JPS6043115B2 - ブドウ酒原料およびブドウ酒 - Google Patents

ブドウ酒原料およびブドウ酒

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JPS6043115B2
JPS6043115B2 JP53152286A JP15228678A JPS6043115B2 JP S6043115 B2 JPS6043115 B2 JP S6043115B2 JP 53152286 A JP53152286 A JP 53152286A JP 15228678 A JP15228678 A JP 15228678A JP S6043115 B2 JPS6043115 B2 JP S6043115B2
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JP
Japan
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grape wine
fruit juice
wine
diluted
concentrated
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JP53152286A
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JPS5577884A (en
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裕 銭林
晴夫 西野
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Suntory Ltd
Original Assignee
Suntory Ltd
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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 保存および輸送の為に加熱濃縮された濃縮ブドウ果汁(
以下単に濃縮果汁という)を希釈し発酵さブドウ酒を製
造することは従来より行われていることである。
しかしながら濃縮果汁を原料としたブドウ酒(以下マス
ト酒という)には加熱濃縮に由来する特有の不快臭(以
下マスト臭ということがある)があり、その不快臭は活
性炭素処理その他の従来技術では完全には除去できない
ものであつた。特に輸入濃縮果汁には輸送中の安定性保
持のため多量の亜硫酸またその塩が添加され、そのまま
希釈してマスト酒を作つても不快臭を有すると共に色調
が悪く、香が低くアルデヒド類および結合亜硫酸が多く
品質の悪いものしかえられなかつた。本発明は上記のよ
うな欠点をもつていた濃縮果汁より品質のすぐれたマス
ト酒原料および、それより作られたマスト酒を提供する
もので、濃縮果汁を原料とするブドウ酒の製造において
濃縮果汁を希釈し、イオン交換膜を使用する電気透析処
理により不快臭の原因物質を除去したことを特徴とする
ブドウ酒原料および、それを発酵させたブドウ酒である
マスト酒の不快臭についてはその原因は明らかではない
が濃縮する際の加熱操作による果汁の成分の変質による
ものではないかと推定され、マスト酒に不快臭を与える
原因物質(前駆物質およびまたは作用物質)が果汁加熱
の際に生じるものと推定される。
このことは後述の実施例より明らかな如く常法により濃
縮果汁を単に希釈発酵して作つたマスト酒の不快臭は電
気分析につても除去することはできないが、発酵前では
原因物質と思われるものが電気透析によつて除去され、
電気透析されたものを原料としたマスト酒には全く不快
臭がないことにより明らかである。また濃縮果汁に加え
られている亜硫酸はブドウ酒におけると同様果汁の安定
化の為に必要上添加されるものであるが、亜硫酸はアル
デヒドを結合し易いものである。
しかしアルデヒドと結合した亜硫酸は安定性に効果がな
く遊離の亜硫酸のみが安定性を有するのである。更に原
料果汁中に亜硫酸が多いと発酵の際にノイベルグの第二
型式の発酵が進行しグリセリンと共にアセトアルデヒド
類が生成し、これが亜硫酸と結合し結合亜硫酸が蓄積し
マスト酒の品質を一層低下さすものである。従つて濃縮
果汁より亜硫酸を除去することが必要であが従来から知
られている過酸化水素、炭酸ガス、加熱揮散法、通気酸
化法、陰イオン交換樹脂等による除去方法では亜硫酸が
減少しても果汁品質の変化、発酵速度の遅延、香りの揮
散、微生物による汚染等の弊害が生じることが多く不快
臭のない品質のすぐれたマスト酒をうることができなか
つた。一方のブドウ酒の亜硫酸を除去する目的で電気透
析を行うことは既に知られており、例えば西独公開特許
公報P2233798.Oにブ下ウ酒の脱塩をさけて品
質を劣化させることなく亜硫酸およびアルデヒドを除去
する電気透析法が開示されている。
更にブ下ウ酒および果汁より酒石の主成分である酒石酸
等の有機酸およびカリウム等の金属イオンを除去する目
的でブドウ酒または果汁を電気透析することも知られて
いる。これらはいずれもブドウ酒における亜硫酸の除去
および酒石生成の抑制のためのものであつて、従来のマ
スト酒における不快臭の原因物質を除去するものではな
い。しかしながら本発明においてはマスト酒の不快臭の
原因物質の除去と共に亜硫酸の除去および酒石生成の抑
制という副次的効果がえられるものである。特に亜硫酸
の減少は前述の如くアルデヒドの生成を抑えマスト酒中
の亜硫酸の絶対量が少いにもかかわらず、アルデヒドが
少いことにより遊離亜硫酸の増加により安定性をますも
のである。更に色調が悪く香りの低いという従来のマス
