JPS605693B2 - 鹿皮様織編物 - Google Patents

鹿皮様織編物

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JPS605693B2
JPS605693B2 JP51092004A JP9200476A JPS605693B2 JP S605693 B2 JPS605693 B2 JP S605693B2 JP 51092004 A JP51092004 A JP 51092004A JP 9200476 A JP9200476 A JP 9200476A JP S605693 B2 JPS605693 B2 JP S605693B2
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四郎 熊川
一成 林
厳 藤本
清隆 尾崎
豪男 木村
典雄 吉田
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は鹿皮様織編物に関し、更に詳細にはポリァミド
とポリブチレンテレフタレートとが繊維横断面の外周に
沿って多数の構成部分を形成する如く放射状に交互に接
合配置された複合繊維を使用した鹿皮様織編物に関する
一般に、鹿皮様の風合を有する織編物を得るには起毛さ
れた繊維のデニールが小さい程望ましく、又該起毛繊維
の毛足が短く密で揃つていることが要求されている。
従来、鹿皮様の風合を有する不織布及びその製造法に関
しては、数多〈の提案がなされている。
しかしながら不織布であるということより厚地のものし
か得られておらず、更に汎用性のある中肉ないし薄地の
ものは得られていないのが現状である。又、不織布形態
では基材密度の関係上、含浸ポリウレタン量が極めて多
いため染色堅牢性が悪い欠点がある。本発明者らは、上
記の如き不織布形態による鹿皮様基材の欠点を改良し、
織編物で汎用性大なる鹿皮様基材を得るべく研究を重ね
、従来公知の繊維とは異なる特殊なポリアミドーポリブ
チレンテレフタレート複合繊維が良好な鹿皮様風合、そ
の製造操作性及びコスト面で有用であることを見出し、
本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は繊維形成性ポリアミドとポリブチレ
ンテレフタレートとが繊維横断面の外周に沿って多数の
構成部分を形成する如く、放射状に交互に接合配置され
、該繊維横断面の中央部には中空部分を有し、かつ個々
の構成部分が0.5デニール以下である複合繊維が少く
とも一表面に起毛された織編物であって、該織編物の少
くとも起毛部分においては実質的に前記複合繊維が個々
の構成部分に分割していることを特徴とする鹿皮様織編
物である。
本発明の複合繊維を構成する一方の成分である繊維形成
性ポリアミド‘ま、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン
6.6、ナイロン7、ナイロン6.10、ナイロン11
、ナイロン12、ビス(pーアミノシクoヘキシル)メ
タンと1,10−デカメチレンジカルボン酸又は1,9
−ノナメチレンジカルボン酸からのポリアミド及び前記
ポリアミドに15モル%未満の第3成分を英重合したも
の及びこれらのうちの2種以上の共重合物又は混合物を
言うが特にナイロン6が好適である。
更に又これら繊維形成性ポリアミド‘こは、得られる鹿
皮様織編物に制電性を賦与し汚れ防止を図るため、該ポ
リアミド}こ対して1〜15重量%の一般式{ィ)(口
)で表わされる2種の化合物を添加したものが好ましい
。CmH2n十・NH−くCH2CHR。
〉iH 【イー〔但し式中Rは一日又は−CH3を
表わし、又i,i,kは正の整数、nは10以上の正の
整数であって次式を満足する。0.5S或+kミ2.5
〕 又、本発明の複合繊維を形成する他方の成分であるポリ
ブチレンテレフタレートとはテレフタル酸又はそのェス
テル生成用誘導体とブチレングリコールとかち得られる
ポリエステル及び前記ポリエステルに15モル%未満の
第3成分を共重合したもの及びこれらの混合物をいう。
いずれにしろ重合体中に85モル%以上のプチレンテレ
フタレート単位を有するポリエステルである。上記ポリ
ブチレンテレフタレート中には15モル%以内で他のグ
