JP6319678B2 - 圧電駆動式スピーカー - Google Patents

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本発明は、振動源として圧電体を使用した圧電素子のみを用いた低消費電力の圧電駆動式スピーカーに関し、特に低音域における出力特性を改善して音響機器用に使用することのできる圧電駆動式スピーカーに関する。
現在の音響機器用の代表的なスピーカーは、電磁気力によって振動板を駆動するダイナミックスピーカー(動電形スピーカー)であり、特にムービングコイル形が主流であり、フルレンジタイプ(全帯域用)に限っていえばダイナミックコーンスピーカーが殆どである。このダイナミックコーンスピーカーは可聴域のほぼ全域で大きな音圧を得ることができ、インピーダンスが4Ω〜8Ωと低いことによる能率(電気−音響変換効率)の悪さを除けば音響機器用として高性能が期待できるスピーカーである。
一方で、上記ダイナミックスピーカー以外では、圧電セラミック等の圧電現象を利用した圧電駆動式スピーカーも提供されている。しかしながら、かかる圧電駆動式スピーカーは、主として電子機器の報知ブザーや携帯電話等、ヘッドホン、小型機器のスピーカーとして用いられており、音響機器用としてはミニコンポ等のスピーカーシステムにおける高音域を鳴らすツィータで僅かに用いられるに留まっている。何故ならば当該圧電駆動式スピーカーは低音域における音圧が充分に取れず、且つ再生帯域も広くないことから、全体に音響機器用として求められるダイナミックスピーカーのような全域でのフラットな音響特性は全く期待できず、よって小音で狭帯域でもよいというような限られた用途でしか利用できなかった為である。
しかしながら、圧電駆動式スピーカーは上記のような欠点はあるものの、薄くて構造が簡単であり、低電圧で駆動でき、更に電気−音響変換効率が良好であるといった、従来のダイナミックスピーカーに比して優れた特長を有している。そこで従来では、上記圧電駆動式スピーカーでありながら、全周波数帯域での良好な音響特性を実現するべく、種々提案されている。
例えば、特許文献1(特開2004−328408号公報)では、音色の明瞭度の向上及び歪感の減少等の音響の質を改善することができる圧電スピーカーを提供するべく、圧電振動体をインピーダンス変換トランスで駆動して、出力帯域が300Hz乃至8kHzの音を音響振動体から出力するよう構成し、音響振動体と圧電振動体とを金属製取付け部材によって取り付けた圧電スピーカーが提案されている。
また、特許文献2(特開2012−134956号公報)では、限られたスペースでも、広範な音域の再生能力を確保し、音質劣化を抑制するべく、印加される電圧に応じて振動することにより音波を放射する圧電スピーカーであって、第1曲げ剛性を有する第1領域、および第1曲げ剛性とは異なる第2曲げ剛性を有する第2領域を含む基板と、第1領域に装着され、第1周波数帯域の電圧が印加される第1圧電素子と、第2領域に装着され、第1周波数帯域とは異なる第2周波数帯域の電圧が印加される第2圧電素子とを備える圧電スピーカーが提案されている。
特開2004−328408号公報 特開2012−134956号公報
上記の通り、従前においても圧電体を使用した圧電素子のみからなる圧電駆動式スピーカーにおいて、広範な音域の再生能力を確保することは、様々な観点からのアプローチがなされている。しかしながら、かかる圧電駆動式スピーカーにおいて、350Hz以下の出力を向上させる事に関して、未だ改善の余地を有しているのが実情である。
また、圧電スピーカーを音響機器用スピーカーとして全面的に採用することが出来れば低消費電力化の要請も充たすことができる。ここで、圧電体を使用した圧電駆動式スピーカーを使用する際、解決しなければならない問題点は、(a)音響特性の改善と、(b)音圧の向上である。
そこで本発明では、電気−音響変換効率を向上させるべく、圧電体だけを用いた圧電駆動式スピーカーでありながら、特に低音領域における出力を改善し、音圧を向上させることにより、音響特性を改善する事を第一の課題とする。
更に、従前において使用されているフルレンジタイプ(全帯域用)のダイナミックコーンスピーカーと遜色の無い音質・出力を実現しながらも、薄く形成することのできる圧電駆動式スピーカーを提供することを第二の課題とする。
そして、上記の様に低音域における出力・音質を大幅に改善しながらも、従来提供されている圧電体を使用し、且つ市販されている材料を用いて電極板を構成し、安価に製造することのできる圧電駆動式スピーカーを提供することを第三の課題とする。
上記課題の少なくとも何れかを解決するべく、本発明では複数の圧電体を、少なくとも何れかの同一面内に複数設けた低音用圧電振動体を新規に開発し、これを振動板に設置して構成した圧電駆動式スピーカーを提供する。
即ち、本発明では、金属板からなる電極板に圧電体を固着してなる圧電振動体と、当該圧電振動体に接続される振動板とからなる圧電駆動式のスピーカーであって、前記圧電振動体は、前記電極板の少なくとも何れかの面に複数の圧電体を添接してなる低音用圧電振動体を含む圧電駆動式スピーカーを提供する。
