JPS6058787B2 - 線状体の高速浸漬被覆方法およびその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、線材（Ｗｉｒｅｓ）或いはその他の繊維状物
等の線状体の溶融金属浴中での高速浸漬被覆（溶融めつ
き）に関するものである。

この浸漬被．覆処理においては、線材を速やかに溶融金
属浴中に供給浸漬しかつそこから引き上げ、このことに
よつて線材に浴の金属の薄層が付着し、冷却によつて急
速に凝固する。その際の素地（線材）と溶融金属との接
触（浸漬）時間は、素地の本来の物．理的特性を（たと
えば焼なましによつて）損なうことのないように短かい
。このような浸漬被覆処理は、時に、１フリーズ・コー
ティング（凝固被覆）ョと呼ばれることがある。幾つか
の従来方法および装置がこの技術に基づ・いている。

例えば、英国特許ＮＯ．９８２Ｏ５ｌは、非常に細いシ
リカ繊維をアルミニウムで被覆するプロセスを述べて居
り、このプロセスは溶融金属体を収納した容器の突出管
（ＳｐＯｕｔ）即ちノズルの先端に切つてある垂直のス
リットを通して繊維を下方に進行させ、溶融アルミニウ
ムをそのスリットの側端までノズルを介して連続的に供
給して、繊維が溶融体を横切つて行く際に繊維上に付着
させることから成つている。溶融体浴を通過して被覆さ
れた繊維は形成された被覆上での酸化物薄生成の防止を
意図した低い酸化性雰囲気に包まれる。しかしながらこ
の方式の一つの大きな欠点は、繊維の下方への動きがノ
ズルからの不均一且過多のアノルミニウムの流出の原因
となり、得られた被覆（ＣＯａｔｉｎｇ）の品質や均一
性を制御することが困難なことである。更にこの様なプ
ロセスは専らアルミニウム層の被着に限定されるように
思える。なせならば、より高い比重とより低い表面張力
を持・つような他の物質の使用はノズルからの溶融体の
避けることのできない漏洩の原因となるからである。他
の公知のアルミニウムによる鋼ストリップの連続被覆プ
ロセスは、フランス特許ＮＯ５ｌ５８４６２６に示され
、これは上方進行方式に属し、最高速度１０ｎ１／分の
オーダーで、予め脱脂及び／又はビックリングされた鋼
ストリップを溶融アルミニウムで満たされた耐火物製の
加熱された供給ノズルのスリットに通し、ストリップの
ノズル内滞在時間が０．０３ないし１秒の間となる進行
速度としたものである。

しかしながら、この比較的長い浸漬時間は、鋼と被覆と
の境界面に於る脆弱な合金層の形成を完全に防止するも
のでなく単に制限するのみであり又素地の焼鈍の原因と
もなる。更にこの様なプロセスは厚さの薄いストリップ
の被覆（最大可能厚さ０．５ｗｒ！ｎのオーダー）に限
定されたままである。一方、ノズル出口での中性雰囲気
の欠如はストリップ上の被覆の均一性に関する問題を提
起する。ストリップや線材を被覆するための他のプロセ
スや装置が多数存在している。

