JPS6054824B2 - ダイカスト機の湯口装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、溶湯を金型内に鋳込むためのダイカスト機
の湯口装置に関する。

一般に、ホツ小チャンバーダイカスト機においては、
第１図に示すように、固定金型１と移動金型２とを離接
可能に設けるとともに移動金型２にスプルーブツシユ３
を嵌着せしめ、このスプルーブツシユ３内に形成された
溶湯圧入孔３ａの入口にノズル４の先端を圧接せしめて
いる。

前記溶湯圧入孔３ａは円錐台状をなし、この圧入孔３
ａ内に移動金型２に嵌着されたスプルーピン５の円錐状
突出部５ａが挿入され、その先端５をはノズル４の先端
４ａに近接し、ノズル４内から圧送される溶湯は前記圧
入孔３ａとスプルーピーン５の突出部５ａ間に形成され
る空隙ｓを通つて両金型間に形成される空隙内に圧入さ
れる。

なお、前記移動金型２は取付板６に固着され、前記ス
プルーピン５内には、冷却水通路７が穿設され、この通
路７内に冷却水を供給するための冷却管８が挿入され、
前記通路７は部材９で密閉されている。 ところが、こ
のような湯口装置においては前記スプルーピンの突出部
先端５ｂがノズル先端４ａに近接しているため、その先
端５ｂがノズルから圧送される溶湯の直撃を受けて損傷
し、凹凸ある表面となる。

したがつて、射出後にスプルーピン５を前記圧入孔３
ａから抜取る際にその先端５ｂ近傍の溶湯が第２図のよ
うにその先端５ｂに固着し、固化した溶湯１０をスプル
ーピン５から引離すのが困難であつた。

また、ノズルからの溶湯の直撃を緩和するために第３
図に示すように前記突出部５ａを短くすると、その先端
５ｂとノズル先端４ａ間の溶湯は容易に固化せず、その
ノズル先端側部分の溶湯ｍはスプルーピン５を圧入孔３
ａから引抜いたときに圧入孔内に残留してしまい、排出
される固化溶湯は第４図に示すようにその先端が切取ら
れた状態をなしている。

このように、スプルーピンの突出部５ａが損傷を受け
易く、あるいはスプルーピン引抜後に固化溶湯の一部が
ノズル先端に残留したりすると、しばしばスプルーピン
を交換したり、圧入孔から固化溶湯を排出したりする作
業が必要となり運転休止を余儀なくされている。

本発明は、かかる点に鑑み、スブルーピンの先端が溶湯
によつて損傷を受けることなく、しかもその引抜後に圧
入孔内に固化溶湯を残留せしめることなく、寿命が長く
故障のない連続作業が可能なダイカスト機の湯口装置を
提供することを目的とする。

以下、第５図乃至第７図を参照して本発明の実施例につ
いて設明する。

第５図および第６図において、スプルーブツシユ３の溶
湯圧入孔３ａの入口部分には、熱伝導率の小さい金属で
作られた断熱リング５０が装着され、この断熱リング５
０に前記ノズル４先端が当接されている。

また、スプルーブツシユ３内には冷却水用の通路３ｂが
穿設されている。前記溶湯圧入孔３ａ内には移動金型２
に嵌着された本発明に係るスブルーピン５１が挿入され
、このスブルーピン５１の突出先端からその基部に向つ
て所要深さまで切割り５２が縦に形成されている。

前記切割り５１はスブルーピン５１の先端から次第にそ
の幅が狭くなり、その最深部５１ａ（第６図）は弧状を
なしており、ノズル４から圧送された溶湯は切割り５２
を通つて第６図の矢印方向に沿つて両金型間の空隙５３
内に流れる。前記スブルーピン５１の切割り５２によつ
て形成された左右の分岐部５４，５４は第７図に示すよ
うにその断面が双胴形をなし、前記各分岐部５４の上下
には冷却水用通路５５，５５および冷却管５６，５６が
スブルーピン５１の基部から伸びている。前記スブルー
ピンの基部には冷却水用通路を形成するための部材５７
が嵌着され、この部材５７にも冷却水用通路５７ａ，５
７ａが形成され、この通路５７ａにさらに外部から冷却
水を供給するための通路５８およびスブルーピン内を循
環した冷却水を排出するための通路５９が連通されてい
る。次に作用について説明する。

前記スブルーピンの分岐部５４の先端（頭部）は断熱リ
ング５０に近接しているが、ノズル４の噴射口４ｂの先
端は前記切割り５２に対向しているので、ノズル４から
３０７ＴＬＩＳｅＣぐらいの高速度で圧送された溶湯は
分岐部の頭部には衝突せずに切割り５２内に流入する。

したがつて、前記分岐部５４の頭部は高速高圧の溶湯に
よつて損傷を受けないのでスブルーピンの寿命が延びる
。また、一回の射出動作が終了し金型内の溶湯が固まつ
た後に移動金型２は固定金型１から引離されるが、この
際、切割り５２内の溶湯も分岐部５４内の冷却水によつ
て冷却されて固化しスブルーピン５１とともに外部に排
出される。

この場合において、前記溶湯圧入孔３ａのノズル先端の
入口部分における溶湯は、前記分岐部５４先端によつて
冷却されるとともに、前記断熱ノズル５０によつて、加
熱装置で加熱されたノズル先端の熱の伝達が遮断される
ので、短時間で容易に固化し、溶湯圧入孔３ａ内に完全
に固化しない溶湯が残留するということがなくなる。し
たがつて、製品を金型内から取出す毎に溶湯圧入孔３ａ
内の漬掃をしたりする必要がなく連続作業が可能となり
、溶湯の射出が定期的に行なわれるので製品の品質が安
定する。

以上説明したように、本発明はスブルーピンの先端から
基部に向つて所要深さの切割りを形成しこの切割りの両
側の分岐部に冷却水の通路を形成したのでスブルーピン
の寿命を長くすることができるとともにスブルーピンを
スプルーブツシユから引抜いたときにスプルーブツシユ
の溶湯圧入孔内に半溶融の溶湯が残留することがなくな
り、連続作業が可能となソー定品質の製品を鋳造できる
という効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の湯口装置の縦断面図、第２図は第１図に
おけるスブルーピンを引抜いた時の縦断面図、第３図は
従来の他の湯口装置の縦断面図、第４図は溶湯圧入孔内
に形成される固化溶湯の縦断面図、第５図は本発明の湯
口装置の横断面図、第６図は本発明の湯口装置の縦断面
図、第７図は第６図の■−■断面図である。 １・・・・・・固定金型、２・・・・・・移動金型、３
・・・・・・スプルーブツシユ、４・・・・・・ノズル
、５０・・・・・・断熱リング、５１・・・・・・スブ
ルーピン、５２・・・・・・切割り、５４・・・・・・
分岐部、５５・・・・・・冷却水用通路、５６・・・・
・・冷却管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 固定金型内に、ノズルから射出される溶湯の通路と
   なる溶湯圧入孔が形成されたスプルーブツシユを装着し
   、前記固定金型に離接する移動金型側から前記溶湯圧入
   孔内に、冷却水通路を形成したスプルーピンを突出せし
   めるようにしたダイカスト機の湯口装置において、前記
   スプルーピンの先端から基部に向つて所要深さの切割り
   を形成し、この切割りの両側の分岐部に冷却水の通路を
   形成したことを特徴とするダイカスト機の湯口装置。