JPS6046293B2

JPS6046293B2 - 遠心作動装置

Info

Publication number: JPS6046293B2
Application number: JP54083822A
Authority: JP
Inventors: 源隆中根
Original assignee: Aisin Seiki Co Ltd
Current assignee: Aisin Corp
Priority date: 1979-07-02
Filing date: 1979-07-02
Publication date: 1985-10-15
Also published as: JPS5610852A; US4384862A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、動力の伝達や変速を遠心力によつて係脱ま
たは変更するようにした装置、特に遠心クラッチあるい
はベルト式自動変速装置の可変プーリなどの遠心作動装
置に係る。

これからの装置は、よく知られているように、回転中心
軸の軸方向に相対的に摺動可能とした２個のフランジ部
材を有し、かつ回転に伴う遠心力によつて回転中心軸か
ら半径方向外方に移動できるように装置され”た重錘そ
の他の遠心力作動部材が楔形空間を形成する２個の部材
間に圧入され、両部材の相対的摺動を発生せしめること
により前記２個のフランジ部材を直接摩擦係合し、ある
いはＶベルト等の介在物を介して摩擦係合作用させ、回
転を伝達し、あるいはプーリ径を変更して回転を変速し
て伝達する役割をなすものである。本発明はかかる遠
心作動装置において、前記の回転軸上において対向して
楔形空間を形成すべき一方の面を数頭円錐とし、多方の
面を平面とし、かつ遠心作動部材として短軸の両端部分
には同一外径を有する円筒形の部材を同軸的に固定し、
両円筒形部材の中間部分には該円筒形部材の外径よりや
や外径の大なる円筒形の回転部材を短軸の周りに回転実
在に支承したものとし、前記楔形空間を形成する一方の
数頭円錐面には遠心作動部材の円筒形部材を、他方の平
面には回転自在の回転部材をそれぞれ当接させて両面で
の接触を転がり接触したことを特徴とするものであつて
、遠心作動部材の半径方向移動にあたつて摩擦を極めて
少くし、動力の伝達、変速作動にあたつて振動を減少さ
せ、効率のよい遠心作動装置を提供することを目的とす
るものである。

本発明は、前記２個のフランジ部材には回転中心軸を含
む面内において両フランジ部材間に実質的に■字状の空
間を形成し、該空間を隔てて対向する面をＶベルトを架
装すべき摩擦面とした自動変速装置の可変プーリとして
実施した場合に優れた効果を発揮するので、以下自動変
速装置に基いて本発明を説明する。

かかる自動変速装置において、遠心作動部材を有するプ
ーリを駆動軸側に、他方のプーリを被動軸側に連結する
ときは、被動軸の回転開始直後大きなトルクを必要とす
る間減速比を大きく保ち、被動軸側の要求トルクがほぼ
一定となると駆動軸の回転が高くなるに従つて変速比を
変え、被動軸を高速で回転せしめるに至る。

また遠心作動部材を有するプーリを被動軸側に、他方の
プーリを駆動軸側に連結するときは、駆動軸の回転速度
の変化に拘らす被動軸の要求トルクに対応した回転を被
動軸に保証する。本発明は上記の何れの場合においても
使用できるものであつて、一方のフランジ部材に対向せ
しめて同軸的に覆い板を設け、該フランジ部材と覆い板
とを軸方向に摺動自在に、かつほぼ一体的に回転可能に
関連せしめるとともに、前記フランジ部材と覆い板の対
向面には、一方に回転中心軸に垂直な平面部を、他方に
は回転中心軸を中心軸とする截頭円錐面を形成せしめ、
一方、短軸の両端部に同一外径の円筒部材を固着し、両
部材の中間部分に該円筒部材の外径よりやや大なる外径
を有する円筒部材を前記短軸の周りに回転自在に軸支し
た遠心作動部材を、前記フランジ部材および覆い板に形
成した平面部と截頭円錐面部の間に、前記短軸の軸方向
が前記フランジ部材の直径方向に．直角に挿置したもの
として実施される。