しかしながら全てのそれらのプロセス或は装置によつて
得られる被覆速度は限定されたもので最大速度は事実６
０ｒＴ］／分のオーダーである。最近、本発明者は浴の
下方で横に突出したノズルを備えた容器を含んで成り、
本質的には前述の英国特許ＮＯ．〜９８２０５１から既
知のものではあるが以下の相異を有するフリーズコーテ
イング装置を提案した（米国特許ＮＯ４ｌ６９４２●照
）。即ち被覆されるべき被加工物、即ち線状体は垂直に
上方に向つてノズルの下壁部の筒状導入管を経て該ノズ
ル中の溶融被覆物質を通りそしてノズル上壁部の環状の
出口体を経て進む。導入管は、適宜な筒によつて形成さ
れノズル下壁部の穴の中に調整し得るように位置されて
居り、実質的に間隙の無い状態で線状体が通過するよう
に該線状体の外径とほぼ等しい内径を有するものてある
。一方、導入管と同軸上の出口体は被加工物質の外径（
従つて導入管の内径）の凡よそ２から３倍の内径を有し
、宜溶融被覆金属に対して殆ど濡れ性のない物質で成形
されている。この装置に於ては、保護性のガスが、上部
ノズルを覆い更にそこから上方に伸びている遮蔽体の中
に導入される。このガスの作用効果は、未だ被覆が熱い
際に起こり得る酸化及びスラグ、湯じわ或は他の表面欠
陥の生成を防止し、且十分な背圧を形成して溶融金属の
突発的な溢出を防止するものである。中性ガス又は真空
をノズル入口に用意することは任意てある。本発明者が
見出したことは、線材が溶融金属か−ら出て来る際に該
線材を囲みかつ保護するために突出管出口ノズル内へ不
活性ガスを導入する代わりに、この不活性ガスを線材の
溶融金属内への導入前に被覆すべき線材に接触させるこ
とが有益であることであつた。

このような状況において、より良好な被覆品質が得られ
る。したがつて、本発明の方法は、線材が溶融金属にノ
ズル入口を通つて入る前に該線材に不活性ガスを接触さ
せかつ線材を不活性ガスで包み、該不活性ガスの圧力が
該ガスを線材と同時に突出管内へ進入させ、突出管の内
壁に沿つて溶融金属の周囲を連続的に進行させて出口か
ら流出させ、被覆された線材を包むのに十分な圧力であ
ることを含んでなる。

それ故に、発明の方法の操業上のパラメーターは上述の
状態を永続的に確実に維持する様に設定されねばならず
、且必要に応じて、温度、線材速度及び全体のガス圧を
調整することによつて制御され、このような全てのパラ
メーターは装置構造の特徴や、被覆に用いられる金属の
種類、線状体の性質及ひ操業の間に人間の技能上の熟練
によつて通常的に制御されるような他の因子に必然的に
依存している。斯して、もし仮に保護性ガスの相対圧力
がコーティングノズルの入口近くで低過ぎる場合には、
該ガスはノズルの出口に向つて溶融金属の周りを進行す
るようにならずかつ出口区域内で線状体を取巻く空間に
該ガスがなく、故に被覆された直後の線状体が適切な保
護の不足により酸化損傷を受けるような条件となること
があきらかである。逆に、保護ガスの圧力が高過ぎる場
合には、該ガスは溶融金属体を通じて墳出し、故に突起
および不均一な被覆を引き起こす。更にその圧力の高過
ぎる場合には、該ガスは溶融金属中に於ても線状体の周
囲の流れ、この状態に於ては線状体と溶融金属との接触
は抑止されてそこでの被覆は無いものとなろう。理想的
な操業パラメーターでは保護ガス圧力が上に述べた相反
する両極端例の間に保持され、この様な条件下で突出管
（コーティングノズル）内をその入口から出口に進行す
る静かで且間断の無いガス流および規則的且一定の流出
ガス流が被覆された線材の周囲に存在する。以下、線状
体を溶融金属、たとえば、溶融アルミニウムにて浸漬被
覆（めつき）するための装置を参照して、本発明の方法
を説明する。

なお、ここに記述される装置は、本発明の方法を遂行す
るために同様に用いられる他の装置類の中の単なる一つ
の実施態様例である。この実施態様例を添付図面に関連
して記述するが本発明を限定するものではない。提示す
る装置の主な構成部分は、めつきされるべき線材２のた
めの繰出しスプール１及び被覆された線材４のための巻
取りスプール３、更に洗浄ユニット１０被覆前に線材を
予熱する予熱ユニット２０、被覆処理ユニット３０及ひ
冷却ユニット５０である。

洗浄ユニット１０は液体の入つた一連の独立した洗浄槽
１１ないし１５を含み、この中に先ず線材２が図に示さ
れるプーリ一（参照番号を付与せ・ず）を介して導入さ
れる。

