JPS6240046Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、出窓の開閉装置に関する。

従来の技術 従来、出窓は建物の壁面より外側に突出して設
けられるため、その前面扉を室内より開閉するさ
い扉に手がとどき難く、扉の開閉操作が非常に面
倒であつた。とくに厨房等においては出窓の室内
側に沿つて流し台等を設置するため、さらに前面
扉に手がとどき難くなるという問題があつた。

また従来、窓の枠部材に筒状の操作レバーが揺
動自在に取り付けられ、この操作レバーの貫通孔
に屈曲自在な操作杆が挿通され、操作杆の前端が
障子に揺動自在に取り付けられた窓開閉装置が知
られている（例えば実開昭54−125141号公報参
照）。この従来の窓開閉装置によれば、確かに内
側の網戸を開閉することなく障子を開閉し得ると
いう利点があるが、操作レバーと操作杆がいずれ
も外部に表われて見え、従つて非常に体裁が悪い
ものであるし、またこれを出窓に適用した場合、
出窓の前面扉は建物の壁面よりかなり外方に突出
して存在するため、操作杆を非常に長くしなけれ
ばならず、前面扉の開閉をスムーズに行なうこと
ができないという問題があつた。

考案の目的 この考案の目的は、上記の問題を解決し、出窓
の前面扉を室内よりきわめて簡単にかつスムーズ
に開閉することができて、非常に便利であり、し
かも外部からは見えず、非常に体裁が良い出窓の
開閉装置を提供しようとするにある。

考案の構成 この考案は、上記の目的を達成するために、前
面扉が上方に揺動して開くようになされかつ後面
が開放した略箱形を有するとともに、底部が枠と
これに被せ止められた底壁とによつて構成されて
いる出窓において、出窓の底部の前後枠部材に横
断面略形のガイド・レールが底壁の下方になる
ように渡し止められ、前面扉の下端部に前後枠部
材同志の間の間隔に略等しい長さを有する平板状
アームが上下揺動自在に取り付けられ、アームの
後端部にジヨイントを介して連結棒が取り付けら
れ、ジヨイントにローラが取り付けられ、ジヨイ
ントとローラがガイド・レールの内側に配置され
て、ローラがガイド・レールの底壁上にのせら
れ、連結棒の後端部に、前面扉を閉じたさい後枠
部材より室内側で揺動自在となされた操作レバー
がピン連結されている出窓の開閉装置を要旨とし
ている。

実施例 つぎに、この考案の実施例を図面に基づいて説
明する。

図面において、１は前面扉２が上方に揺動して
開くようにされかつ後面が開放した略箱形の出窓
で、前面扉２はその上端より下端に至るほど外側
に張り出すように傾斜している。この出窓１は、
アルミニウム押出型材よりなる枠部材と、これに
嵌め込まれたガラス板とによつて主として構成せ
られている。また前面扉２の上縁両端部は出窓１
の前面左右両側枠３，３にそれぞれ摺動自在に保
持されるとともに、その高さの中央部両側に扉２
と左右両側枠３，３とを連結する一対のリンク４
が取り付けられており、したがつて前面扉２はこ
れの下縁が前方に押し出されることにより、その
上縁部が左右両側枠３，３に沿つて下方に落ちる
ようにして開かれる。出窓１の底部は、枠とこれ
に被せ止められた底壁５とによつて構成され、出
窓１の底部の前後枠部材１６，２４に横断面略
形のガイド・レール６が底壁５の下方になるよう
に渡し止められ、ガイド・レール６に扉開閉具７
が案内されるようになされている。すなわち、前
面扉２の下端部に前後枠部材１６，２４同志の間
の間隔に略等しい長さを有する平板状アーム９が
上下揺動自在に取り付けられ、アーム９の後端部
にコ形のジヨイント１８を介して連結棒１０が取
り付けられ、ジヨイント１８にローラ８が取り付
けられ、ジヨイント１８とローラ８がガイド・レ
ール６の内側に配置されて、ローラ８がガイド・
レール６の底壁６ａ上にのせられ、連結棒１０の
後端部に、前面扉２を閉じたさい後枠部材２４よ
り室内側で揺動自在となされた操作レバー１１が
ピン連結されているものである。

１２は前面扉２の下枠部材、１３はこれの後面
中央部に取り付けられた一対のＬ形金具で、これ
らの金具１３に扉開閉具７のアーム９の先端部が
ピン１４により上下方向に揺動自在になるように
取り付けられている。アーム９はステンレス鋼製
の帯板によりつくられていて、その両端部がそれ
ぞれ90度捩じ曲げられて垂直方向に、また残りの
中間部分が水平方向に配置されている。１５は出
窓１の前枠部材１６に取り付けられたシール材
で、これにアーム９の水平な中間部分を挿通する
貫通孔１７があけられている。アーム９の後端部
と連結棒１０の前端部とを連結する平面よりみて
コ字形のジヨイント金具１８は、これの両側壁に
渡し止められた筒形の枢軸１９にアーム９の後端
部が上下方向に揺動し得るように取り付けられ、
またジヨイント金具１８の後壁に摺動ピン２０を
介して連結棒１０の前端部が連結されている。ま
た、ジヨイント金具１８の筒形の枢軸１９を貫通
する軸２０の両外端部にはそれぞれローラ８が取
り付けられている。２２は連結棒１０の後端部と
操作レバー１１の前端部とを水平方向に揺動自在
になるように連結するピンである。前面扉２が閉
じた状態においてはこれらの連結棒１０と操作レ
バー１１とを枢着するピン２２が出窓１の後縁部
の後側に丁度突出するようになされている。２３
は出窓底部５の後枠部材２４に取り付けられた無
目部材でこれの所定箇所には操作レバー挿通孔２
５があけられている。２６は操作レバー挿通孔２
５を囲むように無目部材２３に取り付けられたガ
イド部材で、これには一側方に開口部２８を有す
る略筒形の案内部２７が設けられている。２９は
このガイド部材２６の一側近くにおいて無目部材
２３に取り付けられた操作レバー受具で、これに
は後方に開口した筒形のレバー嵌込み部３０が設
けられている。３１は操作レバー１１の後端部に
取り付けられた握りである。

