JPS607862Y2 - プレス金型の摺合せ作業用移動装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はプレス金型の摺合せ作業用移動装置に関する
ものである。

従来、第３図に示すように、親カム１′の一側上面に突
設される取付壁１ａ’に取りつけられる固定金型２′の
プレス面２ａ’に対し、親カム１′上面に進退勤可能に
配設される受動カム４′に取りつけられる可動金型６′
のプレス面＄ａ’を摺合せて、該可動金型６′のプレス
面＄ａ’の仕上げ作業を行う場合、親カム１′の上面に
沿って受動カム４′を進退勤させて行なわれる。

しかし、受動カム４′の進退動作は、通常、バールＢを
用い作業者によって行なわれなければならず、危険をと
もなう作業となるとともに作業能率が悪い。

しかも、受動カム４′の微動が困難であるため、親カム
１′の固定金型２′に向けて受動カム４′の可動金型６
′を前進させるときに、誤まって、固定金型２′に可動
金型６′を衝突させて相互の金型２’、６’を損傷させ
る不具合が生じる。

この考案の目的は、上記の理由に鑑み、動カニニットに
よって受動カムを進退勤させることで、固定金型のプレ
ス面に対する可動金型のプレス面の摺合せ、仕上げ作業
を容易に行うことができ、しかも、１つの動カニニット
を種々のプレス金型における親カムの側壁部に対し容易
に着脱することができるプレス金型の摺合せ作業用移動
装置を提供することである。

以下、この考案の一実施例を第１図と第２図にしたがっ
て説明する。

親カム１の一側（第１図では左側）上面には取付壁１ａ
が突設されており、該取付壁１ａの上部内側には固定カ
ム２が取りつけられている。

親カム１の上面にはガイド溝３が形成され、受動カム４
の下面にはガイド溝３にスライド可能に嵌合する嵌合部
５が形成されて親カム１の上面に沿って受動カム４が第
１図中左右方向へ進退勤可能に配設されている。

そして受動カム４の一側上部には固定金型２に対応する
可動金型６が取りつけられている。

一方、下面の前後左右に車輪８が配設されて床面上を走
行可能の運搬用台車７において、その−側上面には支持
アーム９が立設されており、該支持アーム９の上端には
支持アーム１０が水平状に形成されている。

支持アーム１０には該支持アーム１０の先端部前後に突
設されたストッパピン１１．１２の間において支持アー
ム１０上を滑走するローラ１４を有する支持体１３が配
設されており、該支持体１３にはワイヤ１５を介してス
プリングバランサー１６が吊り下げられている。

スプリングバランサー１６は、外ケース１７と、該ケー
ス１７内にばねによって常に巻取り方向へ付勢されるド
ラム１８と、該ドラム１８に一端が固着され他端に後述
の動カニニット２２を吊り下げるためのフック２０を有
するロープ１９とを主体として構成されている。

さらに、ドラム１８は横向きの円錐状をなし、その外周
面にはロープ１９に対応する螺旋状の巻き取り溝が形成
されている。

そして、ドラム１８によるロープ１９の巻き取り力は、
動カニニット２２の重量に対応して常にほぼ一定となる
ように設定される。

スプリングバランサー１６におけるロープ１９のフック
２０には受動カム４を進退勤するための動カニニット２
２がワイヤ２１を介して吊り下げられている。

この実施例において、動カニニット２２は、ブレーキ機
構内蔵の可逆モータ２３を駆動源とする電動シリンダよ
りなり、親カム１の他側上面に突設される側壁部１ｂ外
側面にボルト２４によって取り外し可能に締着される。

すなわち、動カニニット２２は、第２図に示すように、
側壁部１ｂにボルト２４によって締着される取付プレー
ト２５を一端側に有する外筒２６と、外筒２６内に定位
置回転可能に内装されかつ歯車列２７を介して可逆モー
タ２３の回転軸に連結されるボールねじ２８と、このボ
ールねじ２８に螺合するボールナツト２９を一端に有し
かつボールねじ２８と外筒２６との間に形成される空間
部に進退動可能に嵌挿された筒状の駆動ロッド３０とを
主体として構成されている。

さらに、駆動ロッド３０の先端部は親カム１の側壁部１
ｂに形成される貫通孔３１に遊嵌されるとともに、該駆
動ロッド３０の先端に係脱可能に係合する連結片３２が
受動カム４の外側面にボルト３３によって取り外し可能
に締着される。

また、動カニニット２２の外筒２６の外側面には駆動ロ
ッド３０の進退勤の範囲を規制する前後のリミットスイ
ッチＬＳ１．ＬＳ２が配設されており、これらリミット
スイッチｔｓ１． ＬＳ□に対応するドッグ３４は駆動
ロッド３０に対し適宜手段によって位置調整可能に配設
されている。

なお、台車７の支持アーム９にはリミットスイッチＬＳ
□、 ＬＳ２及び操作スイッチＳからの信号を受けて可
逆モータ２３の作動、停止を行うための制御回路が内蔵
される操作箱３５が取りつけられている。

上記の構成において、まず、受動カム４を前進させる場
合、操作スイッチＳの前進スイッチＳ１を押すと、可逆
モータ２３は正回転し、歯車列２７、ボールねじ２８及
びポールナツト２９を介して駆動ロッド３０が前進する
。

