JPS6054869B2 - シ−ト体表面被覆装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、カード、礼等のシート体の表面をこれに密着
するようプラスチックフィルムにより被覆するための装
置に関するものである。

一般に、「名刺」、「身体証明書上「定期乗車券」、「
ミニカレンダー」その他のカード、札等のシート体にお
いては、包装の一態様ともいうべき表面被覆を設けて当
該シート体に耐久性、耐水性を付与し或いはそれらを向
上せしめること、或いは更に当該シート体における表示
事項の改良を防止することが便利であり、又必要とされ
る場合も少なくない。

このような要請から従来種々のシート体表面被覆装置が
提案されている。

例えば従来、両面被覆用として構成されたシート体表面
被覆装置においては、第１図に示すように、プラスチッ
クフィルム１が重ねられたシート体２が移動するシート
体移動路Ｐを、シート体供給路領域Ｐ１、シート体加熱
圧着領域Ｐ２及びシート体排出路領域Ｐ３とより成るも
のとし、前記シート体加熱圧着領域Ｐ２において互に対
接するよう、一対の中空のローラ３Ａ及び３Ｂを配設し
てピンチローラ３を構成せしめると共に、前記ローラ３
Ａ及び３Ｂの各々の内部空間４Ａ及び４Ｂフ内にそれぞ
れヒーター５Ａ及び５Ｂを配設して構成されている。

尚片面被覆用の装置ではヒーター５Ａ、５Ｂの一方が省
略される場合もある。斯かる構成のシート体表面被覆装
置においては、前記ヒーター５Ａ及び５Ｂによりそれぞ
れ前夕記ローラ３Ａ及び３Ｂが内部から加熱され、プラ
スチックフィルム１が重ねられたシート体２がシート体
移動路Ｐに沿つてシート体供給路領域Ｐ１よりシート体
加熱圧着領域Ｐ２に移送され、このシート体加熱圧着領
域Ｐ２において、前記プラスチックフィルム１が前記ロ
ーラ３Ａ及び３Ｂにより加熱圧着されて前記シート体２
に溶着され、シート体２の両面被覆が達成されてシート
体排出路領域Ｐ３を介して排出される。しかしながら、
このようなシート体表面被覆装置においては、被覆すべ
きシート体２の表面を均一に加熱するために、通常前記
ローラ３Ａ及び３Ｂの肉厚を大きくして大きな熱容量を
得ることによつて当該ローラ３Ａ及び３Ｂの外周面の温
度が均一となるようにしており、このため夜間等の比較
的長い休止時間があつて各ローラ３Ａ及び３Ｂが冷えた
状態にあるときに当該装置を使用する場合においては、
前記ヒーター５Ａ及び５Ｂに電力が供給されてその作動
が開始された時点から、前記ローラ３Ａ及び３Ｂの各外
周面の温度が充分な表面被覆を達成するために必要な温
度に達するまでに長時間（例えば３〜５分間程度）を要
し、従つて待機時間が長い欠点がある。

このような欠点を解決するために、例えばローラ３Ａ及
び３Ｂの外周面を輻射熱により加熱する方法が有効であ
ると考えられるが、この方法ではローラ３Ａ及び３Ｂの
外周面の温度を比較的速く昇温せしめて待機時間を短縮
することは可能てあつても、装置の使用開始直後のよう
にローラ全体が昇温していないときには、ローラ内部へ
熱が大きく吸収されるため必ずしもシート体加熱圧着領
域Ｐ２において必要な熱量を当該シート体２に加えるこ
とができないことがある。又シート体２の表面被覆を高
速で行なうためには、ローラ３Ａ及．び３Ｂの温度を上
昇せしめる必要があるが、この場合にはプラスチックフ
ィルム１が重ねられたシート体２が大きな温度変化を急
激に受けるようになつて、表面被覆処理後のシート体２
が彎曲変形したものとなつてしまう場合もある。本発明
は以上の如き事情に基いてなされたものであつて、使用
の際の待機時間が短く、しかもシート体に変形を生ぜし
めることなく高速に且つ確実に所期の表面被覆処理を達
成することができるシート体表面被覆装置を提供するこ
とを目的とす・る。