上記電極板は導電性を有する金属を用いて板状に形成されており、例えば黄銅、42アロイ(42%Ni-Fe)、銅等からなる板材を使用することができ、望ましくは縦弾性係数等を考慮の上、圧電体によって振動し得る程度の厚さ(即ち、圧電効果による振動を実現する程度の厚さ)に形成される。例えば、42アロイからなる板材であれば50〜60μmの厚さに形成するのが望ましい。但し、本発明にかかる電極板においては、後述するウエイト部材を保持する必要があることから、当該電極板の厚さは20μm以上に形成されることが望ましい。
かかる電極板は円形、楕円形、正方形、矩形、その他の多角形や、ハート形、星形等の各種意匠形状に形成することができる。但し、圧電効果による振動を均等に行わせるためには、当該電極板を長方形に形成すると共に、前記圧電体を、当該電極板の幅方向中央に、電極板の長さ方向に沿う向きに直列状に配列することが望ましい。この時、電極板に複数設けられる圧電体は、直線状に整列した圧電体列を形成し、当該圧電体列は、1つの電極板の少なくとも何れかの面に1列又は2列以上形成することができる。
上記圧電体は、圧電効果を生じさせる各種材料(天然結晶、人工結晶、人工セラミックス、鉛フリーセラミックス、ポリマーなど)を用いて形成することができる。中でも圧電セラミックスを用いて形成することができ、例えばチタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸鉛(PbPO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb[ZrxTi1-x]O3 0<x<1)、ニオブ酸カリウム(KNbO3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、タングステン酸ナトリウム(NaXWO3)、酸化亜鉛(ZnO、Zn2O3)、リチウムテトラボレート(Li2B4O7)などを使用することができる。そしてかかる圧電効果を生じさせる材料をシート状に形成すると共に、その両面に導電性を有する材料、例えば銀などを積層させて形成することができる。
上記圧電体は、前記電極板に固着して形成されており、例えば接着剤や両面テープなどを用いて固着することができる。この圧電体を電極板に固着する材料は、硬化後において一定の弾力性を有する事が望ましい。圧電効果による振動で、圧電体が剥がれたり破損したりする恐れを無くすためである。
また、当該圧電体の形状は特に制限されるものではなく、円形の他、四角形、その他の多角形、或いは楕円形やその他の各種形状に形成することができ、また異なる形状の圧電体を複数組み合わせて電極板に設置することもできる。更に、異なる形状及び異なる大きさの圧電体を組み合わせて電極板に固着してもよい。なお、電極板に設置された圧電体は、相互に電気的に接続されている事が望ましい。例えば、電極板に陰電荷を印加し、各圧電体の何れかの面を当該電極に対して電気的に接続して固着した場合、全ての圧電体の他方の面には陽電荷を印加するように電気的に接続することが望ましい。
また当該圧電体は、前記電極板の何れかの面だけに設ける他、当該電極板の両面に設けることもできる。特に両面に設けた場合には、圧電効果を高めて電極板の変位量を大きくすることができる。なお、電極板の両面に圧電体を設置する場合には、表裏で相互に向かい合う位置に設ける事が望ましい。電極板の変位に際して、変異位置のずれをなくすためである。また、電極板の両面に圧電体を設ける際、各圧電体の何れかの面を電極板と電気的に接続し、他の面には、電極板の両面に固着された全ての圧電体に対して同じ電荷を印加することが望ましい。
また圧電振動体の平面方向外縁寄りなどには、所定の質量を有するウエイト部材を設ける事が望ましい。かかるウエイト部材は、圧電効果による電極板の振動を緩衝乃至は増幅する為に機能し、少なくとも電極板の振幅幅を抑え、又は増大させることのできる質量で形成される。また前記電極板の縦弾性を補強するものとしても使用することができる。例えば、前記電極板を長方形に形成すると共に、前記圧電体を当該電極板の幅方向中央に、電極板の長さ方向に沿う向きに直列状に配列した場合には、当該ウエイト部材を、長方形に形成した電極板における幅方向両側に、長手方向に沿って設ける事が望ましい。このように、電極板における幅方向両側に、長手方向に沿うようにウエイト部材を設けた場合には、複数の圧電体を並べて形成した圧電体列も電極板の幅方向中央に配列されることから、当該圧電効果による電極板の振動を効果的に増幅させ、また均等に振動させることができる為である。
また、電極板の振動を整えると共に、当該電極板又は圧電体を補強する場合には、当該電極板の全体をカバーするように形成する事もできる。例えば、前記電極板を長尺に形成すると共に、前記ウエイト部材を、圧電体が添接される長尺な電極板において、振動板と対向する面の中央に設けられた長尺な第1ウエイト部材と、当該第1ウエイト部材の長さ方向に沿う両側に設けられた第2ウエイト部材と、当該第1ウエイト部材及び第2ウエイト部材が設けられる面とは反対側の面の長さ方向に沿う縁部分に沿って設けられた第3ウエイト部材とで形成し、前記第1ウエイト部材の長さ方向に沿う両縁部分と、第3ウエイト部材同士で向かい合う縁部分は、それぞれ楔状に形成し、前記第1ウエイト部材における楔状に形成された領域と、前記第3ウエイト部材における楔状に形成されている領域とが、前記圧電体が添接された電極板を挟んで重なるように設置することができる。このように形成すれば、ウエイト部材同士の繋ぎ目において、前記電極板の変形量乃至は変位量が大きくなることを阻止し、電極板や圧電体の破損を阻止することができる。