リコール類又は他のェステル類あるいはオキシカルボン
酸類を反応混合物中に添加してもよい。添加し得る化合
物としては、例えば醸成分として3,5−ジカルボキシ
ベンゼンスルホン酸、アジピン酸、セバシン酸、ィソフ
タル酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ナフタリン
ジカルボン酸及びオキシ安息香酸等の2塩基酸又はオキ
シ酸から選ばれた1種又は2種以上のもの、グリコール
成分としては、例えばエチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、イソフ。ロピレングリコール、シクロヘ
キサンジメタノール、ネオベンチルグリコール等から選
ばれた1種又は2種以上の化合物である。プチレンテレ
フタレート単位が85モル%未満では、得られる複合繊
維の耐熱性、力学的特性及び弾性回復性が低下するので
好ましくない。以下図面を用いて本発明を詳細に説明す
る。第1〜3図は本発明の織編物に使用される複合繊維
の実施態様で該複合繊維の横断面の模式図、第4図は第
1図の複合繊維を織系するに適した紡糸口金装置の縦断
面図、第5図は第2図の複合繊維を紡糸するに適した薮
糸口金装置の縦断面図、第6図は第3図の複合繊維を紡
糸するに通した紙糸口金装置の縦断面図である。第1〜
3図について述べると、A,〜A3は繊維形成性ポリア
ミドA(又はポリブチレンテレフタレートA)からなる
構成部分、B〜B3はポリブチレンテレフタレートB(
又は繊維形成性ポリアミドB)からなる構成部分、Cは
中空部分、C,は前記ポリアミド(又はポリブチレンテ
レフタレート)からなる芯部分である。
本発明に使用される複合繊維はその横断面の外周に沿っ
て繊維形成性ポリァミドA(又はポリブチレンテレフタ
レートA)からなる構成部分(A,〜A8)及びポリブ
チレンテレフタレートB(又は繊維形成性ポリアミドB
)からなる構成部分(B,〜B8)とがA,,B,,ん
,B2…ん,B8の様に放射状に交互に接合配置されて
いる。
本発明に使用される複合繊維の実施態様として繊維横断
面の中央部に、中空部分Cを有していてもよいし(第1
図)、或いは成分A又はBよりなる芯部分C,を有して
いてもよく(第2図)、更に中央部で成分A,Bが実質
的に混合することなく個々の構成部分の中心点となって
いてもよい(第3図)。かかる複合繊維は製織編後例え
ばスエード化工程で熱的又は/及び機械的処理を施すこ
とによりこれを容易に個々の構成部分A,,B,ん,B
2…(及びC,)に分割可能である。そして構成部分の
数を適切に調整することにより個々の構成部分が鹿皮様
風合を得るに充分な極細繊維となる。尚前記成分A,B
の総計重合割合は30:70〜70:30の範囲で任意
に選択可能である。又、構成部分(A,,B,,A2,
&・・・)の数は、全部で4〜4の固好まし〈は6〜3
M固、更に好ましくは10〜2の固である。構成部分の
数が4個禾満では、生産能率が著しく低下するばかりで
なく製糸工程で分割し易く、又、得られた複合繊維の個
々の構成部分のデニールも大きくなり好ましくない。一
方、4川固を越えると例えばスエード化工程で個々の構
成部分に分割し難い。
そして前記個々の構成部分のデニールは0.5デニール
以下とする必要がある。
個々の機成部分のデニールが0.5デニールを越えると
鹿皮様の風合を有する織編物を得ることが出来ない。即
ち一般に鹿皮様の風合を有する衣料用基村(織編物、不
織布等)を得るには起毛される基材繊維のデニールは小
さい程望ましく、特に0.5デニール以下の場合に優れ
た鹿皮様の風合感触のものを得ることができる。一方、
溶融紙糸法で得られる繊維は延伸糸の状態で0.5デニ
ール程度が限界とされ、紡績糸製造工程のカーディンダ
においては0.5デニール以下の場合カード紡出量が大
中に低下するため少くとも1.0デニール以上が要求さ
れる。
従って、本発明に使用される複合繊維は製糸、カード工
程が容易に実施でき、スエード化工程ではじめて0.5
デニール以下の個々の構成部分に分割され極細繊維とな
すことができ、本発明の鹿皮様風合の織編物を得ること
が可能となる。
尚、第1図に示す如き複合繊維の中空部分Cの中空率は
15%以下、好ましくは12%以下更に好ましくは0.
