JP4688687B2 - 圧電振動ユニット及びパネルスピーカ - Google Patents

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Description

本発明は、音響振動を発生するスピーカに関し、特に、パネルや筐体等を振動させて音響振動を発生するパネルスピーカ等に好適な圧電素子を用いた圧電振動ユニット及びパネルスピーカに関するものである。
パネルや筐体を振動させて音響振動を発生させるパネルスピーカには、その振動の駆動源として電磁力を利用したデバイスの他に、圧電セラミックスの持つ圧電現象を利用し、機械的な撓み振動を発生する圧電バイモルフ素子が利用されている。圧電バイモルフ素子は、2枚の板状の圧電セラミックス板を直接、或いは板状の弾性板を挟み、接合した構造を成し、接合した2枚の圧電セラミックス板のうち、一方を伸張させ、他方を収縮させるように電圧を印加することで、機械的な撓み振動が発生するデバイスである。この圧電バイモルフ素子は、構造上、ステフィネスが小さく、圧電バイモルフ素子の共振周波数を容易に可聴音域に設計することが可能であり、可聴音域で大きな振幅と発生力が得られるので、スピーカの駆動源として適している。
図1は、従来のパネルスピーカの断面図である。図1に示す従来のパネルスピーカ1は、パネルに相当する音響振動板2に連結部材3によって円板状の圧電バイモルフ素子4の中心部が支持、固定される構造となっている。圧電バイモルフ素子4に電気音響信号を入力すると、圧電バイモルフ素子4は入力された電気音響信号に応じた機械的な撓み振動を発生する。この振動は、連結部材3を介して音響振動板2に伝達し、音響振動板2を振動させて、音響振動を発生させる。また、圧電バイモルフ素子4の外縁部近傍にリング状部材5を取着することで音響特性を調整する提案がなされている。このようなパネルスピーカは特許文献1に開示されている。
図2は、従来の圧電振動ユニットの断面図である。図2に示す圧電振動ユニット6は、音響振動板8に一体成形された連結部材9によって矩形板状の圧電バイモルフ素子10の中央部が支持され、音響振動板8に固定される構造となっている。これを筐体7に収納して圧電振動ユニット6としている。また、音響振動板8の外縁部近傍に薄肉部11を設けることで、音響特性を調整する提案がなされている。このような圧電振動ユニットは特許文献2に開示されている。
上記のいずれの構成も圧電バイモルフ素子の振動が、その重心の移動を伴い、結果として支持部に慣性力を生む。この慣性力は、各質点の加速度に質量を乗じた値で加速度と反対の方向に発生する慣性力の総和となり、スピーカの駆動源となる。スピーカの駆動源としては、圧電バイモルフ素子の他に、板状の圧電セラミックス板1枚を板状の弾性板に接合する圧電ユニモルフ素子も同様に利用されている。
圧電バイモルフ素子或いは圧電ユニモルフ素子は、その中心部や中央部を支持する構造の他に、圧電バイモルフ素子或いは圧電ユニモルフ素子が矩形の場合には、片持梁状の構成として支持することも可能である。片持梁状であっても、その支持点に発生する慣性力は、パネルや筐体等の被振動体との接合点に作用して駆動源となり、被振動体は空中に音波を放射し、スピーカとなる。また、圧電バイモルフ素子の発生力が大きいほど、スピーカとしての音響出力は大きくなるので、必要に応じて、前記圧電バイモルフ素子を複数枚重ねて使用する提案もなされている。
図3は、従来の圧電振動ユニットの断面図である。図3に示す圧電振動ユニット12は、筐体16に収納された、複数の円板状の圧電バイモルフ素子13が、音響振動板14に一体成形された連結部材15によって支持され、音響振動板14に固定されている。この圧電振動ユニット12は、複数の円板状の圧電バイモルフ素子13をそれぞれ駆動することで、筐体16を振動させる、圧電振動ユニットである。このように複数の圧電バイモルフ素子を使用することで、振動の振幅、及び発生力を大きくする圧電振動ユニットは特許文献3に開示されている。
特開2000−209697号公報 特開2000−201398号公報 特開平07−307992号公報
