JPH0425923Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、果樹園の樹冠下部分の中耕と同時に
樹幹近傍部分の草刈りを行う装置に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

果樹園における土壌管理は、一般に樹冠下清耕
（中耕）、樹列間草生とする方法が推奨されてい
る。このうち、樹冠下の中耕については、本出願
人が提案しているオフセツト式中耕装置で作業が
可能である。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記中耕作業範囲を幹周部分まで拡大するとな
ると、中耕装置のオフセツト量を自動的に調節す
る必要があり、このため構造が複雑でかつ機体重
量が重いものとなり、価格も高くなるという問題
点があつた。

本考案は、上記問題点を解決するためになされ
たものである。

〔課題を解決するための手段〕

この目的のため本考案は、走行車体に、車体幅
とほぼ等しい作業幅を有する中耕装置と、この中
耕装置の作業幅のさらに側方を作業するようにオ
フセツトされ、１個の円形ケーシングに水平方向
に回転する刈刃を設けた草刈り装置とからなり、 前記草刈り装置は、ケーシングの外周縁の樹幹
と接したときのみ、所定の回転半径で中耕装置の
作業幅内に入り込むように構成されていることを
特徴とするものである。

〔作用〕

上記の構成によつて、中耕装置と草刈り装置と
を組合せて、樹冠下部分を中耕し、同時に幹周部
分は草刈りすることができ、構造の簡略化と共に
作業が容易となる。

〔実施例〕

以下、図示した実施例を参照して本考案を説明
する。

第１図および第２図において、符号１は平面形
状が前後方向に細長い長方形をなす本体フレーム
で、このフレーム１には、前後方向ほぼ中間部両
側に左右一対の走行駆動輪２を装備し、前端部に
車体幅とほぼ等しい作業幅を有するロータリ形式
の中耕装置３を装着し、後部にエンジン４を搭載
している。また、本体フレーム１には、その前端
部左右両側端から前方に延びる一対の支持アーム
５を介してキヤスタ状の前輪６を上下調節可能に
取付け、後端部に、スライド保持管７および調節
ねじ８を介して操縦ハンドル９のスライドアーム
１０を左右移動調節可能に装着している。

エンジン４の前側に変速機１１が設けられ、こ
の変速機１１にはベルト伝動系１２を介してエン
ジン４から動力が伝達され、変速機１１から前記
走行駆動輪２に動力が伝達されるようになつてい
る。変速機１１の前方には伝動軸１３が本体フレ
ーム１に横架されており、この伝動軸１３にエン
ジン４からベルト伝動系１４を介して動力が伝達
される。伝動軸１３の一側端と前記中耕装置３の
回転軸の一側端間には、チエン伝動ケース１５が
設けられていて中耕装置３に動力が伝達され、伝
動軸１３の他側端は、本体フレーム１１に固着し
たギヤボツクス１６に貫装されている。ギヤボツ
クス１６の下部には、支持フレーム１７の基部が
水平方向に回動可能に枢支され、この支持フレー
ム１７の先端部に草刈り装置１８が取付けられて
いる。また、ギヤボツクス１６から下方に回転軸
が突出しており、この回転軸に前記伝動軸１３か
ら傘歯車を介して動力が伝達され、回転軸の下端
に設けたベルト伝動系１９を介して草刈り装置１
８に動力が伝達される。

草刈り装置１８は、１個の円形のケーシング２
０の下部に水平方向に回転するロータリ式の刈刃
２１を備え、常時は第２図の実線で示すように本
体フレーム１、中耕装置３から一側にオフセツト
され、ケーシング２０の外周縁が果樹の樹幹に接
したときのみ第２図の仮想線で示すように車体フ
レーム１、中耕装置３側に入り込むように支持フ
レーム１７の枢支部を弾持している。

このような構成の中耕・草刈り装置において
は、果樹園の中耕・草刈り作業を行うに当り、果
樹Ｔ列に沿つて機体を走行させる。すると、第３
図に示すように中耕装置３では、果樹園Ｔの樹冠
TC下を所定の幅で中耕部分（GT）を中耕し、
これと同時に草刈り装置１８は果樹Ｔの樹幹近辺
の草を所定の幅で刈取り部分（GC）を刈取り、
ケーシング２０の外周縁が樹幹に接すると草刈り
装置１８は本体フレーム１、中耕装置３側に引込
み、果樹Ｔの幹周の草を刈取る。従つて、果樹Ｔ
の樹冠TC下の中耕、草刈り作業を同時に行なつ
て能率的な管理作業が行われ、果樹Ｔ列の反対側
から中耕、草刈り作業を行えば、樹冠TC下の完
全な管理作業が行える。

なお、本考案の装置においては、第１図でも明
らかなように機体高さを極力低くなるように設計
され、操縦ハンドル９も、本体フレーム１からオ
フセツト量を調節可能になつているので、果樹Ｔ
の種類、大きさ、樹冠Ｔの広がり、傾斜地等に応
じて適宜調節ができ、利用範囲は広く、操作性も
良好なものである。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案による果樹園の中
耕・草刈り装置によれば、車体幅とほぼ等しい作
業幅を有する中耕装置３から側方にオフセツトさ
れ、外周縁が樹幹に接したときのみ中耕装置３側
に入り込む１個の円形ケーシングおよび刈刃から
なる草刈り装置１８を設けたので、果樹Ｔの樹冠
TC下の中耕と樹機近傍の草刈り作業を同時に行
うことができる。また、草刈り装置１８をその外
周縁が樹冠と接したときにのみ中耕装置３の作業
幅内に入り込むようオフセツトさせたから、樹冠
TC下の草刈り作業と中耕作業が連続して能率よ
く行うことができ、しかも構造を簡略化すること
ができ、安価に製造することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す装置全体の側面
図、第２図は同平面図、第３図は作用説明図であ
る。 １……本体フレーム、２……走行駆動輪、３…
…中耕装置、４……エンジン、５……支持アー
ム、６……前輪、７……スライド保持管、８……
調節ねじ、９……操縦ハンドル、１０……スライ
ドアーム、１１……変速機、１２，１４，１９…
…ベルト伝動系、１３……伝動軸、１５……チエ
ン伝動ケース、１６……ギヤボツクス、１７……
支持フレーム、１８……草刈り装置、２０……ケ
ーシング、２１……刈刃、Ｔ……果樹、TC……
樹冠、GT……中耕部分、GC……草刈り部分。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 走行車体に、車体幅とほぼ等しい作業幅を有す
   る中耕装置と、この中耕装置の作業幅のさらに側
   方を作業するようにオフセツトされ、１個の円形
   ケーシングに水平方向に回転する刈刃を設けた草
   刈り装置とからなり、 前記草刈り装置は、ケーシングの外周縁が樹幹
   と接したときのみ、所定の回転半径で中耕装置の
   作業幅内に入り込むように構成されていることを
   特徴とする果樹園の中耕・草刈り装置。