JPS606147Y2 - 建具における換気装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、扉の開口部に嵌挿した、開口部の遮蔽部材
を平行に移動して開口部の開閉をするようにした扉にお
ける換気装置に関するものである。

従来、扉その他の建具に換気部を設けるには、建具の開
口部に回動自在に小扉を設けたり、或いは摺動自在に小
窓を設けたりして換気部を構威し、前記小扉又は小窓を
開けて換気をするようにしていたので、前者では扉の回
動の為の空間を必要とし、後者では開口部の半分の面積
しか開口できないなどの問題点があった。

然るにこの考案は、建物の扉に設けた開口部に、該開口
部を遮蔽する遮蔽部材を嵌挿し、遮蔽部材を前記開口部
と平行に移動して開口部の開閉を行ない、扉の開閉をす
ることなく換気できる換気装置を構成したので、開口部
の開閉によって扉あるいは小扉の回動に必要とされた多
大な空間を考慮しなくても良くなると共に、開口部全面
積を換気に有効に利用できるようになり、前記従来の問
題点を解決したのである。

即ち、この考案を扉１の上部に設けた開口部２に実施し
た例について説明すれば、開口部２に嵌挿した硝子障子
３の両縦框４，４の外側に設けた凹入溝５，５の上下部
に夫々ブラケット６．６をビス７．７を介して固着し、
該ブラケット６．６にアーム８，８の一端部を回動自在
に取付け、アーム８，８の他端部を開口部２を形成した
縦枠９．９の内側凹入溝１３に摺動自在かつ任意の位置
で摩擦停止可能に装着した摺動ブロック１０゜１０に、
ビン１１．１１およびスペーサー１２゜１２を介して回
動自在に取付けると共に、前記縦枠９，９の摺動ブロッ
ク１０．１０の装着部下方にビス１４．１４を介して縦
枠９，９に固着されたブラケット１５．１５に前記アー
ム８の半分の長さの支持アーム１６．１６の一端部を回
動自在に取付け、該支持アーム１６．１６の他端部は前
記アーム８，８の中間部にビン１７．１７を介して回動
自在に連結する。

図中１８は硝子障子３の室外側面に当接するように開口
部２を形成した枠の室外側内側に装着した環状のバッキ
ング、１９は開口部２の室外側に張設した防虫網、２０
は扉１の把手、２１は硝子障子３の把手である。

上記実施例の換気装置において、硝子障子３に設けた把
手２１を引き、或いは硝子障子３を押して、前記アーム
８および支持アーム１６によるリンク機構の各アームを
回動させれば、摺動ブロック１０は凹入溝１３内を摺動
し、硝子障子３を水平方向に移動させて、開口部２の開
閉を行なうことができる。

第２図、第３図、第４図、第５図および第６図は夫々硝
子障子３を移動可能範囲のおよそ半分まで移動した状態
であって、硝子障子３を更に室内側に引き、アーム８お
よび支持アーム１６が夫々水平になった所（実際には摺
動ブロック１０がブラケット１５に当るまで）で硝子障
子３の移動は止まる。

把手２１から手を離しても、摺動ブロック１０と凹入溝
１３の内壁との摩擦により、硝子障子３はその位置に留
まり、リンク機構により支承される。

硝子障子３を開けた状態では実線矢示２２のように空気
が流入し、室内換気を行なうことができる。

然して上記のように扉１に、この換気装置を設置すれば
、扉１を開閉することなく室内換気を行なうことができ
ると共に、換気状態においても扉１の開閉を行なうこと
ができる。

尚、前記硝子障子３を不透明のパネル等に代えれば、換
気時においても室外から室内を覗かれることが無くなる
。

硝子障子３の移動距離は、前記アーム８および支持アー
ム１６の長さ並びに、アーム８と支持アーム１６の連結
点で決められるので、これらの要素はこの換気装置の使
用目的、場所等に応じて適宜、選択すれば良い。