この目的を達成するため、本発明においては、シート体
供給路領域、シート体加熱圧着領域及びシート体排出路
領域より成る、プラスチックフィルムが重ねられたシー
ト体が移動するシート体移動路における前記シート体加
熱圧着領域に沿つて設けた、互に対接してピンチローラ
を構成する一対のローラと、この一対のローラの少なく
とも一方における、前記シート体加熱圧着領域に向つて
回動する外周面領域と対向し、且つ前記シート体供給路
領域を臨むよう配置した熱輻射ランプと、前記熱輻射ラ
ンプと対向するローラの外周面の温度が上昇したとき前
記熱輻射ランプの輻射熱量を）抑制するよう制御する熱
輻射ランプ制御機構と、前記シート体供給路領域に沿つ
て配置された、前記熱輻射ランプよりの熱を受ける蓄熱
部材とを設け、前記熱輻射ランプよりの輻射熱の一部が
前記シート体供給領域を移動するシート体に照射され・
るようにしてシート体表面被覆装置を構成せしめる。

以下図面によつて本発明の一実施例について説明する。

本発明の一実施例においては、第２図に示すよ”うに、
シート体移動路Ｐにおけるシート体加熱圧着領域Ｐ２を
介して互に対接するよう一対のローラ３Ａ及び３Ｂを配
設してピンチローラ３を構成せしめ、前記ローラ３Ａ及
び３Ｂの各外周面に対向するよう、例えばハロゲンラン
プ、赤外線ランプ等の熱輻射ランプ６Ａ及び６Ｂを配設
する。ここにこれら熱輻射ランプ６Ａ及び６Ｂの位置は
、前記ローラ３Ａ及び３Ｂにおける前記シート体加熱圧
着領域Ｐ２に向つて回動する各外周面領域Ｑ１及びＱ２
とそれぞれ対向する位置であつて、しかも前記シート体
供給路領域Ｐ１を臨む位置とする。更に前記熱輻射ラン
プ６Ａ及び６Ｂと対向するローラ３Ａ及び３Ｂの外周面
の温度が所期の温度より上昇したときに当該熱輻車ラン
プ６Ａ及び６Ｂよりの輻射熱量を抑制するよう制御する
熱輻射ランプ制御機構７（第３図参照）を設けると共に
、前記シート体供給路領域Ｐ１を介して互に対向して前
記シート体加熱圧着領域Ｐ２に向つて伸びるよう蓄熱部
材８Ａ及び８Ｂを設けてこれら蓄熱部材８Ａ及び８Ｂの
一端と前記ローラ３Ａ及び３Ｂとの間には間隙Ｓを形成
せしめる。ここにこの間隙Ｓの位置は前記熱輻射ランプ
６Ａ及び６Ｂの各フィラメント６″Ａ及び６″Ｂからシ
ート体２が臨める位置とする。そして前記ローラ３Ａ及
び３Ｂのシート体加熱圧着領域Ｐ２以外の各外周面領域
と、前記熱輻射ランプ６Ａ及び６Ｂとが位置する空間を
覆う、例えばアルミニウム製の反射部材９Ａ及び９Ｂを
設けてその一端をそれぞれ前記蓄熱部材８Ａ及び８Ｂの
各他端に接続せしめ或いは一体に連続せしめてシート体
表面被覆装置を構！成する。１０Ａ及び１０Ｂは前記反
射部材９Ａ及び９Ｂの各外周面を覆うよう設けた断熱体
層、１１Ａ及び１１Ｂは前記シート体排出路領域Ｐ３の
一部を区画する冷却用放熱板である。

以上のような構成においては、熱幅射ランプ６，Ａ及び
６Ｂよりの輻射熱によりローラ３Ａ及び３Ｂが加熱され
ると共に、シート体移動路Ｐに沿つて移送される、プラ
スチックフィルム１が重ねられたシート体２は、先ずシ
ート体供給路領域Ｐ１において予備的に加熱された後に
シート体加熱圧着領域Ｐ２においてローラ３Ａ及び３Ｂ
により加熱圧着されることとなる。

即ち、ローラ３Ａ及び３Ｂが冷えているときは、熱輻射
ランプ６Ａ及び６Ｂが点灯後直ちに（例えば約３秒間程
度経過後に）完全点灯状態になること、前記ローラ３Ａ
及び３Ｂがそのシート体加熱圧着領域Ｐ２の直前におけ
る、当該領域Ｐ２に向つて回動する外周面領域Ｑ１及び
Ｑ２において加熱されるため、シート体加熱圧着領域Ｐ
２に達するまでの時間が短くてその温度低下があつても
僅かであること、並びにシート体２がシート体加熱圧着
領域Ｐ２に達する前のシート体供給路領域Ｐ１において
、完全点灯状態にある熱輻射ランプ６Ａ及び６Ｂよりの
輻射熱を間隙Ｓを介して受けて予熱されるため、シート
体加熱圧着領域Ｐ２におけるローラ３Ａ及び３Ｂに必要
とされる外周面温度が多少低い温度になつてもよいこと
から、充分なシート体表面被覆が達成され得る状態にな
るまでの待機時間を大幅に短縮できる。

