JPS6110091Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はオーブン機能を有する電子レンジに係
り、特にヒータ加熱時における温度サーモによる
庫内（調理室内）温度制御に伴なう庫内中央温度
のリツプルを小さくするように改良した電子レン
ジに関する。

従来の電子レンジでヒータ加熱によるオーブン
調理機能を有するものにおいては、ヒータ加熱時
における庫内温度を検知するための感熱管（温度
サーモ感熱部を収容したもの）を調理室外、たと
えば調理室上壁外面に取り付けている。なお、感
熱管を庫内に取り付けることは、マイクロ波加熱
（レンジ調理）のときに感熱管にマイクロ波が伝
導される等の不都合が生じるので避けている。こ
のように感熱管は庫内中央からかなり離れている
ので、温度サーモ感熱部と庫内中央との間に温度
差が生じ、温度サーモの動作に応じてヒータ加熱
動作をオン、オフさせて庫内温度を制御した場合
に庫内中央温度は第１図に示すようなリツプルが
生じる。この場合、ヒータ加熱がオフになり庫内
中央温度が低下しても感熱管温度が低下しないの
で、温度サーモが動作せず上記リツプルはたとえ
ば80℃程度の如く大きくなる。また、上記リツプ
ルは温度サーモの精度とが取り付け位置により変
化し、このため庫内中央温度を正確に制御するこ
とが困難であり、電子レンジ毎に同様の食品に対
する調理時間、調理の出来具合いのばらつきが生
じていた。しかもこのばらつきを小さくするため
の温度サーモの精度とか取付け位置の選択に対す
る制約が大きかつた。

本考案は上記の事情に鑑みてなされたもので、
ヒータ加熱による庫内温度に応動するサーモスイ
ツチがオフ状態のときにヒータ加熱を行ない、オ
ン状態のときにヒータ加熱を停止すると共にマイ
クロ波発生装置冷却用ブロアを動作させ、温度サ
ーモ感熱部へ冷却風を送風させることによつて、
庫内中央温度のリツプルを著しく減少でき、調理
時間等のばらつきを少なくでき、温度サーモの精
度とか取付け位置の選択上の制約を緩和し得る電
子レンジを提供するものである。

以下、図面を参照して本考案の一実施例を詳細
に説明する。第２図ａ，ｂに示す電子レンジにお
いて、１は調理室であり、その内部（庫内）には
上方および下方にヒータ２，２′が配設され、さ
らにレンジ調理用ターンテーブル３、オーブン調
理用天板支持部４が設けられている。そして調理
室外には、マイクロ波発生用のマグネトロン５、
マグネトロン冷却用ブロア６、導波管７、排気ダ
クト８、キヤビネツト９等が設けられている。上
記導波管７は、調理室上部に位置し、マグネトロ
ン５のアンテナから供給されるマイクロ波加熱出
力を調理室１のたとえば上壁に形成されたマイク
ロ波照射口１０へ導くものである。また、前記排
気ダクト８は、庫内の食品の調理に際して発生す
る水蒸気をレンジ外に導き出すために、たとえば
調理室上部に設けられており、ダクト８と庫内と
を連通させるためのパンチング（透孔）１１が調
理室上壁に設けられている。そして、ダクト８内
でパンチング１１付近の調理室上壁には感熱管１
２が取り付けられている。この感熱管１２の内部
には温度サーモ感熱部が収容されており、この温
度サーモ感熱部（サーモスイツチ部）はリード線
を介して後述する加熱制御回路に接続されてい
る。

また、レンジ内で調理室１の側方に位置する部
品収容室の上壁にも通風孔１３が設けられ、この
通風孔１３上に前記ダクト８が連通している。こ
の通風孔１３は前記ブロア６からの送風の一部を
ダクト８内へ導くためのものであり、ダクト８内
には上記通風孔１３部と前記感熱管１２との間の
通風路を開閉するためのダンパ１４が設けられて
いる。そしてこのダンパ１４は、操作パネル１５
に設けられたレンジ調理、オーブン調理切換選択
用の切換スイツチＳのつまみ１６の切換操作に応
じてローラ１７により案内されるワイヤ１８によ
り開閉駆動されるようになつている。なお、１９
は調理室１の前面を開閉するドアである。

次に、上記電子レンジの加熱制御回路を第３図
を参照して説明する。第３図において、商用交流
電源２０の両端は、ヒユーズ２１および各種スイ
ツチ（タイマースイツチ、ドアスイツチ、電源ス
イツチ、調理開始スイツチ等）２２を介して前記
切換スイツチＳの可動端子S₀およびマイクロ波発
生回路２３の電源入力端の一方に接続される。上
記切換スイツチＳは第１〜第３固定端子S₁〜S₃を
有し、レンジ調理側選択操作により可動端子S₀が
第１、第２固定端子S₁，S₂に接続され、オーブン
調理選択側操作により可動端子S₀が第３固定端子
S₃に接続される。上記第１固定端子S₁は前記マイ
クロ波発生回路２３の電源入力端の他方に接続さ
れ、第２固定端子S₂は前記マグネトロン冷却用ブ
ロア６の一端に接続され、第３固定端子S₃はサー
モスイツチS′の可動接点S₀′に接続される。この
サーモスイツチS′は、前記サーモ感熱部が所定温
度以上を検知したとき可動接点S₀′に対して接続
状態になるオン接点S₁′およびこのときオフ状態
になるオン接点S₂′を有する。このオン接点
S₁′は、前記ブロア１６の一端に接続され、オフ
接点S₂′は前記ヒータ２，２′の各一端に接続され
る。このヒータ２，２′および前記ブロア１６の
各他端は前記マイクロ波発生回路２３の電源入力
端の一方に接続されている。