かかるウエイト部材の質量は、圧電体の数、圧電体からの距離、電極板の厚さなどによって適宜調整することができる。かかるウエイト部材は、圧電体と重なるように設置することもでき、複数の圧電体を直線状に配置する場合には、整列した複数の圧電体の全体の長さと同じ長さで形成することが望ましい。これにより、電極板の振幅を増大させることができ、より低音の出力(音圧)を向上させることができる。
上記圧電振動体は、圧電効果によって生じる振動を伝達できるようにして、当該振動を拡声する為の振動板に接続される。よって、かかる振動板は、圧電振動体の振動により十分に振動できるように軽量な材料で形成されることが望ましく、例えばセラミックス材料や樹脂材料等、特に望ましくは発泡樹脂材料を用いて形成することができる。
但し、この振動板は、石膏ボードや金属板、その他の樹脂板、ベニヤ板その他の木製板、ガラス板、各種ハニカム材などを用いて形成することもできる。また当該振動板は、必ずしも独立したものとして形成される必要はなく、例えば建築物の内壁、天井、窓、家具、或いは自動車その他の乗り物の構造部分などを振動板として利用することもできる。よって、このような既存の設備や構成を振動板として利用する場合には、本発明により、振動板と一体化されて圧電駆動式のスピーカーを構成する圧電駆動式スピーカ用の圧電振動体であって、当該圧電振動体は、金属板からなる電極板に圧電体を固着してなると共に、当該電極板の少なくとも何れかの面に複数の圧電体を添接してなる圧電振動体として提供することができる。
上記本発明にかかる圧電駆動式スピーカーによれば、電極板の同一面内に複数の圧電体を設けていることから、当該圧電効果による電極板の変位量を増大させることができ、またウエイト部材を設置することにより、当該電極板の変位量を一層増大させて、低音域の音圧を向上させることができる。これにより低音領域における出力を改善することができる。
上記本発明にかかる音響機器用の圧電駆動式スピーカーにおいて、前記低音用圧電振動体と振動板とは、前記複数の圧電体に架設して設けられた桁状の支持部材によって接続されている事が望ましい。複数の圧電体による変位乃至は変形を効果的に振動板に伝えることができるようにするためである。
かかる支持部材は、複数の圧電体を電極板に設置した状態において、当該圧電体の設置領域の長さ方向と同等の長さを有し、且つ当該圧電体に接する面を備え、更に前記振動板に接する面を備えて構成される。なお、当該振動板に接する面は、前記圧電体に接する面よりも長く、及び/又は幅広く形成することもできる。当該圧電振動体の振動板に対する安定感を向上させるためである。かかる支持部材は、金属、天然または合成樹脂、木材或いはセラミックスなど各種材料を使用して形成することができるが、圧電振動体による低音領域の振動を好適に振動板に伝える上では、木材を用いて形成することが望ましい。
また、電極板上に複数の圧電体を直列に配置する場合には、各圧電体同士を電気的に接続する導体として前記支持部材を使用することもできる。この場合、当該支持部材としては、アルミニウムや鉄などの電気的導体で形成された部分を有するものとし、当該電気的導体部分が前記各圧電体と直接接するように配置する。
また、上記本発明にかかる圧電駆動式スピーカーは、低音領域での出力を向上させる為に、更に変圧器を使用することができる。即ち、更に前記低音用圧電振動体に対してアイソレートした信号を供給する変圧器を具備する圧電駆動式スピーカーとすることができる。かかる変圧器は、低音用圧電振動体に対する音声信号(励磁電源)をアイソレートすれば良く、WBトランスの他、Rコアトランス、或いはトロイダルトランスであっても良い。かかる変圧器は、多くの場合、昇圧トランスを使用するが、本発明にかかる圧電駆動式スピーカーが接続される音響機器によっては降圧トランスを使用してもよい。
かかる変圧器を介することにより、昇圧による効果、或いは音声信号が変動磁場を介して伝えられることによる効果、その他、変圧器を介することによる効果等により、低音領域の出力を向上させることができる。また、当該変圧器は本発明にかかる圧電駆動式スピーカーの構成要素とし、予めスピーカーを構成する枠体などに設置しておいてもよい。本発明にかかる圧電駆動式スピーカーが、予め変圧器を具備する場合には、音響機器からの音声信号出力部(端子など)との接続を容易に行う事ができる。
また、上記本発明にかかる圧電駆動式スピーカーは、更に、金属からなる電極板の少なくとも何れか一方の面に、1つ以上の圧電体を固着した高音用圧電振動体を具備するものとして形成することができる。即ち、低音用圧電振動体と高音用圧電振動体とを夫々備える圧電駆動式スピーカーとすることができる。この時、低音用圧電振動体は、1つの電極板に複数の圧電体を設置したものとし、高音用圧電振動体は、1つの電極板に対して、前記低音用圧電振動体を構成する圧電体よりも少ない数の圧電体を固着して形成することができる。例えば、低音用圧電振動体は1つの電極板の少なくとも何れかの面に複数の圧電体を固着して形成し、一方で高音用圧電振動体は、1つの電極板の少なくとも何れかの面に1つの圧電体を固着して形成することができる。そして、当該高音用圧電振動体を、前記低音用圧電振動体が接続された振動板に接続することができる。