最初の槽１１は、適切なアルカリ性洗剤或はさもなけれ
ば石油系又は炭化水素の塩化物（例えばトリクロールエ
チレン）のような有機溶剤によつて線材を脱脂するため
のものてある。そして、二番目の槽１２はすすぎのノた
めのもので、清浄な水、或は、もし有機溶剤が最初の脱
脂に用いられたならば、アルコール、アセトン或はそれ
に類似した親水性の溶剤が用いられる。三番目の槽１３
に於て、線材は稀釈された酸例えば、ギ酸或は蓚酸のよ
うな有機酸及びチオ尿素のような抑制剤及び市販の界面
活性剤のような湿潤剤を含有している塩酸混合物によつ
てビックリング（酸洗い）又はエッチングされる。その
後に線材２は槽１４及び１５の中で清浄な水にてすすが
れ、乾燥炉１６中で乾燥される。張力調整器１７の機能
は重錘１８がプーリ一に懸垂せられる方式によつて図示
され、これを通過の後に線材は予熱ユニット２０に入る
。この予熱ユニット２０は、電源２３からの供給電力の
電気的コンタクトとして作用する３ケの締め付けロール
（ピンチロール）２１ａ，２１ｂ，及び２２を収容する
気密な遮蔽体である。

ロール２２は電源の低電位の負極（−）に、又他の２ケ
のロールは（＋）電極に接続される。当然、その極性は
ここでは全く任意のもので、接続は支障無く逆転され得
る。或いは、所望であれば電力は交流でもよい。重要な
ことは口ーール２２とロール２１ａ，２１ｂとの間での
電圧が、３ケの締め付けロールによつて限定された区間
に於る線材２にジュール効果による加熱電流を生じさせ
ることである。ロール相互の間隔は、線径に依存して変
わる電気抵抗、蓄積されるべき熱量（線材に与えられる
べき温度）および電源の電気的パラメーターにより変え
ることができる。好ましくは、電源２３は線材を非常に
速やかに加熱するために、約６ないし２４ボルトを数百
アンペアの電流容量にて供し得るものである（線状体は
例えば１０−１０００ｎ１／分の高速で走行する）。線
材２が加熱される温度もまた非常に変化し得るもので、
線材の材質、線径及び清浄度、溶融金属の性質、めつき
層の厚さ−等のパラメーターに依存する。通常は、密着
性、効果的且均一な被覆を確実なものとする低い温度水
準と、過剰の加熱によつて変化するところの線材本来の
物理的特性（硬さ、引張特性、等）に影響しないように
設定される高い温度水準との間で．妥協点が見出される
べきである。予熱ユニット２０はまた圧力計２４、線材
導入口２５、出口２６及びガス導入口部材２７を包含し
ている。ガス導入口部材２７は保護ガス（例えば、窒素
或は稀ガス）を遮蔽体内に、通常は水素、メタン、一酸
化一炭素或は何らかの良好な還元性ガスのような或る種
の還元性成分と共に送入するためのものである。このガ
スの圧力は圧力計２４によつて監視される。ガス中の還
元性成分は、予熱ユニットの遮蔽体内で及び被覆前後に
線材周辺で酸素に対抗する還元能を一定に保持されてお
り、これは被覆以前の線材のあり得べき酸化による汚染
或は被覆そのものに対する損傷を防止するためのもので
ある。図中、Ｈ２及びＮ２の供給は矢印にて表示され（
これは圧縮ガス円筒容器を意味するが図示されていない
）、これらの流量は回転式流量計２８ａ及び２８ｂによ
つて監視される。その後、その混合ガス（通常約１０か
ら５０％Ｈ２／Ｎ２■／Ｖ）は、揮ａ発性フラックスを
液状或は溶液の形で収納している洗気瓶（Ｗａｓｈｌｎ
ｇｂｕｂｂｌｉｎｇｂＯ川ｅ）２９を通過させることに
よつて、フラックスを蒸気状又はミスト状に均一に分散
して含んだ後に予熱ユニットの遮蔽体に入いる。尚、該
瓶は他の容器によつても代替され得るし又、フラックス
を吸い込ませた多孔質の材料（フェルト等）を通過させ
ることによつてもガス中に均一分散状に含有される。事
実、本発明者は、フラックスを蒸気（或は微粒子のガス
中懸濁）として保護性ガスと混合して供給”することは
、このようなフラックスの作用が線材表面上に均一に分
布して、仮に洗浄ユニット通過後に線材の周囲にフラッ
クスを液状膜として（通常のように）付与する（線材上
にゆるく析出したフラックス膜は、プーリ一，リール等
のような線材を誘導したり又方向を変化させるための手
段によつて非常に破られやすい）よりも良いので、有益
である。また、不均一に分布されたフラックスを有する
ことは、締め付けロールに於る良好な電気的接触に対し
て有害である。

