JP3068450U - 圧電セラミックスピ―カ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 広帯域再生に適した音質が良く、音量の大き
な圧電スピーカを提供しようとするものである。 【構成】 片持ち梁型の圧電セラミック駆動部の自由端
に振動板の中央部分を接続し、振動板の周辺を柔軟材を
介して外装部材に固定して構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

圧電セラミック板を用いた薄型、小型のスピーカで、小型コンピュータの周辺 機器用、小型音響機器用、ゲーム用などの音声、音楽、効果音出力用スピーカに 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

圧電セラミックスピーカは電話機用レシーバ、玩具用等に利用されているが音 量が小さく、又音質が悪い欠点があった。 図１にその従来例を示す。分極した円形圧電セラミック板１を円形金属板２に 張り合わせ、これに接続線４を接続し、ケース３の一部に設けた固定箇所５に接 着材などで固定した構成をしている。ところで空気の粗密波によって出力される 音響出力は円形圧電セラミック板１の両面に電圧が加わることによって生じる面 方向の延び縮みにより円形金属板２が軸方向に湾曲振動することで生じる。この 音響出力は円形金属板２そのものの振動によって得られているので、音響出力を 大きく得るためには円形金属板２の振動振幅を大きくするか金属板の面積を大き する方法が採られる。円形金属板２の振動振幅を大きく得るには円形圧電セラミ ック板１の両端に加える入力電圧を大きくするか円形圧電セラミック板１の厚さ を薄くすることが必要になるが、入力電圧を大きくすることは電源電圧を上げた り、駆動増幅器を複雑にしたり高価になってしまう、又円形圧電セラミック板１ を薄くすることは円形金属板２を湾曲させる力が弱くなるため限界があって実用 的ではない。一方 円形金属板２を大きくする手段は、接着材を利用する必要か ら圧電セラミック板との線膨張係数を合わせなければならず、鉄ニッケル合金か 銅合金の一部しか利用できない、これらの材料では比重が大きく、円形金属板２ の面積を大きくするために薄くすると剛性が小さくなり寄生振動による再生帯域 内に複数のピークが発生する。このピークは特定な音を強調するため金属板特有 な音質になり、更にピーク周波数より低い周波数が再生し難くなること等から高 音質の再生には不適当であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、かかる問題点に鑑みなされたものであって、基本構造を見直し、高 音量の再生と、再生帯域内の寄生振動を少なくすることで音質の良い圧電セラミ ックスピーカを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決する為の手段及び作用】

前述の課題を解決するため、従来、圧電セラミック板と張り合わせていた金属 板を機械振動を音響出力に変換する振動板と併用することをせず、本考案では角 形の圧電セラミック板と金属板を張り合わせた片持ち梁型駆動部で、電気信号を 機械振動に変換して大きな振動振幅を得られたこと。機械振動を音響信号に変換 する振動板は圧電セラミックと張り合わせることがないので圧電セラミックの材 料特性に関係なく剛性の高い材料を選択できるので寄生振動による歪みの少ない 音響出力を得られること。更に振動板を軽量にすることで金属振動板に比較して 面積を大きく出来ること。以上から音量、音質とも優れた圧電セラミックスピー カを実現できるに至った。

【０００５】

【実施例】

以下、添付図面に従って本考案に関わる実施例を説明する。 図２は本考案の断面図、図３は本考案の主要部の斜視図を示している。図示に おいて例えば長さ６０ｍｍ幅２０ｍｍ厚さ０．１ｍｍで、両面に銀電極印刷を施 した角形圧電セラミック板６を分極処理し、その片面に角形金属板７を接着材で 張り合わせて片持ち梁型圧電セラミック駆動部を構成している、角形金属板７は 角形圧電セラミック板６より長手方向に２０ｍｍ程度長く、一端に接続部１１が 固定されている。又 接続部１１は紙材等によって作られた振動板８の中心位置で接着材によって固 定部１４で固定されている。紙材などによって作られる振動板８は例えば長辺１ ５０ｍｍ、短辺５０ｍｍの楕円形で、その最外周部分にはウレタンフォーム材な どのリング状柔軟部９が角形金属板７の間隔を埋める様に接着材で固定されてい る。金属又は合成樹脂などで作られる外装部材１０とリング状柔軟部９は角形金 属板７側を角形金属板７と共に接着材などで固定する。外装部材１０には絶縁部 １３を介して端子１２が設けられており、接続線４が半田付け等によって電気的 に接続されている。

【０００６】

【考案の効果】

本考案によれば、従来の構成のように音響信号を出力する振動板を圧電セラミ ックに張り合わせる金属板と併用することなく、振動板と振動板を駆動する圧電 セラミックと金属板を張り合わせた駆動部を分離したことで、振動板を軽量で剛 性の高い材料を選択し、寄生振動の少ない比較的大きな面積の振動板とすること が出来、音量と音質の改善が出来た。又 従来の振動板の固定は円周上に行って いたが、本考案は片端固定の片持ち梁構造のため振動振幅が大きく、克つ圧電セ ラミック板を２枚利用したバイモルフ構造など高出力化が出来、又形状に対して の設計の自由度が大きいなどの効果がある。更には、可動線輪型のダイナミック スピーカに比較しても永久磁石や鉄材を使用する必要性はないので漏洩磁束がな く、厚さ及び重量で１／５から１／１０にすることが出来るなど極めて優れた効 果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 従来例の断面図

【図２】 本考案の断面図

【図３】 本考案の主要部斜視図

【符号の説明】

１ 円形圧電セラミック板 ２ 円形金属板 ３ ケース ４ 接続線 ５ 固定箇所 ６ 角形圧電セラミック板 ７ 角形金属板 ８ 振動板 ９ リング状柔軟部 １０ 外装部材 １１ 接続部 １２ 端子 １３ 絶縁部 １４ 固定部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】金属板に分極した圧電セラミック板を張り
   合わせた片持ち梁型圧電セラミック駆動部と該片持ち梁
   型圧電セラミック駆動部の一端を外周にリング状柔軟部
   を備えた振動板のほぼ中央部に固定し、他の一端を固定
   端として外装部材に前記リング状柔軟部と共に固定した
   ことを特徴とした圧電セラミックスピーカ。