以下実施例に基いて説明する。

第１図は本発明の実施例を示すもので、本発明は自動変
速装置の被動軸側に用いる可変プーリとして実施されて
いる。

図において符号１で示される可変プーリは軸１０に固定
されたハブ２上に組立てられており、第１のフランジ部
材３は機器駆動のためのプーリ４とともに前記ハブ２の
一端部に形成した鍔縁５にボルト６により固定され、第
２のフランジ部材７はその中心部に一体に形成した円筒
形の部分８によつて前記ハブ２に回転自在かつ軸方向に
摺動自在に軸架される。

第１のフランジ部材３の中心部にはやや大径の中心孔９
が設けられており、前記第２のフランジ部材７が軸方向
に摺動するとき、その円筒形の部分８を前記中心孔９に
受け入れ、第１および第２のフランジ部材３，７の接近
を許容している。これら第１および第２のフランジ部材
３，７は外形が円形をなし、その外周から半径ほぼ１１
２内側まての部分には対向面に截頭円錐面状の摩擦面１
１，１２が形成されており、プー１Ｊ１の回転中心軸を
含む面内において実質的に■字状の空間を形成する。

第２のフランジ部材７の背面には前記ハブ２の他端部に
形成した段部にその中心部を係合せしめた覆い板１３が
固定される。

該覆い板１３はその主要部が外形が円形で皿状に膨出す
る形状に成形され、その外周縁には３個所に覆い板１３
の外周より直径方向外方へ突出するほぼ三角形状の取付
縁１４が一体に形成されており、一方第２のフランジ部
材７には前記覆い板１３の外径より外側位置に覆い板１
３の背面側に突出する断面梯形の取付部材１５が一体に
形成されており、第２図を参照するとよく理解できるよ
うに、前記取付縁１４に螺装したボルト１６と前記取付
部材１５に螺装したボルト１７との間に、ほぼ円弧状に
打ち抜かれた板ばね１８がその両端部て取付けられ、第
２のフランジ部材７と覆い板１３とを結合している。第
２のフランジ部材７の覆い板１３に対する対向面には直
接該フランジ部材７に、あるいは第１図に示すように該
フランジ部材７と同軸にかつ前記円筒形の部分８にスプ
ライン結合させて設けた補助部材１９に回転中心軸に垂
直の平面部２０を形成するとともに、覆い板１３の第２
のフランジ部材７に対向する面には中心部に平面部２１
を、その外方に截頭円錐面部２２を形成する。

補助部材１９と前記フランジ部材７との間にはばね２３
が介装され、補助部材１９を覆い板１３に近接するよう
に弾発している。前記第２のフランジ部材７の円筒状部
８とハブ２との間にはベアリング部材２４が介装され、
前記部材７のハブ２上における回転と軸方向の摺動とを
保証している。遠心作動部材３０は第３図にその一半を
側面図で、他の一半を断面図で示したように、短軸３１
を軸方向に３個の区間にわかち、その両側端の区間に所
定半径の円筒部材３２，３２を焼き嵌め等の手段により
固着せしめ、その中央部の区間に円筒形の回転部材３３
をローラピン３４を介して回転自在に設け、かつ該回転
部材３３の外径を前記円筒部材３２，３２の外径よりや
や大径に形成したものである。

前記遠心作動部材３０は第１図に示すように第２のフラ
ンジ部材７と覆い板１３との間において、短軸３１の軸
方向を可変プーリ１の円周方向の接線に平行して挿置さ
れるもので、前記平面部２０と截頭円錐部２２の間に在
つて可変プーリ１が回転せしめられたとき遠心力により
該プーリ１の半径方向外方に移動し、覆い板１３と第２
のフランジ部材７とを離間せしめるとともに、第２のフ
ランジ部材７と第１のフランジ部材３とを近接せしめる
ものであつて、前記遠心作動部材３０の円筒部材３２お
よび回転部材３３の外径の差は次のように定められる。

