低い位置にある。

この第１昇降板１３の上部のフロント側に、一
定間隔に形成した３個の溝２４ａを有する駆動板
２４を設け、該溝２４ａに前記調整板２２のピン
２２ａを係合させる。

従つて、金額表示板は第１昇降板の上又は下へ
の動きに連動して正逆転する。

２５は第１昇降板１３の駆動片であり、位置設
定板２６に突設したピン２６ａにより回動自在に
設ける。初期料金設定板２６は縦方向に縦孔２６
ｂ，２６ｃを開設し下端をフロント方向に向けて
折曲した突起２６ｄを有し、該突起２６ｄを第１
昇降板１３に一定の間隔をもつて開設した複数の
横孔１３ｃの所望位置にネジ２７ａおよび２７ｂ
により固定することが出来る。

この駆動片２５は相対向する二枚の小片２５ａ
および２５ｂをネジ２５ｃにより固定し、一方の
小片２５ｂの裏面にスライドピン２５ｄを突設
し、該スライドピン２５ｄについては後述するが
施錠桿１８に形成した初期料金戻片３１の傾斜面
３１ａに摺接する如く構成する。この傾斜面３１
ａは施錠桿１８が解錠する側に設けてある。

更に第１昇降板１３の長さ方向中央部付近の側
縁に解錠阻止片１３ｄを突設する。解錠阻止片１
３ｄは所定の日時が経過したとき超過料金を投入
せずに施錠桿１８を解錠するのを防止する。

施錠桿１８には横方向のガイド孔１８ａを穿
ち、該横孔１８ａにフロント２の背面に突設した
ガイドピン２８を摺動自在に嵌合したことにより
施錠桿はフロント２の面と平行に水平方向への移
動のみ可能な如く構成される。

１８ｂは施錠桿１８のヘツドであり、コインロ
ツカーの扉等に設けた受座に進入するものである
が、ヘツド１８ｂに設けた切欠溝１８ｃに、ケー
ス１の表面に突きでるように設けたピン２９にバ
ネを介して取付けた施錠確認ピン３０の突起３０
ａが係合しているときは、施錠桿は作動せず、ロ
ツカーの扉を完全に閉めてピン３０がケースの表
面から引き込み前記突起３０ａが切欠溝１８ｃか
ら外れたときのみ、施錠桿１８のヘツド１８ｂが
進出して施錠できるものである。

施錠桿１８は水平方向の上縁に傾斜面３１ａを
形成し、該部を初期料金戻片３１とし、同じく水
平方向の下縁にはスライド切欠１８ｄおよび第１
昇降板１３の上昇を防止するための切欠１８ｅを
設けると共にピン３２を突設し、該ピン３２には
施錠阻止片３３を回動自在に設けるが、施錠阻止
片３３はその突起３３ａが施錠桿１８に植設した
ピン３４に当接するため下方への回転が制限され
る。

施錠桿１８の水平方向への横移動即ち施錠およ
び解錠作動は、シリンダー錠１１の先端に固定さ
れたカム３５の上端に突設したピン３５ａが前記
スライド切欠１８ｄに嵌入されており、シリンダ
ー錠１１の鍵穴１１ａに鍵（図示せず）を挿入し
て左右に回動させることにより可能である。

一方カム３５はその下端に突設したピン３５ｂ
にバネ３６を巻装したスプリングボルト３７の頭
部３７ａを挿着し、スプリングボルト３７の他端
は座板６に植設した受板３８の開口部３８ａに挿
入することにより、施錠桿１８はバネ３６の強い
弾発力によりケース１の外に完全に突出した施錠
状態になるか或はケース１内に収納された解錠状
態となる。

一方横動板１５には水平方向の横孔１５ａおよ
び１５ｂを開孔し、該横孔１５ａ，１５ｂに座板
６に突設したガイドピン３９ａ，３９ｂを摺動自
在に嵌合することにより、座板６の面と平行に水
平方向の移動のみ可能な如く構成される。