携帯電話機や携帯端末機等の小型化、薄型化により、これに使用されるスピーカにも小型化、薄型化への対応が必要になっている。従来使用されている電磁型のスピーカは、構造上の制約があり、さらなる小型化、薄型化には限界がある。そのため、前述の如く、圧電バイモルフ素子或いは圧電ユニモルフ素子を用いて、携帯電話機や携帯端末機の表示部のパネル自体を振動させてスピーカとすることで、さらなる小型化、薄型化を図る試みがなされている。しかしながら、前述した従来技術による圧電振動ユニットは、音響性能や形状の点で、携帯電話機や携帯端末機等が要求する性能に満たないという問題点がある。
例えば、図1や図2に示した構造のパネルスピーカや圧電振動ユニットは、音圧が十分に得られないという問題点があり、図3に示した、音圧性能を向上させるために複数の圧電バイモルフ素子を使用する構造とした圧電振動ユニットでは、形状が大きくなるという問題点がある。
圧電バイモルフ素子を複数重ねる構造とした圧電振動ユニットは、各々の圧電バイモルフ素子が振動する為の空間として、圧電バイモルフ素子の最大振幅以上の空間が必要となる。圧電バイモルフ素子をn個使用する場合には、圧電振動ユニットの高さ寸法は、圧電バイモルフ素子の最大振幅と圧電素子の厚みとの和に、nを乗じた高さ寸法が必要となる。
携帯電話機をはじめとする通信用途の機器や装置の場合、要求される音響性能としての音響周波数帯域は、300Hzから3kHzである。そのため、1個当たりの圧電バイモルフ素子の最大振幅は、約1.0mmに設定する必要があり、圧電バイモルフ素子が振動する為に必要な空間だけでも約2.0mmの高さ寸法が必要になる。このため、複数の圧電バイモルフ素子を重ねる構造は、圧電振動ユニットの厚みを増大させるという問題点がある。
また、携帯機器のパネルを振動させる場合、パネルの機械インピーダンス特性と圧電バイモルフ素子の発生力のバランスが取れない事による音響特性の低下という問題点がある。この音響特性の低下は、特に、携帯機器が薄型になるほど顕著になる。
図4は、圧電振動ユニットに求められる理想特性を示すグラフである。図4に示すグラフには携帯機器に使用されている一般的なパネルの機械インピーダンス特性と、理想とされる圧電バイモルフ素子の発生力特性及び音響特性を示している。
理想とされる音響特性は、少なくとも電磁型のスピーカに要求されている特性と同じである。これを実現するためには、圧電バイモルフ素子或いは圧電ユニモルフ素子を使用した圧電振動ユニットが通常有する2つの共振周波数のうち、周波数が低い方の共振周波数を1次共振とし、周波数が高い方の共振周波数を2次共振とした場合、1次共振での発生力と2次共振での発生力の大きさをほぼ等しくして、圧電バイモルフ素子の発生力特性とパネルの機械インピーダンス特性が補正し合い、周波数によるパネルの振動速度の変化が少ない特性とすることが必要となる。
一般的な携帯電話機のパネルのサイズは100mm×50mmであり、ノート型パーソナルコンピュータ等のパネルと比較すると面積は小さい。また、パネルを支持する材料は、耐落下性、耐湿性が優先され硬いシリコン系のゴムが一般的である。そのため、パネルは振動しにくい構造となり、全ての周波数帯域においてパネルの機械インピーダンスは支持されていないときよりも大きくなる。また、パネルの自重が軽い為、音響周波数帯域ではパネルの弾性力の影響により、パネルの機械インピーダンスは、周波数が高いほど低下する。
図5は、従来の圧電振動ユニットの発生力を示すグラフである。図5に示すグラフは、横軸に周波数、縦軸に発生力を示している。圧電バイモルフ振動子の発生力は加速度によって生ずる慣性力によって生じる。そのため、周波数特性は、1次共振よりも、2次共振の発生力が大きくなる。図5のグラフに示す例では、1次共振周波数の発生力が約0.3Nとなっているのに対し、2次共振周波数の発生力は約1.5Nと、非常に大きな発生力となっている。
図6は、従来のパネルスピーカの音圧を示すグラフである。図6のグラフには、100mm×50mmのパネルに長さ40mm、幅5mmで厚みが0.7mmの圧電バイモルフ素子を片持梁状に固定したパネルスピーカを実際に駆動した時の音響特性、パネルの機械インピーダンス、圧電バイモルフ素子の発生力、それぞれの周波数特性を示している。パネルの機械インピーダンスが高い為に1次共振の効力による低周波数側の音響特性は小さい。また、圧電バイモルフ素子の発生力は、周波数が高くなるに従い大きくなるので、音響特性も周波数が高くなるに従い大きくなり、周波数による変化の少ない音響特性が望まれる携帯電話機をはじめとする通信用途の機器や装置としては好ましくない。