更に、本発明に於るフラックスの供与方法は、線材の単
位表面積に対してより少量のフラックスしか使用せず、
従つてより経済的であり、且フラックスの分解に起因す
る被覆中の溶融金属中でのスラグ形成が非常に少ない。
洗気瓶中で使用されるフラックスは、溶融金属体による
半田付け或はめつきの前に下地をフラクシングするため
の揮発性フラックスで、具体的にはアルコール性或は水
溶液のＨＣｌ，ＨＦ或はＮＨ４Ｃｌ、硼フッ化アンモニ
ウム、三塩化アルミニウムのような塩類の有機性（例え
ばメタノール性）溶液或はフラックスとして作用する比
較的揮発性のある液体化合物、例えば水で稀釈しないＢ
Ｆ３，ＢＣｌ３，ＳｉＣｌ４，ＳｎＣｌ４，ＳｂＣｌ３
等；或はアミンの塩酸化合物（例えば塩酸ヒドラジン）
、塩化性炭化水素（クロル酢酸、ク咀レアセトン、クロ
ラミンーＴ，ＣＣｌ４等）である。このようなフラック
スの溶液は非常に濃厚である必要は無く、実質化合物の
重量で約１から１０％の間の濃度が（該洗気瓶中で）数
ｍｌ／分の発泡率で十分な値である。事実、発泡率はむ
しろ予熱区域及び被覆区域に保持されるべき保護ガス４
５の圧力に依存し、このことは、このような圧力を保持
し又外気の侵入を防止するために用いられるべきガスの
量は実質的にこれらの区域からの（通常的或は突発的な
）リーク量に実質的に依存しているからである。通常的
なリークとは線材のための開口（導入部及び出口部）に
一致するリークであり、開口は（後述する如く）可能な
場合にはシールの構造及び使用に依存していくぶん広く
或は狭くなされ得るものである。実際に、通常的なリー
クは完全に除去すべきものでは無く、なぜなら幾らかリ
ークすることは遮蔽体内のガスの継続的な更新のために
有利であるからである。この様な更新は、水分や予熱段
階の間の線材上に於る還元性ガスの作用に起因して予熱
遮蔽体中に発成するガス状の不純物（不純物は、フラク
シング、還元、等による線材の清浄化によつて発生する
）を連続的に除去するために必要とされる。もしこの様
な不純物が連続的な新鮮化によつて除去されないならば
、保護性ガスが連続的にめつきノズル中に流れて行きこ
こで溶融金属と接触するために、漸進的に溶融金属を汚
染するであろう。しかしながら導入口２５には通常は過
大なガスの漏洩を防止するためのシールが装備されてい
る。出口２６の構造は、提示する図面中の、予熱区域と
被覆区域との間の連結部材として以下に述べられる。被
覆処理ユニット（ＣＯａｔｉｎｇｕｎｉｔ）３０は線材
２に被覆されるべき溶融金属４３を保有するための坩堝
３２を備えた炉３１を包含する。

