JPS6141534Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自走式草刈機における刃物のフロント
ガードの改良に関するもので、その目的とすると
ころは果樹等の幹を傷付けることなく、密生した
草を容易に刈取ることにある。

自走式回転草刈機は第１図に示すように、フレ
ーム１上に原動機２を搭載し、ハンドル３手前の
走行車輪４へ走行減速機５を経て動力を伝え、他
方フレーム１前方端部へ刃物減速機６を設け、こ
れから縦通する回転軸７の下端へ地面に対してほ
ぼ水平に回転する刃物８を有し、更にフレーム１
前方へ前輪アーム９を出し、その先端へ前輪１０
を設けた構造である。

刃物８は露出していると危険であるし、前述し
たように果樹の幹を傷付けたり、刈られた草の回
転軸への巻付きなど種々のトラブルが生じる。そ
こで、従来の草刈機には、第１図に示すように、
刃物カバー１１が図の２点鎖線で示す刃物の前方
回転直径一杯に設けられ、かつフロントガード１
２が同じく２点鎖線で示すように、前輪アーム９
から垂下支持された構造のものが取付けられてい
る。しかしながら、刃物カバー１１が刃物８の回
転円周より同じか又は大なる場合は、刈取られた
草が刃物カバー内に滞り、排出不良となつて馬力
ロスや回転軸への草の巻付き等のトラブルが発生
し、作業能率を著しく低下させていた。そのた
め、止むなく刃物カバー１１の前方外周を図の実
線のように後退させ、果樹等の幹の損傷は作業者
の注意力で補つていたのである。

本考案は、以上のような従来の欠点を解決した
もので、フロントガードを刃物カバー側に取付
け、かつ刃物カバーに対して前後方向に摺動可能
にしたことを特徴とする。

図面は本考案の一実施例であつて、第２図はフ
ロントガードと刃物カバー部分の平面図、第３図
は第２図Ａ−Ａ断面図である。その自走式草刈機
への装着状態を第１図の実線で示している。

本考案で用いる刃物カバー１３はその前方外周
部を刃物円周よりもＳ寸法だけ控えた形である。
このＳ寸法は刃物回転数と走行スピードとの関係
において、刃物が1/2回転する間の走行距離より
大になるように選ぶことが好ましい。例えば、刃
物回転円周の直径が800mmのとき、Ｓはほぼ50mm
である。刃物カバーを控えると、長幹で密生した
草を刈る場合でも、草の排出が良好で草が刃物カ
バー内側湾曲部へ滞ることがないが、刃物が前方
で露出しているので果樹の幹等を傷めることがあ
る。

そこで、フロントガードに工夫を加え、従来の
前輪アーム９からの垂下方式を止め、刃物カバー
１３の前面へ摺動突出させるようにしたのであ
る。本考案のフロントガード１４は、第２，３図
から明らかなように、刃物カバー前方外周部とほ
ぼ同じ円弧状で上向きに折り曲げた縁部１５と、
刃物カバー上面との摺動面部１６とからなり、こ
の摺動面部に数個所（図では３個所）の前後方向
長穴１７を設けて、縁部１５が刃物カバー１３の
前方外周部から突出するよう摺動可能にボルト１
８とナツト１９で刃物カバー上面に取付ける構造
である。したがつて、フロントガード１４は第
２，３図の実線で示す刃物カバー外周部より後退
した位置から２点鎖線で示す刃物回転円周より前
進した位置まで任意に変更可能であり、後者の前
進位置でもフロントガードの縁部１５が上向きに
折り曲げてあるので、従来の刃物カバーよりも刈
つた草の排出がはるかに良好で、かつ縁部１５が
刃物回転円周より外方へ突出しているので、馬力
ロスや回転軸への草の巻付きが起り難くなり、果
樹等の幹を傷付けることなく能率的に作業が行え
る。また、単なる草地の場合は、フロントガード
を後退させて刃物を露出させると草の排出が更に
良好となり、本考案のフロントガードをより効果
的に使用することができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案フロントガードを装着した自走
式草刈機の側面図、第２図はフロントガードの平
面図、第３図は第２図Ａ−Ａ断面図である。 ８……刃物、１３……刃物カバー、１４……フ
ロントガード、１５……フロントガード縁部、１
６……フロントガード摺動面部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレームに設置した刃物減速機回転軸の下端へ
   地面に対してほぼ平行に回転する刃物を有し、か
   つ刃物の上部へ刃物とほぼ平行に刃物カバーを有
   する自走式草刈機において、前記刃物カバーの上
   面前方向外周部を上向きに折り曲げた縁部を有す
   る円弧状のフロントガードを、前記刃物カバーに
   対して前後方向に摺動可能に設けたことを特徴と
   する自走式草刈機のフロントガード。