前述の如く、パネルの機械インピーダンスの周波数特性は弾性制御領域にあるので、圧電バイモルフ素子の発生力は周波数が高くなるに従い大きくなり、振動速度や振幅も周波数が高くなるに従い大きくなる。従って、パネルスピーカから放射される音響出力も周波数が高くなるに従い大きくなる。
さらに、従来の圧電振動ユニットを使用したパネルスピーカは、電磁型のスピーカには見られない圧電振動ユニット特有の高調波歪みが発生するという問題点がある。図7は、従来のパネルスピーカの音圧と歪みを示すグラフである。図7のグラフは、横軸に周波数をHzで示し、縦軸に音圧と歪みをdB(デシベル)で示している。歪みを示すグラフにおいて矢印Aで示した歪みは、通常、電磁型のスピーカには見られない、圧電振動ユニット特有の歪みである。この歪みがあるために、圧電振動ユニットを使用したパネルスピーカの音質は著しく低下するという問題点がある。
従って、本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを課題とする。具体的には、高さ寸法を小さく、周波数による音響特性の変化及び歪みが少ない圧電振動ユニット及びパネルスピーカを提供することを課題とする。
本発明は前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。即ち、本発明は、複数の圧電素子を使用し、この複数の圧電素子を、固定部材を介して接合する際に、接合部材を配した部分以外の各圧電素子の間に少なくともその圧電素子表面より摩擦係数が小さな薄膜部材を介して積層し、接合することを、その要旨とする。
本発明によれば、複数の圧電素子を、前記圧電素子の厚さ方向に、前記圧電素子の短辺の一端部を、接合部材を介して接合し、他端部を自由端とした圧電振動ユニットであって、前記圧電素子の表面より摩擦係数が小さい薄膜部材を、前記複数の圧電素子の間に配置するとともに、挟まれた前記圧電素子の一方に固定してなることを特徴とする圧電振動ユニットが得られる。
本発明による圧電振動ユニットは、表面の摩擦係数が圧電素子より小さく、平滑な表面を具備する薄膜部材を介して圧電素子を複数枚積層した構成とする。この積層構成は、全体の厚みを低減できるだけでなく、各圧電バイモルフ素子が振動する際、互いの表面が擦れ合う際に生じる振動損失を低減し、各圧電素子が発生する慣性力の和に等しい発生力が得られる。
さらに、各圧電素子が振動する際、圧電素子の表面同志が摺動することによる機械的なエネルギーの損失は前記1次共振及び2次共振における振幅の増大を緩和する。即ち、1次共振の周波数、及び2次共振の周波数における発生力の先鋭度を下げるという結果になる。又、700Hz近辺に現れる高調波による歪みが発生するという問題点に対しても、先鋭度が下がることで、2次共振の周波数における発生力が抑制されて、歪みの原因となっている高調波成分の発生力も抑制されるので、高調波成分が減衰し歪みが減少する。
本発明によれば、前記圧電素子は、直接或いは弾性板を挟むようにして、二枚の圧電セラミックス板を接合してなる圧電バイモルフ素子、若しくは弾性板に圧電セラミックス板を接合してなる圧電ユニモルフ素子からなることを特徴とする圧電振動ユニットが得られる。
本発明において使用する圧電素子は、矩形板、或いは円板状の圧電セラミックス板を2枚使用し、直接、接合したり、金属板やカーボン繊維を含有するプリプレグ等の弾性板を挟むように接合したりしてなる圧電バイモルフ素子を使用する。或いは、金属板やカーボン繊維を含有するプリプレグ等の弾性板に圧電セラミックス板を接合した圧電ユニモルフ素子を使用する。この圧電バイモルフ素子や圧電ユニモルフ素子は、電気音響信号を入力すると電気音響信号に応じた撓み振動を発生させるデバイスである。
本発明によれば、前記圧電セラミックス板は、内部電極を有する一体焼成された積層圧電セラミックス板からなることを特徴とする圧電振動ユニットが得られる。