上記高音用圧電振動体に対しては、音響機器からの音声信号を、変圧器を介することなく直接入力する他、当該高音用圧電振動体を構成する電極板又は圧電体の何れか一方には、変圧器によりアイソレートした信号を供給する事もできる。例えば、当該高音用圧電振動体における圧電体には、音響機器からの音声信号を直接入力すると共に、当該高音用圧電振動体の電極板には、変圧器によってアイソレートした信号を供給することもできる。この時、圧電体に供給する音響機器からの音声信号の電荷は、アイソレートした信号の電荷と同じにすることもできる。
高音用圧電振動体は、導電性を有する金属からなる板状の電極板と、この電極板に固着した圧電セラミックスなどの圧電材料から構成することができ、モノモルフ構造、バイモルフ構造、或いは積層型構造とすることができる。かかる高音用圧電振動体としては、従前においてツイータ等に使用されているような圧電スピーカーを使用することもできる。かかる高音用圧電振動体を振動板に設けることにより、圧電効果による振動を増幅することができ、これにより高音領域の音の出力を高めることができる。
更に当該高音用圧電振動体を、前記低音用圧電振動体が接続された振動板が接続されている振動板と同じ振動板に接続することにより、高音領域及び低音領域における音の位相のずれを無くし、より正確な音を再現することができる。そして、この高音用圧電振動体の圧電体に接続されるリード線及び電極板に接続されるリード線の少なくとも何れか一方に、音響機器からの音声信号を、アイソレートすることなく直接入力することが望ましい。高音領域における出力の低下を阻止し、よりクリアな音質の高音を出力できるようにするためである。即ち、前記低音用圧電振動体においては、変圧器を介して音声信号を伝えることにより、低音領域の音の出力は向上するものの、一方で高音の出力が低下することが確認された。そこで、この高音用圧電振動体に対しては、電極板及び圧電体の少なくとも何れかに、変圧器を介さずに、直接、音響機器からの音声信号を伝えるリード線を接続することにより、高音領域における出力や音質を向上させることができる。
以上の様に1つの振動体に対して、低音用圧電振動体と高音用圧電振動体とを設け、低音用圧電振動体に対しては変圧器を介して音声信号を出力し、一方で高音用圧電振動体に対しては、電極板及び圧電体の少なくとも何れかには、アイソレートすることなく、音響機器からの音声信号を直接出力することにより、従前において使用されているフルレンジタイプ(全帯域用)のダイナミックコーンスピーカーと遜色の無い音質・出力を実現した音響機器用の圧電駆動式スピーカーを実現することができる。
また、上記本発明にかかる圧電駆動式スピーカーにおいて、前記振動板には、前記低音用圧電振動体が設けられる領域の近傍に開口を設ける事が望ましい。低音領域における振動発生源である低音用圧電振動体近傍からの距離を長くし、より大きな振幅で振動板を振動させるようにするためである。かかる開口は、前記前記支持部材の長さ方向に沿う向きに延伸し、且つ当該支持部材の幅方向両側に形成することが望ましい。
上記本発明にかかる圧電駆動式スピーカーによれば、圧電体を使用した圧電素子のみからなる圧電駆動式スピーカーでありながらも、特に低音領域における出力を改善し、音圧を向上させることができる。また、低音領域において十分な出力を実現しながらも、インピーダンスが大きくて電気−音響変換効率が高いスピーカーを実現することができる。
また、本発明にかかる圧電駆動式スピーカーによれば、低音用圧電振動体と共に、高音用圧電振動体を組み合わせることにより、従前において使用されているフルレンジタイプ(全帯域用)のダイナミックコーンスピーカーと遜色の無い音質・出力を実現した音響機器用の圧電駆動式スピーカーを提供することができる。
また、当該圧電駆動式スピーカーは、圧電体を使用した圧電素子のみからなる圧電駆動式スピーカーであることから、より薄く形成することができ、またダイナミックコーンスピーカーと比較しても大幅に軽量化することができる。更に、フルレンジタイプ(全帯域用)のダイナミックコーンスピーカーと遜色の無い音質・出力を実現しながらも、磁石を使用していない事から、磁気の影響のないスピーカーを実現することができる。
また、当該圧電駆動式スピーカーは、圧電体を使用した圧電素子のみからなる圧電駆動式スピーカーであることから、音声信号などの電気的信号を、圧電効果によって直接振動に変換することができ、よって歪みが少なく、キレの良いクリアな音質で音を出力することができる。また、音声信号などの電気的信号を、圧電効果によって直接振動に変換することから、フルレンジタイプ(全帯域用)でありながらも、応答性に優れたスピーカーとすることができる。
そして、上記本発明にかかる圧電駆動式スピーカーは、上記の様に低音域における出力・音質を大幅に改善しながらも、従来提供されている圧電体を使用し、且つ市販されている材料を用いて電極板を構成することができるので、安価に製造することのできる圧電駆動式スピーカーを提供することができる。
