JPS60550Y2 - 立型回転機械における軸受給油装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は正逆転をする立型の回転機械、例えばかんがい
用立型ポ：／プ等に応用できる立型回転機械における軸
受給油装置に関するものである。

先に本出願人は実願昭５５−１０７６９５号で立型回転
機械における軸受給油装置を提案した。

この装置を第１図〜第２図について説明すると、第１図
イは前記軸受給油装置の縦断面図であり、図中１は回転
軸、２は軸スカート、３は軸受、４は軸受支持台、５は
油槽用板材の支持台、６はケーシング、７は油槽カバー
、８は油槽用板材、９，１０．１１は油槽１２内の油１
２ａの外部洩れを防ぐＯリングである。

１３は軸受３の軸受面に複数個加工された油溝であり、
軸の回転方向に対し斜めになっており、軸受下端３′か
ら軸受上端３″に貫通している。

第１図口は第１図イのＡ−Ａ矢視展開図を示す。

また矢印Ｂで示す軸回転方向（便宜上以下正転と呼ぶこ
ととする）に対し、油溝１３は第１図口に示す方向に傾
斜している。

１４は軸スカート２の内周側下端から、外周側上部へ貫
通する複数の給油孔である。

１５は排油孔であり、軸受上端から出てくる油を下の油
槽内１２へ戻すものである。

１６はクーラーであり、軸受部から発生する熱を外部へ
放熱する。

１７は邪魔板であり、給油孔１４から放出される油を受
けとめるものである。

ここで更に詳細に説明すると、回転軸１は上下方向に延
びており、軸スカート２は一端を回転軸１に固定されて
その軸線と平行に延び、他端を油槽１２内に挿入させる
と共に、円筒状に形成されており、同軸スカート２の外
周面に対向して軸受３が設けられている。

また軸スカート２には一端部上面から他端部内周面に開
口する貫通孔１４が複数設けられており、更に軸受３の
軸受面或は軸スカート２外周面の何れか一方に、回転軸
１の軸線方向に対して傾斜して延びる複数条の油溝１３
が設けられている。

さて第１図イ９口及び第２図において、先ず正転時（軸
の回転方向が矢印Ｂの方向）には軸受下端３′から軸受
上端３″に向けて軸方向に傾斜した油溝の作用により油
槽１２に溜った油１２ａが矢印Ｐの方向へ運ばれ、軸受
面の潤滑作用を果す。

また同時に、軸スカート２部の給油孔１４から遠心力の
作用により油１２ａが邪魔板１７に衝突後矢印Ｑの方向
に運ばれる。

なお、この油は正転時には軸受面の潤滑には寄与しない
。

次に逆転時（軸の回転方向が矢印Ｃの方向）には、前記
の如く軸スカート２部の給油孔１４から遠心力の作用に
より（遠心力は正転、逆転とも同様の効果をもつ）運ば
れた油が、一旦邪魔板１７に衝突後軸方向に傾斜した油
溝１３の作用（正転時とは逆方向の作用）で、軸受上端
３″から軸受下端３′に向けて、矢印Ｒの方向へ運ばれ
、軸受面の潤滑作用を果す。

ところで軸受上端３″付近に運ばれた油は、軸スカート
２の回転力て吹き飛ばされる様相を呈すると共に、これ
に打ち勝つだけの油面レベル高さの確保が軸受３の上面
では構造上無理があるため、軸受３の溝１３に十分吸い
込まれない虞れがあった。

即ち、第２図において、軸スカート２と軸受３て形成さ
れる軸受隙間をｈとすると、この第２図に示す従来のも
のにおいては、逆転時に軸受上端３″の油が、軸受下端
３′に向けてＲ方向に流れるが、軸受隙間りは非常に小
さい（通常軸径りのｌ／１０００〜２／１０００、軸径
１００７７ａの場合、０．１〜０．２ｒａｎ ）ため、
油の流入断面積Ａが小さく（Ａ＝πＤｈ）、軸受隙間内
に油が流入しにくい欠点があ−）Ｊ一 本考案は前記従来の欠点を解消するために提案されたも
ので、軸受上面より油溝に通じる貫通孔を設け、同貫通
孔を介して逆転時の給油量を増加するようにした立型回
転機械における軸受給油装置を提供せんとするものであ
る。

以下図面の実施例について本考案を説明すると、第３図
及び第４図は本考案装置の実施例を示し、夫々第２図に
対応して示すものである竺先ず第３図において１は回転
軸、２は軸スカート、３は軸受、３′は軸受下端、３″
は軸受上端、８は油槽用板材、１３は軸受３の軸受面に
複数個加工された油溝、１２は油槽、１２ａは油、１４
は軸スカート２の内周側下端から外周側上部へ貫通する
複数の給油孔、１７は給油孔１４から放出される油を受
けとめる邪魔板であり、以上の構成並に作用は第２図の
従来装置と同じである。

さて第３図において第２図の従来装置と異なる点は、軸
受３の上面より複数の油溝１３に通じる複数の貫通孔１
８を追加した点である。

従って軸の逆転時、給油孔１４より運ばれた油は、貫通
孔１８を介して油溝１３に流れ込み、この分だけ第２図
の場合より油溝１３に流れ込む油量が増加するので、軸
受面への潤滑作用が十分となる。

次に第４図の実施例では、軸受３の上部に油溜１９を設
けてあり、この油溜１９部へ給油するための貫通孔２０
を油溝１３に対応する部分だけでなく、第５図に示すよ
うに軸受面に対向する部分にも設けて、軸受面への潤滑
作用をより十分にしたものである。

以上詳細に説明した如く本考案は、軸受に同軸受上面よ
り油溝に通じる複数の貫通孔を設けたので、給油孔から
軸受上面に運ばれた油は、同貫通孔を介しても油溝に流
れ込む。

即ち、貫通孔の直径を６１個数をｎとすると、油の流入
断面積がＡ′だけ増大しくここでＡ ’ ＝ ｉ−ｄ”
Ｘ １１ ）、軸受隙間内へ油が十分流入し、良好な
潤滑が行なわれる。

従って油溝に流れ込む油量が増加するので、軸受面への
潤滑作用が十分となる。

【図面の簡単な説明】

第１図イは従来の立型回転機械に於ける軸受給油装置の
縦断面図、第１図口は第１図イのＡ−Ａ断面展開図、第
２図は第１図のＸ部詳細図、第３図及び第４図は夫々本
考案の実施例を示す軸受給油装置の第２図に対応する断
面図、第５図は第４図のＢ−Ｂ断面展開図である。 図の主要部分の説明、１・・・・・・回転軸、２・・・
・・・軸スカート、３・・・・・・軸受、 油溝、１４・・・・・・給油孔、 １２・・・・・・油槽、１３・・・・・・１８．２０・
・・・・・貫通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下方向に延びる回転軸と、一端を同回転軸に固定され
   てその軸線と平行に延び、他端を油槽内に挿入させた円
   筒状の軸スカートと、同軸スカートの外周面に対向して
   設けられた軸受と、同軸スカートにその一端部及び他端
   部内周面に夫々開口するよう複数設けられた給油孔と、
   前記軸受の軸受面或は軸スカート外周面の何れか一方に
   、前記回転軸の軸線方向に対して傾斜して延びるよう設
   けられた複数条の油溝とを有する軸受給油装置において
   、前記軸受に同軸受上面より前記油溝に通じる貫通孔を
   設けたことを特徴とする立型回転機械における軸受給油
   装置。