JPS60861Y2 - ミシンの針切換操作装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ミシンの針切換操作装置に関し、特に、管
状針棒内に、これと同心状にコイルスプリングと針担持
杆とを配置し、且つ前記針担持杆の上方部を針棒上端よ
り家出させた状態で、前記コイルスプリングにてこの針
担持杆を針棒上方に付勢させ、以って、針担持杆の下端
に止着した針を不使用位置に配置腰また、針担持杆の前
記上方部からの突出部を、前記コイルスプリングの付勢
に抗して押下げて針担持杆を下降させ、針を使用位置に
配置した状態に、側方から付勢されて係合する係止レバ
ーで掛止めるとともに、針担持杆を管状針棒内周面の一
方向に偏して弾圧しガタを消去する。

従来から、１本の針を止着した針棒と布切断装置を有す
るミシン、例えばオーバーロックミシン等は種々提供さ
れている。

これらのミシンにおいて、布地の切断のみを行なう場合
、針を止着した状態では布地に針貫通孔が穿き、布地を
傷っける欠点があり、また、針を取外して行なう場合に
は、針の係脱操作が面倒であり、作業性が低下する等の
欠点がある。

また、従来のミシンにおける複数針選択装置には、代表
的なものとして次のようなものがある。

その一つは、駆動源に連動した駆動軸のクランク部と複
数の針棒との連結部に、相互に結合したり解離したりす
る手段を設けて、これによって複数針の作動を選択する
ものであり、これは、実公昭５５−３４９３８号公報に
教示されている。

また、他の一つは、一本の針棒に複数の針を夫々選択手
段を介在させて取付け、その手段により複数針の選択を
するものであり、これは、特公昭５４−１０８９７号公
報に教示されている。

しかしながら、前者においては、駆動軸のクランク部と
複数の針棒とを連結する連結部がミシンアームの内部に
構成されているため、ミシンアームの外部に配設される
操作部とを連絡する手段が必要となり、その構成が複雑
となる欠点がある。

また、後者においては、一本の針棒内に、夫々に針を取
付けるための針担持部材が昇降できるように構成されて
いるのて、夫々の部品には高精度の仕上げが要求され、
したがって、高価になるばかりでなく、ガタが発生し易
く耐久性に問題があった。

さらに、これらのいずれにおいても、夫々の針の往復ス
トロークは常に同一であるから、夫々の針の往復ストロ
ークの異なるミシンには実施することができない欠点が
あった。

のみならず、単数針、複数針を問わず、かかる針切換操
作装置は、針棒自体の構造も複雑となり、重量が増して
ミシンの振動を激しくする原因となっており、操作も面
倒であった。

この考案は、ミシンの針を切換操作させるミシンのかか
る問題に対処するものであり、その目的は、針の切換操
作部を針棒自体のみに設けて、ミシンの構造を複雑にし
ないようにした針切換操作装置に提供することにあり、
また、この考案の目的は、針の使用位置ての保持が確実
になされるようにして、ガタの発生を解消させ耐久性を
向上さぜた針切換操作装置を提供することにあり、さら
に、この考案の目的は、□針棒の構造が簡単で重量が嵩
まず振動を犬きくしないようにした針切換操作装置を提
供することにあり、またさらに、この考案の目的は、使
用位置および不使用位置への切換操作の極めて簡単な針
切換操作装置を提供することにある。

またさらに、この考案の目的は、複数の針棒を有する複
数針の各往復ストロークの異なるミシンにも適用できる
針切換操作装置を提供することにある。

すなわち、この考案は、図示する実施例の如く、管状針
棒１内に針４′・を収納して不使用位置に配置したり針
４を管状針体１から突させて使用位置に配置できるよう
にしたミシンにおいて、前記管状針棒１の上部に一端を
掛止めたコイルスプリング２を、該管状針棒１内に同心
状になるよう挿入配置し、このコイルスプリング２のコ
イル環内に、針担持杆３を、その上部が前記管状針棒１
の上端より突出した状態で、且つ軸方向に移動できるよ
う挿通配置し、こめ針担持杆３の中途部に、前記コイル
スプリング２の他端を掛けて、針担持杆を常時管状針棒
１の上部方向に突出するよう付勢して、針担持杆３の下
端に止着した針４を不使用位置に上昇させるとともに、
管状針棒１の下端部では、管状針棒１内周面と針担持杆
３外周面とが嵌合摺動するように調整してあり、且つ前
記コイルスプリング２の付勢に抗して前記針担持杆３を
前進降下させたときに針担持杆３を掛止め、しかも前記
針担持杆３を側方から管状針棒１の内周面の一方に弾圧
するように付勢された係止レバー５を設けたミシンの針
切換操作装置に係る。