1〜10%がよい。
ここで中空率とは延伸糸を顕微鏡下で拡大した単繊総の
横断面積Soと中空部分Cの横断面積S,を測定してそ
の比S,/So×100で表わす。中空率が15%を越
えると個々の構成部分に分割し易くなり級糸中に両成分
に分割してゴデットo−ラに巻付いたり延伸時ラップ、
ループが頻発したり延伸巻取り時の巻姿も悪くなって操
業性が極めて低下するのみならず力学的強度も低下する
ので好ましくない。又紡績或し、は製織縞工程において
も生産性が極めて低下するので鹿皮様織編物を得るに好
適な複合繊維とは云い難い。又、第2図に示す如き複合
繊維の芯部分C,の芯比率は2〜15%がよい。
ここに芯比率とは前記中空率に準じて測定した値である
。芯比率が15%を越えると製糸工程で個々の構成部分
A,,B・・・C,に分割し易くなり、操業性が極めて
低下するのみならず、製織編後例えばスエード化工程を
経ても芯部分のデニールが大きいため鹿皮様特有のチョ
ークマークが得られない。芯比率が2%禾満ではスエー
ド化工程の中、特に起毛時各成分の分割が困難で鹿皮様
特有のチョークマークが得られない。一方、本発明に使
用される複合繊維を製造するに際し、上記両重合体の級
糸液の溶融粘度を1000〜3500ポイズ、好ましく
は一方の重合体鮫糸液の溶融粘度は1000〜2500
ポィズ、他方の重合体紡糸液の溶融粘度は1500〜3
500ポィズとし、且つ両重合体紡糸液の溶融粘度差を
2000ポイズ以下、好ましくは200〜1800ポィ
ズとすることが必要である(この溶融粘度は島津製作所
高化式フローテスターにより測定した値である)。
即ち一方の鮫糸液が他方の紙糸液よりも溶融粘度が高く
、且つ両者の絶対値及び相対値が上述の範囲を満足しな
いと安定した複合繊維が得られず「吐出された糸条が安
定に放射状に交互に貼り合わされ難く、又、第1〜2図
に示す如き複合繊維においては両成分に分割可能な中空
率又は芯比率が得られない。従って両軍合体の固有粘度
や溶融温度又は重合体への添加剤や紙糸口金寸法で上記
の溶融粘度に調整することが必要である。尚、この際、
両重合体の溶融温度はナイロン6の如きポリアミドの場
合245〜260qC、ポリブチレンテレフタレートの
場合250〜265qoの如く熔融温度をほゞ同等にす
ることが紡糸安定性の面から好ましい。そして、前記溶
融粘度を満足する前記両軍合体の紡糸液を245〜26
5℃の温度に保持されたスピンブロック内に挿着された
本発明の複合繊維に紙糸できる紡糸口金装置、例えば第
4〜6図に示された紡糸口金装置に導入する。尚、第4
図の紡糸口金装置については既に特関昭50−1481
1号公報で詳述したが以下簡単に説明する。
第4図において、Aは紙糸液A、Bは紡糸液B、1はパ
ックケース、2は上口金板、3は下口金板、4はノック
ピン、5は隔板、6は紙糸液Aの吐出小孔、7は紙糸液
Aの分配孔、8は級糸液Bの分配孔、9は紙糸液Bの通
路、10は不連続な円周溝、11は不連続な円周溝を有
する紡糸孔である。
そしてパックケース1内の上部から順次上口金板2、下
口金板3がノックピン4により位置決めされて組込まれ
ている。上口金板上部は隔板5によって2室に区切られ
ており、それぞれの室に紡糸液AとBが混合しないよう
に供給されるようになっている。上口金板2には織糸液
Aを吐出するための小孔6を円周方向に僅かな間隔で穿
設した分配孔7と紙糸液Bの分配孔8を設け、上口金板
と下口金板との間に紡糸液Bの通路9を設けて前記紙糸
液Aを小孔6より吐出させ合流せしめるようになってい
る。下口金板3は紡糸液A,Bを複合紡糸するための不
連続な円周溝10を有する紡糸孔11を上誌上口金板の
紡糸液Aの吐出用小孔6のピッチ円より径が小さくてし
かも周心状に設けてある。紙糸液Aは上口金板2の分配
孔7を通り小孔6によって流量規制されて各孔より一定
流量で上口金板との間の通路9に吐出され、上口金板の
