JPS6045534B2

JPS6045534B2 - 歯科補綴物の製造装置

Info

Publication number: JPS6045534B2
Application number: JP17266282A
Authority: JP
Inventors: 昭之住友; 重夫山本
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1982-09-30
Filing date: 1982-09-30
Publication date: 1985-10-09
Also published as: JPS5962047A

Description

【発明の詳細な説明】この発明は、フラスコ内で歯科補綴物を成形する場合に
用いられる歯科補綴物の製造装置に関するものである。

歯科補綴物の１種である有休義歯の製造に際しては、患
者の口腔内にうまく適合する蝋義歯を先す製作し、この
蝋義歯の蝋でつくられた義歯床を強度的にすぐれたアク
リルレジンなどの合成樹脂（レジン）で置き換えて製品
とすることが一般的−に行なわれている。蝋義歯の義歯
床をレジン床に置き換えるために従来採用されてきた方
法の概要は次の通りである。

先ず、上下に分解可能なフラスコ（金属製容器）中て蝋
義歯を石膏に埋没し、石膏を硬化させたのち義歯床を形
成する蝋を除去（法螺と呼ふ）する。この法螺は、フラ
スコを熱湯中に２〜３分間浸漬し蝋を軟化させてから、
フラスコを上下に分解し、ヘラなどを利用して人手で蝋
を取り除く方法により行なわれる。蝋を取り除いた後の
凹部は熱湯で洗滌するのが普通である。これによりフラ
スコ内に義歯の陰型が形成される。法螺した後に形成さ
れる空洞状の陰型の内面（石膏面）にレジン分離剤（離
型剤）を薄く塗布し、上記陰型の部分にモチ状のレジン
を充顛して上下フラスコを重ね合わせプレスなどで加圧
しつつレジンを加熱重合させる。

これによりレジン床が形成されるのである。しカルなが
ら上記従来の方法では次にあげるような種々の欠点があ
つた。

（１）途中でフラスコを分解（分割）し再度重ね合わせ
るので陰型の横方向のズレが生じやすい。

（２）レジンを充顛しフラスコを重ね合わせたとき重ね
合わせ部分からレジンがはみ出し、バリを生ずるため上
下方向の位置のズレが生じやすい。（３）法蝋時に人工
歯相互の位置関係のズレが生じやすい。

（４）上記バリが発生するため仕上げ研磨に手間がかか
る。

義歯は患者の口腔内にうまく適合するよう精密に製作さ
れる必要があり、少しの狂いがあつても充分な機能が発
揮されす、使用時に違和感を生じるので、上記レジン床
の形成時における位置関係のズレは大きな問題となつて
いた。

本発明者は、ズレのないレジン床を形成する方法を前に
提案した（特開昭５７−６６７４９）が、今回の発明は
上記ズレのないレジン床の形成に直接使用される装置を
提供するものであり、これについて以下に説明する。

本発明にかかる歯科補綴物の製造装置は、該補綴物成形
用のフラスコを保持する保持手段と蒸気発生装置、およ
び蒸気発生装置から発生する蒸気をフラスコの注入口に
導き、該注入口からフラスコ内に適宜注入する蒸気供給
手段をそなえてなる。

以下、図面にあられされた実施例について説明すれは、
第１図Ａ，ｂは本発明にかかる歯科補綴物の製造装置（
以下、単に製造装置と呼ぶ）の１例をあられす側面図お
よび正面図であり、この製造装置１はケース２の部にフ
ラスコ保持手段であるホルダー３をそなえ、ケース内部
には加熱釜４、水タンク５、ポンプ６が設けられている
。