ところで、上記装置では、装置始動初期においては、蓄
熱部材８Ａ及び８Ｂには大きな熱量が蓄積されていない
ので、シート体２を予熱する効果は大きなものではない
が、使用開始後時間が経過してローラ３Ａ及び３Ｂの温
度が上昇したときは、熱輻射ランプ６Ａ及び６Ｂは、熱
輻射ランプ制御機構７によつてその輻射熱量が抑制され
るよう制御され、従つて前記間隙Ｓを介して照射される
輻射熱によるシート体２の子熱の程度は低下するが、こ
のときまでに蓄熱部材８Ａ及び８Ｂには熱輻射ランプ６
Ａ及び６Ｂよりの輻射熱及び反射部材９Ａ及び９Ｂより
の伝導熱が加えられる結果、これら蓄熱部材８Ａ及び８
Ｂに大きな熱量が蓄積されており、従つてシート体２は
この蓄熱部材８Ａ及び８Ｂにより充分に予熱されること
となる。したがつて、使用開始の直後においても、又使
用開始後時間が経過した後においてもシート体２の予熱
が行なわれるため、当然のことながら、シート体加熱圧
着領域Ｐ２においてローラ３Ａ及び３Ｂがシート体２に
与えるべき熱量が少なくなつてもよい上、当該シート体
２は、結局常に二段階若しくは三段階に亘つて加熱され
ることとなつて大きな温度変化を急激に受けることがな
いため、シート体２が彎曲変形することがなく、これら
の結果、シート体被覆処理を高速で達成することができ
る。尚図示の例におけるようにシート体排出路領域Ｐ３
を区画するよう冷却用熱板１１Ａ及び１１Ｂを設けてお
けば、表面被覆処理後のシート体２全体が徐々に冷却さ
れるようになり、この時点における彎曲変形をも防止す
ることができる。

ここに冷却用加熱板１１Ａ及び１１Ｂの一方を他方に対
して離接自在に設け、シート体２が確実にこれらに接触
するようにしてもよい。以上のほか、前記シート体２の
予熱は蓄熱部材８Ａ及び８Ｂによるものも含めて熱輻射
ランプ６Ａ及び６Ｂよりの輻射熱のうちローラ３Ａ及び
３Ｂの加熱には直接寄与しない一部により行なわれるた
め、放射される全輻射熱の利用率が大きく向ｊ上し、結
局熱輻射ランプ６Ａ及び６Ｂの消費エネルギーを小さく
抑制することもできる。

前記熱輻射ランプ制御機構７としては、特にローラ３Ａ
又は３Ｂの少なくとも一方の温度を検出する温度検出器
よりの信号により、熱輻射ランプ７６Ａ及び６Ｂに供給
される電力を制御する位相制御機構を用いるのが好まし
い。これは、例えばＯＮ−ＯＦＦ制御とは異なつて、熱
輻射ランプ６Ａ及び６Ｂが常時点灯された状態で輻射熱
量の制御が達成され、その変化が緩かてありしかも変化
量フも小さくすることができるからである。このような
位相制御機構を用いて成る熱輻射ランプ制御機構７の一
例を第３図に示す。この例においては、ローラ３Ａ又は
３Ｂの少なくとも一方の外周面の温度を検出する温度検
出器として正特性サーミス夕を用いたもので、交流電源
ＡＣにスイッチＳＷ及び熱輻射ランプ６Ａ，６Ｂを介し
て、正特性サーミスタＴと、補償抵抗Ｒ１と、トライア
ツク導通時期制御用コンデンサ（以下、「制御用コンデ
ンサ」という。）Ｃ１との直列回路を接続すると共に、
この制御用コンデンサＣ１及び補償抵抗Ｒ１の接続点と
、熱輻射ランプ６Ａ，６Ｂに直列に接続したトライアツ
クＴＲＣのゲート電極Ｇとの間にトリガダイオードＴＤ
を介挿して構成されている。抵抗Ｒ２，Ｒ３及びコンデ
ンサＣ２はヒステリシスを緩和させるためのもの、抵抗
Ｒ４及びコンデンサＣ３はサージ電流吸収回路を構成し
、トライアツクＴＲＣの誤動作を防止するためのもので
ある。前記熱輻射ランプ６Ａ，６Ｂの動作は次のように
制御される。