即ち、第４図は第１図における補助部材１９の平面部２
０を含む面て断面し、第１図左方より見た一部欠截断面
図てあり、第５図は第４図Ｖ−■線に沿う拡大部分断面
図、第６図は同じく第４図て■−■線に沿う拡大部分断
面図を示し、第４図で明らかなように短軸３１の軸方向
はプーリ１換言すれば補助部材１９の円周方向の接線に
平行に置かれている。そして円筒部材３２，３２の外端
縁にはエッジ３５を境界線として截頭円錐面３６が形成
されている（第３図参照）。そして該エッジ３５を通る
線Ｖ−■に沿う断面図である第５図によつて明らかなよ
うに、覆い板１３に形成した截頭円錐面部２２と遠心作
動部材３０とは円筒部材３２，３２のエッジ３５により
点３６で相互に接触するか、短軸３１の中心軸と点３６
を含む第５図■−■線の断面について考えると覆い板１
３の截頭円錐面部は第３図一点鎖線のように現われ、回
転部材３３の外径は円筒部材３２の外径より大きいが截
頭円錐面部２２に接する径よりは小に形成される。遠心
作動部材３０の回転部材３３の外径は上述のとおり円筒
部材３２の外径よりやや大に形成されるので、第５図に
示すごとく円筒部材３２はそのエッジ３６でフランジ部
材１３の截頭円錐面部２２に接するが、補助部材１９の
平面部２０に接することなく、また第６図に示すごとく
遠心作動部材３０の回転部材３３はフランジ部材１３の
截頭円錐面部２２には接することなく、補助部材１９の
平面部２０に接することとなる。

このように構成された遠心作動部材３０は可変プーリ１
の作動にあたり次のように有利に作用する。

即ち可変プーリ１が回転し、遠心作動部材３０に遠心力
が該プーリの半径方向に作用したとき、遠心作動部材３
０は第５図および第６図において図の右方に転動せしめ
られるものであることが理解されよう。従つて截頭円錐
面部２２に接触しつつ右方へ転動しようとする円筒部材
３２は反時計方向に自転し、短軸３１に反時計方向の回
転を与える。一方平面部２０に接触しつつ右方へ転動し
ようとする回転部材３３は時計方向に自転する。ここに
回転部材３３の自転方向と短軸３１に与えられる回転方
向とは反対であるが、回転部材３３はローラピン３４を
介して短軸３１に回転自在に軸架してあるとともに円筒
部材３２に対しても回転自在てあるので、遠心作動部材
３０は截頭円錐面部２２および平面部２０の何れにも転
がり接触によつて転動する。そしてばね２３の弾力等に
よりフランジ部材７と覆い板１３を近接するように弾発
する何らかの力が作用しているとき、あるいは遠心作動
部材３０に遠心力が作用しているときは、円筒部材３２
のエッジ３５が短軸３１の・両端部て截頭円錐面部２２
に接触を保とうとする傾向を示し、そのため短軸３１の
軸は常にプーリ１の円周方向の接線方向に自己修正によ
つて軸方向を維持する。従つて従来のボールのような遠
心作動部材の遠心作動を利用した自動変速装置の可・変
プーリにおいてはボールの移動のためのガイドが必要不
可欠であつたが、本発明においては遠心作動部材３０の
ガイドは必要でない。ただ複数個の遠心作動部材３０を
プーリの円周方向に間隔を置いて配置する場合、間隔を
正しく保たないと振ｊ動を発生するおそれがあるのて、
スペーサ２５を前記フランジ部材７あるいは補助部材１
９の平面部２０上に間隔を置いた配設するとよい。該ス
ペーサ２５の端縁２６を遠心作動部材３０のガイドの役
割りをさせることも可能である。上述の可変プーリとと
もに■ベルト４０を介して連係される他方のプーリ１０
１は、軸２００に固定されたハブ１０２上に組み立てら
れており、一方のフランジ部材１０３は軸２００にキー
２０１によソー体回転をするように結合されたスリーブ
２０２の鍔縁２０３と前記ハブ１０２の鍔縁１０４と結
合部材１０５とを介してボルト１０６により結合され、
軸２００と一体に回転せしめられる。

