JPS6046025B2 - 型板の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、例えば盆、茶碗、その他漆器類等の物品に塗
料を吹き付けて装飾を施す際に使用する型板の製造方法
に関する。

盆或いは茶椀等の器類の加飾方法としてスクリーン印刷
かあり、この方法は大量生産に適するが曲面を有する器
類には実施し難く、また高価な印刷装置を必要とする等
の不利がある。

これに対し、小量生産にも適し且つ曲面器類にも加飾で
きる方法として、シート状の型板を使用して塗料を噴霧
する方法がある。しかしながら、この噴霧加飾に使用す
る型板には、複雑な模様を成形しなければならなく、こ
の型板の製造が極めて困難である。

本発明は、変形可能で且つ複雑な模様の型板であつても
、簡単且つ容易に製造できる型板の製造方法を提供する
ことを目的とする。

本発明における腐食加工可能な金属薄板とは、例えばＯ
、５ＴＷＬ前後のアルミニウム板又は亜鉛板等であり、
比較的柔軟て耐久性の優れた金属が好ましく、腐食液、
例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ
水溶液で腐食される。

亜鉛板の場合は硝酸水溶液が好ましい。光硬化性樹脂は
紫外線照射設備から発生する３０００〜４５００オング
ストロームの紫外線を照射することで、短時間のうちに
重合反応を起こし、液状物質から固体状物質へ物性変化
するものて、紫外線照射の際に樹脂表面に特定の模様を
黒く画いた遮光体を配置しておくことにより、その模様
の部分だけが硬化されず、（溶剤を使用して）除去でき
る。

尚、前記腐食液は光硬化性樹脂を侵さないものであるこ
とは勿論である。遮光体は前記特定の模様を画いた原稿
から写真複写したネガフィルムであり、このネガフィル
ムはプリント配線の製法に使用されるものと同様のもの
が使用できる。

以下、本発明の実施例を図面に基いて説明する。

第１図は盆或いは茶椀等の被飾体に加飾する模様、即ち
絵柄１の１側を示しており、絵柄１を黒塗りて画いた原
稿を写真でとつてネガを作成する。

このネガは絵柄１が黒い部分、その他の残部は透明な部
分２となつたフィルムである。第２図において、５はア
ルミニウム板、亜鉛板等の腐食加工可能な金属薄板で、
Ｏ、５ｗｒｍ前後の薄さに形成されていて彎曲可能であ
る。

この金属薄板５の一面に接着剤６、例えばストレートア
スフアルトを塗布し、その上に光硬化性樹脂７（商品名
［．ＡＰＲ」「テビスタ」等で市販）を塗布する。前記
光硬化性樹脂７は光があたる前は溶剤に溶けるが、光が
あたると溶けなくなる（硬化）ものてあり、硬化した部
分は接着剤６により強固に金属薄板５と接合される。こ
の光硬化性樹脂７は金属薄板５より厚く、１．０Ｔｆｒ
ｆｆＬ前後の厚さの層に形成され、型板の主体となる。
また光硬化性樹脂７は接着剤として使用できることが知
られており、よつて前記接着剤６を塗布しなくとも金属
薄板５に接合することは可能である。８は前記絵柄１等
の特定の模様を形成したネガフィルム、即ち、絵柄１が
遮光部、透明な部分２（ハンチング部分）が光通過部と
なつた遮光体である。

この遮光体８は光硬化性樹脂７上に配置されるが、前述
した如く光硬化性樹脂７は接着性を有するので、フッ素
樹脂（例えば四フッ化エチレン）等の剥離剤９を塗布し
、又はフッ素樹脂製フィルムを介挿して遮光体８の剥離
を容易にしておくことが好ましい。以上のように４層に
形成された素材の表面に遮光体８を配置し、その上から
紫外線を照射すると、光硬化性樹脂７は透明な部分２の
下方が硬化し、絵柄１の下方は硬化しない。

光照射後、遮光体８を剥離し、剥離剤９を除去する。更
に、前記硬化していない光硬化性樹脂７の部分を溶剤で
溶かし又はブラシ等で水洗いして除去すると共に、その
部分の金属薄板５上の接着剤６をブラシ等で洗浄し又は
溶剤で溶かしながら除去する。第３図は以上のようにし
て形成された中間製品を示しており、１１は絵柄１と同
形状の空白部であり、この空白部により金属薄板５の一
面５ａは露出している。

この露出面５ａにアルカリ水液（アルミニウム板の場合
）又は硝酸水溶液（亜鉛の場合）等の腐食液を吹き付け
る。腐食液を吹き付けられた金属薄板５は露出面５ａの
部分だけが腐食され、硬化後の光硬化性樹脂７の形状、
即ち透明な部分２と同形状になり、空白部１１は金属薄
板５を貫通して形成される。前記金属薄板５の腐食は腐
食液に漬けて行なつ−ても良い。

その場合は、金属薄板５の裏面５ｂに塗料又は合成樹脂
を塗布し、裏面５ｂからの腐食を防止しておく。以上の
如くして製造された第４図に示す型板Ａが完成品であり
、絵柄１と同形状の空白部１１が装飾用塗料の通過可能
な孔となり、型板Ａを被飾体上に置いて、塗料を噴霧す
ることにより、原稿と同一の絵柄１を加飾できる。

この型板Ａの金属薄板５は光硬化性樹脂７を補強するた
めに設けてある副部材であ。

即ち、写真゛印刷の原版と異なり、金属薄板５を穿孔す
る程度まで腐食させる場合は、絵柄１と同一の細かい線
状突起まで形成し難く、非腐食部分にまで食込んで腐食
されることがある。そこで正確な絵柄１は主部材である
光硬化性樹脂７に形成し、金属薄板５は光硬化性樹脂７
の形状を保持すると共に、被飾体の彎曲面に合せて変形
及び復元することを可能にしている。型板Ａは第４図の
形状であれば空白部１１と同一の形状以外は加飾し難い
が、空白部１１を形成している周縁１２に第５図に示す
ように、局部的な折曲部１３を形成することにより、こ
の折曲部１３の下方にも少量の塗料が噴霧され、絵柄１
の局部にボカシ状部分を加飾することができる。

前記折曲部１３の形成及び維持も金属薄板５を設けるこ
とによつて為し得るものである。本発明は以上の如く、
複雑な模様を形成し且つ彎曲等の変形が要求されるため
に金属薄板を用いる型板であつても、正確な形状に且つ
簡単に製造することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明方法の実施例を示しており、第１図は原稿
又は遮光体の１例を示す平面図、第２図は光照射前の素
材を示す断面拡大説明図、第３図は中間製品の断面拡大
説明図、第４図は完成した型板を示す断面拡大説明図、
第５図は型板の一使用形態を示す断面拡大説明図である
。 １・・・・・・絵柄、２・・・・・・透明な部分、５・
・・・・・金属薄板、５ａ・・・・・・露出面、６・・
・・・・接着剖、７・・・・・・光硬化性樹脂、８・・
・・・・遮光体、９・・・・・・剥離剤、１１・・・・
・・空白部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 腐食加工可能で且つ柔軟性を有する金属薄板の一面
   にこれより厚肉状に光硬化性樹脂を塗布し、この樹脂上
   に所望の模様を形成した遮光部と光通過部とを有する遮
   光体を重合配置し、この遮光体に光照射して樹脂を硬化
   させ、前記遮光体及び非硬化樹脂を除去した後に、前記
   金属薄板の一面の露出面に腐食液を供給して金属薄板を
   穿孔することを特徴とする型板の製造方法。