この考案は、針棒内に、コイルスプリングと、このコイ
ルスプリングの環内に挿通され、針棒の上端から突出す
るように、不使用位置である針棒上方に前記コイルスプ
リングで付勢した針担持杆とを有し、針担持杆を不使用
位置から押し下げて前記コイルスプリングの付勢に抗し
て下降させることにより、針担持杆の下端に止着した針
を使用位置にセットするように係止レバーで掛止める。

したがって、針の切換操作部を針棒自体のみに設けであ
るので、針棒駆動機構の影響を受けることがなくミシン
の構造を複雑にしないばかりでなく、単数の針棒または
複数の針棒にかかわらず、針切換操作装置として実施す
ることができる。

特に、複数の針棒を有するミシンにおいては、複数針の
各往復ストロークの異なる針棒機構のミシンにも適用す
ることができる。

また、針棒内の構造は、下端に針を止着した針担持杆を
コイルスプリングを介して使用位置と不使用位置との間
で昇降させ、その使用位置において針担持杆の側方から
付勢されている係止レバーにて掛止めるものであら、そ
の構造は簡単であり、また、重量が嵩まないので、振動
増大の原因とならず耐久性が向上する。

また、針の使用位置と不使用位置との間の選択切換操作
も、針棒内にてコイルスプリングにより上方に付勢され
ている同心状の針担持杆の上端部を押し下げることによ
り、針棒の下端部に枢着した係止レバーにて使用位置ヘ
ワンタッチでセットすることができ、その係止レバーを
付勢に抗して枢動させることにより、コイルスプリング
の付勢力で下端に針を止着した針担持杆は自動的に不使
用位置へ上昇する。

したがって、その操作は極めて簡単であり熟練を要する
ことがない。

特に、この毒素において特筆すべきことは、針を使用位
置にセットした状態において、針棒の下方部と針担持杆
とは精密嵌合となり、その針棒の上方部に七いては針担
持杆は常に同心状に配置されているので、針棒と針担持
杆との摺動嵌合は極めて正確になされる。

また、針棒の下端部には、常に一方向に付勢されている
係止レバーが枢着されているのて、針担持杆は、常に管
状針棒内周面の一方向に弾圧されてガタは吸収されるこ
とになる。

以上のように、下端に針を止着している針担持杆は、針
棒内を昇降する構造においてもその使用位置においてそ
の保持が確実になされるため、ベッド下方に構成される
釜またはルーバの運動にも確実に協働し、目とび等が発
生することもない。

また、ガタが発生しないので、耐久性が向上するという
顕著な効果を有するものである。

実施例 第１図、第２図には、ミシンフレーム６に案内されてい
る管状針棒１が示されている。

この場合、一台のミシンに二本の管状針棒が設けられる
ものを前提に説明するが、針棒の構造が同じであるから
、一本の管状針棒を有するものについては重複説明を避
ける。

また、二本の針棒のうち、一本のみが管状針棒となって
いる場合も同様である。

管状針棒１は、円管状となっておりフレーム６に上下摺
動てきるように案内されている。

管状針棒１の上端にブシュ７が同心状に嵌挿しである。

このブシュ７を通じて、針担持杆３が管状針棒１内に上
昇・下降ができるように挿通されている。

針担持杆３の上池は、管状針棒１の上端より突出してい
る。

そして、上端面には押圧用のパッド８が固着されている
。

管状針棒１内には、前記針担持杆３を囲むように一本の
コイルスプリング２が内装され、その上端が管状針棒１
の上端に掛止められ、その下端は、針担持杆３の中途部
に掛けられている。

