JP5830067B2 - 携帯草刈機の刈刃用保護部材 - Google Patents

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本発明は、携帯草刈機の刈刃を保護する携帯草刈機の刈刃用保護部材に関し、特には、草刈作業中において、保護部材による草木等の絡みがなく、草刈機の操作性が極めて良い携帯草刈機の刈刃用保護部材に関する。
従来、作業者が持って操作する携帯草刈機に於いては、後端に設けたエンジンあるいは電動モーターでもって、主杆の内部の回転軸を回転させて、機体軸管の先端に設けた刈刃を回転させながら、草刈機全体を作業者が持って草刈機を左右に振りながら操作して草木を刈っていた。
しかしながら、草刈機の刈刃が剥き出しのままであると、草刈の際に刈刃を左右に振ると、隠れた石や木の切株、杭等の障害物あるいは縁石等に刈刃が当たり、刈刃を損傷したり又は石の飛散で怪我をする等が起こり、これらを防止するための保護カバー等が提案されている。
例えば、特許文献1(特開平7−194225号公報)では、切刃の前方に刃刈が回転自在の間隔を有した場所に突起取り付け板に固着された草を挟持する複数個の突起が設けられてなる回転切刃の損傷を防止した携帯用草刈機が開示されている。
また、特許文献2(登録実用新案第3009429号公報)では、刈払機に設けた刈払刃の上面側又は下面側で、周縁に櫛歯をもつ保護体を櫛歯の先端部と払刈刃の刃部の切先とが先端を同じくするか又は櫛歯の先端部が払刈刃の刃部の切先より前方に突出するように保護体の基部を主杆の駆動軸部等に止着し、かつ保護体と払刈刃の間の櫛歯の歯底部の際に仕切体を設けたものが開示されている。
更に、特許文献3(実開平6−5411号公報)では、安全カバーは、刈払機本体の先端に形成し、その安全カバーの一端を刈払機本体の先端の軸外管又はギアケースの所定の位置に着脱自在又は固着して形成し、その安全カバーの外周の所定の位置に任意の形状の切り欠き部を形成し、替え刃は、安全カバーの本体と蓋の間の回転自在に形成した安全カバー付刈払機が開示されている。
これらの特許文献1〜3のものでは、それぞれの、突起取り付け板、保護体、安全カバー等が、切刃、払刈刃あるいは替え刃等の刃部を草刈作業中の障害物から保護し、且つ、刃部から人体を保護するようにさせている。
そして、上記特許文献1のものは、切刃を保護する突起取り付け板に複数の突起が設けられ、また、特許文献2では、刈払刃を保護する保護体の周縁に多数の櫛歯を有し、更に、特許文献3では、安全カバーの外周の所定の位置に任意の形状の切り欠き部を形成している。
特開平7−194225号公報 登録実用新案第3009429号公報 実開平6−5411号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3のものは、上記したように、切刃を保護する保護部材に、複数の突起、多数の櫛歯あるいは切り欠き部等(以下総称して櫛歯等という)を形成している。
このように、上記特許文献1〜3の切刃等を保護するものでは、草刈作業で携帯草刈機の切刃側を作業者が左右に振りながら刈り取る際に、保護部材に形成した櫛歯等に草木が絡み付いて草刈機の移動を妨げ重くなり、作業者が草刈機をスムースに操作できず、極めて作業性が悪いという問題点を有していた。
つまり、従来の前記櫛歯等を有するものは、その先端側がいずれも切刃の回転範囲の外側に位置している。
このことにより、草木が櫛歯等に常時入り込んだ状態に於いては、櫛歯等の先端側に入り込んだ草木は直ぐに切刃で刈り取られず、先端側の櫛歯等内には草木が常に入り込んで存在し、これらが携帯草刈機を左右に移動する際の抵抗となり、作業者の負担が増し極めて作業性を悪くしていた。
他方、刈刃がナイロン刃の場合、この刃を保護する保護部材の外周がナイロン刃の回転範囲よりも大きいと、ナイロン刃が当接しても支障のない障害物、特には杭、側壁、庭石がある場所の草刈作業においては、保護部材が先に障害物に当接するため、障害物の直近を刈り込むことが出来ず、刈り残し部分ができるという問題点を有していた。
本発明は、草刈作業中に刈刃と共に保護部材が移動しても、保護部材による草木の抵抗が少なく、草刈機をスムースに操作でき作業性が極めてよい携帯草刈機の刈刃用保護部材を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、ナイロン刃の長さを、障害物の種類によって所定の長さに切り分けできる携帯草刈機の刈刃用保護部材を提供することにある。
