JPS605680Y2 - 平板型スピーカ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、入力波形に忠実な再生を行なう薄型の音響
スピーカに係り、平板型振動板を圧電変換子によって駆
動する平板型のスピーカに関する。

今日、音響再生用スピーカとしては、パルプや合成樹脂
等からなる紙をコーン型に成形した振動板を、コイルと
マグネットからなる電磁変換子で駆動するコーン型スピ
ーカが主流となっており、他に比較し得るスピーカのな
いことから低音用から高音用と多種多様のものに利用さ
れている。

しか腰入力波形と出力波形が全く相以形であることを究
極とするかかるスピーカにおいて、コーン型スピーカは
振動板がコーン型であるためそのキャビティ効果並びに
分割振動があり、入力波形に対する忠実度は劣るものと
されていた。

そのため近年では、振動板に剛体平板を用い、ピストン
運動させて理想的な音響再生をおこなわせようとする種
々の試みがみられる。

この考案は、従来のコーン型スピーカに代わる高忠実度
の再生が可能なスピーカを目的と腰振動板に平板型のも
のを使用し、圧電変換子を駆動力に用い、すぐれた再生
能力が得られる新規な構造の平板型スピーカを目的とし
ている。

すなわち、この考案は正方形の平板型振動板と、十字形
金属板の各放射部分に矩形の圧電板を貼着してなる圧電
変換子とからなり、上記金属板の各放射部を、該振動板
の対角線上に平行かつ同軸に対向配置し、上記金属板中
心部を圧電変換子の固定側とし、各放射部先端を振動先
端部として該振動板と結合したことを特徴とする平板型
スピーカである。

この考案は十字形の金属板と同一寸法の４つの矩形板状
の圧電板からなる圧電変換子を特定の配置とすることに
より、圧電変換による理想的なピストン運動が得られ、
より高忠実度で広帯域のスピーカが得られ、また、スピ
ーカを著しく薄型化できる。

さらに詳しく説明すると、十字形の金属板の４つの放射
部分に各々同一寸法の矩形板状の圧電板を貼着して圧電
変換子とし、該圧電変換子の十字形の中心部をフレーム
等に固定し、４つの振動先端部を正方形の平板型振動板
の対角線上に位置する駆動点に結合し、さらに平板型振
動板の周囲をエツジを介してフレーム等に支持して平板
型スピーカを構成する。

該平板型スピーカにおいて前記圧電変換子の金属板と各
部の圧電板に交番電圧を加えると、電気的に並列に接続
されている圧電変換子のそれぞれ４つの放射部分におい
て屈曲変位を生じ、結合部分が平板型振動板に対して垂
直方向に振動し、平板型振動板のピストン運動が行なわ
れ、入力波形に忠実な再生が可能となる。

平板型振動板には、後述する実施例のように、コア材に
ハニカム構成体を使用し、これにプラスチックシート等
を貼着したものをはじめ多種のものが使用できる。

例えば、合成樹脂あるいは金属等のシート類、板類等が
使用できる。

圧電変換子の圧電板は金属板の上下両面に複合したいわ
ゆる対称形バイモルフ振動子の構成のほか、片側のみと
した非対称形構成であっても同等である。

以下にこの考案を第１．２．３図に示すウーハ−の実施
例に基づき詳述する。

平板型振動板１は、コア材に厚さ９Ｔｒｒ！ｎのアルミ
ニウム製のハニカム形構成体を使用し、その表裏面に厚
さ０．２ＴｒｒＩＩＸのプラスチックシートを貼着し、
さらにその上に４０μｍのアルミ箔を貼着した、２５蝕
の角の正方形振動板である。

この平板型振動板１は開口を正方形としたアルミダイキ
ャスト製のフレーム２に装着される。

すなわち、平板型振動板１の周端に従来のスピーカに使
用されるのと同様のポリウレタン製のタ゛ウンロール形
のエツジ４を接続し、このエツジ４をフレーム２の開口
周端にガスケット５によって固定するものである。

次に圧電変換子１０は、十字形の金属板１１からなり、
長さ１９２ｍｍ、突出部分幅３５ｒｙ＋ｍ、厚さ０．５
団のリン青銅板を使用腰４本の突出部分の表裏両面に圧
電板１２を接着剤で複合しである。