而して、針担持杆３は、後部ロッド３ａが先部ロッド３
ｂに螺着してなり、コイルスプリング２のコイル環内に
同心状に配置され、コイルスプリング２によって常時上
方に付勢されて上昇位置である不使用位置に配置される
（第２図参照）。

針担持杆３の下端すなわち、先部ロッド３ｂは、管状針
棒１の内周面と嵌合摺動するように案内され、その先端
に、針４が挿入止着されている。

図中９はその止めねじてあり、針４を挿入した孔に交叉
する方向から螺入して、針４を止着している。

管状針棒１の下端から中途部まで、案内スリット１０が
設けてあり、前記止めねじ９は、常時この案内スリット
１０に面している。

図中１１は回転止めピンであり、前記止めねじ９と同一
面に向いて針担持杆３に圧入してあり、案内スリット１
０に係合して針担持杆３と共に上昇・下降動作し、且つ
針担持杆３の回転を抑止している。

針担持杆３の止めねじ９と回転止めピン１１との間に、
環溝状の掛止めノツチ１２が形成されている。

管状針棒１の下端部には、レバー担板１３が固定されて
いる。

このレバー担板１３の管状針棒１の側舅下面に、軸１４
により係止レバー５が枢着され：ている。

第４図の如く、この軸１４には、ねじり１スプリング１
５が巻回されていて、このねじりス１プリング１５によ
り係止レバー５の爪１６が、釘担持杆３の周面に向って
付嚇される（第３図参照）。

第４図中１７は、ねじりスプリング１５を再けて、爪１
６を付勢するとともに、爪１６の助動を一定範囲で規制
するピンである。

第１図は、針担持杆３が押下げられて下降し、針り夕り
使用位置にある状態で係止レバー５の爪１６カ≧掛止め
ノツチ１２に係合し、その状態を保持しギいる様子を示
している。

これは、第３図において実線で表示されている。

なお、係止レバー５のＡ：ｔｌｓは、針担持杆３を側方
から管状針棒１の内−に一方に偏して弾圧するので、針
担持杆３は・安定する。

第２図は、針担持杆３が上昇して１針４が管状針棒１内
に収納され、不使用位置に≧戸状態を示している。

この場合、係止レバー５を、第３図の破線の位置に枢動
させると針担持杆３は、コイルスプリング２の付勢力に
より自動的に上昇する。

なお、第１図、第２図における１８は針糸案内である。

このように、この実施例によれば、単数の針棒または複
数の針棒においても針の切換操作を行なうことができ、
特に、複数の針棒においては、各針の縫いが同種・異種
とにかかわらず実施することができ、その用途は飛躍的
に拡大された。

【図面の簡単な説明】

第１図は針が使用位置にある場合の縦断面図、第２図は
針が不使用位置にある場合の縦断面図、第３図は第１図
３−３線断面図、第４図は第３図４−４線断面図である
。 図中１は管状針棒、２はコイルスプリング、３は針担持
杆、４は針、５は係止レバーである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 管状針棒内に針を収納して不使用位置に配置したり針を
   管状針棒から突出させて使用位置に配置できるようにし
   たミシンにおいて、前記管状針棒の上部に一端を掛止め
   たコイルスプリングを、該管状針棒内に同心状になるよ
   う挿入配置りこのコイルスプリングのコイル環内に、針
   担持杆を、その上部が前記管状針棒の上端より突出した
   状態で、且つ軸方向に移動てきるよう挿通配置し、この
   針担持杆の中途部に、前記コイルスジ１ノングの他端を
   掛けて、針担持杆を常時管状針棒の上部方向に突出する
   よう付勢して、針担持杆の下端に止着した針を不使用位
   置に上昇させるとともに、管状針棒の下端部では、管状
   針棒内周面と針担持杆外周面とが嵌合摺動するように調
   整してあり、且つ前記コイルスプリングの付勢に抗して
   前記針担持杆を前進降下させたときに針担持杆を掛止め
   、しかも前記針担持杆を側方から管状針棒の内周面の一
   方に弾圧するように付勢された係止レバーを設けたミシ
   ンの針切換操作装置