JPS5936219Y2 - ミシンの釦ホ＿ル縫用布押え金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はミシンに装着して用いるための釦ホール縫用布
押え金具の改良に関するものである。

多様な釦の夫々の実物の径に応じて、各所要の長さの釦
ホール縫いを案内する縫い長さ規制機能を有するミシン
の布押え金具に於て、２−ステップ釦ホール縫いの過程
中、前半を縫い終ったところで、直ちに後半のステップ
にミシンを切替操作することを怠ると、布送りがストッ
プしたまま同じ所で幾重にも縫目が重なり過ぎることと
なり、後半のステップである復路の行程の布送りが妨げ
られることがある。

即ち、従来は２−ステップ釦ホール縫いの前半なる往路
の送り行程の終点は、常に注意深く目視視認することを
要し、操作者に疲労をもたらす一因となっていた。

本考案は、此の課題に対して、往行程の縫い終点を視認
し易くする表示手段を付した釦ホール縫用布押え金具の
提供を目的としたものである。

図に就て説明すると、図示の布押え金具は、右下方が操
作者の位置する手前側であり、図示しないミシンの押え
棒の下端に、ブラケット１を通例の如く図示略のネジに
よって装着して用いるものである。

ブラケット１の下端にはピン２を介して支持体３が揺動
可能に枢支されており、支持体３の両側縁を抱持して、
互にレールの如く案内して前後方向に摺動可能に布押え
板４が支承され、ブラケット１の後方にて、布押え板４
の両側縁を同じくレールとして前後に摺動可能に載置さ
れた釦挟着子５は、操作摘み６を転回操作して、詳細は
図示略したネジによる挟着構造により布押え板４上で所
望の個所に固定することができる。

そして釦挟着子５は支持体３の後側に具えた一対の指片
３ａとの間に釦１４の実物を一旦挟持したその個所にて
、布押え板４に対して固定し、その状態で釦１４を除い
てミシンを運転すると、２−ステップ釦ホール縫いの先
ず前半行程にて、図示しない布送り機構の作用にて、通
常の布送り方向とは逆に手前側に布送りが行われ、支持
体３の位置はそのまま、布押え板４が布送りに依って前
進し、釦挟着子５が支持体３の後部に当接するとき布押
え板４の前進がストップされる。

即ち、このときが釦ホール縫いの往路の片側かがり縫い
の終了時点であり、それに応じて此のミシンに後半の復
路の閂止め縫い及びかがり縫いに切替える操作を加えて
使用するもので、之様な実際の側径に合せて送り行程を
規制させる釦ホール縫用布押え金具は、先に実願昭５３
−６５６６０号にその詳細を開示したところのものに同
じで゛ある。

そこで本案の往行程送り終端表示手段について説明する
と、支持体３の一側にロッドホルダ７が固着されており
、該ロッドホルダ７は布押え板４の片側のレール部４ａ
上に位置して、其処にレール部４ａと平行に検出棒８を
収容している。

検出棒８は、之を摺動可能に支承するロッドホルダ７内
の軸受部９と、検出棒８上に嵌着したストッパリング１
２との間に巻装挿入した圧縮バネ１１によって、後方に
釦挟着子５の側に向けて常時付勢されており、そして該
付勢に抗して留まるように手前側にスナップリング１０
を嵌着してストッパとしている。

そして検出棒８の該スナツプリング１０嵌着側は、該嵌
着位置から棒端迄の部分１３が、常時はロッドホルダ７
内に隠れる状態であり、圧縮バネ１１に抗して検出棒８
を手前側に押出するとき、該隠れた部分１３がロッドホ
ルダ７の外に突出するもので、此の部分は例えば赤色等
の表示色を施しておくものである。

以上の構造で、次に用法をまとめて記すと、図示しない
ミシン押え棒の下端に、常法の如くブラケット１を支着
し、先ず第１図の如く、布押え板４を支持体３と相対的
に後方に押しやった状態にて、支持体３と釦挟着子５と
の間に実際の釦１４を挾持させ、その位置にて釦挟着子
５を布押え板４に対して固定操作する。