紡糸液Bの分配孔8を通り一定流量で上記通路9に導入
された級糸液Bと合流し、下口金紡糸孔11まで進む間
で両重合体が放射状に交互に形成されるように複合され
、上記下口金紡糸孔11の中心に向って放射状に該周方
向から導入され、不連続な円周溝10より紡出され、バ
ラス効果(ポリマー融体を紬孔より押出す時吐出直後に
直経が大きくなる現象)により第1図に示すような2種
の成分A,Bが交互に接着配置されてかつ中央部に中空
部分Cを有する複合繊維が得られる。該級糸口金装置に
おいて上口金板の小孔6のピッチ円径は下口金板の紙糸
孔11の入口の径より少なくとも0.25肌、好ましく
は0.5肋から3.仇吻大きくすることが好ましい。
上記小孔6の孔数は2個〜2の固、好ましくは3〜1劫
固、更に好ましくは5〜1の固であり、2個未満では生
産能率が低下して好ましくない。
又、第5図は、第4図において、分配孔7の中心部に更
に吐出孔6′を穿設し、且つ、不連続な円周溝10の替
りに吐出孔10′となした以外は第4図と同様の紡糸口
金装置である。
尚、この場合吐出小孔6の孔径は吐出小孔6′の孔径よ
り2倍以上、6倍以下とすることが好ましい。かくして
第5図の級糸口金装置から第2図に示す如き繊維横断面
の中央部に成分Aよりなる芯部分C,を有する複合繊維
が得られる。更に第6図は第4図において不連続な円周
溝I0の替りに吐出孔10′となした以外は第4図と同
様の紡糸口金装置であり、該装置より第3図に示す如き
繊維横断面の中央部で成分A,Bが実質的に混合される
ことなく個々の構成部分の中心点となっている複合繊維
が得られる。
本発明の複合繊維は、前記ポリアミド及び前記ポリブチ
レンテレフタレートを前記溶融温度及び紡糸口金装置を
使用して所定の溶融粘度に調整し規定の成分デニールに
なる吐出量で、吐出温度245〜265q0で紙出する
。この際、安定な紙糸調子を得るには紡糸口金下1仇肋
の走行糸条の雰囲気温度を200qo以下、又25肌の
それを160qo以下とすることが有効である。尚、級
糸口金下を不活性ガスでシールすることが好ましい。次
いで該紡出糸条には100〜3500のドラフト変形を
与えながら冷却化し適当な仕上げ剤を付与し巻取る。巻
取速度としては、110仇h/柳以上とすることが必要
である。巻取速度が110仇h/肋未満では巻取られた
未延伸糸が自己伸長し、未延伸糸パッケージの解錆不良
が発生する。機械的要因(巻取機の性能)、経済性を勘
案すると400仇h/側以下とするのが好ましい。上述
の如くして得られた未延伸糸は、次いで充分な力学的特
性を有する延伸糸とするために延伸される。
織編物用としてはフィラメント形態、ステープルフアィ
バ−形態のどちらでもよいが、延伸時における湿潤状態
の機械的な歪をできるだけ少くすることが、両成分への
分割を抑える上に重要なので、乾熱下で延伸倍率3.折
音以下に延伸する必要がある。乾熱下の延伸とは、従来
公知のピン延伸又はロール延伸を指すが、この場合、該
延伸媒体の温度は60oo以下とする。又、フィラメン
ト形態では延伸に引き続きプレート又は、スリットヒー
ター等が熱処理してもよい。延伸倍率が3.0を越える
と、延伸によるトラブル(断糸のみならず、各成分への
分割によるラップ・ループの発生)が生じるので好まし
くない。ステープルフアィバー形態では上記の如き延伸
後、たとえばスタッフィングボックスの如き捲縮装置で
捲縮を付与し所望により熱処理を施し、所望の長さにカ
ットする。上述の如き縦糸延伸熱処理で得られる延伸糸
の性能はフィラメント形態では強度5.雌/de以上、
伸度25〜45%と伸度に比べて強度が大きく、従つて
従来の衣料用合成繊維に比べてタフネスが大きい。
又沸水収縮率は10〜15%、ャツク率は300〜40
0k9/ゆであり5%伸長時の弾性回復率が98%以上
と良好である。又、染着率及び鮮明性は極めて良好であ
る。更に又、ステープルフアイバー形態では、強度4.
