JPS606171Y2 - モア−の作業位置自在調節装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はトラクタ後装式のレシプロ形式のモアーの作業
位置自在調節装置に関するものである。

従来のこの種のモアーは、トラクタの後部に三点懸架機
構を介して装着され、トラクタの側方にオフセットした
位置で刈取作業を行うようになっており、垂直面内の刈
取角度の調節はごくわずかな範囲で可能な程度であり、
従って、その作業範囲は狭く、用途も限定されていた。

本考案は上記の事情にかんがみなされたもので、モアー
を、トラクタに装着した状態で垂直面内で自在に回動で
き、かつ回動した任意位置で固定して作業できるように
することによって、従来の平地の草刈作業はもとより、
傾斜面、トラクタ走行跡等の草刈りから、果樹や樹木の
刈込み、剪定等まで可能にして作業適応範囲を大幅に拡
大するモアーの作業位置自在調節装置を提供するもので
ある。

以下、図面を参照して本考案の一実施例を説明する。

第１図および第２図において、符号１で示すトラクタは
４輪形式の公知のもので、その後部には三点懸架機構２
を介してレシプロ形式のモアー３が装着されている。

また、モアー３には、トラクタ１のＰＴＯ軸からプロペ
ラシャフト４、ユニバーサルジヨイントなどを介して動
力が伝達されるようになっている。

前記モアー３は、第３図および第４図に示すように、往
復動切断刃（レシプロ刃）５を左右方向に所定範囲で屈
曲可能に支持するモアーフレーム６の前部に４個のブラ
ケット７．８，９．１０を固着し、このブラケット？、
８，９．１０により環状支持板１１を回動自在に支持し
ている。

環状支持板１１には周方向に多数の係合孔１２，１２・
・・が穿設されており、この係合孔１２に対応してブラ
ケット７に係合孔が穿けられていて、画体合孔に係止ピ
ン１３を挿通することにより、環状支持板１１とモアー
フレーム６の相互間の回動を阻止し、固定するようにし
ている。

また、係止ピン１３にはＲピン１４が挿通され、抜は止
めされている。

前記環状支持板１１の外周部には、前記三点懸架機構４
に連結されるトップリンクヒツチ１５と、ロアリンク連
結ピン１６．１６とが固着されている。

そして、トップリンクヒラ−１−１５とロアリンク連結
ピン１６．１６に三点懸架機構４を連結し、油圧シリン
ダで上下動すると、環状支持板１１はほぼ垂直に保持さ
れて上下動し、モアーフレーム６および往復動切断刃５
はほぼ垂直な平面内で、かつトラクタ１の進行方向に対
してほぼ直交する位置で回動自在であり、また、その回
動範囲の任意位置で固定が可能である。

なお、符号１７は、前記プロペラシャフト４を介してモ
アーに動力を受ける、ユニバーサルジヨイントを備えた
入力軸である。

このような構成のモアー３においては、トラクタ１に三
点懸架機構４を介して装着され、プロペラシャフト４を
介して入力軸１７に動力が伝達される状態で、環状支持
板１１はほぼ垂直に保持され、環状支持板１１に対して
モアーフレーム６を係合孔１２に係止ピン１３を挿、脱
することで自在に回転、固定腰所定の位置を選定できる
。

そして、例えば第５図に示すように位置させれば、機体
側方の平担面から斜面および垂直面の草刈作業ならびに
果樹や樹木の刈込み作業ができる。

第６図に示すように位置させると、従来のオフセット形
式のレシプロモアーでは作業が不可能であったトラクタ
走行跡の草刈作業ができる。

第７図に示すように位置させると、トラクタの他側の果
樹、樹木の側面刈込み、剪定ができる。

第８図に示すように位置させると、果樹、樹木、垣根等
の側面刈込みや頂部剪定ができる。

これらのほかにも、任意の位置で固定することにより、
従来のこの種モアーでは実施できなかった作業が広範囲
に行える。

なお、環状支持板１１に対するモアーフレーム６の回動
を軽く円滑に行うには、ブラケット７゜８．９，１０に
ベヤリングを使用するとよく、また、係止ピン１３に代
えて、油圧モータ等を用いてモアーフレーム６を無段階
に回動、停止するようにしてもよいものである。

また、往復動切断刃５の屈曲（角度）調節も油圧シリン
ダや油圧モータを使用して遠隔操作しうるようにしても
よいものである。

このように、本考案のモアーの作業位置自在調節装置に
よればモアーをトラクタに装着した状態で垂直面内で自
在に回動でき、かつ任意の位置で固定できるから、牧草
地をはじめ果樹園の草刈作業はもとより、果樹、樹木、
垣根等の刈込み、剪定など多目的作業を一台のモアーで
行うことができ、しかもその構成および操作は簡単、か
つ確実であるなど、優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は全体の側面図、
第２図は同平面図、第３図は同背面図、第４図は要部の
斜視図、第５図ないし第８図は、モアーを垂直平面内で
回動させた作業位置を示す概略背面図である。 １・・・・・・トラクタ、２・・・・・・三点懸架機構
、３・・・・・・モアー、５・・・・・・往復動切断刃
、６・・・・・・モアーフレーム、７〜１０・・・・・
・ブラケット、１１・・・・・・環状支持板、１２・・
・・・・係合孔、１３・・・・・・係止ピン、１５・・
・・・・トップリンクヒツチ、１６・・・・・・ロアリ
ンク連結ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トラクタの後部に三点懸架機構を介して装着されるレシ
   プロ形式のモアーにおいて、前記モアーは、前記三点懸
   架機構に連結されてほぼ垂直に保持される環状支持体と
   、この環状支持体に垂直面内で回動自在に支持されたモ
   ア一本体と、前記環状支持体に対しモア一本体を任意の
   位置で固定する固定手段とを備え、トラクタの走行方向
   とほぼ直交するあらゆる位置で刈取作業が行えるように
   したことを特徴とするモアーの作業位置自在調節装置。