ト酒の欠点を不快臭と共にとり除き従来知られなかつた
ような品質のすぐれたマスト酒がえられるものである。
゛次に本発明の実施の態様をのべる。本発明にいう濃縮
果汁とはブドウ搾汁液を加熱濃縮し糖度40%以上好ま
しくは6%以上としたものであり、輸送安定性の為に多
量のメタ重亜硫酸カリウムの如き亜硫酸が添加されてい
る濃縮果汁であつてもよく、更に少量のエタノールが含
まれていてもよい。
濃縮果汁は原産国ならびに品種が多岐にわたり濃縮法の
明らかでないものもある等、その性質は画一的に述べる
ことはできないが次に種々の濃縮果汁の成分を示す。本
発明を実施するために濃縮果汁を希釈する程度は電気透
析できる程度であればよく、発酵至適糖分濃度に希釈し
てもよいが発酵至適濃度以上例えば30〜65%以上の
糖分濃度で透析を行い、電気透析後発酵至適濃度に再希
釈してもよい。
後者の高濃度での透析はブドウ酒の酸度を低下させたく
ない場合には好ましいことである。また電気透析を行う
には陰極両極の間に多数枚の陰イオン透過膜と陽イオン
透過膜とが交互にセットされている市販のものでよく、
脱塩室には濃縮果汁希釈液を濃縮室には水道水または井
戸水等の真水を循環させておけばよい。電気透析の条件
は電気透析装置に適した条件で行えばよく特殊な条件設
定は必要でない。電気透析する程度は原料濃縮果汁の品
質によつて異なるが濃縮果汁が希釈液の電導度を指標と
して行えばよく、通常初期電導度が213←1110に
低下するまで透析を行えば充分原因物質を除去すること
ができる。電導波の低下が少いとマスト酒中の不快臭が
除去できないばかりでなく、品質のすぐれたものがえら
れない。またハO以下に透析すればマスト酒中の不快臭
は除去できても味、香り等において劣り好ましくない。
透析に要する時間は原料の濃縮果汁の成分、透析装置の
種類、透析条件によつて異なるが通常1時間以上あれば
充分である。このようにして電気透析された濃縮果汁希
釈液は発酵至適濃度に調整し通常のブドウ酒製造と同様
の発酵および熟成をさせればよい。また必要に応じて発
酵助成剤を添加してもよい。かくしてえられたマスト酒
は従来のマスト酒に,あつた不快臭が全く無く、生果汁
よりのブドウ酒と同等の味、香りを有し品質のすぐれた
ものてある。
更に酒石安定性、風味安定性にすぐれ、特別の酒石安定
操作を施す必要がないというすぐれた効果を有するもの
てある。以下実施例によつて詳,細に説明する。実施例
1 濃縮果汁Aを糖度21.07%に脱イオン水で希釈し、
電気透析装置旭化成株式会社製SV−5型、陽イオン交
換膜K−101,陰イオン交換膜A−201ζを用いて
、電導度が初期電導度の0.5(900p0/dから4
50μO/Cmまで)になるまで電気透析処理を行つた
濃縮室は脱イオン水に塩化ナトリウムを1000ppm
添加した電解液を流した。得られた処理果汁10eを常
法により発酵させ、ブドウ酒3(a−1)を得た。一方
、濃縮果汁Aを濃度21.07%に脱イオン水で希釈し
、常法により発酵させブドウ酒(a−2)を得た。さら
にその一部を同様に電導度が初期電導度の0.5になる
まで電気透析処理し、ブドウ酒(a−3)を得た。各ブ
ドウ酒クの特性を下記に示す。官能評価のマスト臭は通
常のブドウ酒を0点としてマスト臭の強度のものを+3
とし、0〜+3の範囲の尺度で、総合評点はフルーテイ
な香りの強さ、味のきれ及びそれらの調和を総合的に評
価し、通常のブドウ酒を0点として最も優れているもの
を+3,最も劣るものを−3とし、+3〜一3の範囲で
尺度で訓練されたパネル10名によつて評点しその平均
値をとつたものである。
実施例2 濃縮果汁Bを糖度21.13%に水道水で希釈し、実施
例1と同じ装置を用いて電導度が初期電導度の0.26
(1500pV/CTnから390pV/C7n)にな
るまで電気透析処理を行つた。
得られた処理果汁に発酵助成剤リン酸アンモニウム50
0ppm添加した以外常法により発酵させたブドウ酒(
b−1)を得た。一方、濃縮果汁Bを糖度21.13%
に水道水で希釈し、常法により発酵させたブドウ酒(b
−2)を得た。更にその一部を電導度が初期電導度の0
.26になるまで電気透析処理しブドウ酒(b一3)を
得た。各ブドウ酒の特性を下記に示す。実施例3濃縮果
汁Fを糖度42%に希釈し、実施例1と同様に電導度が
初期電導度の0.4(2100μv/Clrtから82
0μv/C!n)になるまで電気透析処理を行つた。
得られた処理果汁をさらに17.5%まで水道水で希釈
し、常法により発酵しブドウ酒(f−1)を得た。一方
、濃縮果汁の原果汁を常法により発酵したブドウ酒(f
−2)を得た。また濃縮果汁Fを糖度17.5%まで希
釈し、常法により発酵しブドウ酒(f−3)を得た。さ
らにこのブドウ酒(f−3)を電気透析処理(電導度2
500pV/c!nから1000μ′C5/Cm)を行
いブドウ酒(f−4)を得た。各ブドウ酒の特性を下記
に示す。8濃縮果汁Dを糖度50%に水道水で希釈し、
実施例1と同じ装置で電導度が初期電導度の0.33(
初期電導度2700μV/Cmから900μv/C!R
Lまで)になるまで電気透析処理を行つた。
得られた処理果汁をさらに水道水で希釈し糖度n%にし
、常法により発酵を行いブドウ酒(d−1)を得た。一
方、濃縮果汁Dを22%まで希釈し一部を電気透析処理
し発酵させたものブドウ酒(d−2)および電気透析処
理を行わずに発酵させたものブドウ酒J(d−3)を得
た。表1にそれぞれの工程での一般分析値を記す。(d
−1)を(d−2),(d−3)と比較すると下表の如
く(d−1)は(d−2)に対しては味の厚みにおいて
、(d−3)に対してはマスト・臭において優れていた