5gノde以上、伸度30〜60%、沸水収縮率0〜1
0%、ヤング率100〜300k9/桝の性能を示し、
現在汎用の合成繊維の力学的特性及び熱的特性に比べ、
何ら遜色のないものである。本発明の複合繊維を使用し
て、鹿皮様織編物を得るに際しては繊維形態として前述
のフィラメントそのま)又は捲縮糸又はステープルフア
ィバーから得られる紡績糸でもよい。
たとえば捲縮糸の場合には、捲縮加工により捲縮糸に潜
在的な機械的歪が賦与されているため、スエード化工程
で極めて分割性がよいのみならず捲綱性能も優れている
ので、嵩高性の優れた織編物が得られる。又、上記綴績
糸は従来公知の通常のカード工程を経て得られるが、極
めて紡績性特にカード通過性がよい。これは分割後0.
5デニール以下の極細繊維になる該複合繊維の両成分が
相互に接着していて単糸デニールが太いためである。本
発明の織物を得るに際しては、上記複合繊維を縞糸とし
て使用し、嵩高性捲縮糸非捲縮糸、鷹織糸、紡績糸等を
経糸として使用すればよいが、経糸として嵩高性捲縦糸
を使用するのが特に好ましい。
本発明の織編物においては、該織編物を構成する上記複
合繊維が少くとも一表面に起毛していて、しかも少くと
も該起毛部分においては上記複合繊維を構成するボリア
ミド成分とポリブチレンテレフタレート成分とが実質的
に個々の構成部分に分割して極細繊維状を呈することが
必要である。
すなわち、本発明の鹿皮様織編物を構成する複合繊維の
うち地組織部分においては複合状態の磯残っても、綾編
物の表面起毛部分は実質的に個々の構成部分に分割され
て、それぞれ極細繊維よりなる状態を呈している。
即ち、本発明の鹿皮様織編物は織編物表面の毛羽、総奈
等起毛部分が少くとも前記の如く極細繊維状となって滑
らかでソフトな鹿皮様の外観風合を与え、繊編物地組織
が各重合体成分の一体となった複合繊維の盤の太い総縦
から構成されると充分な腰を有することになる。そして
、起毛を形成する毛羽はその根元の部分では一体となっ
ているので、抜けるということはない。尚、繊編物表面
の起毛を行なう際地組織の複合繊維にも多少の剥離が起
ることがあるが、それが地纏織の部分の少くとも1/2
程度が残れば腰を保ち且つ毛羽の抜けが防止できるので
、その程度までの多少の分割は許容される。「実質的に
個々の構成部分に分割する」というのは、起毛部分にお
いて大多数が分割していることで、多少の未分割があっ
ても糟かさ、ソフトな感触は失われないということであ
る。次に前記複合繊維を使用した織編物をスエード化す
る工程を詳述する。まずリラックス工程では分割性を高
め、起毛が容易になされるように機械的モミ効果が大き
なサーキュラー(日阪製作所製液流染色機)の如きリラ
クサー及び染色機を用いた方がよい。
又リラックス温度もできるだけ高温の方が熱収縮差を与
え分割性を高めることができるので望ましい。リラック
ス工程後のプリセツト工程は、通常なされている条件、
即ち160〜190℃の温度で10〜6の砂行なえばよ
い。又、起毛工程における起毛法としては針布或いは4
0〜400メッシュ程度のサンドペーパー、サンドクロ
ス、エメリーベーパー、ヱメリークロス、サンドネット
などを有するサンドロール又はリンドベルト等を使用し
て行なうことができる。上述の如く、横糸に本発明の複
合繊維を用すれば、その形態がフィラメントであろうと
捲縮糸であろうとステープルフアイバ−であろうとIJ
ラックス、プリセット後の分割性程度に関係なく、上記
の起毛法による起毛を十分に且つ均一に行なうことによ
りいずれも良好な鹿皮様織編物を得ることができるので
ある。又、カットパイル織編物の場合は必ずしも起毛を
必要としないので有用である。なお、起毛は、起毛表面
の目面を良好化する観点から、編物の場合はリラックス