本発明による圧電振動ユニットに用いる前記圧電素子をなす圧電セラミックス板は、単板の裏に電極を設けた構造をもつ圧電セラミックス板や、或いは、薄膜状に成形した圧電セラミックス材のシートに内部電極を印刷したものを複数枚積層した後、焼成により一体とした積層圧電セラミックス板を使用する。特に、積層圧電セラミックス板を使用すると、圧電振動ユニットを駆動する際、駆動する電気音響信号の電圧を、同じ厚さの圧電セラミックス単板を駆動する電圧より低く設定出来るという利点がある。
本発明によれば、前記圧電振動ユニットを枠体に収納してなることを特徴とする圧電振動ユニットが得られる。圧電バイモルフ素子を使用した圧電振動ユニットの機械的強度は、電磁型のスピーカ等に比べて弱いという欠点を持つ。そこで、本発明による圧電振動ユニットは、圧電バイモルフ素子を複数枚積層することで堅牢な構成となり、さらに、枠体に収納することで落下衝撃に強い構造となる。この枠体には、固定部を設けて、圧電振動ユニットを片持梁状に固定することで、圧電振動ユニットが発生する振動を被振動体に伝達する機能をあわせ持つ。
本発明によれば、前記圧電振動ユニットをパネルに装着してなるパネルスピーカが得られる。本発明による前記圧電振動ユニットを携帯電話機や携帯端末機器の表示パネルに使用されているパネルに装着することにより、パネル全体を振動させて、音響振動を発生できるパネルスピーカとなる。
前記の如く、本発明によれば、高さ寸法を小さく、周波数による音響特性の変化及び歪みが少ない圧電振動ユニット及びパネルスピーカを提供が可能となる。
本発明による圧電振動ユニットは、複数の圧電バイモルフ素子を使用し、接合部材を介して厚さ方向に前記圧電バイモルフ素子を接合する。さらに、接合する圧電バイモルフ素子の間に、平滑な表面を有する薄膜部材を配置する形態を成す。以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図8は、本発明の実施の形態を説明する図である。図8は、2枚の圧電バイモルフ素子22を使用した場合の本発明による圧電振動ユニット21の基本構造を断面図で示している。2枚の圧電バイモルフ素子22は接合部材24により、固定端26近傍で接合されている。さらに、2枚の圧電バイモルフ素子22の間には、平滑な表面を有する薄膜部材23を接合部材24以外の部分に配置してある。
また、本発明による圧電振動ユニット21は、固定端26近傍を固定部材25に固定し、各圧電バイモルフ素子22に電気音響信号を入力することにより、自由端27が変位する振動が生じる。この振動により発生した力が、固定端部に慣性力となって伝わり、固定部材25を介して、固定部材25に接合されるパネル等の被振動体を振動させる作用が生じる。
本発明による圧電バイモルフ素子の構成は、圧電振動ユニット全体の厚みを低減できるだけでなく、平滑な表面を有する薄膜部材23を圧電バイモルフ素子間に配置したので、振動の抑制が低減される。従って、それぞれの圧電バイモルフ素子が単独で発生する慣性力の和に近い発生力が得られる。また、それぞれの圧電バイモルフ素子の表面が薄膜部材23の表面と摺動することによる適度な機械的なエネルギー損失は1次共振と2次共振の周波数における圧電バイモルフ素子の振幅増大を緩和するので周波数による音響特性の変化が低減する。
以下、具体的な例を挙げ、本発明の圧電振動ユニット及びパネルスピーカについてさらに詳しく説明する。
図9は、本実施例による圧電振動ユニットの断面図である。本実施例による圧電振動ユニット21は、3枚の圧電バイモルフ素子22を接合部材24で接合し、薄膜部材23を各圧電バイモルフ素子22の間に配置する構造とした。
圧電バイモルフ素子22は、2枚の圧電セラミックス板28を、弾性板29を挟む様に接合した。圧電セラミックス板28は、NECトーキン(株)製の圧電セラミックス材料(N17材)を使用し、厚さ70μmのグリーンシートを作製し、銀とパラジュームからなる内部電極を印刷して得られたシートを4枚積層して、熱プレス、裁断、焼成して一体とした、長さ30mm、幅4mm、厚さ0.2mmの矩形状とした。弾性板29は、厚さ0.1mmの真鍮板を長さ32mm、幅4mmに加工して使用した。
