JPS6043994B2 - 自動ミシン装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、いわゆる飛び縫いを行うための自動ミシン装
置に関する。

背景技術とその問題点 例えば多頭刺しゆう機の如き自動ミシン装置において、
一の模様次の模様へ移動する際に、単に縫製動作を停止
しただけで移動を行うと、前に縫製された模様との間で
糸が架張されて前に縫製された部分のつれや、針の損傷
などのおそれがある。

そこで移動する際にてんびん等の糸の繰り出し機構は駆
動させ、針棒のみを停止させる飛び縫いが行われる。こ
のような飛び縫い装置として従来より種々の機構が提案
されている。

しかしながらそれらの装置では、いずれも機構が複雑と
なつたり、工作に高い精度が必要とされる。あるいは動
作が微妙で安定性に欠けるなどの問題があつた。発明の
目的 本発明はこのような点にかんがみ、簡単な構成で安定か
つ確実に飛び縫いが行われるようにするものである。

発明の概要 本発明は、針棒クランクロッドにより固定ガイド軸に軸
承して上下往復動を行う摺動体に横方向に軸承する短軸
を設け、この短軸にラチエツト車とこのラチエット車と
同じ数の係合部をする係合車とを一体に固着し、上記ラ
チエツト車は上記摺動体に設けられたラチエツトの噛合
及び離脱により固定及び回動自在とされると共に、上記
係合車は上記固定により上記係合部と上記摺動体の顎部
・との間隙に針棒抱き軸部を保持する如くされ、上記ラ
チエツトにコロを設け、所望時に上記摺動体の上死点近
傍にて上記コロと衝合し、上記ラチエツトを離脱させ上
記針棒抱き軸部を上記係合車から解放させるようにした
カム手段を設けたことを・特徴とする自動ミシン装置で
あつて、これによれば簡単な構成で安定かつ確実に飛び
縫いが行われる。

実施例 第１図は自動ミシン装置のアーム部を示し、Ａは正面図
、ＢはそのＢ−Ｂ線による断面の左側面図、ＣはＣ−Ｃ
線による断面の右側面図である。

これらの図において、１はアーム筐体を示し、このアー
ム筐体１内に設けられた歯車２に外部主軸（図示せず）
より回転が伝えられる。この歯車２にクランク軸３が固
着され、このクランク軸３に針棒クランクロッド４が連
結される。この針棒クランクロッド４は、下端部に設け
られた角ゴマ８アーム筐体１に固定された角ゴマ溝７に
より、回転動を上下往復動に変える。また筐体１に上下
に固着された固定ガイド軸５に設けられ、この軸５に軸
承され上下動能な摺動体６が設けられる。

この摺動体６にクランクロッド４による上下往復動が伝
えられる。さらに摺動体６に横方向に軸承された短軸２
０が回動自在に設けられ、この短軸２０の両端に係合車
９とラチツト車１１が一体に固着される。

この係合車９には半径と一致する係合面を有する係合部
がラチエツト車１１の係合部と同数、等しい角度割で設
けられて互いに所定の位置関係とされる。また摺動体６
のラチエツト車１１の近傍にラチエツト１２が回動自在
に設けられ、このラチエツト１２はばねにより常時ラチ
エツト車１１に押着けられ噛合わされ、ラチエツト車１
１と同軸固着の係合車９が回動しないように固定される
。またラチエツト１２の側部にコロ１３が設けられる。
さらに係合車９は摺動体６の下方より突出した顎部６ａ
との間隙に針棒抱き１０の軸部１０ａを保持し、針棒１
５に摺動体６に上下往復動が伝えられ縫製可能状態とさ
れる。なお、第２図に短軸２０、係合車９、ラチエツト
車１１、ラチエツト１２、ばね１４、顎部６ａ１針棒抱
き１０、針棒１５の斜視図を示す。また筐体１のラチエ
ツト１２側外側壁の摺動体６の上死点に対応する位置に
ソレノイド１６が、励磁により軸１６ａが摺動体６方へ
突出するように取付けられる。

この軸１６ａに下方が肉薄にされたカム１７が固着され
、ソレノイド１６の励磁−によりカムガイド溝１８に沿
つて摺動されると共に、突出時カム１７とラチエツト１
２のコロ１３とが衝合される如く配置される。この装置
において、ソレノイド１６が励磁されていないときは、
第３図、第４図に示すようにカム１７はばね１９の縮む
力によつて後退しており、ラチエツト１２のコロ１３と
は接触しないので、ラチエツト１２はラチエツト車１１
に噛合い、上述の如く縫製可能状態を保つ。