そして横動板１５のフロント側端上方に支持片
４０を形成すると共に下端を座板６に植設した二
つの受板４１ａ，４１ｂの開口部（図示せず）に
摺動自在に設けたピン軸４２の中間拡大部４２ａ
にネジ４３で固定し、該中間拡大部４２ａと受板
４１ａとの間にバネ４４を介在せしめ、バネ４４
の弾発力により横動板１５は常時フロント２に向
けて加圧される如く構成される。

ピン軸４２はシリンダー錠１１に鍵を挿着した
状態では鍵の先端に押圧され、横動板１５はフロ
ント２と反対方向に移動する。

この横動板１５がフロント２に対しより後方に
位置するとき、即ちシリンダー錠１１に鍵が挿着
されており、施錠桿１８が解錠されてケース１内
に収納状態にあるか或は施錠されてケース１外へ
突出しているが使用者が鍵を未だ抜取らないとき
には、横動板１５の前記支持片４０は第１昇降板
１３の前記駆動片２５の小片２５ａをその上に載
置しており、鍵を抜き取つてあるときには、横動
板１５のフロント２方向への移動により支持片４
０は駆動片２５との係合が外れ、駆動片２５は自
重によりピン２６ａを軸心として下方に回動し位
置設定板２６の側縁にスライドピン２５ａがぶつ
かつて第４図に示すように停止するように構成さ
れている。

ラチエツト板１６は座板６に突設した支軸４５
に回転自在に設ける。４６はラチエツト板１６の
回転を制御するストツパーであり、二つの腕４６
ａ，４６ｂ、足４６ｃおよび軸受４７とが一体に
形成され、座板６に突設した支軸４８と軸受４７
とにより、回転自由であるが、足４６ｃの先端に
フロント方向と逆の方向に突出させたコイン接触
ピン４９を対面する２枚のコインガイド板５によ
つて形成されたコイン通路に開設した斜孔５０内
に突出せしめてその回転範囲を制限すると共に支
軸４８に軸支されているストツパー４６の足４６
ｃ略中央に立設したピン５１および座板５６上に
突設したバネ押えピン５２との間にバネ５３を設
けてストツパー４６を常に座板６側に加圧し、且
つコイン接触ピン４９を押し上げて斜孔５０の上
端５０ａに当接する如く構成する。また５４ａお
よび５４ｂは、ストツパー４６の腕４６ａおよび
４６ｂの背面に（第４図において右方向）相対向
して設けた爪であり、ラチエツト板１６の鋸歯背
部１６ａに噛合い、爪５４ａ又は５４ｂの何れか
が噛合つているとき他方は解除されるもので、ラ
チエツト板１６の制御機構を構成している。

従つて、ラチエツト板１６は爪５４ａ又は爪５
４ｂが鋸歯腹部１６ｂに摺接する自由方向すなわ
ち第３図において反時計廻りの回動は自由である
が、その逆回動は制限されるものである。

アーム５５は一端５５ａを第１昇降板１３と連
結し、他端は２本の櫛歯状に形成され、その間の
間隙５５ｂにラチエツト板１６に設けたピン５６
の溝５６ａを摺動自在に嵌合する。

従つて、第１昇降板１３と共に上下動するアー
ムによつてラチエツト板のピン５６がアームの櫛
歯状の間の間隙５５ｂを摺動しながらラチエツト
板を回動させる。

第２昇降板１４には縦方向の長孔１４ａ，１４
ｂおよび１４ｃを穿ち、該長孔１４ａ，１４ｂお
よび１４ｃにケース１に突設したガイドピン５７
ａ，５７ｂおよび５７ｃを摺動自在に嵌合するこ
とにより上下方向への移動のみ可能な如く構成さ
れる。第２昇降板１４にはその上部に手動料金設
定錠７のカム５８に摺接する突起５９および下部
にはモータにより回動するカム６０に摺接する突
起６１を設ける。

第２昇降板１４は、手動料金設定錠７にキーを
入れて回動することにより回転するカム５８か、
又はモータの回動により回転するカム６０の回転
によつて上昇する。

この第２昇降板１４の上昇は作動片６４を介し
てラチエツト板１６を回動させ、ラチエツト板１
６の回動はピン５６を介してアーム５５に伝達さ
れてアーム５５を上昇させると共に、第１昇降板
１３を上昇させついで金額表示板１７を回転させ
るものである。