本実施の形態にかかる圧電駆動式スピーカーの全体構成を示す正面図 圧電駆動式スピーカーの縦断面図(図1のA−A矢視断面図) 振動板を示す(A)正面図、(B)側面図 他の振動板を示す(A)正面図、(B)側面図 高音用圧電振動体を示す(A)正面図、(B)底面図 低音用駆動モジュールを示す(A)正面図、(B)背面図、(C)右側面図、(D)X−X矢視断面図 低音用駆動モジュールを示す斜視図 他の実施の形態にかかる低音用駆動モジュールを示す(A)斜視図、(B)X−X矢視断面図 他の実施の形態にかかる低音用駆動モジュールを示す分解斜視図 圧電駆動式スピーカーに対する配線を示す配線図 実施例1の測定結果を示す周波数−音量グラフ 実施例2の測定結果を示す周波数−音量グラフ 実施例3の測定結果を示す周波数−音量グラフ 実施例4の測定結果を示す周波数−音量グラフ 実施例5の測定結果を示す周波数−音量グラフ 実施例6の測定結果を示す周波数−音量グラフ 実施例7の測定結果を示す周波数−音量グラフ 実施例8の測定結果を示す周波数−音量グラフ 実施例9の測定結果を示す周波数−音量グラフ 実施例10の測定結果を示す周波数−音量グラフ 実施例11の測定結果を示す周波数−音量グラフ 実施例12の測定結果を示す周波数−音量グラフ 実施例13の測定結果を示す周波数−音量グラフ 実施例14の測定結果を示す周波数−音量グラフ
以下、図面を参照しながら、本実施の形態にかかる圧電駆動式スピーカー10を具体的に説明する。
図1は、本実施の形態にかかる圧電駆動式スピーカー10の全体構成を示す正面図であり、図2は、当該圧電駆動式スピーカー10の縦断面図(図1のA−A矢視断面図)である。この図に示す様に、本実施の形態にかかる圧電駆動式スピーカー10は、脚部11を備える矩形の枠体12と、この枠体12に保持される振動板13と、この振動板13の略中央に設けられた低音用駆動モジュール20と、同じく振動板13の幅方向中央であって、低音用駆動モジュール20よりも上方に設けられた高音用駆動モジュール30とで構成されている。また、この圧電駆動式スピーカー10では、低音用駆動モジュール20を構成する低音用圧電振動体21に入力する信号を昇圧させるための変圧器24(図示せず)を備えて構成されている。
本実施の形態にかかる枠体12は、例えば木材を用いて形成することができ、角材を長方形に組み合わせて形成することができる。但し、この枠体12は、上記2つの駆動部分と振動板13とで構成されるスピーカー本体部分を保持できる限りにおいて、金属、合成樹脂、セラミックスなどの様々な材料で形成することができる。またその形状も、振動板13の形状に合わせて、適宜変更することができる。例えば、振動板13が円形である場合には、当該円形の振動板13の輪郭を包囲して、これを保持できる大きさの円形の枠体12として形成することができる。
この枠体12に対しては脚部11を設けることができる。当該脚部11は、駆動部分を所定の高さに保持するために設ける事ができる。なお、この枠体12及び脚部11は、当該圧電駆動式スピーカー10の構成上、必ずしも必要なものではなく、例えば当該スピーカー本体部分を吊るして使用する場合や、建築物の内壁・天井・窓、或いは家具などの一部または全部を振動板13として利用する場合には、当該枠体12及び脚部11を省略することもできる。
前記枠体12には、本実施の形態では発泡ウレタンを用いて形成された振動板13が固定されている。当該枠体12に対する振動板13の固定は、任意の方法乃至は構造で行う事ができるが、望ましくは当該振動板13の振動が、当該枠体12に伝わりにくいようにして行う。本実施の形態では、十分に弾性変形可能な緩衝部材14を用いて、当該振動板13の上下略中央を枠体12に固定している。
かかる緩衝部材14としては、天然または合成ゴムを用いて形成する他、木材等を用いて形成することもできる。特に本実施の形態において、緩衝部材14として弾性体からなる緩衝部材14が使用されており、振動板13の高さ方向上下位置のほぼ中央において振動板を枠体12に固定している。特に、振動板13の下方を支持する弾性体は、当該振動板13の上方を支持する弾性体よりも弾性係数が高い材料で形成している。これにより、当該振動板13の自由な運動(振動)を確保して低音領域における音の出力を高めている。
なお、枠体12に対する振動板13の固定は、前記弾性体からなる緩衝部材14を使用する他にも、枠体12と振動板13との接触面積を減じる為に、紐などを用いて一体化することもできる。
図3は、本実施の形態にかかる圧電駆動式スピーカー10に使用されている振動板13を示す(A)正面図、(B)側面図である。特に本実施の形態における振動板13は矩形であって、振動板13の高さ方向略中央部分、即ち、駆動部分が存在する領域には、横向き「T」字状の開口部15を形成している。かかる開口部15を形成することにより、駆動部分から振動板13の側方に至る振動の伝達距離を長くして、振動板13における振幅を大きくすることができる。
この振動板13の大きさは、使用する駆動部分との関係で適宜調整することができるが、電極板16の表裏に直径40mmの圧電体17を5枚づつ固着してなる圧電振動体18を使用する場合には、高さ約1000mm、幅約500mm、厚さ約50mmの発泡ウレタンを使用することができる。