即ちスイッチＳＷを閉じると、制御用コンデンサＣ１は
正特性サーミスタＴ及び補償抵抗Ｒ１を介して交流電圧
が印加されて充電され、その充電電圧がトリガダイオー
ド和のブレークオーバー電圧に達するとこれを介して当
該制御用コンデンサＣ１が放電してトライアツクＴＲＣ
のゲート電極Ｇに信号電流が流れ、これによりトライア
ツクＴＲＣが導通して熱輻射ランプ６Ａ，６Ｂに電流が
供給され、この動作が前記交流電圧の半周期毎に繰り返
される。然るに前記正冫特性サーミスタＴの温度はロー
ラの外周面の温度に依存するから、例えばその温度が上
昇して正特性サーミスタＴの抵抗値が増大すると、制御
用コンデンサＣ１に印加される電圧が低下してその充電
電圧がトリガダイオードＴＤのブレークオーバｊ一電圧
に達するまでの充電時間が長くなる結果、交流電圧の半
周期におけるトライアツクＴＲＣの導通時期が遅れ、結
局、熱輻射ランプ６Ａ，６Ｂに流れる電流が前記正特性
サーミスタＴの温度上昇に応じて抑制されて発光量が抑
制される。以上シート体２の両面を被覆する場合につい
て説明したが、本発明においては片面のみを被覆するこ
ともでき、又片面のみを被覆する場合には熱輻射ランプ
６Ａ又は６Ｂの一方のみを配設してもよい。以上の実施
例からも理解されるように、本発明は、シート体供給路
領域、シート体加熱圧着領域及びシート体排出路領域よ
り成る、プラスチックフィルムが重ねられたシート体が
移動するシート体移動路における前記シート体加熱圧着
領域に沿つて設けた、互に対接してピンチローラを構成
する一対のローラと、この一対のローラの少なくとも一
方における、前記シート体加熱圧着領域に向）つて回動
する外周面領域と対向し、且つ前記シート体供給領域を
臨むよう配置した熱輻射ランプと、前記熱輻射ランプと
対向するローラの外周面の温度が上昇したとき前記熱輻
射ランプの幅射熱量を抑制するよう制御する熱輻射ラン
プ制御機構と、前記シート体供給路領域に沿つて配置さ
れた、前記熱輻射ランプよりの熱を受ける蓄熱部材とを
有して成り、前記熱輻射ランプよりの熱輻射の一部が前
記シート体供給路領域を移動するシート体に照射される
ことを特徴とする構成であるから、使用の際の待機時間
が短く、しかもシート体に変形を生ぜしめることなく高
速に且つ確実に所期の表面被覆処理を達成することがで
き、消費エネルギーも少ない等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来におけるシート体表面被覆装置の一例を示
す説明用断面図、第２図は本発明シート体表面被覆装置
の一実施例を示す説明用断面図、第３図は本発明におけ
る熱輻射ランプ制御機構の一例を示す説明用回路図であ
る。 １・・・・・・プラスチックフィルム、２・・・・・・
シート体、Ｐ１・・・・・・シート体供給路領域、Ｐ２
・・・・・・シート体加熱圧着領域、Ｐ３・・・・・・
シート体排出路領域、Ｐ・・・・・・シート体移動路、
３・・・・・・ピンチローラ、５Ａ，５Ｂ・・・・・・
ヒーター、６Ａ，６Ｂ・・・・・・熱輻射ランプ、Ｑｌ
，Ｑ２・・・・・・外周面領域、７・・・・・・熱輻射
ランプ制御機構、８Ａ，８Ｂ・・・・・・蓄熱部材、Ｓ
・・・・・・間隙、９Ａ，９Ｂ・・・・・・反射部材、
１１Ａ，１１Ｂ・・・・・・冷却用放熱板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シート体供給路領域、シート体加熱圧着領域及びシ
   ート体排出路領域より成る、プラスチックフィルムが重
   ねられたシート体が移動するシート体移動路における前
   記シート体加熱圧着領域に沿つて設けた、互に対接して
   ピンチローラを構成する一対のローラと、この一対のロ
   ーラの少なくとも一方における、前記シート体加熱圧着
   領域に向つて回動する外周面領域と対向し、且つ前記シ
   ート体供給路領域を臨むよう配置した熱輻射ランプと、
   前記熱輻射ランプと対向するローラの外周面の温度が上
   昇したとき前記熱輻射ランプの幅射熱量を抑制するよう
   制御する熱輻射ランプ制御機構と、前記シート体供給路
   領域に沿つて配置された、前記熱輻射ランプよりの熱を
   受ける蓄熱部材とを有して成り、前記熱輻射ランプより
   の輻射熱の一部が前記シート体供給路領域を移動するシ
   ート体に照射されることを特徴とするシート体表面被覆
   装置。 ２ 前記シート体排出路領域の少なくとも一部が冷却用
   放熱板によつて区画されていることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項記載のシート体表面被覆装置。