第２のフランジ部材１０７はその中心部に一体に形成し
た円筒形の部分１０８によつて前記ハブ１０２に回転自
在にかつ軸方向に摺動自在に軸架される。第１のフラン
ジ部材１０３の中心部分には前記円筒形の部分１０８の
外径よりも内径の大なる軸筒１０９を形成しており、截
頭円錐形状の皿ばね１１０，１１１の周縁を環状部材１
１２の両側に係合させ、これら皿ばね１１０，１１１を
その中心孔で前記フランジ１０７の円筒形の部分１０８
に嵌め、皿ばね１１０の中心孔側脚片の側面を前記フラ
ンジ１０７の軸筒１０９の軸方向端部に当接させるとと
もに他方の皿はね１１１の中心孔側脚片の側面を前記円
筒形の部分１０８の軸端にキーリング１１２で止着した
止め環１１３に当接させ、はね装置１１４を構成せしめ
る。前記ハブ１０２に軸架されたフランジ部材１０７の
外周部側縁には３個所に取付縁１１５を突出させるとと
もに、ハブ１０２の鍔縁１０４の周縁には３個所に直径
方向に延在する取付部材１１６を設け、前記取付縁１１
５と取付部材１１６との間に弧状の板ばね１１７の両端
をボルト１１８，１１９により固着することにより、前
記フランジ部材１０７とハブ１０２とを連結せしめる。
この弧状板はね１１７を用いた連結は、先に説明したプ
ー１Ｊ１におけるフランジ部材７の取付部材１５と覆い
板の取付突縁１４とを板ばね１８て連結した方式と同一
てある。第２図て明らかなように皿はね１１０，１１１
は中心孔に開口する複数の切り込み１２０により中心孔
側に自由端１２１を有する複数の脚片を形成したものを
使用すると、脚片の形状を選択することにより任意のば
ね特性のものが得られる。

このように構成されたプー１川０１は、第１および第２
のフランジ１０３，１０７の外径が円形に形成され、そ
の外周から半径のほぼ１ノ２の内側までの部分には対向
面に截頭円錐面状の摩擦面１２２，１２３が形成されて
おり、プーリ４１の回転中心軸を含む面内において実質
的に■字状の空間を形成し、かつばね装置の弾力により
自由状態において前記ｖ字状の空間を最も狭い状態に両
フランジ部材４３，４７を圧接している。第１図は、叙
上のように構成したプー１川０１を駆動軸２００にキー
２０１およびボルト２０４によつて固着するとともに、
プーリ１を固定軸１０上に回転自在に支承せしめ、プー
リ４１の第１フおよび第２のフランジ部材１０３，１０
７間に形成したＶ字状空間と、プーリ１の第１および第
２のフランジ部材３，７間に形成した■字状空間とに■
ベルト４０を挿入して両プーリ１０１，１間に張架せし
めて自動変速装置を構成せしめ、プーリ１に固着したプ
ーリ４により機器（図示せず）を回転駆動せしめるよう
にしたものである。

この実施例装置においては、駆動軸２００が回転しはじ
め、あるいはクラッチ（図示せず）を介して原動機の回
転駆動が駆動軸６０に伝達されるノとハブ１０２を介し
てプーリ１０１の第１および第２のフランジ部材１０３
，１０７が回転され、ばね装置１１４の弾力で截頭円錐
面状の摩擦面１２２，１２３の間に挟持されているＶベ
ルト４０は遠心力により１０１の大径部に移動し、同時
に該■ベルト４０がプーｌ川の截頭円錐面状の摩擦面１
１，１２間に挾持されている部分はばね２３の弾力に抗
して小径部に移動し、プーリ１は大きな速度比（駆動側
の回転速度に対する被駆動側の回転速度の割合）で駆動
される。プーリ１の回転が次第に高くなると、遠心作動
部材３０は遠心力てプー１川の半径方向外側に押し出さ
れ、覆い板１３の截頭円錐面部２２および補助部材１９
の平面部２０間に圧入され、第２のフランジ部材１２を
回転中心軸の軸方向に摺動させて第１のフランジ部材３
に近接せしめ、Ｖ字状の空間を狭めて有効プーリ半径を
拡大する。また同時に該プー１川に摩擦接触している■
ベルト４０に作用する遠心力も増大し、Ｖベルト４０に
は第１および第２のフランジ部材３，７の摩擦面１１，
１２間を半径方向外方に移動せしめられる力が作用する
。この力によりプーリ１０１に摩擦接触しているＶベル
ト４０はばね装置１１４の弾発力に抗して第２のフラン
ジ部材１０７を回転中心軸の軸方向に摺動させ、第１お
よび第２のフランジ部材１０３，１０７間の■字状の空
間を拡げ、プー！ＪｌＯｌの有効プーリ半径を縮小する
。かくして速度比は自動的に減ぜられる。そして叙上の
自動変速作動にあたつて遠心作動部材３０は覆い板１３
の截頭円錐面部２２と補助部材１９の平面部２０とに接
触を保ちつつ半径方向に移動するが、前述したように截
頭円錐面部２２には円筒状部材３２が、平面部２０には
回転部材３３がそれぞれ単独て転がり接触し、両部材３
２，３３の短軸３１に関する回転方向は反対であつても
両者が回転自在となつているので、遠心作動部材３０の
転動は円滑て摩擦は殆んど発生せず、かつ截頭円錐部２
２に遠心作動部材３０の両端部で接触するので、短軸３
１の軸方向を常に回転中心軸に対しその円周方向の接線
に平行になるよう自己修正するので、該遠心作動部材３
０が截頭円錐面部２２と平面部２０との間に何らかの力
で挟持されている限り、該遠心作動部材３０の移動方向
を規制するガイドがなくとも変速作用は達成し得る。