該坩堝３２は溶融金属４３を突出管すなわちコーティン
グノズル３４に導く側部導通路３３を備えている。突出
管（ノズル）３４もまた、例えば図に示される如くの抵
抗線コイルによつて、浸漬被覆区域の溶融金属体温度の
好ましい制御を正確に継続的に行なうために加熱される
。当然、高周波誘導加熱方式もまた適切なものてあろう
。突出管（ノズル）３４の構造は第２図および第３図に
関連して十分に理解される。このノズルは実際的にはせ
ん３５及びアスベストシール３６で閉じられた円筒形状
側部部材（インコネルのような金属製）からなる。この
ノズル３４には垂直線上で下部開口３７および上部開口
３８が設けられかつ耐火材料、例えば、ＺｒＯ２の層３
９の内張りが施されている。この耐火材料は溶融金属に
対して濡れ性がない（非湿潤性である）。もしそうでな
く溶融金属が耐火物層３９に付着するとしたならば、保
護ガスが溶融金属と該層３９との間をスムーズに流れる
ことは困難であろう。下部開口３７には筒状のコネクタ
ー４０が取り付けられ、該コネクター４０は耐火性さや
４１で内張りされており、そしてこのさや４１は下部開
孔３７のやや下まで伸びかつ溶融金属では濡れない材料
、例えばアルミナ、で造られている。コネクター４０の
下方部分は実際には予熱ユニット２０における出口２６
と被覆ユニット３０との連結部材である。図面かられか
るようにコネクターの壁体は一部がベロー（蛇腹）形状
である。このような形状は（コネクター材質の弾性のた
めに）伸縮性があるので運転中での装置のゆがみ（熱あ
るいは機械的振動によつて生じた変形）を許容する。コ
ネクター４０は耐熱金属、例えば、インコネルで作られ
る。坩堝３２はその開口部で上下可能なピストン４２を
備え、ピストン４２はそこで溶融金属４３に圧力をかけ
、このために溶融金属が設定されたピストン４２の高さ
に従つて突出管（コーティングノズル）内へ多少入る。
故に、ピストンへの働きかけによつて突出管内の溶融金
属のレベルを制御することは可能で、この効果はコネク
ター４０内の線材周囲でのおよび突出管（ノズル）自身
内での保護ガスの圧力と関連し合うものである。事実、
第３図に見られる如く、保護性ガスは溶融金属の周囲（
即ち、突出管の内壁３９と金属体４３との間を進行する
のに十分な圧力でコネクター４０を通つて予熱区域から
被覆区域中へと移行する。その状況下に於て、該ガスは
導入開口３７でメニスカス状の流動形態４４を形成する
こととなり、又線材周囲に排出ガスの均整のとれた覆い
４５を形成す・る。通常、このガス状覆い４５は、保護
性ガスが十分な比率の還元性成分、例えばＨ２を含有し
ている場合には、整然と安定した無色の炎で燃焼する。
このことはガスの圧力状態が、ピストン４２によつて設
定された溶融金属の高さと関連し合つて、良好な被覆を
得るに正常であることのしるしである。そうでない場合
、もしガス圧力が低過ぎるならば、炎は遮断されて空気
が突出管の中に入り込んでしまい、あるいは、もしガス
圧力が高過ぎるならガスの突出及び噴出が生じ結果的に
走行する線材上に不均一な被覆を生じることとなる。当
然のことに、ガス圧力が低過ぎる場合には、溶融金属が
開口３７及び２６を通じて予熱遮蔽体の中へ落ち込む危
険性もまた存在し、これは非常に好ましからざることで
ある。付随的に言うならは、導入口３７で保護性ガスに
よつて作用される圧力の点に関し、この導入口の大きさ
（直径）は（米国特許第４１６９４２６号の突出管の場
合のように）特別に厳密なものではないことは述べる価
値のあるもので、これは、たとえ比較的大きい空間が線
材と導入口壁との間に存在していても、保護ガスからの
該抑止圧力の存在のため溶融金属がその空間を通つて漏
出するのを阻止されるからてある。検討している装置は
さらに冷却ユニット５０を含んでおり、このユニット５
０内を被覆された線材−４がシールされている開口５１
を通つて進行する。この冷却ユ，ニット５０は噴霧器５
３に水を供給する給水配管５２を備えた中空円筒からな
る。この噴霧器は熱い線材４に水をスプレーして該線材
を常温にまで急速に冷却する。冷却を終えた水一は冷却
ユニットの低部にたまり排水口５４から排出され、一方
線材４は冷却ユニット頂部の出口５５から出て巻取りス
プール３に巻取られる。開示した装置の操作は上記記載
から自明である。線材２は巻取りスプール３によつて引
出され、（電動機により駆動されるが図示せず）、最初
に繰出しスプール１から洗浄ユニット１０に進行し、こ
こて線材は脱脂され、ビックリングされ、洗浄されそし
て乾燥される。次に線材２は予熱ユニット２０にて適正
な温度にまで電気的に予熱され！る。この予熱ユニット
内でガス入口部材からの保護ガスおよびガス状又は懸濁
状態のフラックスによつて包囲される。然る後、線材２
は出口２６、連結部材４０、突出管導入開口３７および
溶融金属４３を通過し、溶融金属中で被覆される。そし
て、線材は導出開口３８を通つて随伴するガスと共に出
て来るが、該ガスの流れは溶融金属の周囲を進み導出開
口３８によつて規定される融体メニスカスの頂部で再び
線材周囲に戻る。その後、線材４は冷却ユニット５０内
で冷却され、最終的に巻取りスプール３に巻取られ蓄積
される。本発明に係る方法及ひ装置の適用例は、米国特
許第４１６９４２６号に記述された適用例と同じてある
。