上記振動板13の形状は、使用する駆動部分に設けた圧電体17の数などに応じて、適宜変更することができ、矩形の他にも、各種多角形、円形、楕円形、円形、多角形、或いは星形やハート形など、各種の意匠形状に形成することもできる。
更に、前記振動板13に対しては、図4に示す様に高さ方向の上下端側が湾曲した形状の長孔を対向状に形成することもできる。かかる形状の長孔とすることにより、湾曲した円形部分が独立して振動することができ、より幅広い領域の音を忠実に再現することができる。
そして上記振動板13に対しては、本実施の形態においては、低音用駆動モジュール20、及び高音用駆動モジュール30が固定されている。
そこで次に図4及び5を参照しながら、この低音用駆動モジュール20を具体的に説明する。
図5は高音用駆動モジュール30を示す(A)正面図、(B)平面図、(C)X−X矢視断面図である。かかる高音用駆動モジュール30は、42アロイ(42%Ni-Fe)を用いて円形に形成された電極板16と、この電極板16の両面に、それぞれ積層された1つの圧電体17(後述)と、当該電極板16の縁部分を包囲するウエイト部材22とで高音用圧電振動体31を構成している。そして当該高音用圧電振動体31における電極板16及び圧電体17の中心を貫通するようにスタッド部材19を設け、これにより高音用駆動モジュール30を形成している。
本実施の形態において、高音用駆動部となる高音用駆動モジュール30を構成する高音用圧電振動体31は、電極板16の何れか又は双方の面に圧電体17を固着したものであって、円形の電極板16の両面に、当該電極板16よりも僅かに小径とした円形の圧電体17を夫々固着して形成している。そして当該電極板16の外周に沿って、所定の重さのウエイト部材22を設置しており、これにより、当該電極板16の振幅を増幅乃至は整えることができる。
以上の様に、電極板16と、圧電体17と、ウエイト部材22とで構成される高音用圧電振動体31は、スタッド部材19によって、後述する振動板13に設置される。特に本実施の形態において、当該スタッド部材19は、振動板13に固定される広幅部とこの広幅部から立ち上がって高音用圧電振動体31に接続する軸部とからなり、当該軸部が前記圧電体17の平面方向の中心を貫通して、当該圧電体17の圧電効果による振動を振動板13に伝える事ができる。
また図6は低音用駆動モジュール20を示す(A)正面図、(B)背面図、(C)右側面図、(D)X−X断面矢視図であり、図7はこの低音用駆動モジュール20を示す斜視図である。これらの図面に示す様に、本実施の形態では、長方形に形成した電極板16の両面に、それぞれ5個の圧電体17を長さ方向に配列して固着し、当該電極板16の長手方向に沿う両辺には、当該電極板16の両面にゴムなどで形成したウエイト部材22を貼り合わせて低音用圧電振動体21を構成している。そして、当該低音用圧電振動体21の下面に、桁状の支持部材23を一体化することで、低音用駆動モジュール20を形成している。
かかる低音用圧電振動体21の構成において、本実施の形態における電極板16は、42アロイ(42%Ni-Fe)を用いて、縦(長手方向)を約200mm、横(短手方向)を約80mm、厚さ約50μmの大きさとした矩形の板部材として形成している。
また、圧電体17は、シート状に形成したチタン酸ジルコン酸鉛含有物の両面に銀を積層して形成しており、本実施の形態では、直径40mm、厚さ120μmの円形に形成している。かかる圧電体17は、前記電極板16の両面に、その長さ方向に沿う向きに直線状に整列させて、相互にできるだけ近接させて配置している。但し、当該電極板16の大きさや厚さは、固着する圧電体17の数や大きさにより、適宜変更することができる。
そして隣り合う圧電体17の表面(電極板16に接する反対側の面)同士は、相互に導体により電気的に接続されており、電極板16の何れかの面に固着された圧電体17の表面と、他の面に固着された圧電体17の表面とは、電気的に接続されている。また、圧電体17の裏面(電極板16に接する面)同士は、電極板16によって電気的に接続されている。よって、当該電極板16と圧電体17との間に電圧が付加されると、各圧電体17は同じように変形し、複数の圧電体17による同じ圧電効果によって電極板16を変形・振動させることができる。
また、図1〜7に示す実施の形態において、電極板16の長手方向に沿う両辺には、天然ゴムを用いて形成した、厚さ3mm、幅25mm、長さ200mm、質量約45gのウエイト部材22が、電極板16の両面に貼付している。かかるウエイト部材22により、電極板16における振幅を増幅させ、均等にすることができる。
上記に示した形態において、電極板16の幅は約80mm、圧電体17の直径は約40mm、そして各ウエイト部材22の幅は25mmであることから、圧電体17の直径とウエイト部材22の幅との和(合計:90mm)は、電極板16の幅80mmを超えることになる。そこで本実施の形態では、当該ウエイト部材22が圧電体17の縁部分に5mm程度被さるように設置している。なお、このように形成した場合、当該ウエイト部材22として導電性を有する樹脂材料を使用し、且つ電極板16とウエイト部材22との絶縁性を確保する限りにおいて、当該ウエイト部材22を電気的な導電体で形成し、このウエイト部材22により、隣り合う圧電体17の表面同士を電気的に接続することもできる。この場合、電極板16とウエイト部材22との絶縁は、例えばウエイト部材22の電極板16に対向する面に絶縁材料を塗布するなどによるマスキングを行う事もできる。