第７図は、前記実施例において遠心作動部材を有する可
変プーリのフランジ部材１２に截頭円錐面部を、覆い板
に平面部を形成した変形例を示すもので、第１図と同一
部分は同一符号を示す。

この変形実施例のプーリ５１は、前記第２のフランジ部
材７の円筒形の部分８にスプライン結合させて同軸的に
補助部材５２を設け、該補助部材５２にはその自由端縁
を円筒形の端縁５３となし、その内面に刻設したスプラ
イン５４により覆い板５５を回転中心軸の軸方向に摺動
自在に結合させるとともに、該覆い板５５を軸１０にボ
ルトて結合したものである。そして、前記補助部材５２
と覆い板５５のそれぞれの対向面には截頭円錐面部５６
と平面部５７とが形成され、遠心作動部材３０が両者間
に挿置されるとともにばね５８の弾力て両者間に挟持さ
れている。この変形実施例によるときは、プーリ５１の
回転が高まり遠心作動部材３０が遠心力によつて補助部
材５２と覆い板５５との間に形成されている楔状空間に
圧入されると、補助部材５２を介して第２のフランジ部
材７を第１のフランジ部材３に近接させ、■ベルト４０
が架装される有効プーリ径を拡大させ、そしてこの際遠
心作動部材３０は截頭円錐面部５６にも平面部５７にも
転がり接触で転動するので、前記実施例と同一の作用効
果を奏することができる。

第８図は本発明の遠心作動装置を遠心クラッチに施した
一実施例を示す。

図において駆動軸６０に固定したハブ６１には第１のフ
ランジ部材６２が該部材６２の基筒部６３が軸受６４に
より回転自在に軸支され、他方のフランジ部材６５はそ
の中心部に一体に形成した円筒形の部分６６によりハブ
６１に回転自在にかつその軸方向に摺動自在に架装され
る。両フランジ部材６２，６５の主要部分は円板状に形
成せられ、その対向面には支板６７，６８に支承された
摩擦板６９，７０が設けられており、前記フランジ部材
６２の中心部に穿設された中心孔７１は前記フランジ部
材６５の円筒形の部分６６を受け入れる大きさてあつて
、該中心孔７１内に前記部分６６と固定部７２との間に
設けたばね７３の弾力により前記摩擦板６９，７０を開
放する方向に前記フランジ部材６５を弾発させている。
７４は機器（図示せず）駆動用のプーリでボルト７５に
よつてフランジ部材６２の基筒６３に取付けられている
。

前記第２フランジ部材６５の背面には覆い板１３が前記
ハブ６１に固着され、また前記フランジ部材６５の背面
にはその円筒状の部分６６にスプライン結合されて補助
部材１９がばね２３とともに設けられ覆い板１３に形成
された截頭円錐面部２２と補助部材１９の平面部２０と
の間に遠心作動部材３０が挿置され、前記覆い板１３の
周縁から突出した取付縁１４とフランジ部材６５から突
出した取付部材１５との間に円弧状の板はね１８を張架
し、ボルト１６，１７によつて取付けている。

これらの構造および作用効果は第１図に示すものと同一
であり、同一の部分には同一符号を付して示した。以上
のように構成された遠心クラッチは、駆動軸６０の回転
が低いときはばね７２の弾力に抗して遠心作動部材３０
は半径方向外方に転動しないが、駆動軸６０が所定の回
転数より高い回転となると、遠心作動部材３０は遠心力
で覆い板１３の截頭円錐面部２２と補助部材１９の平面
部との間に圧入され、補助部材１９を介して押される第
２のフランジ部材６５はばね７３の弾力に抗して図の右
方へ摺動し、該フランジ部材６５に取付けた摩擦板７０
を前記第１のフランジ部材６２に取付けた摩擦板６９と
接触せしめ、第１のフランジ部材６２を摩擦接触させな
がらハブ６１上において同一方向に回転せしめ、さらに
駆動軸６０の回転が高くなると摩擦板６９，７０間に強
い圧着を生せしめて、第１および第２のフランジ６２，
６５が一体回転をなすに至る。