例えば、該米国特許の実施例２に述べられているような
鋼線は次の様な運転上のパラメーター即ち：アルカリ脱
脂剤中ての脱脂；ＨＣＩ中てのエッチング；予熱温度４
００℃；予熱用電源電圧２０Ｖ：予熱用電流７００Ａ；
保護性ガスＨ２／Ｎ２＝２０１８０；予熱長さ加；ガス
圧力２ｒＴ１ｂ；フラックス成分ＨＣＩ；ガス流量６０
０ｆ／時；冷却水流量３０ｆ／分を用いて２００ｒｒ１
／分の速度にてアルミニウムで被覆される。他の溶融金
属の他の素材（金属或は非金属）へのこの他の適用もま
た、米国特許第４１６９４２６号に含まれる情報から、
本発明に従つて当業者によつて容易にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は線状体、すなわち、鋼線材の浸漬被覆ての各段
階を示す慨略工程図てあり、第２図は第１図の装置のコ
ーティングノズル（突出管）の拡大断面図てあり、第３
図は第２図中の■一■線に沿つた突出管の拡大断面図て
ある。 ２・・・・・・被覆前の線状体（線材）、４・・・・・
・被覆された線状体（線材）、１０・・・・・・洗浄ユ
ニット、２０・・・・・・予熱ユニット、３０・・・・
・・被覆処理ユニット、３２・・・・・・坩堝、３４・
・・・・・突出管（コーティングノズル）、３７・・・
・・・下部開孔、３８・・・・・・上部開孔、３９・・
・・・・耐火物層、４２・・・・・ゼストン、４３・・
・溶融金属体、５０・・・・・・冷却ユニット。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 線状体を溶融金属で満たされている突出管の垂直線
   上で底部と上部に設けられた導入開口と導出開口とを通
   して該溶融金属中を上方へ通過させることによつて前記
   線状体を浸漬被覆する方法において、前記線状体が前記
   突出管の底部導入開口に入る前に該被覆すべき線状体を
   保護ガスで包囲して、該保護ガスの圧力が、該保護ガス
   を前記線状体と同時に前記突出管中に進入させ、連続的
   にかつ規則正しく前記溶融金属の周囲を進行させて前記
   突出管の上部導出開口から絶え間なく流出させ、被覆さ
   れた直後の前記線状体を効果的に保護するのに十分な圧
   力であることを特徴とする線状体の高速浸漬被覆方法。 ２ 前記保護ガスが、窒素又は希ガスのような不活性ガ
   スとＨ＿２、ＣＯ、ＣＨ＿４又は有機化合物蒸気のよう
   な還元性成分との混合体であることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項記載の方法。３ 前記保護ガスが１０な
   いし５０体積％の水素を含む窒素であることを特徴とす
   る特許請求の範囲第２項記載の方法。 ４ 前記保護ガスが蒸気状又はミスト状で該保護ガス中
   に分散したフラックスをも含んでいることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の方法。 ５ 前記フラックスが、揮発性の酸（例えばＨＣｌ）、
   揮発性の塩（例えば硼フッ化アンモニウム）、金属およ