以上の様に構成した低音用圧電振動体21の何れかの面には、桁状の支持部材23を設ける。この支持部材23は、低音用圧電振動体21に対向する長尺な面と、振動板13に対向する長尺な面を具備し、両面は桁状に一体化されている。なお、本実施の形態では振動板13に対向する長尺な面は、低音用圧電振動体21に対向する長尺な面よりも長く形成している。これは、低音用圧電振動体21を振動板13に設置する際の安定感を高める為である。なお、本実施の形態において、当該支持部材23は、木材を用いて形成しているが、その他にも、振動を吸収しにくい材料、例えば樹脂、金属、セラミックスなどを用いて形成してもよい。また当該支持部材23は、必ずしも桁状に形成する必要はなく、少なくとも低音用圧電振動体21の振動を効率的に振動板13に伝達できるのであれば、各種形状に形成することができる。
また、上記低音用圧電振動体21は、図8及び図9に示すような形態に形成することができる。図8は他の実施の形態にかかる低音用駆動モジュールを示す(A)斜視図、(B)X−X矢視断面図であり、図9は他の実施の形態にかかる低音用駆動モジュールを示す分解斜視図である。
この実施の形態にかかる低音用圧電振動体21は、前記の実施の形態に示した低音用圧電振動体21とは、ウエイト部材の構成が相違している。即ち、本実施の形態にかかるウエイト部材22は、圧電体17が添接される長尺な電極板16において、振動板13と対向する面の中央に設けられた長尺な第1ウエイト部材22aと、当該第1ウエイト部材の長さ方向に沿う両側に設けられた第2ウエイト部材22bと、当該第1ウエイト部材及び第2ウエイト部材が設けられる面とは反対側の面の長さ方向に沿う縁部分に沿って設けられた第3ウエイト部材23cとで構成されている。そして第1ウエイト部材22aの長さ方向に沿う両縁部分と、第3ウエイト部材22c同士で向かい合う縁部分は、それぞれ楔状に形成されており、第1ウエイト部材22aにおける楔状に形成された領域と、前記第3ウエイト部材22cにおける楔状に形成されている領域とが、前記圧電体17が添接された電極板16を挟んで重なっている。
特に本実施の形態において、電極板16および圧電体17を挟んで電極板の幅方向に隙間を開けることなく、一部が連続状に重なり合う第1ウエイト部材22aと第3ウエイト部材22cとは、所定の硬さのABS樹脂を用いて形成されており、これにより前記電極板の変形や圧電体17の変形又は破損を阻止することができる。特に、本実施の形態では、第1ウエイト部材22aと第3ウエイト部材22cと、電極板16(圧電体17)の厚さ方向において、連続状につながっていることから、ウエイト部材同士のつなぎ目や、ウエイト部材が存在する境界において、圧電体17が変形したり、破損したりするおそれを無くしている。
なお、本実施の形態において、第2ウエイト部材22bは、天然又は合成ゴムなど、所定の質量を有する材料で形成することができ、この第2ウエイト部材22bにより、電極板の振動を整えることができ、これにより、一層クリアな低音を出力することができる。また、かかる第2ウエイト部材22bの質量に起因する圧電体17に対する応力は、前記第3ウエイト部材22cによって支えられることから、当該圧電体17の変形又は破損を阻止することができる。なお、図8において、説明の便宜上、第2ウエイト部材22bと第3ウエイト部材22cとの間には隙間が存在しているが、当該間隙には接着剤などを充填して当該隙間を無くすことができる。
以上のように構成された圧電駆動式スピーカー10に対する音響機器25からの音声信号の入力は、低音用駆動モジュール20に対しては、変圧器24を介して音声信号を入力させ、一方で高音用駆動モジュール30に対しては、正極又は負極の少なくとも何れかに、当該音響機器25から出力される音声信号を直接入力させる。
図10は上記圧電駆動式スピーカー10に対する配線を示す配線図である。この実施の形態においては、WBトランス24を使用しており、音響機器25からの信号線を1次側に接続し、低音用圧電振動体21への信号線を2次側から出力するように構成している。そして低音用圧電振動体21に対しては、当該音響機器25から出力される信号(励磁電源)をアイソレートして入力させる。具体的には、音響機器25から出力されるマイナス配線を分岐して低音用圧電振動体21の電極板16に接続し、音響機器25から出力されるプラス配線を変圧器24の一時側に入力させて、アイソレートした二次側からの配線を圧電体17に接続する。一方で、高音用圧電振動体31に対しては、WBトランス24の一時側に入力させる信号線を分岐させて電極板16に入力させ、音響機器25から出力されるプラス配線を変圧器24の一時側に入力させて、アイソレートした二次側からの配線を圧電体17に接続している。
その結果、低音用圧電振動体21においては、電気/磁気エネルギーの変換過程で、超低域成分と高周波成分が除去され、低音用圧電振動体21の動作に悪影響を及ぼすノイズ成分をカットして、より低音領域の出力を向上させることができると考えられる。