そして摺動体６の上下往復動によつて針棒１５が上下往
復動される。なお、第３図は摺動体６が上死点にあると
きで、Ａは上面図、Ｂは正面図を示す。また第４図は摺
動体６が下死点にある状態を示す。これに対してソレノ
イド１６が励磁されると、第５図に示すようにカム１７
がばね１９の力に抗してコロ１３に衝合する位置に突出
される。このため摺動体６の上昇時、上死点の手前でコ
ロ１３力幼ム１７の傾斜面１７ａに触れて外側壁側（図
面左側）へ押圧され、ラチエツト１２の刃がラチエツト
車１１から離れ、噛合いが解かれ、同軸の係合車９は回
動自在となる。そこで摺動体６が上死点に至り次に下降
に移る時点で、係合車９の針棒抱き軸部１０ａを保持し
ていた係合部は上方へ空回動し、針棒抱き１０を上死点
に置いたまま摺動体６は下降し、針棒１５は上死点に停
止したまま装置は運転され、飛び縫い状態となる。

さらに摺動体６の上昇時にソレノイド１６の励磁を中止
すると、カム１７はばね１９の力により元の位置（第３
図）に戻される。

このためコロ１３はカム１７により外れ、ラチエツト１
２はばね１４の力でラチエツト車１１に噛合い、同軸の
係合車９を固定する。そこで摺動体６が上死点手前まで
上昇し、係合車９の一の係合部が針棒抱き軸部１０ａに
当つて一の係合部を下に押すようなりが働くと、軸のラ
チエツト車１１は噛河合いと逆方向にラチエツト１２の
ばね１４の力に抗して角度割りの一区分だけ回動されて
係合車９の一の係合部が下方へー区分だけ回動する。

そして次の係合部が針棒抱き軸部１０ａを摺動体６の顎
部６ａとの間隙に保し固定する。これによつて上死点か
ら下降に移る摺動体６は針棒抱き１０を保持して引続き
上下往復動を行い、針棒は上下往復動を行つて縫製可能
状態となる。なお上述の縫製状態、飛び縫い状態を通じ
て針棒５以外の部分は定常の駆動状態であり、てんびん
（図示せず）等により必要に応じて糸の繰り出しが行わ
れている。

こうして飛び縫いが行われるわけであるが、この装置に
よれば、ラチエツトとカムを設けたことにより、簡単な
構成で安定かつ確実に飛び縫いを行うとができる。

さらに上述の装置において、多針色変え形刺しゆう機に
適用する場合には、複数の針棒１５と針棒抱き１０を横
方向へ移動動可能に配置し、上述の飛び縫い状態で摺動
体６が下方に在るときに針棒１５を移動して係合車９及
び顎部６ａに対応する位置に持ち来たすことにより、飛
び縫い状態を解除すればその針棒１５による縫製可能状
態となる。

このようにしてて針棒１５を交換して色変えを行うこと
ができる。発明の効果 本発明によれば、簡単な構成で安定かつ確実に．飛び縫
いを行うことができるようにになつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による自動ミシン装置の要部の構成図、
第２図〜第５図はその説明のための図である。 ６は摺動体、９は係合車、１０は針棒抱き、１１はラチ
エツト車、１２はラチエツト、１３はコロ、１５は針棒
、１６はソレノイド、１７はカム、２０は短軸である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 針棒クランクロッドにより固定ガイド軸に軸承して
   上下往復動を行う摺動体に横方向に軸承する短軸を設け
   、この短軸にラチエツト車とこのラチエツト車と同じ数
   の係合部を有する係合車とを一体に固着し、上記ラチエ
   ツト車は上記摺動体に設けられラチエツトの噛合及び離
   脱により固定及び回動自在とされると共に、上記係合車
   は上記固定により上記係合部と上記摺動体の顎部との間
   隙に針棒抱き軸部を保持する如くされ、上記ラチエツト
   にコロを設け、所望時に上記摺動体の上死点近傍にて上
   記コロと衝合し、上記ラチエツトを離脱させ上記針棒抱
   き軸部を上記係合車から解放させるようにしたカム手段
   を設けたことを特徴とする自動ミシン装置。