JPS608563Y2 - ガスこんろの火炎調節装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ガスこんろの火炎調節用摘みを所定の調節操
作位置、例えばトロ火装置、中火位置、又は、及び種火
位置等に簡単に正確に調節する装置に関し、簡単に安価
に組付けられるうえ、耐久性に富むようにする事を目的
とする。

従来では、摘みを所定の調節操作位置に停止させておく
ための規定装置が考えられているが、この規定装置は箱
枠状のこんろ本体またはこれに固定の取付板に取付けら
れていたため、規定装置の組付時に大きなこんろ本体を
取扱わなければならず、手間を要し、生産性が悪く、生
産コストが高くついていた。

そのうえ、規定装置に塵埃が容易に付着し易く、トラブ
ルの原因となり、耐久性に劣る欠点もある。

本願出願人は先の出願１ガスこんろの火炎調節装置Ｊ（
実願昭５４−１５８９３２）において、上記の欠点を解
消するために、摘みを回転可能に支持する操作枠をこん
ろ本体の前壁の外面の一部に固定し、操作枠の内部空間
に前記規定装置を組込むことにより、規定装置をこんろ
本体前壁と操作枠とで覆い込んで、防塵、防護し、耐久
性に富ませるようにし、かつ、勘定装置を小さな操作枠
に組付けることにより、その組付は時に大きなこんろ本
体を取扱わずに済ませ、その取付けを簡単に手早く安価
に行なえるようにした装置を提案した。

本考案は、上記の装置を更に改良するものであり、操作
枠の内部の狭隘な空間に圧電点火ユニット及び規定装置
を機能的に余裕をもって配置できるようにすると同時に
、規定装置の構造を簡単にして部品数を減し、装置の耐
久性・信頼性を向上させると共に、装置の製造原価の低
減を図るものである。

以下、本考案の実施例を図面に基き説明する。

図面は燃料ガスボンベ内蔵式携帯型ガスこんろを示し、
図中、符号１はこんろ本体、２は煮こぼれ汁の受皿、３
は五徳、４はバーナ、５は燃料液化ガスボンベ、６はボ
ンベ挿入口、７は揺動蓋、８は火炎調節用摘みである。

ガスボンベ５内の液化ガスは、そこで気化してから、調
圧器９、ガスコック弁１０、燃料管１１を通り、バーナ
４の火口１２から流出して燃焼し、火炎となる。

このとき、−次空気はバーナ４の始端に明けた一次空気
孔１３からバーナ内に流れ込み、２次空気は受皿２の中
央の孔１４から火口１２の火炎の周りに流れ込む。

摘み８を消火位置１５から一気に全開位置１６まで回す
と、その途中で圧電点火ユニット１７が作動するととも
に、ガスコック１０の弁体１８が全開になり、ガスが点
火され、炎が強火で燃える。

摘みを消火位置１５側に回していくと、コック弁体１８
が次第に絞られ、炎が中火になり、トロ火になり、終い
に消えてしまう。

ガスコック１０はレギュレータ９と一体に形成され、こ
んろ本体１内の右端部のボンベ収容室１９内の前部に配
置され、こんろ本体１にボンベ加温板２０を介して固定
される。

こんろ本体１の前壁２１の右端寄部の内側にはガスコッ
ク１０が配置されるとともに、その外面には合成樹脂製
の操作枠２２が小ネジ２３で固定される。

操作枠２２の中央部に明けられた枢支孔２４に摘み８が
回転可能に枢支される。

摘み８の背部に出力部材２５が接続部２６を支点として
揺動自在に支持される。

この出力部２５が、こんろ本体前壁２１に明けた孔２７
ごしに、ガスコック１０の弁体１８の弁軸２８の前端の
異径状の入力部２９に回転伝動可能な状態に前から挿嵌
される。

摘み８を全開位置１６から予め設定されたトロ火の調節
操作位置３０に簡単に正確に調節できるようになってお
り、このための摘み８のトロ火調節操作位置３０の規定
装置３１は次のように構成される。