の後に、編物の場合は生機の後に夫々実施するのが好ま
しい。上述の起毛までの工程により、この織編物は各成
分の素糸がクリンプすることによって嵩ばりを与え風合
が向上する。
他の重要な特長はポリアミド繊維とポリブチレンテレフ
タレート繊維の収縮率が20%以下であると、起毛加工
に通したシポのない滑らかな表面の織編物が得られるこ
とである。即ち織編物の表面が滑らかなために起毛加工
の際、均一な起毛がなされ特定個所が特に起毛されて成
分単糸の切断が生じることが少ないため起毛繊維の密度
の優れたものになり、風合並びに感触の良好な鹿皮様の
織編物が得られる。特に織物の場合よこ糸に該複合繊維
のフィラメント糸或し、は捲縮糸を使用した場合は、染
色前に起毛を行なうと染色時のモミ効果による分割性も
付与されて、良好な鹿皮様のものが得られる。
該染色条件は特別な条件は必要なくポリアミド及び/或
いはポリエステルの通常の染色条件で行なえばよい。染
色温度は沸水〜140qoの範囲で染料は分散染料、酸
性染料、含金染料等が使用可能である。又、分割性を促
進させる為に染色機も機械的モミ効果の大なるサーキュ
ラ−(日阪製作所製)の如き機械が好ましい。又ノズル
口径などもモミ効果が十分得られるように選択するのが
望ましい。又染色後毛羽を揃えて表面を更に優れた鹿皮
様となし、抗ピル性を付与するために雛毛する必要があ
る。上記の如くして得られた鹿皮様織編物は更に該綾編
物に腰をもたせ、且つ又抗ピル性を付与させるためポリ
ウレタンを含浸させるが、級編物の如き組織密度では不
織布の如き多量に含浸させる必要がなく1の重量%以下
程度でよい。
又、更に重要なことはポリウレタンを含浸させるのでは
染色堅牢性、風合し、が悪いので、モノマー又はプレポ
リマーを均一に基布に付着させた後、乾熱或いは緑熱に
より織編物上で反応させてポリマー化させる方が上記欠
点が改良され優れた風合のものが得られる。次いで、ウ
レタン含浸後起毛繊維を開綾ごせるためパッフング等の
仕上加工を施すと風合が更に向上する。前記の如くスエ
ード化工程の各工程の条件を適切に設定することにより
極めて良好な鹿皮様風合の織編物を得ることができる。
特に、本発明の複合繊維は力学的特性に優れているため
、起毛時に前記複合繊維及び/又は、該繊維の個々の構
成部分よりなる極細繊維の切断が生じないため、均一な
起毛がなされ、起毛繊維の密度の優れたもので且つ抗ピ
ル性に優れた風合並びに感触の良好な鹿皮様の織編物が
得られる。以上、詳細に説明した如く、本発明の複合繊
維は談繊維を織編物に使用し、そのスエード化工程で各
成分へ分割することにより極細繊維とすることが可能で
あるが、製糸(線糸、延伸)紡績或し、は製編織工程に
おいて成分毎に剥離分割が起り驚く、従って操業性が極
めて良好な複合繊維である。
又、鹿皮様基材の形態が鍛練物であることより、組織、
密度により、中肉ないし薄地のものまで可能であり衣料
用基材としては極めて広範囲の用途に応用できる。
以下実施例を詳述するが本発明はこれに限定されるもの
ではない。
尚、実施例中、「製糸性」、「分割性」、「風合」とは
、下記より求めた評価基準である。
a 製糸性 b 分割性 スエード化工程を経て得られた織物の断面を顕微鏡で観
察し、該編物表面に存在する構成よこ糸の個々の構成部
分に分割している本数の該構成よこ糸全数に対する割合
(%)で評価c風合 スェ−ド化工程を経て得られた織編物の外観、手ぎわり
により評価 実施例 1 テレフタル酸ジメチルに対して所要量のブチレングリコ
ールを重縮合した3500,o−クロロフェノール中で
の固有粘度が0.87のポリブチレンテレフタレートを
一成分とし、35q0,m−クレゾール中での固有粘度
が1.10のポリーご−カプロアミドを他の成分として
