JPS6111571Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主として自動車のオートエアコンにお
ける熱水制御弁として使用される流体制御弁に関
するものである。

この種の流体制御弁に於いては、被制御流体の
入口と出口を備えるボデーと、該ボデー内に負圧
作業室と大気圧とを区画形成するダイヤフラムと
該ダイヤフラムを保持するダイヤフラム保持部材
とを備える負圧アクチユエータと、該アクチユエ
ータにより駆動され前記入口と前記出口との間の
連通を制御する弁体とを有するように構成されて
おり、従来お於いては弁体とダイヤフラム保持部
材とが別体に形成されており、ねじ止めやかしめ
等の結合手段により結合されていたため、部品点
数の増加を招き、従つて製造コストを大巾に低下
されることが困難であつた。その上、従来に於い
ては、負圧アクチユエータの復帰スプリングが弁
体を弁座へ押圧する如く作用し、その結果弁体が
弁座から離れなくなる不具合、つまり弁体が弁座
に粘着してしまい作動信頼性を著しく低下させる
という不具合も見られた。

上記従つて本考案は、構成部品点数を減少させ
ると共に、弁体の弁座への粘着を防止すること
を、その技術的課題とする。

上記技術的課題を解決するために講じた技術的
手段は、弁体とダイヤフラム保持部材とを一体形
成し、前記弁体が、ボデーの内周面に摺接し入口
と出口との間を遮断する第１シールリングと、前
記ボデー内に配設された中空固定部材の内周面に
摺接し前記入口と前記大気圧室との間をシールす
る第２シールリングとを有する、ことである。

以下、本考案の流体制御弁を図面に基いて説明
すると、１はバルブボデーで、カツプ状の上端部
１ａとシリンダ状の中間部１ｂとシリンダ状の下
端部１ｃとを有している。下端部１ｃは中径部１
ｂより小径であり、中間部１ｂには被制御流体の
入口１ｄが、また下端部１ｃには被制御流体の出
口１ｅが設けられている。２は弁体兼ダイヤフラ
ム保持部材で、弁体２ａとダイヤフラム保持部材
２ｂとより成る。弁体部２ａの上部はバルブボデ
ー１内に設けられた中空固定部材３を液密的でか
つ摺動可能に貫通し、弁体部２ａの下部はバルブ
ボデー１の下端部１ｃ内に挿入されている。弁体
部２ａの外周にはバルブボデー下端部１ｃの内周
壁に接触することにより入口１ｄと出口１ｅを遮
断するシールリング４が取付けられていると共に
中空固定部材３との間をシールするシールリング
５が取付けられている。６は固定部材３とバルブ
ボデー１間をシールするシールリングである。固
定部材３はそのフランジ３ａをバルブボデー１の
肩部１ｆ止め輪７とで挾着されることにより固定
されている。ダイヤフラム保持部材２ｂは、バル
ブボデー１とカバー８との接合部により外周縁を
気密的に挾着保持されたダイヤフラム９の内周縁
を気密的に保持する。ダイヤフラム保持部材２ｂ
とダイヤフラム９はバルブボデー１とカバー８と
で囲まれた空間を負圧作用室１０と大気圧室１１
とに区画し、その負圧作用室１０内にはダイヤフ
ラム保持部２ｂを下方へ附勢するリターンスプリ
ング１２が設置される。カバー８には信号負圧の
連結口１３が設けてある。

以上の如き構成において、負圧作用室１０に信
号負圧が供給されない場合には、リターンスプリ
ング１２によつて弁体兼ダイヤフラム保持部材２
が図示の位置に位置付けられ、シールリング４が
バルブボデー下端部１ｃの内周壁に接することに
より入口１ｄと出口１ｅとが遮断される。リター
ンスプリング１２の力は部材２が固定部材３の上
端に当接することにより固定部材３で受けられ
る。

信号負圧が負圧作用室１０に供給された場合、
この負圧により弁体兼ダイヤフラム保持部材２が
リターンスプリング１２に抗して上方へ吸引掴動
され、シールリング４がバルブボデー下端部１ｃ
より抜け出るため、入口１ｄと出口１ｅとが弁体
部２ａの溝２ｃにより連通する。

以上の説明から明らかなように、本考案の制御
弁においてはダイヤフラム保持部材と弁体とが一
体形成されているため、部品点数が少なく、大巾
なコスト低下が可能であり、リターンスプリング
１２の力はシールリング４をバルブボデー下端部
１ｃの内周壁へ圧接する如く作用することがない
ので、シールリング４がバルブボデー１内周壁に
はり付く心配もない。

更に本考案に於いては、バルブボデー１内に中
空固定部材３が固定され、弁体２に取付けられた
シールリング５が中空固定部材３の内周面を摺動
することにより、入口１ｄと大気圧室１１との間
が確実にシールされ作動信頼性か向上するもので
ある。これに対し、例えば特公昭41−15127号公
報に記載される制御弁に於いては、弁体とボデー
内周面との間に摺動用の隙間が必要なことから、
ダイヤフラムにより形成されるダイヤフラム室と
流体通路とのシール性を確実に保持することが困
難であり、ダイヤフラム室への気密漏れによる作
動信頼性が低下するが、本考案に従うと中空固定
部材の内周面を摺動するシールリングの作用によ
り、この様な作動信頼性の低下を回避することが
可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例の断面図である。 １……バルブボデー、１ｂ……入口、１ｅ……
出口、２……弁体部兼ダイヤフラム保持部材、２
ａ……弁体部、２ｂ……ダイヤフラム保持部、３
……中空固定部材、４，５……シールリング、９
……ダイヤフラム、１０……負圧作動室、１１…
…大気圧室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被制御流体の入口と出口を備えるボデーと、該
   ボデー内に負圧作動室と大気圧室とを区画形成す
   るダイヤフラムと該ダイヤフラムを保持するダイ
   ヤフラム保持部材とを備える負圧アクチユエータ
   と、該アクチユエータにより駆動され前記入口と
   前記出口との間の連通を制御する弁体とを有する
   流体制御弁に於いて、前記弁体と前記ダイヤフラ
   ム保持部材とを一体形成し、前記弁体が、前記ボ
   デーの内周面に摺接し前記入口前記出口との間を
   遮断する第１シールリングと、前記ボデー内に配
   設された中空固定部材の内周面に摺接し前記入口
   と前記大気圧室との間をシールする第２シールリ
   ングとを有する、流体制御弁。