即ち、規定装置３１は固定側部材３２と可動側部材３３
と鋼球３４とから戊り、操作枠２２の内部空間３５内に
組込まれる。

可動側部材３３は耐摩耗性の合成樹脂部材で摘み８と一
体に射出成形されるが、操作枠２２の背面側で摘み８の
枢支部８ａから外径側へ板状に延出し、その背面に小判
形の案内溝３８が摘み８の半径方向に対して傾斜状に形
成される。

案内溝３８には鋼球３４がその長さ方向に遊動自在に挿
入され、グリスが塗着されている。

固定側部材３２は板バネで造られ、背面側から見て内部
空間３５の左側上部に配置され、操作枠２２にスナップ
リング３９で固定され、摘み８を開閉操作する時の鋼球
３４の運動軌跡４０の全部を背面側から覆い、常に鋼球
３４を背面から軽く弾接する。

これにより、摘み８の開閉用回転操作に伴い、鋼球３４
が運動軌跡４０上を、第７図乃至第１０図に示すように
移動する。

即ち、摘み８が第７図の全閉位置１５から開き操作して
、第８図を経て第９図の全開位置１６に達する間は、鋼
球３４は溝３８の内端３８ａに押しやられ、内側の円弧
軌跡４１上を移動する。

また、摘み８が第９図の全開位置１６から第１０図を経
て第７図の全開位置１５に達する間は、鋼球３４は溝３
８の外端３８ｂに押込まれ、外側の円弧軌跡４２上を移
動する。

摘み８が全開位置１６から全閉位置１５に閉じられる途
中のトロ火調節操作位置３０に達したときに、鋼球３４
が軽くはまり込める係止穴４３が固定側部材３２の外側
円弧軌跡４２上の途中に形成される。

これにより、摘み８を開き回転するときには、第８図に
示すように鋼球３４が係止穴４３にはまり込むことなく
、摘み８をスムーズに開き回転できながらも、摘み８を
全開位置１６の強火の状態から絞り回転して行って、ト
ロ火調節操作位置３０に達したときに、第１０図に示す
ように鋼球３４が係止穴４３にはまり込み、そこで摘み
８を手離すことにより、摘み８をトロ火調節操作位置３
０に簡単に正確に停止させ、トロ火状態での煮炊きを正
しく行なえる。

そして、摘み８を持ちなおして、全閉位置１５に回せば
、鋼球３４が係止穴４３から軽く抜は出し、バーナ４の
火が消える。

点火作動爪３６は操作枠２２の背面側で摘み８の枢支部
８ａに可動側部材３３から離れた位置で一体に形成され
、操作枠２２の枢支孔２４よりも外径方向へ延出し、か
つ突起状に形成される。

操作枠２２に摘み８を装着する際に、摘み８と一体の可
動側部材３３及び点火作動爪３６とを各々挿通する為の
開口部３３ａ、３６ａを操作枠２２の枢支孔２４に連続
にその外側に形成し、操作枠２２に摘み８を組込んだ後
、開口部３３ａを圧電点火ユニット１７で塞ぐことによ
り、摘み８の装着時の位置への回動を規制し、同時に可
動側部材３３と点火作動爪３６とで枢支孔２４近傍の操
作枠２２の背面を押えるよう形成して、可動側部材３３
と点火作動爪３６とで摘み８の抜止め爪を兼用させる。

さて、圧電点火ユニット１７は、背面側から見て内部空
間３５の左側下部に横向きに組込まれ、ユニット本体４
４に対して入力杆４５がリセットバネ（図示せず）で伸
長状態に弾圧されるいわゆる作動シリンダ状に形成され
る。

ユニット本体４４が操作枠２２に形成された支持部４６
に固定され、入力杆４５が摘み８の背部に形成された前
記点火作動爪３６の回転軌跡のコック全開側端部に突入
する。