かくて駆動軸６０の駆動力はプーリ７４および該プーリ
に張架せしめられたベルトを介して所望の機器に伝達せ
られる。駆動軸６０の回転が所定の回転数以下に低下す
れば、遠心作動部材３０の遠心力により第２のフランジ
６５を押す力はばね７３の弾力より低くなるに至り、摩
擦板６９，７０の圧接は断たれ、プーリ７４に回転は伝
達されない。本実施例においては、ハブ６１の回転が覆
い板１３、板ばね１８、第２のフランジ部材６５および
補助部材１９を介して遠心作動部材３０を回転中心軸の
周りに回転せしめる点において第１図に図示の実施例と
全く同一構成であるので、これら構成の作用効果は第１
図図示の実施例の作用効果と同一であるのて説明は省略
するが、本実施例装置においては遠心クラッチにおいて
は遠心作動部材３０として短軸３１の両端部分に円筒形
部材３２を同軸的に固定し、短軸の中間部分には前記円
筒形部材３２の外径よりやや外径の大なる円筒形の回転
部材３３を短軸３１および円筒形部材３２に対し回転自
在にかつ同軸的に設けたものを用いているので、遠心ク
ラッチの接続または解離のクラッチ作用が行われる間は
截頭円錐面部２２に対しては円筒形部材３２が、平面部
２０に対しては回転部材３３がそれぞれ転がり接触し、
摺動抵抗、を生じないから、クラッチ作用時に振動や打
音が出ることはない。

なお第９図に第１図矢印Ａ方向からみたプーリ１０１の
側面図を示す。以上詳細に説明したように本発明は、回
転中心軸の軸方向に相対的摺動を可能とした２個のフラ
．ンジ部材と、前記回転中心軸に関し半径方向の移動を
許容されるように装置された遠心作動部材とを含み、前
記遠心作動部材が遠心力により半径方向に移動すること
によつて前記２個のフランジ部材を直接あるいは介在物
を介して摩擦係合作用す・べくした自動変速装置の可変
プーリあるいは遠心クラッチ等の遠心作動装置において
、前記遠心作動部材は、短軸の両端部分に同一外径の円
筒形部材を同軸的に固定し、前記短軸の中間部分には該
円筒形部材の外径よりやや外径の大なる円筒形の回転部
材を前記短軸の周りに同軸的に回転自在に支承したもの
とし、該遠心作動部材が接触せしめられる対向面の一方
は回転中心軸を中心軸とする截頭円錐面部に、他方は回
転中心軸に垂直な平面部とするとともに、前記遠心作動
部材をその短軸の中心軸を前記回転中心軸に関し円周方
向の接線方向と平行になるように配設したものであるか
ら、遠心作動装置の回転にあたり遠心作動部材が）遠心
力により回転中心軸の半径方向に移動するときはその移
動方向は前記短軸の中心軸に直角方向となり、かつ遠心
作動部材の円筒形部材と回転部材とは接触面てある截頭
円錐面部と平面部に転がり接触をしながら転動する。

このとき截頭円錐面・部は遠心作動部材の回転軸を含む
面内の断面は円弧状をなすので、遠心作動部材の截頭円
錐面部への接触は短軸の両端部における円筒形部材が担
当し、平面部への接触は外径の大きい回転部材が担当す
るので、円筒形部材と回転部材とが截頭円錐”面部また
は平面部の何れか一方に同時に接触することはない。そ
して截頭円錐面部と円筒形部材との接触による転がり回
転の回転方向と、平面部と回転部材との接触による転が
り回転の回転方向とは全く逆方向であるが、回転部材は
短軸ならひに円筒形部材に対し回転自在てあるので、遠
心作動部材の移動に伴う摩擦抵抗は転がり摩擦のみて著
るしく小さい。従つて従来のもののように圧接面上を摺
動するものに比して振動やガタを生するおそれは殆んど
ない。また截頭円錐面部と円筒形部材との転がり回転は
、短軸の軸方向を截頭円錐部の中心線を中心とする周円
の接線方向に平行して、かつ短軸のほぼ両端部付近て截
頭円錐面部と接触しつつ転がり回転をするものであるか
ら、遠心作動部材の軸方向が前記接線方向から外れよう
とすると、短軸の両端部付近の接触点て前記接線方向に
戻そうとする力を生ずるので、常に前記接線方向に軸方
向を戻そうとする自己修正が行われ、遠心力による摩擦
係合に不均衡を生ぜしめることはない。

