JPS6058763B2 - 連続式コイル焼鈍炉における装入コイル緩熱装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、連続式コイル焼鈍炉における装入コイル緩
熱装置に関し、とくにその熱源としてこれまで連続式コ
イル焼鈍炉からいたずらに放出されていた排ガスを再利
用することにより、該炉における熱効率の一層の向上を
図ろうとするものである。

この明細書中で緩熱とは、ストリップコイルを連続式コ
イル焼鈍炉の予熱帯または加熱帯に装入するに先立つて
、予めその取扱いに支障のない程度の温度まて昇温する
ことをいう。

冷間加工を施された金属ストリップはそのままでは非常
に硬く、折り曲げ、深絞りなどの加工性が極めて悪い。

従つて一般に機械的性質を改善して加工性を付与させる
べく用途に応じた適当な焼なましを施している。この焼
なましには種々の方法があるが、良好な材質が得られる
のに加えて設備増強のしやすさ、操業の応用性から、圧
延に引続き巻取つてストリップコイル（以下単にコイル
という）として焼鈍を行ういわゆるコイル焼鈍、中でも
連続式コイル焼鈍炉を用いたコイル焼鈍が広く利用され
ている。この連続式コイル焼鈍炉には、環状の回転炉床
をもつ回転炉床型と台車が直線的に炉内を移動するトン
ネル型の２つの型式があるが、いずれの型・式の炉にお
いてもその内部は通常、加熱帯、均熱帯および冷却帯の
３帯に区画されときに加熱帯の前に予熱帯が設けられて
いて、炉床に載置したコイルを該炉床の移動に伴つて予
熱または加熱帯から冷却帯までの間にわたり順次通過さ
せることに・より所定の熱処理を施すしくみとされる。

ところで上記の如きコイルは、その重量が１個当り約１
０〜１５トンとかなり大きく、従つて焼なまし時間も長
い。このような長時間の焼なましにおいては、それに要
する熱エネルギーは莫大なものとなり、このため従来か
ら焼鈍炉での熱効率の向上を図るべく種々の工夫がなさ
れているが、依然としてそのロスは大きい。たとえば予
熱，加熱および均熱帯のうちの何れかから排出される高
温の燃焼排ガスについては、レキユペレータを介して燃
焼用空気に熱回収を行う排ガス利用が行われているもの
の、それでもレキユペレータ出口での排ガスの温度はな
お５００〜６００℃と高い。

また冷却帯では焼鈍済みの高温コイルに冷却ガスとして
たとえは空気を吹付ける強制冷却を行つているが、冷却
帯出口での冷却排ガスの温度は、３００〜４００゜Ｃに
達するにもかかわらす、この冷却排ガスは上述した燃焼
排ガスとともにーケ所に集められ大気中に放出されてい
る。

この発明は、上述の如きこれまで連続式コイル焼鈍炉か
らいたずらに放出されていた各種排ガスの顕熱を再利用
することにより、すなわち上記の排ガスでコイルをその
炉装入に先出つて予め緩熱することにより、該炉におけ
るハンドリングに支障を伴うことなく熱効率の大幅な向
上を目指した連続式コイル焼鈍炉における装入コイルの
緩熱装置を提案するものてある。

すなわちこの発明は、圧延に引続いて巻取つたストリッ
プコイルを順次に装入して焼なましを行う連続式コイル
焼鈍炉に、該ストリップコイルの貯蔵を兼ねた緩熱室を
組合わせ、この緩熱室には、その内部でコイルをアップ
エンドに保持するスキッドとこのスキッド上に該コイル
を導入する開閉扉とを設けるとともに、上記連続式コイ
ル焼．鈍炉からの排ガスを導入する配管を設けて成る連
続式コイル焼鈍炉における装入コイルの緩熱装置である
。

この発明て緩熱室に導入する焼鈍炉からの排ガスとして
は、該炉の予熱帯、加熱帯または均熱帯、に生じた燃焼
排ガスの、レキユペレータを介して燃焼用空気との間に
熱交換を経て降温した燃焼排ガスないしは冷却帯で焼鈍
済みコイルの冷却に供して昇温した冷却ガスがとくに有
利に適合し、それらは単独てもまた混合ガスとしても使
用てき−る。

以下この発明を図面につき具体的に説明する。

第１図に一般的な回転炉床型の連続式コイル焼鈍炉の全
体を示し、第２図，第３図にそれぞれこの発明の好適実
施例の平面およびそのＦ−Ｆ″矢視面を示す。第１図に
示した焼鈍炉においてＡ−Ｎが予熱帯、Ａ′−Ｂが加熱
，均熱帯、Ｂ−Ｃが冷却帯そしてＣ−Ａがコイルの装入
，抽出口てあり、装入口から炉内に装入されたコイルＳ
は炉床の移動に伴い予熱帯から冷却帯までの間を順次通
過する間に所定の熱処理が施される。