このため、駆動ロッド３０に連結された受動カム４は親
カム１の上面に沿って前進する。

そして、受動カム４が前進端位置（親カム１の固定金型
２のプレス面２ａに対し、受動カム４の可動金型６のプ
レス面６ａが被加工材の板厚に相当する隙間を隔てる位
置）に達すると、これと同時にドッグ３４によってリミ
ットスイッチＩ、Ｓ１が作動され、可逆モータ２３が停
止するため、受動カム４は前進端位置に正確に停止され
る。

次に、受動カム４を後退させる場合、操作スイッチＳの
後退スイッチＳ２を押すと可逆モータ２３は逆転し、駆
動ロッド３０によって受動カム４が元の位置まで後退さ
れる。

このとき、ドッグ３４によってリミットスイッチＩ、Ｓ
２が作動され可逆モータ２３は停止する。

また、受動カム４の前進あるいは後退途上において、操
作スイッチＳの停止スイッチＳ３を押すと、可逆モータ
２３は停止するため、受動カム４を任意の前進位置ある
いは後退位置に停止させることができる。

上記したように、操作スイッチＳの各スイッチ操作によ
って親カム１の上面に沿って受動カム４を進退勤させる
ことができて、固定金型２のプレス面２ａに対する可動
金型６のプレス面６ａの摺合せ、仕上げ作業を容易に行
うことができる。

次に、上記とは別のプレス金型に対し動カニニット２２
を装着する場合、受動カム４の連結片３２のボルト３３
を外して連結片３２と駆動ロッド３０との係合を外す。

さらに、親カム１の側壁部１ｂに対し、動カニニット２
２の取付プレート２５のボルト２４を外す。

すると、動カニニット２２はスプリングバランサー１６
を介して台車７の支持アーム１０に吊り下げられて保持
される。

その後、駆動ロッド３０が親カム１の側壁部１ｂの貫通
孔３１より脱出する位置まで動カニニット２２を台車７
によって移動させることで、親カム１に対し動カニニッ
ト２２が離脱される。

この状態において、動カニニット２２を台車７によって
別のプレス金型における親カム１の側壁部１ｂまで移動
させる。

そして、親カム１の側壁部１ｂにおける取付位置に対応
する位置までスプリングバランサー１６を介して動カニ
ニット２２を上下調整すると、動カニニット２２はスプ
リングバランサー１６によって上下調整した位置に保持
される。

その後、親カム１の側壁部１ｂの嵌通孔３１に動カニニ
ット２２の駆動ロッド３０を嵌挿させ、該ロッド３０の
先端部と連結片３２とを係合させた状態のもとで、受動
カム４の外側面に対し連結片３２をボルト３３によって
締着する一方、親カム１の側壁部１ｂに対し動カニニッ
ト２２の取付プレート２５をボルト２４によって締着す
ることで動カニニット２２の装着が完了する。

なお、上記実施例においては動カニニット２２を電動シ
リンダによって構成したが、油圧シリンダによって構成
してもよい。

以上例示したように、この考案は、従来と異なり、動カ
ニニットの駆動ロッドによって、親カムの上面に沿って
受動カムを進退動させることで、親カムの固定金型のプ
レス面に対する受動カムの可動金型のプレス面の摺合せ
、仕上げ作業を容易に行うことができる。

しかも、運搬用台車の支持アームに対し、スプリングバ
ランサーを介して動カニニットを吊り下げた構成によっ
て、１つの動カニニットを、種々のプレス金型における
親カムの側壁部に対し、容易に着脱することができると
ともに、動カニニットの重量が重い場合においても、こ
の動カニニットの着脱作業を１人の作業者によって容易
に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図面の第１図と第２図はこの考案の一実施例を示すもの
で、第１図はプレス金型の親カムに対し動カニニットを
装着した状態を一部破断して示す側面図、第２図は要部
を拡大して示す側断面図である。 第３図は従来のものを示す説明図である。１・・・・・
・親カム、１ａ・・・・・・取付壁、１ｂ・・・・・・
側壁部、２・・・・・・固定金型、２ａ・・・・・・プ
レス面、４・・・・・・受動カム、６・・・・・・可動
金型、６ａ・・・・・・プレス面、７・・・・・・運搬
用台車、１０・・・・・・支持アーム、１６・・・・・
・スフリングバランサー、２４・・・・・・動カニニッ
ト、３０・・・・・・駆動ロッド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 親カムの一側上面に突設される取付壁に、固定金型が取
   りつけられ、親カムの上面に沿って進退勤可能に配設さ
   れる受動カムには前記固定金型に対応する可動金型が取
   りつけられ、前記固定金型のプレス面に対し可動金型の
   プレス面を摺合せして同可動金型のプレス面の仕上作業
   を行うときに前記受動カムとともに可動金型を進退勤さ
   せる移動装置であって、前記親カムの他側上面に突設さ
   れる側壁部には該側壁部に遊嵌して進退勤する駆動ロン
   ドを備えた動カニニットを取り外し可能に固定し、前記
   駆動ロッドの先端を受動カムに係脱可能に連結し、しか
   も前記動カニニットは運搬用台車の上面に立設される支
   持アームに対しスプリングバランサーを介して吊り下げ
   られたことを特徴とするプレス金型の摺合せ作業用移動
   装置。