ホルダー３は、アーチ形の屋根１０、側壁１１，１「お
よび背面板１２からなるカバー１３と、バイス１４をそ
なえている。バイス１４は、ケース２の前板２ａにビス
１５で固着したねじ穴１６付きの支持具１７と、該支持
具１７に螺着されたスクリューロッド１９からなり、該
スクリューロッド１９の先端部には当て金２０が、また
後端部にはツマミ２１がそれぞれ設けられている。第２
図は、製造装置１の構造を模式的にあられすもので、キ
ャップ２３ａ付きの給水管２３を通して水タンク５内に
注入された水２４は、押しボ．タンスイッチ２５によつ
て寸動させられるポンプ６によつて吸い上げられ、加熱
釜４内に適宜供給される。加熱釜４は鋳物でつくられた
密閉容器４ａの外周部にヒーター２６を巻回してなり、
使用中は容器４ａ内部が常に１００℃以上の高温状態に
．保たれる。このため、ポンプ６により注入管２７を通
して容器４ａ内に注入された水は、直ちに気化して高圧
の水蒸気となり、蒸気通路２９を通つてノズル３０から
吐出されるのである。この場合、水蒸気はノズル３０か
ら吐出されたときに急，膨張するため、ある程度温度が
低下する。このため、水蒸気による火傷事故は起こりに
くくなる。図中３１はヒーター２６用の電源スイッチ、
３２，３２″はパイロットランプである。第３図は歯科
補綴物成形用のフラスコの外観図であり、第４図は内部
の状態をあられす平面図である。

このフラスコ４０は上容器４０ａと下容器４０ｂおよび
底板４０ｃからなり、底板４０ｃの中央部に蒸気注入用
の蒸気注入口４１が穿設されている。また、下容器４０
ｂと上容器４０ａとの接合部には、フラスコ内部に通じ
る排出口４２，４２，・・・・が設けられている。この
フラスコ４０の内部には、蝋義歯４３が石膏４４によつ
て埋没ノ保持され、該蝋義歯４３と上記排出口４２およ
び蒸気注入口４１とがパラフィンワックスの連絡路４５
で接続される。蝋義歯４３の埋没されたフラスコ４０は
、第１図に示すようにホルダー３によつて保持される。

すなわち、フラスコ４０の底板４０ｃに設けられている
蒸気注入口４１にノズル３０の尖端部を挿入し、前方か
らバイス１４で押し付けることによつて、フラスコ４０
がノズル３０とバイス１４の当て金２０との間で強固に
保持されるのである。図かられかるように、フラスコの
着脱はきわめて簡単である。なお、ホルダー３の屋根１
０には排気筒３５が設けられており、吸塵装置３６の吸
引口３７をこれに接続してフラスコ４０の排出口４２か
ら排出される蒸気、パラフィンワックスの粉塵等を吸引
することができるように構成されている。つぎに、この
製造装置１の使用法について説明すれば、先ずタンク５
の内部に給水管２３を通して充分な量の水を供給すると
ともに、ヒーター用電源スイッチ３１を０Ｎにして加熱
釜４を加熱する。

しかるのち、熱湯に浸漬する等の手段でワックスである
程度軟化させた蝋義歯埋没フラスコ４０をホルダー３に
取り付け、押ボタンスイッチ２５を押せば、タンク５内
の水２４はポンプ６によつて吸い上げられ、高温に加熱
されている加熱釜４内に供給される。加熱釜４内に供給
された水滴は前述の如く瞬時に高圧の水蒸気となり、ノ
ズル３０からフラスコ４０内に吹き込まれるのである。
ポンプ６は押ボタンスイッチ２５によつて寸動させられ
るので、押ボタンスイッチ２５を断続的に押圧操作する
ことにより、水蒸気をフラスコ４０内へ間欠的に供給す
ることができる。フラスコ４０内に吹き込まれた水蒸気
は、連絡路４５および蝋義歯のパラフィンワックスを軟
化させ、排出口４２からフラスコ外へ押し出す働きをな
す。

これによつてフラスコ４０の内部には空洞状の陰型が形
成される。上記水蒸気よるパラフィンワックスの除去は
、熱湯で洗滌する場合に較べてはるかに迅速に行なわれ
、かつ熱湯で洗滌する場合よりもパラフィンワックスの
除去が完全に行なわれる。水蒸気の吹込みは間欠的に行
なうのが効果的であるので、本実施例のようにポンプ６
を押ボタンスイッチ２５によつて寸動させ、水を適宜加
熱釜４内に供給することができるようにしておくのが好
ましい。パラフィンワックスの除去が終つたら、水容性
の離型剤をフラスコ４０の蒸気注入口４１に滴下し、再
度蒸気を吹き込む。