硝子障子３の移動距離を、扉１と硝子障子３の間隙に手
が入らない程度に制限すれば、夜間でも開口部を開けた
状態で放置することができ、防犯上有効である。

尚、前記防虫網１９は換気時に室内に虫の侵入するのを
防止する。

又、実施例ではリンク機構を開口部の枠と硝子障子の框
との間に設置したが、開口部の上下枠と硝子障子の上下
框との間に設置しても良いことは勿論である。

又、硝子障子３を閉鎖位置とした時には、前記バッキン
グ１８と硝子障子３の室外側面縁部が当接するので、開
口部２を気密に閉鎖することができる。

一方、前記リンク機構を構成したアーム８，８および支
持アーム１６．１６は第６図および第７図に示したよう
に、硝子障子３を形成した框４の見込内に収納されて外
部に突出する部分は無く、通常の扉の外観を呈すること
ができる。

即ちこの考案によれば、扉の一端に設けた開口部に遮蔽
部材を開閉自在に嵌装し、該遮蔽部材の框と開口部の枠
とを遮蔽部材を水平移動させかつ任意の位置で移動を停
止できるリンク機構で連結し、該リンク機構は遮蔽部材
の閉鎖時には遮蔽部材の框の見込内に収納されるように
構成すると共に、前記開口部を形成した枠の室外側内側
に遮蔽部材の室外側面縁部と離接する環状バッキングを
取付けたので、開口部の開閉に必要な空間を少なくする
と共に、開口部全面積を有効に利用できる扉における換
気装置を提供する効果があるのみならず、遮蔽部材の開
放時には開放位置を任意の位置に適宜調節することがで
きる一方、閉鎖時には環状バッキングと遮蔽部材が当接
して開口部を気密に閉鎖し得ると共に、リンク機構は遮
蔽部材の框の見込内に納まり通常の扉の外観を呈するな
どの諸効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の正面図、第２図は同じく一
部を破切した拡大側面図、第３図は同じく一部を破切し
た拡大平面図、第４図は同じくリンク機構部分の拡大正
面図、第５図は同じくリンク機構部分の一部破切拡大平
面図、第６図は同じくリンク機構部分の一部破切拡大側
面図、第７図は第６図中Ａ−Ａ線における拡大断面図、
第８図はこの考案の実施例の一部拡大縦断面図である。 １・・・・・・扉、２・・・・・・開口部、３・・・・
・・硝子障子、４・・・・・・縦框、５，１３・・・・
・・凹入溝、６，１５・・・・・・ブラケット、７．１
４・・・・・・ビス、８・・・・・・アーム、９・・・
・・・縦枠、１０・・・・・・摺動ブロック、１１．１
７・・・・・・ビン、１２・・・・・・スペーサー、１
６・・・・・・支持アーム、１８・・・・・・バッキン
グ、１９・・・・・・防虫網、２０．２１・・・・・・
把手、２２・・・・・・実線矢示。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扉の一側に設けた開口部に遮蔽部材を開閉自在に嵌装し
   てなる換気装置において、前記遮蔽部材の框と開口部の
   枠とが遮蔽部材を平行移動させる為のリンク機構で連結
   されており、該リンク機構は一端を遮蔽部材の框に回動
   自在に取付けたアームの他端部を、開口部の枠に任意の
   位置で摩擦停止可能に装着された摺動ブロックに回動自
   在に取付けると共に、一端を開口部の枠に回動自在に固
   定した支持アームの他端部を前記アームの所定部に回動
   自在に連結して構威され、かつ遮蔽部材の閉鎖時には前
   記アームおよび支持アームが遮蔽部材の框見込内に収納
   されるように構成されていると共に、前記開口部を形成
   した枠の室外側内側には、遮蔽部材の室外側面縁部と離
   接する環状バッキングが取付けであることを特徴とした
   扉における換気装置。