溶融紙糸するに当り第4図の口金装置を用い、Aよりポ
リーご−カプロアミド、Bよりポリブチレンテレフタレ
ートを導入し(スピンブロック温度25000における
A成分の溶融粘度2000ポィズ、B成分2500ポィ
ズ)吐出量を夫々滋/minで吐出して120皿/mi
nの速度で巻取った。
この際、第4図の口金装置の紡糸液Aの吐出用小孔6の
数を1,3,5,10,15,18(級糸孔数は20と
一定)と変えて種々の未延伸糸を得た。得られた未延伸
糸の横断面は第1図に示す如き形状で構成部分の数及び
デニールが異なっていた。これら未延伸糸を夫々直径1
0仇吻■の室温のローラーに7回捲きつけた後、2.4
倍に延伸して5皿h/minで捲取った。得られた延伸
糸は、単糸縦度2.3〜2.4デニール、強度5.1〜
6.雌/de、伸度25〜32%、沸水収縮率11.6
〜13.9%、中空率2.4〜2.8%であった。級糸
延伸性について併せ第1表に示す。第 1 表 (比)は比較例その他は実施例を示す。
以下同じ。実施例 2実施例1において、紡糸液Aの吐
出用小孔数を8とし、ポリブチレンテレフタレート(P
BT)の溶融粘度、ポリ−ご−カプロアミド(Ny)の
溶融粘度及び両重合体の供給経路を種々変化させる以外
は全く同様にして紡糸延伸して延伸糸を得た。
紡糸性及び延伸性を第2表に示す。第 2 表 実施例 3 実施例2、実験針o.7の重合体及び温度を使用して、
巻取速度、延伸方式、延伸倍率を種々変え紙糸延伸する
以外は実施例1と全く同様に行なって延伸糸を得た。
紙糸性、延伸性を第3表に示す。第 3 表実施例 4 実施例1、実験地.4の複合繊維延伸糸を以下の条件で
仮撚加工し、該仮撚加工糸を織物の緯糸とし、経糸にカ
ーボンブラックを2.8重量%含有した黒色ポリエステ
ル加工糸15We/48i1(SI20T/m)を用い
5枚朱子織物とした。
仮撚条件仮撚加工機:スクラッグCS12−60の型ス
ピンドル回転数:28.6×1ぴr.p.m撚 数:2
700T/m(仮撚方向Z)ヒータ温度:17500 仮撚加工時のオーバーフイード率:3% 巻取時のオーバーフイード率:4% 該織物をサーキュラー染色機(日阪製作所製)にて沸水
中で3粉ご間リラックスを行なった。
次いで該織物をジェットドラムドライヤー(平野金属製
)で12000,3分間乾燥させた後、ピンテンターで
17000,3硯抄、間プレセツトを行なった。次いで
ゲスナー起毛機で5回起毛を行なった後、下記条件で1
2000で6び分間染色を行なった。染色条件染色機
サーキュラー染色機 染色処方 フ。
で行なった。次いでウレタン加工を下記条件で行なった
後、ローラーサンダーパフ機(サンドペーパーメッシュ
#250)で3回仕上を行なった。
ウ.レタン加工 ェラストロンE−37(第一工業製) この仕上起毛織物は表面における単糸分割性が良好で、
柔らかく、しなやかで、滑らかな風合を有し、抗ピル性
に優れた鹿皮様織物であり特有のチョークマークを示し
た。
尚、実験NO.2,3,5,6,7,8,9,10,1
1,16,17,19の延伸糸を使用し、上記方法と全
く同様の工程条件で得られた起毛織物の性能は第1表〜
第3表に併記した。
実施例 5 テレフタルジメチルに対して所要量のプチレングリコー
ルを重結合した3500,o−クロロフェノール中での
固有粘度が1.03のポリブチレンテレフタレート(P
BT)を一成分とし、35qo,m−クレゾール中での
固有粘度が1.30のポリーごーカプロアミド(Ny)
を他の成分として溶融紙糸するに当り、第5図の繊糸口
金装置(級糸液Aの吐出用4・孔6の孔径は0.6側、
小孔6′の孔径は0.2柳、複合流の吐出孔10′の孔
径は0.3肌、小孔6の個数1の固、級糸孔数は3の固
)を用いAよりポリーごーカプロアミド、Bよりポリブ
