JPS6040687Y2 - ロ−ディングショベルの油圧回路 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はローディングショベルの油圧回路に関するも
のである。

ローディングショベルには、ダンプシリンダによりパケ
ットの底を開閉して放土するボトムダンプパケット式の
ものと、チルトシリンダによりパケットを回動して放土
するチルトダンプパケット式のものとがある。

これら両者の構成の相異はパケットのみで、油圧回路に
おいても、ボトムダンプパケット式のものは、チルトダ
ンプパケット式のものの回路に、ダンプシリンダとそれ
を切換操作するダンプ切換弁が追加されたものとなる。

つまり、ボトムダンプパケット式の仕様で油圧回路を構
成しておけば、チルトダンプパケット式にするときに、
ダンプシリンダが接続されていた管路を閉じることで対
処できる。

第１図はボトムダンプパケット式ローディングショベル
を示す図である。

図において１はローディングショベル本体、２は本体１
に回動可能に取付けられたブーム、３はブーム２に回動
可能に取付けられたアーム、４はアーム３に回動可能に
取付けられたパケット、５はブーム２を回動するための
ブームシリンダ、６はアーム３を回動するためのアーム
シリンダ、７はパケット４を回動するためのチルトシリ
ンダ、８はパケット４の底を開閉するためのダンプシリ
ンダである。

第２図は従来のローディングショベルの油圧回路を示す
図である。

図において９はタンク、１０はチルトシリンダ７、ダン
プシリンダ８を駆動するための油圧ポンプ、１１は油圧
ポンプ１０に接続されたリリーフ弁、１２．１３はそれ
ぞれチルトシリンダ７、ダンプシリンダ８を切換操作す
るためのチルト切換弁、ダンプ切換弁、１４は油圧ポン
プ、１５は油圧ポンプ１４に接続されたリリーフ弁、１
６，１７はそれぞれ油圧ポンプ１４に接続されたチルト
パイロット弁、ダンプパイロット弁で、チルトパイロッ
ト弁１６、ダンプパイロット弁１７はそれぞれチルト切
換弁１２、ダンプ切換弁１３にパイロット圧を供給する
ためのものであり、チルトパイロット弁１６、ダンプパ
イロット弁１７を操作することにより、チルトシリンダ
７、ダンプシリンダ８を作動させる。

２０，２１はダンプパイロット弁１７からダンプ切換弁
１３にパイロット圧を供給する管路、２８．２９はダン
プ切換弁１３からダンプシリンダ８に至る管路、３４〜
３７はそれぞれ管路２０，２１．２８．２９に設けられ
たストップバルブである。

このような従来のローディングショベルにおいて、ボト
ムダンプパケットを装着したときには、ストップバルブ
３４〜３７を開とし、チルトダンプ式のパケットを装着
したときには、ストップバルブ３４〜３７を閉として、
ダンプパイロット弁１７からダンプ切換弁１３にパイロ
ット圧が供給されないようにするとともに、管路２８，
２９を閉じている。

ところで、チルトダンプ式のパケットを装着したときに
は、チルトシリンダ７のシリンダ径、ストロークがダン
プシリンダ８のそれと比較して大きいため、放土操作時
間が長くなる。

なお、チルトシリンダ７による放土はシリンダ縮み動作
で行なうことから、チルトシリンダ７の田ンド径を大き
くしてロンド側受圧面積を小さくすれば、油圧ポンプ１
０の吐出量を大きくしなくとも、チルトシリンダ７の縮
み動作を速くすることが可能である。

しかし、このときにはチルトシリンダ７のボトム側から
の戻り油が大流量となって、戻り管路の圧力損失が大き
くなるため、油圧ポンプ１０の吐出量を大きくする必要
がある。

したがって、油圧ポンプ１０が入カ一定の可変容量ポン
プであれば、吐出圧が上昇すると吐出量が減少するから
、チルトシリンダ７のロンド径を大きくしてチルトシリ
ンダ７の縮み動作時間を短縮しようとしても、効果は小
さいので、油圧ポンプ１０の入力を大きくするか、油圧
ポンプ１０の数を増やす必要がある。

また、油圧ポンプ１０として固定容量ポンプを使用した
ときには、油圧ポンプ１０を駆動するエンジン（図示せ
ず）の出力を太きくしなければチルトシリンダ７の縮み
動作時間を短縮することができない。

しかし、ボトムダンプ式のパケットを装着したときには
、チルトシリンダ７の縮み動作時間をそれほど短かくす
ることが必要でなく、エンジンの出力を大きくしたり、
油圧ポンプ１０の数を増すことは無駄となる。

さらに、チルトシリンダ７の縮み動作時間を短かくする
ためには、戻り管路の径を大きくすることが考えられる
が、ボトムダンプ式のパケットを装着した場合には、上
述と同様に無駄となる。

この考案は上述の問題点を解決するためになされたもの
で、チルトシリンダを駆動するための油圧ポンプの入力
を大きくすることなく、またチルトシリンダの戻り管路
の径を大きくすることなく、チルトシリンダの縮み動作
時間を短縮することができるローディングショベルの油
圧回路を提供することを目的とする。