圧電板１２は長さ７４７７Ｉ７７１１幅３２７ｒｒ！ｎ
１厚さ０．５ｒＩｒＩｎのジルコン、チタン酸鉛系圧電
磁器からなり、その両面に銀電極を焼付けである。

そして４本の放射部先端すなわち振動先端部分はその２
つの角を切欠いて略台形状としてあり、その先端部分を
長さ４間で直角に折り曲げ、平板型振動板１との結合部
１３を構成する。

さて、この圧電変換子１１をフレーム２の内底部中央に
突設した取付部３の上に置き、上方から１辺が５２Ｔｒ
ｒ１１１、厚さ２ｒｒａｎの鉄製の押え板６を当て、押
え板６の４隅に穿設した取付穴にビス７を通し２て止着
する。

すなわち圧電変換子１１を取付部３と押え板６とで挟持
させている。

なおビス７の胴部には絶縁スリーブ８を通しである。

次に圧電変換子１１と押え板６との隙間１４には、接着
剤を充填してその圧電変換子の装着根元部分に不要振動
が発生しないよう構成している。

また、上述したようにフレーム２に装着された平板型振
動板１と上記の圧電変換子１０とは結合部１３を介して
該平板型振動板１の対角線上に位置する駆動点にて接着
固定するが、ここでは平板型振動板１の第６次共振点の
節部にあたる位置に駆動点を設定するよう上述の寸法と
しており、平板型振動板の高次分割振動を抑制し、再生
周波数帯域の拡大を目的としている。

以上のように構成上たスピーカにおいて、各圧電板１２
は、押え板６、ビス７、フレームの取付部３を介して電
気的に並列に接続されており、金属板１１とフレーム２
にリード線を付設して、両者間に交番電圧を加えると、
圧電変換子１０の４本の放射部に屈曲変位を生じ、結合
部１３が平板型振動板１に対して垂直方向に振動腰平板
型振動板１はピストン運動を行なう。

この実施例では、平板型振動板１にハニカム構造体を使
用しているため、従来のコーン紙に比較して曲げ調性が
約１００備もあり、分割振動の共振周波数が高く、実用
上有害な第６次分割振動はほぼ２ＫＨｚまで高められて
いる。

しかも上記した如く圧電変換子の結合部が第６次分割振
動の節部位置であるため、これらの影響がほとんど除去
されている。

上述の構成からなるこの考案による平板型スピーカは圧
電変換子の４つの振動先端部を平板型振動板の対角線上
に位置する駆動点と結合駆動するため、振動板の理想的
なピストン運動が得られており、さらに、上記した有害
運動を除去しているため、最低共振周波数近くから約４
ＫＨｚまで、平坦な音圧レベルで再生することができた
。

従来のコーン型スピーカでは実施例と同等の口径（２５
０ｍｍ）とした場合、その平坦な出力での再生周波数の
上限はほぼ１ＫＨｚ程度であることと比較して、この考
案による平板型スピーカの再生能力のすぐれていること
がわかる。

また上記実施例のスピーカは奥行きがわずか２５ｍｍＬ
、かなく、従来の同ロ径コーン型スピーカが１５ｏｒｒ
ｒ！ｒＬ前後の奥行きであることから、著しく薄型化が
実現されたことがわかる。

さらには、入力波形に対する忠実度において、試験波の
入力に対する従来スピーカとの出力波の比較並ひに聴覚
における比較においても従来のコーン型スピーカよりす
ぐれていることが確認された。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による平板型スピーカの縦断面図、第
２図は圧電変換子の配置を示す説明図、第３図は第１図
における押え板とビス部分の拡大縦断面図である。 図中、１・・・・・・平板型振動板、２・・・・・・フ
レーム、３・・・・・・取付部、４・・・・・・エツジ
、５・・・・・・ガスケット、６・・・・・・押え板、
７・・・・・・ビス、１０・・・・・・圧電変換子、１
１・・・・・・金属板、１２・・・・・・圧電板、１３
・・・・・・結合部、１４・・・・・・隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 正方形の平板型振動板と、十字形金属板の各放射部分に
   矩形の圧電板を貼着してなる圧電変換子とからなり、上
   記金属板の各放射部を、該振動板の対角線上に平行にか
   つ同軸に対向配置し、上記金属板中心部を圧電変換子の
   固定側とし、各放射部先端を振動先端部として該振動板
   と結合したことを特徴とする平板型スピーカ。