チレンテレフタレートを導入し(スピンブロック温度2
65qoにおけるA成分の溶融粘度3200ポィズ、B
成分3400ポィズ)吐出量を夫々11.咳/minで
吐出して130仇h/minの速度で巻取った。
得られた未延伸糸の横断面は第2図に示す如き形状で芯
部分C,はポリ−ご−カプロアミドで芯部分の周囲に該
横断面の外周に沿って放射状に交互にポリ一ど−カプロ
アミドとポリブチレンテレフタレートとが計20層接合
配置されていた。この未延伸糸を直径10物蛇中の加熱
ロールを用いて温度50qo、ターン数7回、延伸倍率
2.3で延伸し150℃に保持された溝付きヒーターを
通して50仇h/minで巻取つた。得られた延伸糸は
織度70デニール、単糸級度2.3デニール、強度5.
雌/de、伸度35%、滋水収縮率16.3%であった
この延伸糸を実施例4と同様にして仮撚加工製織、スエ
ード加工して鹿皮機織物となした。
結果をあわせ第4表に示す。第 4 表 実施例 6 第6図に示す如き紡糸口金装置(級糸液Aの吐出用小孔
の孔数1の固、紡糸孔数3川固)を用いる以外は実施例
5と同一の条件下で両重合体を紡糸した。
得られた未延伸糸の横断面は第3図に示す如き形状でポ
リ−ど−カプロアミドとポリブチレンテレフタレートが
中心部で実質的に混合することなく、該横断面の外周に
沿って放射状に交互に計20層接合配置されていた。こ
の未延伸を実施例5と同一の条件で延伸した。得られた
延伸糸の織度は70デニール、単糸織度2.3デニール
、強度5.3g/de、延伸30%、瀦水収縮率15.
1%であった。この延伸糸を実施例4と同様にして仮撚
加工、製織、スエード加工して鹿皮様織物となした。
結果を併せ第5表に示す。第 5 表
【図面の簡単な説明】
第1〜3図は本発明の織編物に使用される複合繊維の実
施態用で該複合繊維横断面の漠式図、第4図は第1図の
複合繊維を紙糸するに通した紡糸口金装置の縦断面図、
第5図は第2図の複合繊維を紡糸するに適した紡糸口金
装置の縦断面図、第6図は第3図の複合繊維を級糸する
に通した紡糸口金装置の縦断面図である。 第1〜3図において、A,〜&:成分Aよりなる構成部
分、B,〜B8:成分Bよりなる構成部分、C:中空部
分、C,:芯部分。 第4〜6図において、A:成分Aの紙糸液、B:成分B
の級糸液、6,6′:紙糸液Aの吐出小孔、7:紡糸液
Aの分配孔、8:紡糸液Bの分配孔、9:紙糸液Bの通
路、10:不連続な円周溝、10′:吐出孔、11:紡
糸孔。髪1図 繁之図 髪ミ図 卒4図 茅;図 礎5図

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 繊維形成性ポリアミドとポリブチレンテレフタレー
    トとが繊維横断面の外周に沿って多数の構成部分を形成
    する如く、放射状に交互に接合配置され、該繊維横断面
    の中央部には中空部分を有し、かつ個々の構成部分が0
    .5デニール以下である複合繊維が少くとも一表面に起
    毛された織編物であって、該織編物の少くとも起毛部分
    においては実質的に前記複合繊維が個々の構成部分に分
    割していることを特徴とする鹿皮様織編物。
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JPS4938929A (ja) * 1972-08-18 1974-04-11
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JPS5170366A (ja) * 1974-12-12 1976-06-17 Teijin Ltd

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