JPH0726916Y2 - 条桑株直し機における横枝切断装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、桑樹における株直し作業を手作業から機械化
作業として、大幅な能率向上と労働強度の軽減を図るた
めの、水平回転式の条桑株直し機における横枝切断装置
に関する。

［従来の技術］ 従来の株直し作業は収穫作業に付随するもので、桑株よ
り生育した条桑を、収穫機の水平回転刃等により株頭か
ら20〜30cmの高さの位置で水平に切断収穫し、残された
20〜30cmの残枝を、株直し機の水平回転鋸刃で枝条基部
から切断し整株とする方法で、行われてきたものであ
る。

［考案が解決しようとする課題］ 機械で収穫する桑畑の裁植距離は、畦間80〜150cm、株
間40〜60cmに栽培されているため、伸長する枝条の方向
は、畦間側においては略横方向に、また畦間より間隔の
短い株間側は略上向き方向にと、同じ株でも枝条の方向
はそれぞれ異なる方向に生長する。

このため、従来の水平式回転鋸刃の株直し機では、横方
向に生長した残枝の切断は不可能であり、畦間側に多く
の刈残りが生じ、これが解決のため手作業による鎌ある
いは鋏等を使用して整枝する等の問題を有していた。

また、特公昭53-31216号公報に記載されているように、
機体の片側に垂直に回転する伐採鋸を備えた条桑収穫機
では、桑の株の畝方向に伸びている横枝を刈ることは可
能であっても、桑の株の畝方向に伸びている横枝を両側
とも均等に刈り取ることはなかなか困難である。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、水平
回転鋸刃の後方に、桑の株の両側を畝方向に一定幅で挟
む左右一対の垂直回転鋸刃を間隔をおき配設して、前記
水平回転鋸刃により上向き方向に生長した残枝を、また
左右一対の垂直回転鋸刃により横方向に生長した横枝を
それぞれ均等に、しかも刈残りなく、一度に切断するこ
とができる条桑株直し機における横枝切断装置を提供し
ようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案における条桑株直し
機における横枝切断装置は、取付フレームの先端側に装
着した伝動筐に軸架した垂直回転軸の下端に水平回転鋸
刃を装着すると共に、前記水平回転鋸刃の後方には、桑
の株の両側を畝方向に一定幅で挟む左右一対の垂直回転
鋸刃を装着した水平回転軸を取付フレームに一端が装着
された保持枠へ回転自在に軸架してなるものである。

［作用］ 桑畑において、条桑の株直しを行うには、水平回転鋸刃
および左右一対の垂直回転鋸刃をそれぞれ矢印方向に向
け回転させると同時に、前記水平回転鋸刃および左右一
対の垂直回転鋸刃を備えた取付フレームを、栽培されて
いる桑畑の畦を跨いで前進せしめる。

さすれば、上向き方向に向け生長した残枝は、先ず水平
回転鋸刃により所定高さ位置において切断されると共
に、横方向に生長した横枝は左右一対の垂直回転鋸刃に
より桑の株の畝方向に両側とも均等にかつ同時に切断さ
れる。

したがって、株より異なる方向に生長した残枝は、水平
回転鋸刃および左右一対の垂直回転鋸刃によって刈残り
なく切断することができる。

［実施例］ 実施例について図面を参照して説明する。

第１図ないし第４図において、１は、自走式農作業車
（図示せず）の前部側へ取外し自在に装着した取付フレ
ームであって、上記取付フレーム１の先端側には伝動筐
２が一体に装着されており、この伝動筐２より下方に向
け軸架延出した垂直回転軸３の下端には水平回転鋸刃４
を装着して、自走式農作業車（図示せず）より動力を伝
動ベルト５、入力プーリ６および入力軸７を経て伝動筐
２に伝達して垂直回転軸３を高速回転せしめる。8,8
は、水平回転鋸刃４の後方に位置せしめた左右一対の垂
直回転鋸刃であって、この左右一対の垂直回転鋸刃8,8
は、取付フレーム１に一端を装着したコ字状の保持枠９
へ軸架した水平回転軸10へ適当な間隔をおいて装着され
ていて、桑の株の両側を畝方向に一定幅で挟む間隔をな
している。なお、前記左右一対の垂直回転鋸刃8,8は、
水平回転軸10に沿って左右方向に移動させれば、その間
隔および角度が自由に調節できる。11は、入力軸７に固
着した従動プーリ、12は、水平回転軸10の端部に装着し
た受動プーリ、13は、従動プーリ11と受動プーリ12とに
わたり懸回した伝動ベルトであって、入力軸７の動力に
より左右一対の垂直回転鋸刃8,8を高速回転せしめる。

Ａは、水平回転鋸刃４により切断する位置であり、Ｂ
は、垂直回転鋸刃8,8で切断する位置である。Ｃは、桑
の株Ｄより生長した横枝である。

［考案の効果］ 本考案は、上述のとおりに構成されているので、次に記
載する効果を奏する。

水平回転鋸刃の後方に、桑の株の両側を畝方向に一定幅
で挟む左右一対の垂直回転鋸刃を間隔をおき配設したの
で、桑株の上面より上向き方向に生長した残枝は、回転
する水平回転鋸刃により、また横方向に生長した横枝
は、左右一対の垂直回転鋸刃によりそれぞれ均等に、刈
残しなく一度に切断することができ、その結果、横枝を
鎌や鋏、またはチェンソー等により切断する面倒な操作
を省くことができるので、横枝切断作業を省力化のもと
に能率的に達成させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部を切欠した斜視図、第２図は一部を切欠し
た側面図、第３図は一部を切欠した平面図、第４図は作
業状態を示す正面図である。 １……取付フレーム、２……伝動筐、３……垂直回転
軸、４……水平回転鋸刃、8,8……左右一対の垂直回転
鋸刃、９……保持枠、10……水平回転軸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】取付フレームの先端側に装着した伝動筐に
   軸架した垂直回転軸の下端に水平回転鋸刃を装着すると
   共に、前記水平回転鋸刃の後方には、桑の株の両側を畝
   方向に一定幅で挟む左右一対の垂直回転鋸刃を装着した
   水平回転軸を取付フレームに一端が装着された保持枠へ
   回転自在に軸架した条桑株直し機における横枝切断装
   置。