予熱帯Ａ−Ａ″では、急激な加熱によるコイル”の損傷
を防ぐために、徐々に昇温させるしくみとされ、その加
熱には通常灯油の直火焚が使用される。

従来この予熱帯Ａ−Ｎからの燃焼排ガスはレキユペレー
タＲ１を通してエアプロア八からの燃焼用空気との間で
熱交換を行つたのちファンＦ１に送り、また冷却帯Ｂ−
Ｃで焼鈍済みの高温コイルをエアプロアＢ１からの空気
で強制冷却した後の温風もこのファンＦ１に集合させ、
しかるのち大気に放出していた。この発明では上に述べ
たごとくこれまでＦ，に集合させていた各排ガスを昇圧
プロアＢ３に集め、ここから後述する緩熱装置に送給す
るのである。

さて第２図、第３図に示した緩熱装置において、番号１
が耐火物よりなるを可とする緩熱室てあり、ｍ個前後の
コイルＳをそれぞれ所定の位置に内蔵できるスペースを
持つ。

２はサドル、３はその支持脚、そして４がサドル２上に
＃げたに架け渡したスキッドてあり、コイルＳを個々に
緩熱室１の底壁からあけ底としてスキッド４上でアップ
エンドに保持するのてある。

５は緩熱室１内にコイルＳを導入する開閉扉であり、コ
イルＳの装入位置毎に緩熱室１の側壁に設ける。

６，６″は緩熱室１の頂壁および底壁の外側にそれぞれ
設けたヘッダ、７，７″はヘッダ６，６″からそれぞれ
緩熱室１内に向けて開口するガス噴肘ノズルであり、こ
れら上，下一対のガス噴射装置はコイルＳの装入位置毎
の配置とする。

８は昇圧プロア式と各ヘッダ６，６″とを連通する配管
てある。

かくして前掲第１図において昇圧プロア八に集めた焼鈍
炉からの排ガスを配管８を介して各ヘッダ６，６″に送
り、緩熱ガスとしてガス噴射ノズル７，７″から緩熱室
１内のコイルＳの上，下面に吹付けコイルＳを均等に加
熱するのである。

この緩熱ガスの吹付けに当つては、たとえばガス温度が
５００〜６００℃の場合、５０〜７０７ＴＬ／Ｓｅｃ程
度の高速にて吹付けるようにすると熱効率を向上させる
上でよソー層有利であり、この緩熱法によりコイルを平
均２００′Ｃまで昇温した場合に全体の熱効率は５％向
上した。また上記のガス吹付けにかえて、緩熱室内に高
速ファンを設け、該室内に導入した緩熱ガスを強制流動
させる対流伝熱によつてもガス吹付けの場合と同等の効
果が得られることが確められている。

なお上に述べた実施例ではスキッドを固定して緩熱中コ
イルは動かさないものとしたが、これはコイルの焼なま
しは長時間の熱処理であるのて緩熱装置内でのコイルの
移動はとくに考える必要はないためであり、コイルの装
入、取出しはフォークリフトによつて容易に行え、また
かくすることにより該装置の構造はシンプルなものとな
つて製作費用が安価に済む利点もある。

以上主にこの発明の回転炉床型の連続式コイル焼鈍炉へ
の適用について述べたが、この発明はこれだけに限るも
のではなく、トンネル型の連続式コイル焼鈍炉に適用で
きることはいうまでもない。

かくしてこの発明によれば、これまでいたずらに放出し
ていた焼鈍炉からの排ガスを有効に再利用して熱効率を
大幅に向上させることができ、省エネルギーに大いに貢
献する。

【図面の簡単な説明】

第１図は回転炉床型の連続式コイル焼鈍炉の全体図、第
２図は好適実施例の平面図、第３図はそのＦ−Ｆ″矢視
図である。 １・・・・・・緩熱室、２・・・・・サドル、３・・・
・・・その支持脚、４・・・・・スキッド、５・・・・
・開閉扉、６，６″・・ヘッダ、７，７″・・・・・・
ガス噴射ノズル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 圧延に引続いて巻取つたストリップコイルを順次に
   装入して焼なましを行う連続式コイル焼鈍炉に、該スト
   リップコイルの貯蔵を兼ねた緩熱室を組合わせ、この緩
   熱室には、その内部でコイルをアップエンドに保持する
   スキッドとこのスキッド上に該コイルを導入する開閉扉
   とを設けるとともに、上記連続式コイル焼鈍炉からの排
   ガスを導入する配管を設けたことを特徴とする連続式コ
   イル焼鈍炉における装入コイルの緩熱装置。 ２ 焼鈍炉からの排ガスが、該炉の予熱帯・加熱帯また
   は均熱帯に生じた燃焼排ガスの、レキユペレータを介し
   て燃焼用空気との間に熱交換を経て降温した燃焼排ガス
   である１記載の緩熱装置。 ３ 焼鈍炉からの排ガスが、該炉の冷却帯で焼鈍済みコ
   イルの冷却に供して昇温した冷却ガスである１記載の緩
   熱装置。 ４ 焼鈍炉からの排ガスが、該炉の予熱帯、加熱帯また
   は均熱帯に生じた燃焼排ガスのレキユペレータを介して
   燃焼用空気との間に熱交換を経て降温した燃焼排ガスと
   、冷却帯で焼鈍済みコイルの冷却に供して昇温した冷却
   ガスとの混合ガスである１記載の緩熱装置。