なおカム６０の回転は横動板１５がフロント方
向に位置しているとき即ち施錠状態でキーが抜か
れているとき、横動板１５の後端に設けた突起６
２とリミツトスイツチ６３の押板６３ａとが離れ
て、押板６３が押釦６を押圧して電路が閉じられ
るので、このときのみモータが回動し、カム６０
を回転させることができる。

作動片６４は、第２昇降板１４に一定の間隔を
もつて穿設した横孔１４ｄの所望位置にネジ６５
ａおよび６５ｂによつて取付けた追加料金設定板
６６にピン６７により回転自在にとりつけられる
と共にその一端６４ａをラチエツト板１６の鋸歯
背部１６ａに噛み合う如く構成する。

次に使用方法について説明する。

金額表示窓９の表示金額が例えば100円のと
き、100円硬貨を１枚コイン投入口８より投入す
る。投入された硬貨は対面する２枚の板で構成さ
れたコインガイド板４，５、コイン通路２０を経
て、コイン接触ピン４９を下向きに押圧する結果
ストツパー４６の一方の爪５４ａとラチエツト板
１６の鋸歯との噛合がはずれ、ラチエツト板１６
が第３図において時計回り方向に回動する。一方
他方の爪５４ｂが噛合う状態となり、ラチエツト
板１６は鋸歯１つ分だけ第３図において時計回り
方向に回動する。而してコイン接触ピン４９を押
圧した硬貨はその間に落下しているから、ストツ
パー４６はバネ５３の弾発力により元の状態に復
帰する。これらの作動は瞬間的に完了する。

このラチエツト板１６の鋸歯１つ分の回動動作
はピン５６を介してアーム５５および第１昇降板
１３に伝達され、この第１昇降板は自重により一
段下る。

その結果、金額表示窓９の表示が０となり、第
１昇降板１３は最下段に位置し、同時に施錠した
ときに係合した第１昇降板１３に解錠阻止片１３
ｄと施錠桿１８との係合がはずれ、シリンダー錠
１１の操作により、施錠桿１８は突出し、施錠お
よび解錠が可能となる。

この際誤つてコインロツカーの扉を完全に閉じ
ずに施錠するのをさけるため施錠確認ピン３０を
設けてある。

施錠後一旦鍵（図示せず）を抜き取ると、横動
板１５はバネ４４の弾発力によりフロント２の方
向へ移動するため、支持片４０に載置された駆動
片２５はピン２６ａを軸として下方に回動し、駆
動片２５のピン２５ｄが施錠桿１８に設けた初期
料金戻片３１の傾斜面３１ａに当接する。

また、施錠しても鍵を抜き取らない状態、即ち
一旦コインロツカーに入れた荷物を取り出した
り、別の荷物を入れるため鍵を抜き取らないでい
る場合には依然として横動板１５がフロント２の
後方に押し付けられている。従つて、駆動片２５
は支持片４０に係止されている。その結果、駆動
片２５のピン２５ｄは初期料金戻片３１の傾斜面
３１ａに当接することがなく、施錠桿１８はキー
操作により自由に出入れすることができ、利用者
が無駄な料金を払うのを防止している。

次に解錠するためにシリンダー錠１１の鍵穴１
１ａに鍵を差し込むとピン軸４２が押圧され横動
板１５はフロント２と反対の方向に移動しその支
持片４０が第１昇降板１３の駆動片２５をその上
に載置し得る状態となる。

而して鍵を回動して施錠桿１８をケース１内に
引き戻すと、駆動片２５のスライドピン２５ｄは
初期料金戻片３１の傾斜面３１ａにより第１昇降
板１３の側縁に押圧され傾斜面３１ａに案内され
て上昇する。すなわち施錠桿１８の解錠操作によ
り、その傾斜面３１ａが駆動片２５に係合して第
１昇降板１３は上昇する。