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 加熱濃縮ブドウ果汁を原料とするブドウ酒の製造に
    おいて、加熱濃縮ブドウ果汁をを稀釈し、イオン交換膜
    を使用する電気透析処理により不快臭の原因物質を除去
    したことを特徴とするブドウ酒原料。 2 加熱濃縮ブドウ果汁を原料とするブドウ酒の製造に
    おいて、加熱濃縮ブドウ果汁を稀釈し、イオン交換膜を
    使用する電気透析処理により不快臭の原因物質を除去し
    た加熱濃縮ブドウ果汁稀釈液を発酵したことを特徴とす
    るブドウ酒。
JP53152286A 1978-12-09 1978-12-09 ブドウ酒原料およびブドウ酒 Expired JPS6043115B2 (ja)

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JP53152286A JPS6043115B2 (ja) 1978-12-09 1978-12-09 ブドウ酒原料およびブドウ酒

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JPS5577884A JPS5577884A (en) 1980-06-12
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2065461A1 (en) 2003-10-07 2009-06-03 Suntory Limited Process for producing concentrated grape juice and wine
JP2016015953A (ja) * 2014-07-10 2016-02-01 コスモ食品株式会社 タンパク質又はペプチド含有物の脱臭方法

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JPS58155075A (ja) * 1982-03-10 1983-09-14 Sapporo Breweries Ltd マストの発酵法
PT103595B (pt) * 2006-10-24 2007-07-10 Inst Superior Tecnico Processo integrado para concentração e rectificação simultânea de mosto de uva por nanofiltração e electrodiálise

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