JPS605901Y2 - ミシンの押え転位装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ミシンの押え転位装置に係るものである。

ミシンの縫製作業中において、次の縫製工程に移行する
ため、縫針の近傍で縫製物を扱う際には、屡々押えが邪
魔になることがある。

このことは、押えを上げても縫製物、構成種別によって
は避は難いものである。

従来、押え棒を基軸として、押えの位置を変移させるタ
ーレット式のものが見受けられたが、構成が複雑で針位
置等との関連性もあり、その取扱いには多段操作が必要
とした。

本考案では、このようなことを避けて、押えを縫針近傍
よりワンタッチ操作で転位離隔自在ならしめ、縫製作業
の能率化を計ったものである。

以下、図面に基づいてその実施例につき説明する。

１はミシンアームの顎部であり、２及び３は、前記顎部
１に圧入された針棒メタル及び押え棒メタルである。

４は、縫針５が堅持され前記縫針メタル２内で上下運動
する針棒であり、６は、前記押え棒メタル３内で摺動可
能な押え棒である。

７は、ネジ８で後記詳述する押え転位装置Ａに固着され
た押えであり、該押え転位装置Ａは押え棒６の下端にネ
ジ９で固定される。

而して、前記押え７は図示しない公知のミシン構成では
押え上げ装置の操作により、縫製中は縫製物をベッド１
０に固着された針板１１との間で挟着し、また非縫製作
業時は、通常では上方に引揚げられ針板１１の上面より
離間せしめられているものである。

次に、本考案の要旨とする押え転位装置Ａの、構成作用
について述べる。

１２は、前記したように押え棒６の下端にネジ９て取付
けられた上方部材で、通孔１２ａ及び１２ｂを有する。

また、１３は押え７を取付けるための下方部材で、通孔
１３ａ、位置決め凹部１３ｂ１螺孔１３ｃ及び１３ａ１
傾面カム部１３ｅを持ち、把手部１３ｆが形成される。

而して、前記上方部材１２と下方部材１３の両者間には
第４図でみて明らかなように、前者の通孔１２ｂに位置
決めピン１４が挿通される。

また、両者の通孔１２ａ及び１３ａには、波座金１５を
介し頭付きの軸１６が上方より挿通される。

前記軸１６の上部には板バネ１７の基部がネジ１８で固
着され、該板バネ１７の一端部は位置決めピン１４を弾
圧するものであり、縫製作業時には該位置決めピン１４
の先端部は、下方部材１３の位置決め凹部１３ｂに在位
し、該下方部材１３の位置を規制保持する。

押え７は、ネジ８で下方部材１３の螺孔１３ｄに螺合止
着され、１９はストッパーネジで前記下方部材の螺孔１
３ｃに螺合される。

押え転位装置Ａは、上記の如く構成されるため上方部材
１２と下方部材１３とは、軸１６を中心として相対的回
動変位が可能となる。

即ち、下方部材の把手部１３ｃを第２図の実線示から反
時計方向（矢印示）へ付勢することにより、前記下方部
材１３は位置決めピン１４を板バネ１７に抗して上昇せ
しめ、ストッパーネジ１９でストップ作用する鎖線方位
置へ軸１６を中心として転位する。

この転位に同調する押え７の針溝７ａが縫針５に接触し
ないように下方部材１３の回転中心を設定しておくこと
により、（第５図参照）前記縫針がどのような位置、た
とえば針板１１の針孔に没入しているときにおいても、
無関係に押えを上げてワンタッチでその位置を転換でき
る。

また、之の正規縫製作業位置に戻す場合は、前記と逆方
向へ把手部１３ｃを付勢すれば、位置決めピン１４は下
方部材１３の傾面カム部１３ｅにてガイドされ、位置決
め凹部１３ｂに定着復帰する。

従って、本考案の押え転位装置によると、従来みられた
次段縫製２程時に移る際の作融能率の向上を計ることが
でき、−例として第６図に示すような段押え２０を用い
て、ファスナー付けを行う時等は、最初ファスナーを開
いた状態で縫い、途中で位置づれが生じるように、針を
さしたまま押えを上げてファスナーを閉じなければなら
ない。

このとき押えを上げただけでは、ファスナーを手だけで
閉じることは、押えが邪魔になり非常に困難である。

このような場合も、本考案装置によれば押えによる妨害
がワンタッチ転位により解消され作業が大変楽に行える
。

また、縫針のとりかえや糸通し時においても、至便なこ
とは云うまでもなく、構成、取扱いも従来のものに比し
簡便であり益するところ大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を取付けた部分的側面図、第２図は
第１図のＢ−Ｂ断面図、第３図は本考案装置の分解斜視
図、第４図は本考案装置の位置決め部材図、第５図は押
えと縫針の関係説明図、第６図は段押えを示す斜視図で
ある。 １：ミシン顎部、２：針棒メタル、３：押え棒メタル、
４：針棒、５：縫針、６：押え棒、７：押え、１１：針
板、１２：上方部材、１３：下方部材、１３ａ：通孔、
１３ｂ：位置決め凹部、１４：位置決めピン、１６：軸
、１７：板バネ、１９：ストッパーネジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アームの顎部に押え棒を備えたミシン、前記押え棒の下
   端に上方部材を固定腰該上方部材に下方部材を回動自在
   に軸で装着させ、該下方部材の一端に押えを螺着腰他端
   に把手を設け、前記上方部材に位置決めピンを上下摺動
   可能に嵌着し、上端を板バネで押圧させ、下端は前記下
   方部材に設けられた位置決め凹部に、係脱出来るように
   したミシンの押え転位装置において、前記下方部材に押
   えを固定し、該押えに針溝を設け、該押えを前記軸を中
   心に前記針溝と縫針が接触しない様に転位自在に出来る
   様にした、ミシンの押え転位装置。