その結果第１昇降板１３は上昇して第１昇降板
に設けた駆動板２５の溝２５ａと調整板２２のピ
ン２２ａとが係合して金額表示板１７が回転す
る。一方アーム５５を介してラチエツト板１６が
時計と逆向きに回転し、ラチエツト板１６の鋸歯
に爪５４ａが噛合い、第１昇降板１３は下降する
ことなく安定に保持される。

従つて、上記解錠操作において、第１昇降板１
３の横孔１３ｃに取付けられている初期料金設定
板２６をその取付位置を変えることにより施錠桿
１８が解錠方向へ移動した際、施錠桿に設けられ
た初期料金戻片３１の傾斜面と駆動片２５のスラ
イドピン２５ａとの当接位置が変わり、従つて傾
斜面によつて上昇されるスライドピン２５ａの移
動量が変えられ、それに伴い第１昇降板に連動す
る料金表示板の回転角度も変る。

このように、駆動片２５の取付位置を移動する
ことにより、初期料金の金額も自由に変えること
ができる。

また、施錠したままで、即ち所定の日時を超過
したときには、手動料金設定錠７又はモータを回
動し、そのカム５８又はカム６０により第２昇降
板１４を上昇せしめ、作動片６４、ラチエツト板
１６、アーム５５等を介して第１昇降板１３を上
昇せしめる。

そしてカム５８又はカム６０は１回転したのち
元の位置に復帰するが、ラチエツト板１６はスト
ツパー４６の爪５４ａ又は爪５４ｂが係合して回
動した位置のまま停止し戻ることはない。従つ
て、第１昇降板も上昇した位置のまま停止する。
また第２昇降板はカムとの接触がとかれて原位置
に下降する。次いでさらに日時の経過があつて、
カム５８又は６０が回転して第２昇降板を上昇さ
せれば前記したと同様ラチエツト板１６を回動さ
せると共に第１昇降板をさらに所定位置まで押し
上げるものである。

このようにして、超過料金の表示の設定は、そ
の超過日時に応じて手動料金設定錠７又はモータ
のカムにより設定される。

解錠するためには、鍵をシリンダー錠１１の鍵
穴１１ａに挿入して、例えば金額表示窓９に表示
された金額の100円硬貨を投入すれば、前記した
機構により、第１昇降板１３は最下段にまで下降
するから同様に操作すればよい。

また金額表示窓９に金額表示があるときに、即
ち解錠状態にあるか使用中であつて追加料金の表
示があるときには相当する硬貨を投入しなければ
施錠又は解錠することは出来ない。

本考案は上記したようになるから、施錠桿の解
錠時に施錠桿に設けた初期料金戻片の傾斜面に第
１昇降板に設けた駆動片のスライドピンを摺接さ
せて第１昇降板を移動させて初期料金の金額に表
示を変えることができるようにしたので、初期の
使用料金が解錠と同時に表示されるので、表示が
確実におこなわれるという実用的効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るコインロツカーの初期料
金設定機構の一実施例の正面図、第２図は同第１
図の一部切欠き側面図、第３図は同第２図の要部
を取出した側面図、また第４図は同第１図の背面
図である。 １……ケース、２……フロント、３……カバ
ー、１３……第１昇降板、１４……第２昇降板、
１５……横動板、１６……ラチエツト板、１８…
…施錠桿、２５……駆動片、３１……初期料金戻
片、４６……ストツパー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 施錠桿が解錠されたときに所定の初期料金が金
   額表示窓に表示されるようにしたコインロツカー
   の初期料金設定機構において、ケース内の一側に
   上下動自在に設けられた第１昇降板の上端近くに
   取付位置を可変できる初期料金設定板を取付け、
   また前記初期料金設定板の中央部付近の一側には
   駆動片をピンで枢着し、解錠時に駆動片に設けた
   スライドピンが施錠桿に形成された初期料金戻片
   の傾斜面上に案内されて第１昇降板を上昇させる
   と共に、初期料金設定板が金額表示板を回動させ
   て初期料金を表示することを特徴とするコインロ
   ツカーの初期料金設定機構。