   び半金属のハロゲン化物（例えばＢＦ＿３、ＳｉＣｌ＿
   ４、ＳｂＣｌ＿３）および有機ハロゲン化物（例えばＣ
   Ｃｌ＿４、ハロゲン化アルキル、クロラミン）から選定
   されたものであることを特徴とする特許請求の範囲第４
   項記載の方法。 ６ 前記保護ガスを純粋状態又は溶液状態の前記フラッ
   クスを収容している瓶ないし他の容器中を通過させるこ
   とによつて前記フラックスが該保護ガス中に添加される
   ことを特徴とする特許請求の範囲第４項記載の方法。 ７ 前記保護ガスの圧力を、前記溶融金属が前記突出管
   の底部導入開口から漏れないようにかつ該溶融金属中に
   気泡又は突発の生じないように調整していることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載の方法。 ８ 前記線状体を前記溶融金属を有する突出管に入れる
   前に電気的に加熱することを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の方法。 ９ 前記保護ガスを線状体予熱の閉鎖容器内へ導入し、
   そのために保護ガスによる覆いが予熱段階中有効である
   ことを特徴とする特許請求の範囲第８項記載の方法。 １０ 下記ユニット（イ）〜（ニ）： （イ）被覆されていない線状体のための洗浄エッチング
   および乾燥ユニット、（ロ）被覆の前に前記線状体を予
   熱するための予熱ユニット、（ハ）被覆金属溶解用の加
   熱された坩堝と、前記線状体が通り抜ける垂直線上配列
   の下部開口および上部開口を有しかつ前記坩堝から供給
   されている溶融状態の被覆金属を収容している突出管と
   から実質的になる被覆ユニット、および（ニ）被覆され
   た線状体を冷却するための冷却ユニット、を含んでなる
   線状体を溶融金属で連続浸漬被覆する装置において、前
   記装置は前記線状体が前記突出管の底部開口に入る前に
   該線状体周囲の保護包囲物として保護ガスを供給する手
   段を含んでいることを特徴とする線状体の連続浸漬被覆
   装置。 １１ 前記坩堝の口に上下移動ピストンが備えられてお
   り、該ピストンの溶融金属上での変位によつて前記坩堝
   と前記突出管との間の溶融金属用接続導管を経て該突出
   管内の溶融金属レベルの制御ができることを特徴とする
   特許請求の範囲第１０項記載の装置。 １２ 前記突出管の底部開口および上部開口は、前記保
   護ガスが前記線状体と同時に該突出管内に入り、前記溶
   融金属の周囲を通り、そして該上部開口から流出して新
   らしく被覆された前記線状体の周囲の保護包囲物として
   働くことのできるように構成されていることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１０項記載の装置。 １３ 前記保護ガスは可燃成分を含みかつ前記突出管を
   通り抜けて前記上部開口にて柔らかな炎で燃焼するガス
   の安定した包囲流を形成することを特徴とする特許請求
   の範囲第１２項記載の装置。