本実施例による圧電振動ユニットは、前記の圧電バイモルフ素子22を3枚使用した。図9に示すように圧電バイモルフ素子22の一端部近傍を厚さ0.1mmの真鍮板を長さ10mm、幅4mmに加工した接合部材24を介して、3枚の圧電バイモルフ素子22を厚さ方向に積層して、嫌気性接着剤で導電性を保ちながら接着し圧電振動ユニット21とした。このとき、3枚の圧電バイモルフ素子22のうち中央に位置する圧電バイモルフ素子22は、その中央部に、厚みが100μmのふっ素樹脂シートを長さ5mm、幅4mmに加工した薄膜部材23を予め両面テープで接着したものを使用した。また、結線30を付し、2端子の圧電振動ユニットとした。
このようにして得られた圧電振動ユニット21の接合部材24を配した側の端部近傍を固定部材に固定し、片側固定の片持ち梁構造にして、発生力の評価を行った。評価は、フォースピックアップに本実施例による圧電振動ユニットを両面テープで固定した状態でB&K社製のオーディオアナライザにて周波数が100Hzから10kHzの正弦波の電気音響信号を入力し、圧電振動ユニットの発生力を測定した。
図10は、本実施例による圧電振動ユニットの発生力を示すグラフである。図10のグラフは、横軸に周波数(Hz)、縦軸に発生力(ニュートン)を示している。比較の為に、グラフには、従来品として圧電バイモルフ素子を1枚しか使用しない圧電振動ユニットの評価結果も併記した。図10のグラフから解るように、本実施例による圧電振動ユニットの発生力は、1次共振と2次共振の周波数の近傍で従来品ほど急峻ではない。
次に、同様にして、発生力の歪みの評価を行った。図11は、本実施例による圧電振動ユニットの歪みを示すグラフである。図11のグラフは、横軸に周波数(Hz)、縦軸に歪み率(%)を示している。比較の為に、グラフには、従来品として圧電バイモルフ素子を1枚しか使用しない圧電振動ユニットの評価結果も併記した。図11のグラフから解るように、本実施例による圧電振動ユニットの歪み率は、圧電バイモルフ素子を1枚しか使用しない従来品の圧電振動ユニットが最大で25%であったものが、7.5%にまで減少したことが確認できた。
図12は、本実施例による圧電振動ユニットの斜視図である。図12(a)は平面図、図12(b)は断面図である。図12(b)の断面図は、図12(a)に示すBB’における断面を示している。本実施例による圧電振動ユニット33は、実施例1による圧電振動ユニット21を枠体31に収納したものである。
枠体31は、ABS樹脂を射出成形して形成したものである。圧電振動ユニット21の端部を枠体31に設けた固定部32に接着固定し、圧電振動ユニット33を構成した。圧電振動ユニット21に設けた結線は、枠体31の外に引き出し、電気音響信号を入力することで、圧電振動ユニット21を駆動する。尚、結線は図示しない。本実施例における圧電振動ユニット33は前記枠体31の外形が、長さ36mm、幅8mm、厚さ4mmと従来品に較べて薄く、小型の圧電振動ユニットとなっている。
本実施例における圧電振動ユニット33は、枠体31に収納されることにより、外部からの衝撃に対する強度が増す。また、パネル等の被振動体に固定する際は枠体31を直接被振動体に固定すれば良く、固定が容易な構造となる。
前記枠体31は、圧電振動ユニット21が収まる形状とし、枠体だけでなく、上面、底面を設けた筐体であっても良い。材質もABS樹脂に限定されるものではなく、適宜選定すれば良い。
図13は、本実施例によるパネルスピーカの斜視図である。本実施例によるパネルスピーカは前記実施例2による圧電振動ユニット33をパネル34に装着したパネルスピーカである。パネル34は、外形が長さ100mm、幅50mmの携帯電話機に使用されているパネルを使用した。パネル34の長手方向の一端部近傍の表面に、前記実施例2による圧電振動ユニット33の固定部を設けた面を接着剤で接合して、パネルスピーカを構成したものである。
本実施例によるパネルスピーカのパネル34の外周部を固定し、音響特性を評価した。評価は、本実施例によるパネルスピーカに、B&K社製のオーディオアナライザにて周波数が100Hzから10kHzまでの正弦波の電気音響信号を入力し、パネル34の表面から放射される音響振動をマイクロホンで受けて、その音圧を測定した。また、比較するために、従来品である圧電バイモルフ素子を1枚のみ使用した圧電振動ユニットの評価もおこなった。