これにより、摘み８が全開位置１６に操作されるに至っ
たときに、点火作動爪が入力杆４５をユニット本体４４
内に充分押込んで、圧電点火ユニット１７を作動させ、
点火端子４７，４８間に火花放電を起こし、バーナ４か
ら出るガスを点火する。

本考案は上記のように構成され、摘みの調節操作位置の
規定装置の組付は操作は、大柄なこんろ本体を取扱わず
に済み、小さな操作枠に規定装置を簡単に手早く取付け
ることができ、生産能率を大幅に高めて、組付はコスト
を安価に引下げられる。

また、規定装置の可動側部材及び点火作動爪とを摘みに
一体形成し、さらにこれらで抜止め爪を兼用させるので
、部品点数を減らしたうえ、部品形状を簡略化できる。

しかも、圧電点火ユニットを横向きにして、操作枠の内
部空間内にゆったりと収容できる。

これにより、狭い内部空間に部品を機能的に配置するこ
とが出来ると共に、部品数を減少させて耐久性・信頼性
を高めながら、製造原価を低減することが出来る。

そのうえ、規定装置は、操作枠の内部空間内に組込まれ
て、操作枠とこんろ本体前壁とで覆い込まれるから、塵
埃の侵入や他物の衝突をよく防ぎ、防塵・防護され、耐
久性を高める事ができる。

また、規定装置が摘みをトロ火調節操作位置に規定する
ように構成した場合には、摘みをトロ火調節操作位置に
簡単に正確に位置させて、適正なトロ火で煮炊きできる
。

これにより、トロ火への絞り込みの過不足を無くし、絞
り込み過ぎによる消火に伴う再点火の煩しさも、絞り込
み不足による煮こぼれ汁での消火に伴うガス流出による
ガス爆発をも無くす事ができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は燃料ガスボンベ
内蔵式携帯型ガスこんろの斜視、第２図は縦断正面図、
第３図は横断平面図、第４図は第３図■部の横断平面図
、第５図は第４図■−Ｖ線断面図、第６図は第５図ＶＩ
−ＶＩ線断面図、第７図乃至第１０図は規定装置の作動
図である。 １・・・・・・こんろ本体、訃・・・・・摘み、１０・
・・・・・弁、１７・・・・・・圧電点火ユニット、２
１・・・・・・前壁、２２・・・・・・操作枠、２４・
・・・・・枢支孔、２５・・・・・・出力部、２７・・
・・・・孔、２８・・・・・・弁軸、２９・・・・・・
入力部、３０・・・・・・調節操作位置（トロ火調節操
作位置）、３１・・・・・・規定装置、３２・・・・・
・固定側部材、３３・・・・・・可動側部材、３５・・
・・・・内部空間、３６・・・・・・作動具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ こんろ本体１の前壁２１の内側には火炎調節用の弁
   １０を配置するとともに、外面には操作枠２２を固定し
   、操作枠２２に明けた枢支枠２４に火炎調節用の摘み８
   を回転可能に支持し、摘み８の出力部２５をこんろ本体
   前壁２１に明けた孔２７ごしに弁１０の弁軸２８の入力
   部２９に回転可能な状態で挿嵌し、圧電点火ユニット１
   ７を操作枠２２の内部空間３５内の左右いずれか一側寄
   りの下部に横向きに組込み、摘み８の調節操作位置３０
   の規定装置３１を操作枠２２の内部空間３５に組込み、
   規定装置３１の固定側部材３２を操作枠２２の内部空間
   ３５内で圧電点火ユニット１７と同側の上部に配置して
   操作枠２２に支持させ、規定装置３１の可動側部材３３
   及び圧電点火ユニット１７の点火作動爪３６を、互いに
   離れ合う位置で摘み８と一体に形成して摘み８の抜止め
   爪を兼用させたことを特徴とするガスこんろの火炎調節
   装置。 ２ 規定装置３１が摘み８をトロ火調節操作位置３０で
   一旦受止め停止させるようにしたことを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項に記載のガスこんろの火炎調
   節装置。