上記のような出窓１は、たとえば家屋の台所、
居間等に設けられる。そして出窓１の前面扉２が
閉じた状態では、第２図に示すように扉開閉具７
の連結棒１０と操作レバー１１とを枢着するピン
２２が出窓１の後縁部の後側に丁度突出してお
り、揺動レバー１１が連結棒１０に対し横に折り
曲げられて、出窓１の後縁部の操作レバー受具２
９の嵌込み部３０に嵌め止められている。そして
前面扉２を開くには、まず操作レバー１１の握り
３１を持つてこれを手前に引き、操作レバー１１
を受具２９より外して、ガイド部材２６の略筒形
案内部２７の長さ方向に沿うように伸ばす。これ
によつて操作レバー１１は連結棒１０およびアー
ム９に対して直線状に配置される。つぎに、操作
レバー１１を案内部２７に沿つて前方に押し出す
と、第１図に示すように、連結棒１０およびアー
ム９を介して前面扉２の下端部が外方に押し出さ
れるとともに、その上縁部が出窓１の左右両側枠
３，３に沿つて下方に落ちるようにして、前面扉
２が開かれるものである。

このようにして出窓１の前面扉２を開くことに
より、室内の換気を行なうことができる。また前
面扉２は傾斜しているので、採光の範囲が広くな
るし、前面扉２の下縁が室内よりとどきにくい場
合であつても、扉開閉具７を操作することによ
り、前面扉２をきわめて簡単に開閉することがで
きる。また操作レバー１１を任意の位置で停止さ
せることにより、前面扉２の開閉の度合を段階的
に調節することができる。

なお、上記実施例においては、扉開閉具７の操
作レバー１１が連結棒１０に水平方向に揺動自在
になるように取り付けられているが、これは上下
方向に揺動左自在になるように取り付けられてい
てもよいものである。

考案の効果 この考案にかかる出窓の開閉装置は、上述のよ
うに、前面扉２が上方に揺動して開くようになさ
れかつ後面が開放した略箱形を有するとともに、
底部が枠とこれに被せ止められた底壁５とによつ
て構成されている出窓１において、出窓１の底部
の前後枠部材１６，２４に横断面略形のガイ
ド・レール６が底壁５の下方になるように渡し止
められ、前面扉２の下端部に前後枠部材１６，２
４同志の間の間隔に略等しい長さを有する平板状
アーム９が上下揺動自在に取り付けられ、アーム
９の後端部にジヨイント１８を介して連結棒１０
が取り付けられ、ジヨイント１８にローラ８が取
り付けられ、ジヨイント１８とローラ８がガイ
ド・レール６の内側に配置されて、ローラ８がガ
イド・レール６の底壁６ａ上にのせられ、連結棒
１０の後端部に、前面扉２を閉じたさい後枠部材
２４より室内側で揺動自在となされた操作レバー
１１がピン連結されているもので、出窓１の前面
扉２を、これが室内よりとどきにくような場合で
あつても、きわめて簡単にかつローラ８の転動に
よつてきわめてスムーズに開閉することができ、
非常に便利である。しかもガイド・レール６と扉
開閉具７のほとんどが出窓１の底壁５の下側に配
置されているため、外部から見えず、非常に体裁
がよいという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は室外よりみた出窓の斜視図、第２図は室内より
みた出窓の斜視図、第３図は出窓の底部を切欠い
た状態の部分拡大斜視図、第４図は扉開閉具の部
分省略拡大側面図、第５図は同平面図である。 １……出窓、２……前面扉、５……底壁、６…
…ガイド・レール、６ａ……底壁、７……扉開閉
具、８……ローラ、９……アーム、１０……連結
棒、１１……操作レバー、２２……枢着ピン（枢
着部）、２６……ガイド部材、２９……操作レバ
ー受具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面扉２が上方に揺動して開くようになされか
   つ後面が開放した略箱形を有するとともに、底部
   が枠とこれに被せ止められた底壁５とによつて構
   成されている出窓１において、出窓１の底部の前
   後枠部材１６，２４に横断面略形のガイド・レ
   ール６が底壁５の下方になるように渡し止めら
   れ、前面扉２の下端部に前後枠部材１６，２４同
   志の間の間隔に略等しい長さを有する平板状アー
   ム９が上下揺動自在に取り付けられ、アーム９の
   後端部にジヨイント１８を介して連結棒１０が取
   り付けられ、ジヨイント１８にローラ８が取り付
   けられ、ジヨイント１８とローラ８がガイド・レ
   ール６の内側に配置されて、ローラ８がガイド・
   レール６の底壁６ａ上にのせられ、連結棒１０の
   後端部に、前面扉２を閉じたさい後枠部材２４よ
   り室内側で揺動自在となされた操作レバー１１が
   ピン連結されている出窓の開閉装置。