操作杆(2)の先端に設けた刈刃(3)が原動機(4)で回転し草を刈り取る携帯草刈機(1)に装着され、前記刈刃(3)を保護する保護部材(5)に於いて、
前記保護部材(5)が、外周リング(51)と、その同芯状に位置し中央に取付け穴(52a)を有する取付盤(52)と、この外周リング(51)と取付盤(52)と間を放射状に連結する複数の連結棒(53)とから少なくとも成り、且つ、前記連結棒(53)で前記取付盤(52)を前記外周リング(51)の上方に位置させて連結し、しかも、前記刈刃(3)が線状のナイロン刃であり、且つ、前記ナイロン刃(3)を回転させて所定の長さに切るためのカッターナイフ(6)を、前記保護部材(5)の外周リング(51)に設けると共に、前記カッターナイフ(6)の位置を前記外周リング(51)の内外に移動自在としたことを特徴とする。
前記保護部材(5)の前記外周リング(51)が、その一部を切欠いて空間部(51a)を形成するのがよい。
ここで、本発明でいう放射状に連結するとは、同芯状に配置した外周リングと取付盤とを連結するのに、取付盤の中心から外周リングに向けて配した複数の連結棒にて両者を連結することをいう。
本発明では、前記保護部材(5)の外周リング(51)が,従来のように櫛歯等もなく滑らかなリング状であるから、草刈作業中に、携帯用草刈機(1)の刈刃(3)側を左右に移動操作しても、草木が保護部材(5)の外周リング(51)に絡まることもなく、抵抗なくスムースに移動操作でき、極めて作業性の良いものとなる。
また、前記保護部材(5)が、取付盤(52)を外周リング(51)の上方に位置させて連結して略椀状の籠形を呈しているため、刈り取る草木類が柔らかいものでは、保護部材(5)を被せた方向で外周リング(51)を刈刃(3)の上方近くに位置させて取り付けられるので、保護部材(5)が刈刃(3)に近くなる分、刈刃(3)の保護の役目を成す。
他方、刈り取る草木類が腰の強いものでは、保護部材(5)の向きを反転して、外周リング(51)を刈刃(3)の上方から離して位置させれば、保護部材(5)の外周リング(51)が、刈刃(3)からより離れる。
そのため、腰の強い草木類に保護部材(5)が当接しても、草木類の上部を外周リング(51)が押すことになるので、それらの草木類を容易に押し倒しながら刈り取ることができ、携帯用草刈機(1)の刈り取り操作が容易となる。
要するに、草木の種類に応じて、刈刃(3)に対する外周リング(51)の距離を良好に可変出来る点である。
更に、前記保護部材(5)の前記外周リング(51)にカッターナイフ(6)を装着し、且つ、前記カッターナイフ(6)の位置を前記外周リング(51)の内外に移動自在に設けたことにより、ナイロン刃(3)の長さが、障害物の種類に対応した長さにカットできる。
つまり、障害物が庭木等で傷付けられない場合は、ナイロン刃(3)の回転範囲を外周リング(51)の内側になるように、ナイロン刃(3)の長さをカットすれば庭木等に外周リング(51)の方が当接し、庭木等を保護できる。
他方、ナイロン刃(3)が直接障害物に当たっても支障がない場合は、ナイロン刃(3)が前記保護部材(5)の外周リング(51)の外に突出した長さでカットし、それを使用することにより、障害物にナイロン刃(3)が当たり、障害物直近の草木も刈り取られ、 障害物があっても草木の刈り残しがなく綺麗に刈り取りできる。
また、外周リング(51)に空間部(51a)を形成したので、保護部材(5)を刈刃(3)の上方に同芯状にて装着する際に、操作杆(2)が外周リング(51)に当らずに空間部(51a)を通過できる。
また、この空間部(51a)は、草刈の際に、太い草木に外周リング(51)の一部が当接して切れない場合でも、操作杆(2)の真下に位置する空間部(51a)を利用して、その空間部(51a)から太い草木を外周リング(51)内に入れば、その太い草木をピンポイントに切ることができる。
本発明の保護部材を装着した携帯用草刈機示す斜視図である。 本発明の保護部材を示す説明図である。 本発明の保護部材を示す斜視図である。 本発明のカッターナイフを示す説明図である。 本発明の保護部材にカッターナイフを装着した状態を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態につき図を基に説明する。図1に示すように、(1)は本発明に係る携帯草刈機であり、操作杆(2)の先端に設けた刈刃(3)が、操作杆(2)の後端に設けた原動機(4)で回転し草木等を刈り取る携帯草刈機である。