これにより、離型剤が蒸気によつて運ばれ、陰型内の隅
々にまで塗布される。この離型剤塗布操作は２回以上繰
り返して行なうのがよい。離型剤は、フラスコ内に流し
込むことによつて塗布してもよいが、上述の如く水蒸気
とともに吹き込んで塗布する方が隅々にまで行きわたり
、かつ離型剤の使用量も少なくてすむので有利である。
離型剤の塗布が終つたらひきつＳ゛きフラスコを分割し
ない状態でレジン床用のレジンをフラスコに開口部から
注入する。

レジンとしては一般に、アクリルレジンなど加熱重合用
のレジンが用いられることが多い。通常、液状の硬化剤
と粉末状の樹脂とをレジン混和器で混和し、室温で放置
してある程度反応を進行させてから注入することが行わ
れる。加熱重合用レジン注入後は従来法と同様に加熱重
合を行ない、しかるのち脱型して第５図に示すような歯
科補綴物４９を得る。

第６図は、上記と異なる実施例をあられすもので、スプ
レーガン式の蒸気供給手段を用いる例をあられす。

本例では、水蒸気発生装置が加熱タンク５０と、該加熱
タンク５０の外周部および底部に設けられたヒーター５
１、および吸引管５２で構成される。ガン５３は、図示
しないコンプレッサーからホース５４を通して圧縮空気
が供給され、この圧縮空気は引金５５を引く（ボタン６
０を押す）ことによつてノズル５６から吐出されるが、
ガン内部の圧縮空気通路には前記吸引管５２が接続され
ているので、圧縮空気吐出時に加熱タンク５０内の熱湯
５７が吸い上げられ、水蒸気となつて圧縮空気とともに
ノズル５６から吐出される。図中、６１は水分量調節ネ
ジ、６２はエア量調節ネジである。水蒸気発生装置およ
び蒸気供給手段は、フラスコ４０内にパラフィンワック
スの軟化温度よりも高温の水蒸気吹き込むことができる
ものならどのようなものでもよい。

以上に説明したように、本発明にかかる歯科補綴物の製
造装置は、歯科補綴物成形用のフラスコを保持し、フラ
スコ内部に適宜高温の水蒸気を吹き込むことができるよ
うに構成したものであるから、歯科補綴物の成形に際し
てフラスコを分解す″ることなくパラフィンワックスを
除去し、ズレのない歯科補綴物を製造することが可能と
なつた。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，ｂは本発明にかかる歯科補綴物の製造装置の
１例をあられす側面図および正面図、第２図はその構造
の模式図、第３図Ａ，ｂ，ｃはフラスコの外観図、第４
図は内部状態をあられす平面図、第５図は歯科補綴物の
外観図、第６図は異なる実施例をあられす側面図てある
。１・・・・・・製造装置、２・・・・・・ケース、３・
・・・・・ホルダ一、４・・・・・・加熱釜、５・・・
・・・水タンク、６・・・・・・ポンプ、１０・・・・
・・屋根、１３・・・・・・カバー、１４・・・・・・
バイス、２５・・・・・・押ボタンスイッチ、２６・・
・・・・ヒーター、３０・・・・・・ノズル、４０・・
・・・・フラスコ、４１・・・・蒸気注入口、４２・・
・・・排出口、４３・・・・・・蝋義５歯、４５・・・
・・・連絡路、５０・・・・・・加熱タンク、５１・・
・・ヒーター、５２・・・・・・吸引管、５３・・・・
・・ガン。

Claims

【特許請求の範囲】１歯科補綴物成形用のフラスコを保持するフラスコ保
持装置、水蒸気発生装置、および上記水蒸気発生装置に
よつて発生する水蒸気をフラスコ保持装置に保持されて
いるフラスコの蒸気注入口に適宜供給する蒸気供給手段
をそなえてなる歯科補綴物の製造装置。２フラスコ保持装置に、フラスコの排出口から排出さ
れる排出物を吸引する吸塵装置が設けられている特許請
求の範囲第１項記載の歯科補綴物の製造装置。