JPS6054832B2 - 溶接ボルト供給方法及びその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、溶接ボルト、Ｔ形溶接ナット、その他Ｔ
形部品を、溶接機の上下電極間に介在設置した相手方の
被溶接有孔板に自動供給するための方法と装置に関する
もので、とくに溶接機の上下電極間のストローク範囲の
大・小に関係なく円滑に供給できる溶接ボルト供給方法
とこれを実施するための装置に係るものである。

被溶接有孔板に溶接ボルトを挿入して、これら両者を
溶接する場合、一般に第３図に示すように、溶接機の下
部電極１に出没自在に内設された位置決めピン２を被溶
接有孔板３のボルト孔に嵌入し、溶接ボルトＢのネジ都
鳥を上記のピンと共に没入して後、上下電極１、４間で
加圧通電し、ボルト頭剖旧、の突起Ｂ。

を集中的に加熱溶融し相手方の被溶接有孔板３にプロジ
ェクション溶接する。 従来、溶接ボルトを所定の溶接
位置に供給する場合、一般には上部電極の真下で、選別
機から一つずつ送られてくる溶接ボルトを一旦受け支え
る開閉自在のチャッキング装置が使用されている。

この種のチャッキング装置には、溶接ボルトＢの頭剖旧
、をひつかけて保持する爪があつて、この爪は上部電極
が進入するとスプリング作用によつて開かれ、内部の溶
接ボルトが爪から離脱して溶接位置に挿入される。 し
かし、従来の溶接ボルト供給方法では、チャッキング装
置が上部電極の真下に設けてあるため、上下電極間の間
隔を大きくせねばならない。

したがつて上部電極のストロークを長くする必要上、通
常の溶接機に使用される加圧シリンダよりも必要以上に
ストロークの長いものを使わなければならず、空気消費
量の増大は勿論、機械全体が大形・高価となる。また、
チャッキング装置が溶接位置に接近していると、チャッ
キング装置の爪やそのボルト出口にスパッタが附着しや
すく、送給精度にバラツキを生じたり、ときには溶接不
良に起因する送給ミスを生じる場合がある。

また、チャッキング装置か電極加圧線上にあると、被溶
接物の出し入れが不便て作業能率を低下させる。また電
極チップの交換や電極面のドレシング等の作業力化にく
くメンテナンスの問題で不都合を経験する。さらに、チ
ャッキング装置の大半が、通電時の加熱防止や残留磁気
を防止する目的から銅や真鋳などの非磁性材を使用して
いるため、材質的に弱く、また摩耗対策としても″十分
でなく耐久性に欠しいものであつた。そこで、この発明
は、従来の欠点を解決するための対策として、今まで電
極加圧線上に置かれたチャッキング装置を、下部電極に
対しその斜め上方から流体圧駆動手段によつて送達でき
るようになし、さらにこのチャッキング装置を複合的に
開閉できるようにして、電極間小間隔にて充分かつ正確
に自動供給できる方法及びその装置を提供し、供給性能
と作業性並びに安全性を高め、しかも部品精度を著るし
く安定させるようにしたものである。

以下、この発明の方法を実施するための装置を、図面に
示す実施例に基づいて説明する。第１図は、溶接ボルト
供給装置５の正面図で、．チャッキング装置６は溶接位
置にある。第２図は、チャッキング装置６がボルト送り
出し口８ａの真下て溶接ボルトを受ける戻し位置で待期
している状態を示す。図中Ｗは、上下電極１，４の間て
被溶接有孔板！３に挿入された溶接ボルトＢを加圧通電
して溶接する溶接機、７は溶接ボルトを多量に収納し、
これを一つ一つシュート８を通じて送給する選別機、９
はシュート終端のボルト送り出し口８ａから送り出され
る溶接ボルトＢを保持するチヤツキっング装置６を、上
下電極間の加圧線Ａ−Ａ上に前進または上記の出口８ａ
に後退させる駆動シリンダで、このシリンダは溶接機本
体に角度調整できるように取付けられたガイド部材１０
に固定されている。

１１は駆動シリンダ９の動作でガイド部材１０内を摺動
する作動ロッドである。

第４図〜第８図は、チャッキング装置の具体的な構造と
動きを示す。

支持ブロック１２は、駆動シリンダの作動ロッド１１先
端に取付けられ、この支持ブロックの両肩には、それぞ
れスプリングＳｌ，Ｓｌを介在してチャックレバー６ａ
，６ｂがそれぞれ支持ピンＰｌ，Ｐｌを以て回動的に軸
支され、両レバーは矢印イーＬ−口方向へ開閉する。

つまり電極加圧線Ａ−Ａに対し横方向へ開閉することが
できるようになつている。そして、チャックレバー６ａ
，６ｂの各先端には、溶接ボルトを受け入れて頭部八を
ひつかけて支持するための爪１５ａ，１５ｂが設けてあ
り、この爪は溶接ボルトＢの受容溝ａと、ボルトのネジ
ｍ膿。を挿通する出口ｂが形成されており、しかも矢印
ハー→二方向へ、つまり電極加圧線Ａ−Ａに対し縦方向
へ開閉できるようにスプリングＳ２を介在して支持ピン
Ｐ２，Ｐ２により回動的に軸支されている。以上の構成
において、まず選別機７からシュート８のボルト送り出
し口８ａへ送り出された溶接ボルトＢは、ボルト送り出
し口の真下で期待しているチャッキング装置６の受容溝
ａに落とされ、爪１５ａ，１５ｂによつてボルト頭部が
保持される。