そして次に釦１４を除去し、布押え板４の下に図示しな
い送り機構を具えた針板との間で加工布を挾んで、此の
ミシンに対して、常法の如く２−ステップ釦ホール縫の
前半のスタート操作を与える。

この始動時には、支持体３の前端で布押え板４の長手方
向に設けた長孔の作る針孔１５は、最小に狭まった前後
方向長さを持っており、該針孔１５内にて図示しない針
の昇降運動が始って、先ず約６針位の閂止め縫の後に、
布押え板４を前方に移行させる送り動作が始まり、往路
の縁かがり縫いの進行につれて、針孔１５が手前側に拡
開される。

そこで先刻の釦１４の径等に依って定まった送り長さだ
け往路のかがり縫いが行われたとき、第２図の如く釦挟
着子５が支持体３に係止されて布押え板４の前進が停止
され、即ち側径に相応したかがり縫の所要長が得られた
状態となる。

このとき同時に、釦挟着子５が支持体３に接近するにつ
れて、検出棒８の後端が釦挟着子５に押され、圧縮バネ
１１を撓めて其の前端色表示部１３がロッドホルダ７の
前方に露出し、該色表示部１３の全体が露出することに
よって、２−ステップ釦ホール縫いの前半往路の完了し
たこと、即ち復路の閂止め縫いへ移行さす操作をなすべ
きときの到来を、操作者に知らせるものである。

そこで操作者が２−ステップの後半への切替操作を行う
と、最大に拡開された針孔１５の後端付近で再度量比め
縫いが行われ、次いで残る片側のかがり縫いに移行して
、それに伴って布押え板４は今度は後退の布送り歩進に
従動し、針孔１５が最小となる始めの状態に復したとこ
ろで後退がストップされるので、そこで此のミシンを停
止させると一個の釦ホール縫いが完成される。

このとき布押え板４の後退につれて検出棒８は、圧縮バ
ネ１１の復元力によりロッドホルダ７内を後方に摺動し
て、其の色表示部１３は旧の如く隠れて見えなくなる。

以上の説明の如く、本案布押え金具は、之を装着したミ
シンの２−ステップ釦ホール縫い操作の際に、其の前半
なる往路の送り行程の終点では、針孔内の縫目を特に注
視して、そこに最大の注意を払う必要がなく、布押え金
具の手前側の見易い個所に、色表示を施した検出棒頭部
が露出したときに留意してミシンを操作すればよいので
、その操作性が従来よりも一層容易となり疲労軽減に役
立つものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案手段を実施したボタンホール縫用布押え金
具の斜視図、第２図は其の作動状態の同じく斜視図、第
３図は要部の内部構造を示す拡大斜視図である。 １ニブラケツト、３：支持体、４：布押え板、５：釦挟
着子、７：ロッドホルダ、８：検出棒、１１：圧縮バネ
、１３：検出棒の色表示部、１５：針孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ミシンの押え棒下端に支着するブラケットの下端に、揺
   動可能に支持される支持体によって支承され、且つ該支
   持体に対し相対的に布送り方向の摺動可能で、該摺動に
   よって之に設けた針孔が拡開縮小する布押え板を具え、
   前記支持体の背後側にて、該布押え板上に摺動及び固定
   可能に支承された釦挟着子が、該固定された状態で布送
   りに従動する前記布押え板の摺動に伴い、前記支持体に
   当接することによって、前記針孔の拡開長さが規制され
   る布押え金具に於て、前記支持体の一側に固着したロッ
   ドホルダ内に、圧縮バネに依って常時は其の後端が前記
   釦挟着子に向けて突出し、またその前端は前記ロッドホ
   ルダ内に隠れる色表示部とした検出棒を、前記布押え板
   の摺動と同一方向に摺動可能に収容し、前記支持体に前
   記釦挟着子が接近するに伴い之に押されて、前記検出棒
   が前記圧縮バネに抗して前記ロッドホルダ内を摺動して
   前記色表示部が露出するよう構成したことを特徴とする
   ミシンの釦ホール縫用布押え金具。