次に、上記構成の電子レンジにおける動作を説
明する。調理室１内のターンテーブル３上に食品
を収容し、ドア１９を閉めるとドアスイツチがオ
ン状態になる。いま、切換スイツチＳをレンジ調
理側に操作し、タイマを設定し、電源スイツチ、
調理開始スイツチをオン操作すると、電源２０が
切換スイツチＳを介してマイクロ波発生回路２
３、ブロア６に供給される。これにより、マグネ
トロン５が発振してマイクロ波加熱出力が発生
し、この出力は導波管７を通りマイクロ波照射口
１０から庫内へ供給される。この間、ブロア６は
冷却風を送風し、マグネトロン５を冷却する。や
がてタイマ設定時間が経過すると、マイクロ波発
生回路２３、ブロア６への電源供給が遮断されて
レンジ調理が終了する。なお、このレンジ調理時
には、前記ダンパ１４は閉状態になつている。

次に、オーブン調理動作について説明する。切
換スイツチＳをオーブン調理側に操作し、タイマ
を設定し、電源スイツチ、調理開始スイツチをオ
ン操作すると、電源２０が切換スイツチＳ、サー
モスイツチ（初期状態ではオフ接点S₂′側を選択
している。）S′を介してヒータ２，２′に供給され
る。これによりヒータ２，２′の通電が行われ、
食品が加熱される。なお、オーブン調理に際し
て、オーブン調理用天板２４が庫内の天板支持部
４に支持され、この天板２４上に食品が載置され
る。また、オーブン調理時には、切換スイツチＳ
の操作に連動して前記ダンパ１４はダクト内通路
を開状態にしている。上記ヒータ加熱により庫内
温度が上昇し、この庫内とパンチング１１を介し
て連通しているダクト８内で感熱管１２が庫内か
らの熱気に触れ、所定温度に達したときサーモ感
熱部の感熱動作によりサーモスイツチS′がオン接
点S₁′側選択状態になると、ヒータ２，２′は通電
しなくなつてヒータ加熱が中止すると共にブロア
６が通電して冷却風を送風するようになる。この
冷却風の一部は、通風孔１３を経てダクト８を通
り、レンジ外へ排出されるが、この間に感熱管１
２を冷却する。このため、サーモ感熱部は従来の
無送風時に比べて早く冷却し、ヒータ加熱停止と
共に低下する庫内温度に早く反応してオフ接点
S₂′側選択状態になる。したがつて、再びヒータ
加熱状態になり、このときにはブロア６の送風は
行われない。そして、庫内温度が再び所定値以上
になるとサーモスイツチS′がオン状態に反転し、
以下前述した動作をタイマ設定時間が経過する間
繰り返す。この間、ヒータ加熱停止時には感熱管
１２が送風により冷却されて庫内温度低下に対し
てサーモ感熱部が正確に反応し、庫内温度が所定
値以下になるとサーモスイツチS′が確実に反転す
る。このため庫内中央温度のリツプルは第４図に
示すようにたとえば20℃程度の如く小さくなり、
サーモ感熱部の動作設定温度に近い安定した庫内
温度が得られるようになる。

上述したように本考案の電子レンジにおいて
は、ヒータ加熱による庫内温度に応動するサーモ
感熱部を調理室上部に設け、この感熱部によりオ
フ制御されるサーモスイツチがオフ状態のときに
ヒータ加熱を行ない、オン状態のときにヒータ加
熱を停止すると共にマイクロ波加熱出力発生装置
冷却用のブロアを動作させて前記サーモ感熱部へ
冷却風を送風させている。

したがつて、ヒータ加熱停止時における庫内温
度低下に対してサーモ感熱部が正確に反応し、庫
内が所定温度以下になるとサーモスイツチが確実
にオフ→オン状態に反転してヒータ加熱状態に設
定し、庫内中央温度のリツプルを少なくでき、安
定した庫内温度を得ることができる。このため、
調理時間、調理出来具合いのばらつきを小さくで
き、温度サーモの精度とか取付け位置の選択上の
制約を緩和でき、大幅なコスト低下を図ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電子レンジにおける庫内中央温
度を示す特性図、第２図乃至第４図は本考案に係
る電子レンジの一実施例を示すもので、第２図ａ
は調理室内部および調理室上部を正面から見て示
す構成説明図、第２図ｂはレンジ内部を上方から
見て示す構成説明図、第３図は加熱制御回路を示
す回路図、第４図は庫内中央温度を示す特性図で
ある。 １……調理室、２，２′……ヒータ、６……ブ
ロア、８……ダクト、１２……感熱管、Ｓ……切
換スイツチ、S′……サーモスイツチ、２０……電
源、２３……マイクロ波発生回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. オーブン調理用ヒータを調理室内に有し、オー
   ブン調理もしくはマイクロ波発生装置出力による
   レンジ調理を切換選択可能な電子レンジにおい
   て、調理室の上部で調理室内からの熱気に触れる
   位置に設けられた感熱部と、この感熱部の感熱温
   度に応じてオン・オフ状態が定まるサーモスイツ
   チと、オーブン調理時において上記サーモスイツ
   チのオフ状態では前記ヒータに電源を供給し、上
   記スイツチのオン状態では上記ヒータへの電源供
   給を停止し前記マイクロ波発生装置冷却用のブロ
   アに電源を供給するように接続された回路と、上
   記ブロアから送風される冷却風の一部を前記感熱
   部に導くダクトとを具備することを特徴とする電
   子レンジ。