JPS609397Y2 - 気化器の混合比調整装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は気化器における始動系の混合気通路の改良に係
り、特に始動時に限ることなく、必要に応じて混合比を
調整することができるようにした気化器の混合比調整装
置に関するものである。

一般に、２サイクルエンジンの混合気通路に設けられて
いる始動系の補助混合気通路は専ら始動時にのみ操作さ
れるものである。

然し、補助混合気通路に設けたスタータプランジャに吸
油通路と連通ずる孔を穿ち、同一燃料ジェットおよび空
気通路を用いて始動用混合気と高出力用混合気とを各別
に供給しえ、かつ、機関の始動後引続き高出力用混合気
を供給せしめることのできる気化器は既に知られている
。

また、吸気路に接続した絞弁を迂回する第１側路に始動
ノズルを設け、この第１側路と並行する第２側路に補助
ノズル（減速用ノズル）を設け、エンジンの減速運動時
に生ずる絞弁下流側の負圧により、スプール弁が作用腰
革２側路を自動的に開くようにし、混合気流量を増量す
るパイスタータ式気化器がある。

ところがこのパイスタータ式気化器は、第１側路と第２
側路を別個に形成する必要があるとともに、始動ノズル
と補助ノズルを夫々の側路に開口させる構造であり、更
に第１と第２側路を横切る弁室にスプール弁を関与させ
る等複雑な構造であるばかりか、スプール弁により開放
される側路の開放調整が敏速かつ確実に行なわれない傾
向にあった。

本考案はプランジャ式気化器を更に発展せしめたもので
、減速時などの必要時に通常よりも濃い混合気を供給し
うるようにし、以って始動および減速の際における混合
ガスの混合比を必要に応じて敏速かつ、確実に変更、調
整しうるようにし、常時良好な燃焼状態を維持するよう
にしたものである。

以下本考案をその実施例を表わす図面に基づいて説明す
ると、第１図は既知の始動系構造を有する気化器を示し
、１は吸気胴、２は混合気胴、３は混合気胴内を昇降す
る絞弁、４は気化器本体の側壁に設けた摺動自在のスタ
ータプランジャ、５はスタータプランジャ４に通じ、他
方は混合気胴２を開口する補助混合気通路、６はスター
タブランジャ４に通じて上記補助混合気通路５と連通し
吸気胴１に開口する補助空気通路、７は浮子室、８は該
浮子室内に伸び、絞弁３の下部に突設したニードル弁９
を挿脱自在に差込んだ給油管、１０は絞弁３を、１１は
スタータプランジャ４をそれぞれ下方へ押圧するスプリ
ング、１２は絞弁３を、１３はスタータプランジャ４を
それぞれ上動させるワイヤ、１４はスタータプランジャ
４が開閉する給油通路である。

上述の構成は気化器の始動系の構成として既知のもので
、始動に際し、絞弁３を全閉にしワイヤ１３を引いて、
スタータプランジャ４を上動させ、補助混合気通路５と
補助空気路６とを連通せしめれば、濃い混合ガスが吸気
胴１に吸い込まれ、エンジン始動に適する混合比を有す
る燃料を供給することができる。

一方、上記始動に際する操作に限らず、例えば減速時に
濃混合比を必要とするときに、始動装置として利用する
ため、本考案は次のような構成が採られる。

第２図に示すように、スタータプランジャ４の針弁が差
込まれた吸油通路１４と補助混合気通路５との間に分岐
通路１５を設け、この分岐通路１５が補助混合気通路５
に開口する近傍に絞り１７を設け、更に該通路１５の途
中に電磁弁、ダイヤフラムバルブ又はチェックバルブな
どのバルブ１６を介在させ、絞弁開度あるいは吸気胴の
負圧作用を検知する検知器を適宜設け、電磁弁と接続し
、任意の時に電気的に電磁弁を開き、若しくは吸気胴１
の負圧が所定圧以上に大きくなったとき、該バルブ１６
が開くよう構成する。

また、第３図に示すように、スタータプランジャ４の底
面から側面に至る分岐通路１８を形成し、かつ、その途
中には径大のバルブ室２１が形成することにより、吸気
通路１４から補助混合気通路５に至る連通路を設けであ
る。

バルブ室２１には弾圧力を適宜調整したスプリング２０
を介在させて分岐通路１８を閉塞するボール１９が配設
されている。

したがって、吸気胴１の負圧が所定圧以上大きくなった
とき、該ボール１９がスプリング２０の力に抗して分岐
通路１８を開くので、補助混合気通路５に燃料を噴出で
きる。

以上実施例に基づき記載した本考案は、気化器の始動系
の吸油通路と補助混合気通路とを連通ずる分岐通路を設
け、該通路内にバルブを設けたので、吸気胴の負圧が所
定圧以上に大きくなったときに該バルブが開かれ、若し
くは、任意に開くことができ、通常の混合比よりも濃密
なあるいは、燃料が過少もしくは過多の状態のときに混
合ガスを敏速かつ確実に変更・調整可能にし、常時良好
な燃料状態を維持することができる。

更に本考案は、始動時および減速時のいずれの場合でも
単一の補助混合気通路の使用で足り、始動時と減速時の
同操作を補助混合気通路で兼用して行なうことができる
。

また、従来のパイスタータ式気化器と比較しても、始動
用および減速用の夫々の側路に、始動用および減速用の
夫々の燃料ノズルを形成する必要がなく、また両側路を
横切る弁室を設け、スプール弁を作動させる等の複雑な
構造を採用する必要がないので、構造を簡素化でき、故
障も少なく、気化器の小型軽量化が計れるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の気化器の縦断面図、第２図および第３図
は本考案の実施例を表わす始動系の補助混合気通路の縦
断面図である。 １・・・・・・吸気胴、２・・・・・・混合気胴、３・
・・・・・絞弁、４・・・・・・スタータプランジャ、
５・・・・・・補助混合気通路、６・・・・・・補助空
気通路、７・・・・・・浮子室、８・・・・・・吸油管
、９・・・・・・ニードル弁、１Ｇ、１１．２０・・・
・・・スプリング、１２，１３・・・・・・ワイヤ、１
４・・・・・・吸油通路、１５，１８・・・・・・分岐
通路、１６・・・・・・バルブ、１７・・・・・・ノズ
ル、１９・・・・・・ボール、２１・・・・・・バルブ
室。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）主混合気通路とは独立して、各々単一の補助混合
   気通路、補助空気通路および吸油通路を有し、前記各通
   路の開口部集合位置にはスタータプランジャを具備する
   プランジャ式始動装置において、前記補助混合気通路と
   吸油通路とを連通ずる分岐通路を形威し、該通路内に機
   関の吸気負圧に応動する弁、又は検知器と接続し混合ガ
   スの混合比を任意に調整可能にする電磁弁を設けてなる
   ことを特徴とする気化器の混合比調整装置。
2. （２）前記分岐通路をスタータプランジャ内に設けたこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の気
   化器の混合比調整装置。