そして、刈刃(3)は、線状のナイロン刃が使用される。
(5)は本発明の保護部材であり、図2、図3に示すように、これは外周リング(51)と、その同芯状に位置し中央に取付け穴(52a)を有する取付盤(52)と、この外周リング(51)と取付盤(52)と間を放射状に連結する複数の連結棒(53)とから成る。
外周リング(51)は、細長板、丸棒、パイプ等を円形のリング状に形成したもの、あるいは円形リング状の一部を切り欠いて空間部(51a)を形成しているもの等がある。
そして、外周リング(51)の外径は、円盤状の刈刃(3)の外周よりも適宜に大きくさせ、刈刃(3)が線状のナイロン刃では、後述するように、刈る場所に応じて、そのナイロン刃の回転範囲よりも大きい場合と小さい場合とがある。
これにより、円盤状の刈刃(3)においては、草刈の際に、障害物に保護部材(5)の外周リング(51)が刈刃(3)よりも先に当接し、障害物に刈刃(3)が直接当らず、刈刃(3)を障害物から保護する役目を成す。
また、外周リング(51)には、従来の櫛歯等がなく、単なるリングであるから、草刈作業中に刈刃(3)と共に保護部材(5)が移動しても、その外周リング(51)に草木が絡み付くことがない。
従って、保護部材(5)による草木の抵抗が極めて少なく、草刈機(1)をスムースに操作でき作業性が極めてよい
また、外周リング(51)に前記空間部(51a)を形成したものは、保護部材(5)を刈刃(3)の上方に同芯状にて装着する際に、刈刃(3)のギヤーボックス(11)から操作杆(2)が斜め上方に伸長しているため、その操作杆(2)が外周リング(51)に当たる場合、例えば保護部材(5)を反転させて装着した時に、操作杆(2)が外周リング(51)の空間部(51a)を通過できるようにしている。従って、空間部(51a)の広さは操作杆(2)が通過できる広さである。
更に、この空間部(51a)は、草刈の際に、太い草木に外周リング(51)の一部が当接して切れない場合でも、操作杆(2)の真下に位置する空間部(51a)を利用して、その空間部(51a)から太い草木を外周リング(51)内に入れて、その太い草木を刈刃(3)でピンポイントに切ることができる特有な利点を有する。
取付盤(52)は、角形状、円盤状等のものであり、その中央に取付け穴(52a)を穿設している。
連結棒(53)は、外周リング(51)と取付盤(52)とを連結するハブの役目を成し、外周リング(51)と取付盤(52)と間を放射状に複数本で連結するものである。
しかも、外周リング(51)と取付盤(52)とが同芯状でもって、この取付盤(52)の位置を外周リング(51)よりも上方にずらして連結棒(53)で連結させており、保護部材(5)全体が略椀状の籠形に形成している。
このように、保護部材(5)が略椀状の籠形に形成したことにより、図2の2点鎖線で示すように、草木類の種類によって保護部材(5)を逆に反転させれば、刈刃(3)と外周リング(51)との上下方向の距離が変化し、それにより、草木類の種類に対応した外周リング(51)の位置で使用することもできるのである。
つまり、保護部材(5)の装着に当たり、刈り取る草木類が柔らかいものでは、前記外周リング(51)が取付盤(52)の下方の状態で保護部材(5)を装着すれば、前記外周リング(51)が刈刃(3)の上方近くに位置し、保護部材(5)が刈刃(3)に近くなる分、刈刃(3)の保護の役目を成し、他方、刈り取る草木類が腰の強いものでは、保護部材(5)を反転して、前記外周リング(51)が取付盤(52)の上方の状態で装着すれば、前記外周リング(51)が刈刃(3)の上方からより離れて位置し、そのため、腰の強い草木類に前記保護部材(5)が当接しても、立ち上がった草木類の上部を外周リング(51)が押すことになるので、草木類を容易に倒しながら刈り取ることができ、携帯用草刈機(1)の刈り取り操作がより容易となる。
また、刈刃(3)と、その上方に位置する外周リング(51)との間の垂直距離は、10mm〜50mmの範囲であり、好ましくは20mm〜30mmである。
保護部材(5)の装着は、刈刃(3)の上方に位置するギヤーボックス(11)の上端に取付けネジ(12)で固定される。