本発明は以上のようにフランジ部材の側には回転中心軸
を中心軸とする截頭円錐面および回転中心軸に垂直な面
を形成することを必須とするが、これらの面は工作容易
であり、遠心作動部材は短軸、２個の円筒形部材および
円筒形の回転部材ならびに必要に応じ該回転部材を回転
自在に支承する軸受部材を必要とするが、これら何れの
部材も工作ならびに入手は容易であり、組付け分解も簡
便にできるので、取扱いの容易で安定した遠心作動装置
が廉価で提供できる特長を有するものである。

なお本発明は次に記載の態様において実施することがあ
るものである。

（１）前記第１および第２のフランジ部材を前記回転中
心軸を含む面内において両フランジ部材間に実質的に■
字形の空間を形成し、該空間を隔てて対向する両フラン
ジ部材の対向面を■ベルトを係合せしむべき摩擦面とし
て自動変速装置における可変プーリとしたことを特徴と
する特許請求の範囲に記載の遠心作動装置。

（２）前記第１および第２のフランジ部材とを相対的に
回転自在とし、両フランジ部材の対向面にそれぞれ摩擦
係合部材を担持せしめた遠心クラッチとしたことを特徴
とする特許請求の範囲に記載の遠心作動装置。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図はその一実
施例の断面図、第２図はその側面図、第３図は遠心作動
部材の一半を側面図で、他半を断面図て示した図、第４
図は前記実施例の一部欠截側面図、第５図は第４図■−
■線に沿う要部断面図、第６図は第４図■−■線に沿う
要部断面図、第７図はその変形実施例における断面図、
第８図は他の実施例における断面図、第９図は第１図矢
印Ａ方向からみたプーリ１０１の側面図をそれぞれ示す
ものである。なお図中符号、３，６２は第１のフランジ部材、７，６
５は第２フランジ部材、８，６６はその円筒形の部分、
１３，５５は覆い板、２０，５７は平面部、２２，５６
は截頭円錐面部、３０は遠心作動部材、３１はその短軸
、３２はその円筒形部材、３３はその回転部材、をそれ
ぞれ示すものである。

Claims

【特許請求の範囲】

１回転中心軸の軸方向に相対的摺動を可能とした２個
のフランジ部材と、前記回転中心軸に関し半径方向の移
動を許容されるように装着された遠心作動部材とを含み
、前記遠心作動部材が遠心力により半径方向に移動する
ことにより前記２個のフランジ部材を直接あるいは介在
物を介して摩擦係合作用すべくした遠心作動装置におい
て、前記一方のフランジ部材には、該部材と同軸的に、
かつ該部材とほぼ一体的に回転する覆い板を設け、該覆
い板と前記フランジ部材との相体面には、何れか一方に
前記回転中心軸を中心軸とする截頭円錐面部を、また他
方には前記回転中心軸に垂直な平面部を有せしめ、前記
遠心作動部材は、短軸の両端部分に同一外径の円筒形部
材を同軸的に固定し、前記短軸の中間部分に該円筒形部
材の外径よりやや外径の大なる円筒形の回転部材を前記
短軸の周りに回転自在に支承したものとし、前記截頭円
錐面部と平面部との間に、前記遠心作動部材を、その短
軸の軸方向が前記回転中心軸に関し円周方向の接線に平
行するように挿置し、前記遠心作動部材の円筒形部材が
前記截頭円錐面部に、またその回転部材が前記平面部に
、それぞれ転がり接触して半径方向に移動することによ
り、前記第１および第２のフランジ部材の摩擦係合作用
を完成させるようにしたことを特徴とする遠心作動装置
。