そして、流体圧の駆動シリンダ９の動作でチャッキング
装置６が開放状態の上下電圧間に送られ、ここで上部電
極４の加圧時のストロークで降下し爪１５ａ，１５ｂ内
部に進入すると、電極のストロークでボルト頭刊追，が
爪１５ａ，１５ｂの受容溝ａの下側に形成されたテーパ
面に沿つて下るので、第７図のようにチャックレバー６
ａ，６ｂが支持ピンＰｌ，Ｐｌを中心に回動して爪１５
ａ，１５ｂを開く、この時、内部の溶接ボルトＢが押出
されて下部電極の被溶接有孔板３に挿入される。溶接ボ
ルトＢが溶接位置に供給されると、チャッキング装置６
は溶接直前に駆動シリンダ９によりボルト送り出し口８
ａに再び引き戻されるが、チャッキング装置６が内部挿
入の上部電極４からボルト送り出し位置へ復帰する時は
、駆動シリンダの作動ロッドを後退させることにより、
爪１５ａ，１５ｂが上部電極４の外周に係合すると、支
持ピンＰ２，Ｐ２を中心に爪が開いて上部電極から外れ
る。

以後、同様にして、チャッキング装置の前進後退運動の
繰返しと、爪の縦横方向への複合的な開閉動作により電
極加圧線上から離れた、斜め上方より目的の溶接位置へ
円滑にしかも確実に自動送給することができる。

以上により説明したように、この発明によると、溶接ボ
ルトに限らずＴ形溶接ナットやその他のＴ形溶接部品を
斜め上方から、しかもチャッキング装置を利用して目的
地へ自動的に供給することができるから、従来のように
電極間のストロークを大きくする必要がなく、通常使用
される溶接機のストローク範囲で充分であつて空気消費
量の増大や大形、高価を防ぎ、スパッタの附着や供給精
度のバラツキ、送給ミスなどの事故をなくし、溶接品質
並びに部品精度を著るしく安定させ、メンテナンスを容
易にして作業性並びに安全性を著るしく高めることがで
きる。

さらにまた、通電時の残留磁気や加熱という問題がなく
、安価で耐摩耗性に富む磁性材を以つてチャッキング装
置を製作することができ、耐久性及び機能を著るしくい
安定させることができ、簡素な構造でしかも経済的にも
勝るなど、その作用効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明にかかる方法を実施するための溶接
ボルト供給装置の実施例を示す正面図、第２図は戻し位
置の供給装置を示す正面図、第３図は溶接ボルトを被溶
接有孔板に挿入してこれを上下電極間で溶接する際の説
明図、第４図〜第８図は、チャッキング装置の具体的な
構造と動きを示すもので、第４図と第８図は平面図、第
５図は側面図、第６図と第７図は正面図。 １・・・・・・下部電極、４・・・・・・上部電極、６
・・・・・・チャッキング装置、７・・・・・・選別機
、６ａ，６ｂ・・・・・・チャックレバー、８・・・・
・・シュート、８ａ・・・・・・ボルト送り出し口、９
・・・・・・流体圧駆動手段、１５ａ，１５ｂ・・・・
・・爪。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上下電極加圧線Ａ−Ａから離れた位置にあるボルト
   送り出し位置へ一つずつ送り出される溶接ボルトを、開
   閉自在のチャッキング装置によつて保持し、これを流体
   圧駆動手段によつて上下電極間に前進、到達せしめ、加
   圧時のチャッキング装置内に挿入される上部電極のスト
   ロークでチャッキング装置を押し開くと共に、上記の溶
   接ボルトを下部電極の溶接位置に押出して、これを上部
   電極で押え込んだ後、チャッキング装置を、上記流体圧
   駆動手段の後退運動により上部電極の外周と係合させて
   押し開き、ついで、これを上記のボルト送り出し位置へ
   復帰させることを含む溶接ボルト供給方法。 ２ 溶接機と結合された選別機と、この選別機からシュ
   ートを通じて送り出される溶接ボルトを、上記の溶接機
   の上下電極加圧線Ａ−Ａから離れたシュート終端のボル
   ト送り出し位置で保持するチャッキング装置と、このチ
   ャッキング装置を上下電極間の溶接位置に対向する往復
   路を前進する作動ロッドの先端に取付けた流体圧駆動手
   段とを有し、上記のチャッキング装置は、上記の加圧線
   に対し横方向へ開閉自在に軸支されたチャックレバーを
   有し、このチャックレバーの先端には、溶接ボルトを保
   持するための爪を上記の加圧線に対し縦方向へ開閉自在
   に軸支してなる溶接ボルト供給装置。