(6)は前記外周リング(51)に装着した両刃のカッターナイフであり、図4、図5に示すように、これは前記ナイロン刃(3)を回転させて所定の長さに切るためのものであり、しかも、前記カッターナイフ(6)の位置を前記外周リング(51)の内外に移動自在としている。
また、カッターナイフ(6)を両刃とするのは、カッターナイフ(6)の位置を前記外周リング(51)の内外に移動自在に装着する際に、後述するようにカッターナイフ(6)の刃部が反転するためにカットの関係上両刃としている。
しかしながら、カッターナイフ(6)の位置を変える手段が、カッターナイフ(6)の刃部を反転させない場合は、片刃でもよい。
そして、前記カッターナイフ(6)の位置を前記外周リング(51)の内外に移動自在に装着する手段としては、例えば、図4に示すように、前記外周リング(51)の下部に取付板(7)を固着し、その取付板(7)の下部には、前記カッターナイフ(6)を一端に設けたナイフ保持板(8)を有し、このナイフ保持板(8)は、その他端側と取付板(7)とを貫通する段付きボルト(9)で回動自在に軸支させている。
これにより、ナイフ保持板(8)は段付きボルト(9)を中心に回動自在とし、前記カッターナイフ(6)が外周リング(51)の内外に移動自在となる。
つまり、ナイフ保持板(8)の他端が段付きボルト(9)で軸支されて、この段付きボルト(9)を中心にナイフ保持板(8)が自由に回動できるので、ナイフ保持板(8)の先端に設けた前記カッターナイフ(6)が、前記外周リング(51)の外側又は内側の位置に変更可能となる。(10)はナイフ保持板(8)を固定する固定ビスである。
従って、ナイロン刃(3)のカットする長さを、障害物の種類に応じて前記外周リング(51)の内側か外側かを選択でき、刈り残しがない所定の長さにカットできる。
これを更に説明すると、草刈作業中に保護部材(5)が障害物に当接する箇所、特に石や支柱あるいは縁石等に回転するナイロン刃(3)が直接接触しても問題ない箇所では、図4(a)の如く、カッターナイフ(6)を外周リング(51)の外側に位置させて、ナイロン刃(3)を回転させカッターナイフ(6)で先端側をカットすれば、ナイロン刃(3)が前記保護部材(5)の外周リング(51)の外に突出した長さとなり、ナイロン刃(3)の回転範囲が外周リング(51)の外径よりも大きくなる。
これを使用することにより、草刈の際に、ナイロン刃(3)が障害物に直接接触し、障害物直近の草木の刈り残しがなく、綺麗に刈り取りできるのである。
他方、植木等がある箇所では、植木等にナイロン刃(3)が当たると、植木の肌を損傷する虞れがあるため、ナイロン刃(3)の先端を外周リング(51)の内側に位置する長さのものが使用され、草刈の際に、先に保護部材(5)が植木等に当接させ植木等にナイロン刃(3)が直接触れなくしている。
このような長さにナイロン刃(3)をカットするには、図4(b)のように、段付きボルト(9)を緩めて固定ビス(10)を外し、ナイフ保持板(8)を180度回転させてカッターナイフ(6)を外周リング(51)の内側に位置させ、ナイロン刃(3)を回転させてカッターナイフ(6)でカットすれば、ナイロン刃(3)が前記保護部材(5)の外周リング(51)の内側に位置する長さとなり、この長さのナイロン刃(3)を使用すれば植木等を損傷することがなく安心して草刈作業ができるのである。
1 携帯草刈機
2 操作杆
3 刈刃
4 原動機
5 保護部材
51 外周リング
51a 空間部
52 取付盤
53 連結棒
6 カッターナイフ

Claims (1)

  1. 操作杆(2)の先端に設けた刈刃(3)が原動機(4)で回転し草を刈り取る携帯草刈機(1)に装着され、前記刈刃(3)を保護する保護部材(5)に於いて、
    前記保護部材(5)が、外周リング(51)と、その同芯状に位置し中央に取付け穴(52a)を有する取付盤(52)と、この外周リング(51)と取付盤(52)と間を放射状に連結する複数の連結棒(53)とから少なくとも成り、且つ、前記連結棒(53)で前記取付盤(52)を前記外周リング(51)の上方に位置させて連結し、しかも、前記刈刃(3)が線状のナイロン刃であり、且つ、前記ナイロン刃(3)を回転させて所定の長さに切るためのカッターナイフ(6)を、前記保護部材(5)の外周リング(51)に設けると共に、前記カッターナイフ(6)の位置を前記外周リング(51)の内外に移動自在としたことを特徴とする携帯草刈機の刈刃用保護部材。
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