図14は、本実施例によるパネルスピーカの音響特性を示すグラフである。図14に示すグラフは、横軸に周波数(Hz)、縦軸に音圧(dB)を示している。図14に示すグラフから解るように、本実施例によるパネルスピーカの音圧は、周波数による変化が減少し、2kHzまでの音圧も上がっていることが確認できた。また、2kHz以上の周波数では音圧は下がっているが、周波数による変化は減少していることが解る。また、本実施例によるパネルスピーカの歪みも低減していることを確認した。
実施例1乃至実施例3では圧電バイモルフ素子を3枚使用したが、使用する枚数は3枚に限定されるものではなく、要求される音響特性により、適宜設定すれば良い。また、圧電バイモルフ素子以外にも、圧電ユニモルフ素子であっても最適な設計をすることにより同様の効果が得られる。薄膜部材はふっ素樹脂シート以外であっても、ポリエチレンテレフタレートシートや四フッ化エチレン樹脂シートなどの樹脂シートや金属箔など、圧電素子の表面、若しくは圧電素子表面に付された電極面の面粗さよりも滑らかな、摩擦係数の小さい表面を有する薄膜であれば同じ効果が得られる。また、薄膜部材の形状や配置する位置および面積は音響特性を考慮しながら適宜設定すれば良い。
以上述べた如く、本発明によれば、高さ寸法を小さく、周波数による音響特性の変化及び歪みが少ない圧電振動ユニット及びパネルスピーカを提供することが可能となる。
本発明による圧電振動ユニット及びパネルスピーカは、携帯電話機や携帯端末機器のパネルスピーカとして利用できる他、パネルや筐体を振動させて音響振動を発生させるスピーカとして各種音響機器、装置に利用できる。
従来のパネルスピーカの断面図。 従来の圧電振動ユニットの断面図。 従来の圧電振動ユニットの断面図。 圧電振動ユニットに求められる理想特性を示すグラフ。 従来の圧電振動ユニットの発生力を示すグラフ。 従来のパネルスピーカの音圧を示すグラフ。 従来のパネルスピーカの音圧と歪みを示すグラフ。 本発明の実施の形態を説明する図。 本実施例による圧電振動ユニットの断面図。 本実施例による圧電振動ユニットの発生力を示すグラフ。 本実施例による圧電振動ユニットの歪みを示すグラフ。 本実施例による圧電振動ユニットの斜視図、図12(a)は平面図、図12(b)は断面図。 本実施例によるパネルスピーカの斜視図。 本実施例によるパネルスピーカの音響特性を示すグラフ。
符号の説明
1 パネルスピーカ
2、8、14 音響振動板
3、9、15 連結部材
4、10、13、22 圧電バイモルフ素子
5 リング状部材
6、12、21、33 圧電振動ユニット
7、16 筐体
11 薄肉部
23 薄膜部材
24 接合部材
25 固定部材
26 固定端
27 自由端
28 圧電セラミックス板
29 弾性板
30 結線
31 枠体
32 固定部
34 パネル

Claims (5)

  1. 複数の圧電素子を、前記圧電素子の厚さ方向に、前記圧電素子の短辺の一端部を、接合部材を介して接合し、他端部を自由端とした圧電振動ユニットであって、前記圧電素子の表面より摩擦係数が小さい薄膜部材を、前記複数の圧電素子の間に配置するとともに、挟まれた前記圧電素子の一方に固定してなることを特徴とする圧電振動ユニット。
  2. 前記圧電素子は、直接或いは弾性板を挟むようにして、二枚の圧電セラミックス板を接合してなる圧電バイモルフ素子、若しくは弾性板に圧電セラミックス板を接合してなる圧電ユニモルフ素子からなることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動ユニット。
  3. 前記圧電セラミックス板は、内部電極を有する一体焼成された積層圧電セラミックス板からなることを特徴とする請求項2に記載の圧電振動ユニット。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の圧電振動ユニットを枠体に収納してなることを特徴とする圧電振動ユニット。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の圧電振動ユニットをパネルに装着してなるパネルスピーカ。
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