よって、上記実施の形態にかかる圧電駆動式スピーカー10によれば、低音用圧電振動体21の構成及び変圧器24によるアイソレートにより低音領域の出力を向上させることができ、また高音用圧電振動体31により高音領域の出力を捕捉することができる事から、従前において使用されているフルレンジタイプ(全帯域用)のダイナミックコーンスピーカーと遜色の無い音質・出力を実現した音響機器25用の圧電駆動式スピーカー10を提供することができる。
以下では、本発明にかかる圧電駆動式スピーカーの音響特性を評価するべく、高音用圧電振動体、及び低音用圧電振動体の構成を変え、且つ変圧器によるアイソレーションの有無を変えて、20〜20kHzにおける音量(dB)を測定した。
この測定に使用した圧電駆動式スピーカーの構成を表1に示し、その測定結果を夫々図11〜24に示す。
なお、以下の表1において高音用駆動モジュールとは、上記実施の形態における高音用駆動モジュールの構成であり、低音用駆動モジュールとは、上記実施の形態における高音用駆動モジュールの構成である。但し、これら高音用駆動モジュール及び低音用駆動モジュールの構成(圧電素子の大きさ、及び枚数)は、以下の表1に示す通りの構成として実験を行った。
また、何れの実施例でも、各駆動モジュールを、前記実施の形態と同じように、ウレタン発泡樹脂を用いて形成した振動板に設置し、当該振動板からの距離が1mの地点での音量を測定した。
また図25は、実施例1,2,12,13における周波数−インピーダンス特性を示すグラフである。
この図からも明らかな様に、トランスを使用することにより大凡均等なインピーダンス特性とすることができ、よって42Hz〜1.5kHzに渡って、出力の安定した圧電駆動式スピーカーが実現していることが分かる
10:圧電駆動式スピーカー、 11:脚部、 12:枠体、 13:振動板、 14:緩衝部材、 15:開口部、 16:電極板、 17:圧電体、 18:圧電振動体、 19:スタッド部材、 20:低音用駆動モジュール、 21:低音用圧電振動体、 22:ウエイト部材、 23:支持部材、24:変圧器(トランス)、 25:音響機器、 30:高音用駆動モジュール、 31:高音用圧電振動体

Claims (8)

  1. 金属板からなる電極板に圧電体を固着してなる圧電振動体と、当該圧電振動体に接続される振動板とからなる圧電駆動式のスピーカーであって、
    前記圧電振動体は、前記電極板の少なくとも何れかの面に複数の圧電体を添接してなる低音用圧電振動体を含み、
    前記電極板は長尺に形成されると共に、前記圧電体は、当該電極板の幅方向中央に直列状に配列されており、
    前記ウエイト部材は、当該長尺に形成された電極板における幅方向両側に、長手方向に沿って設けられていることを特徴とする、圧電駆動式スピーカー。
  2. 前記低音用圧電振動体は、複数の圧電体が添接される電極板の平面方向外縁に沿って、所定の質量を有するウエイト部材が設けられている、請求項1に記載の圧電駆動式スピーカー。
  3. 前記電極板は長方形に形成されると共に、前記圧電体は、当該電極板の幅方向中央に直列状に配列されており、
    前記ウエイト部材は、当該長方形に形成された電極板における幅方向両側に、長手方向に沿って設けられている、請求項1又は2に記載の圧電駆動式スピーカー。
  4. 前記電極板は長尺に形成されると共に、
    前記ウエイト部材は、圧電体が添接される長尺な電極板において、振動板と対向する面の中央に設けられた長尺な第1ウエイト部材と、当該第1ウエイト部材の長さ方向に沿う両側に設けられた第2ウエイト部材と、当該第1ウエイト部材及び第2ウエイト部材が設けられる面とは反対側の面の長さ方向に沿う縁部分に沿って設けられた第3ウエイト部材とからなり、
    前記第1ウエイト部材の長さ方向に沿う両縁部分と、第3ウエイト部材同士で向かい合う縁部分は、それぞれ楔状に形成されており、
    前記第1ウエイト部材における楔状に形成された領域と、前記第3ウエイト部材における楔状に形成されている領域とが、前記圧電体が添接された電極板を挟んで重なっている、請求項2又は3に記載の圧電駆動式スピーカー。
  5. 前記低音用圧電振動体と振動板とは、前記複数の圧電体に架設して設けられた桁状の支持部材によって接続されている請求項1〜4の何れか一項に記載の圧電駆動式スピーカー。
  6. 更に、前記低音用圧電振動体に対してアイソレートした信号を供給する変圧器を具備する、請求項1〜5の何れか一項に記載の圧電駆動式スピーカー。
  7. 更に、金属からなる電極板の少なくとも何れかの面に1つ以上の圧電体を固着した高音用圧電振動体を具備し、
    当該高音用圧電振動体は、前記低音用圧電振動体が接続された振動板に接続されており、
    当該高音用圧電振動体の圧電体には、音響機器からの音声信号を直接入力すると共に、当該高音用圧電振動体の電極板には、変圧器によってアイソレートした信号を供給する、請求項1〜6の何れか一項に記載の圧電駆動式スピーカー。
  8. 前記振動板には、前記低音用圧電振動体が設けられる領域の近傍に長尺な開口が設けられている請求項1〜7の何れか一項に記載の圧電駆動式スピーカー。
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