この目的を遠戚するため、この考案においてはチルトシ
リンダおよびダンプシリンダと、そのチルトシリンダ、
ダンプシリンダをそれぞれ操作するためのチルト切換弁
およびダンプ切換弁と、そのチルト切換弁、ダンプ切換
弁にパイロット圧を供給するチルトパイロット弁および
ダンプパイロット弁と、そのダンプパイロット弁の出側
の管路に設けられた開閉手段と、上記ダンプシリンダと
上記ダンプ切換弁とを接続する管路に設けられた開閉手
段とを有するローディングショベルの油圧回路において
、上記チルトパイロット弁から上記チルト切換弁にパイ
ロット圧を供給する２本の管路と上記ダンプパイロット
弁から上記ダンプ切換弁にパイロット圧を供給する２本
の管路とをそれぞれ接続する第１．第２の管路を取付け
、上記チルト切換弁から上記チルトシリンダに至る２本
の管路と上記ダンプ切換弁から上記ダンプシリンダに至
る２本の管路とをそれぞれ接続する第３．第４の管路を
取付け、上記第１ないし第４の管路それぞれに開閉手段
を設ける。

第３図はこの考案に係るローディングショベルの油圧回
路を示す図である。

図において１８，１９はチルトパイロット弁１６からチ
ルト切換弁１２にパイロット圧を供給する管路、２２．
２３は管路１８，１９と管路２０，２１とをそれぞれ接
続する第１．第２の管路、２４．２５はそれぞれ管路２
２．２３に設けられたストップバルブ、２６．２７はチ
ルト切換弁１２からチルトシリンダ７に至る管路、３０
．３１は管路２６，２７と管路２８，２９とをそれぞれ
接続する第３．第４の管路、３２．３３はそれぞれ管路
３０．３１に設けられたストップバルブである。

この油圧回路においては、ボトムダンプ式のパケットを
装着したときに、ストップバルブ３４〜３７を開とし、
ストップバルブ２４．２５．３２．３３を閉とすれば、
第２図に示した油圧回路と同等となるから、チルトパイ
ロット弁１６、ダンプパイロット弁１７を操作すること
により、チルトシリンダ７、ダンプシリンダ８を作動す
ることができる。

また、チルトダンプ式のパケットを装着したときには、
ストップバルブ２４，２５゜３２．３３を開にし、スト
ップバルブ３４〜３７を閉とする。

この状態でチルトパイロット弁１６を操作すると、チル
トパイロット弁１６からのパイロット圧が、管路１８ま
たは１９を介してチルト切換弁１２に供給されて、チル
ト切換弁１２が作動位置に切換わるとともに、管路２２
，２０または管路２３，２１を介してダンプ切換弁１３
にも供給されて、ダンプ切換弁１３も作動位置に切換わ
る。

このため、チルトシリンダ７の縮み作動時には、油圧ポ
ンプ１０の吐出圧油が、チルト切換弁１２、管路２７を
介してチルトシリンダ７のロッド側に供給されるととも
に、ダンプ切換弁１３、管路２９，３１．２７を介して
チルトシリンダ７のロッド側に供給される。

また、チルトシリンダ７のボトム側が、管路２６、チル
ト切換弁１２を介してタンク９に接続されるとともに、
管路２６．３０．２Ｂ、ダンプ切換弁１３を介してタン
ク９に接続される。

したがって、チルトシリンダ７のボトム側からの戻り油
がチルト切換弁１２およびダンプ切換弁１３を介してタ
ンク９に戻るから、戻り管路の圧力損失が小さい。

なお、上述実施例においては、ストップバルブ２４．２
５．３２〜３７を用いたが、これらの代りに他の開閉手
段を用いてもよい。

以上説明したように、この考案に係るローディングショ
ベルの油圧回路においては、チルトダンプ式のパケット
を装着した場合におけるチルトシリンダ縮み動作時に、
チルトシリンダのボトム側からの戻り管路の圧力損失が
小さいから、チルトシリンダを駆動するための油圧ポン
プの入力を大きくしなくとも、またチルトシリンダの戻
り管路の径を大きくしなくとも、チルトシリンダの縮み
作動時間すなわち放土操作時間が短かくなる。

このように、この考案の効果は顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図はボトムダンプパケット式ローディングショベル
を示す図、第２図は従来のローディングショベル油圧回
路を示す図、第３図はこの考案に係るローディングショ
ベルの油圧回路を示す図である。 ７・・・・・・チルトシリンダ、訃・・・・・ダンプシ
リンダ、９・・・・・・タンク、１０・・・・・・油圧
ポンプ、１２・・・・・・チルト切換弁、１３・・・・
・・ダンプ切換弁、１４・・・・・・油圧ポンプ、１６
・・・・・・チルトパイロット弁、１７・・・・・・ダ
ンプパイロット弁、１８〜２３・・・・・・管路、２４
．２５・・・・・・ストップバルブ、２６〜３１・・・
・・・管路、３２〜３７・・・・・・ストップバルブ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）チルトシリンダおよびダンプシリンダと、そのチ
   ルトシリンダ、ダンプシリンダをそれぞれ操作するため
   のチルト切換弁およびダンプ切換弁と、そのチルト切換
   弁、ダンプ切換弁にパイロット圧を供給するチルトパイ
   ロット弁およびダンプパイロット弁と、そのダンプパイ
   ロット弁の出側の管路に設けられた開閉手段と、上記ダ
   ンプシリンダと上記ダンプ切換弁とを接続する管路に設
   けられた開閉手段とを有するローディングショベルの油
   圧回路において、上記チルトパイロット弁から上記チル
   ト切換弁にパイロット圧を供給する２本の管路と上記ダ
   ンプパイロット弁から上記ダンプ切換弁にパイロット圧
   を供給する２本の管路とをそれぞれ接続する第１、第２
   の管路を取付け、上記チルト切換弁から上記チルトシリ
   ンダに至る２本の管路と上記ダンプ切換弁から上記ダン
   プシリンダに至る２本の管路とをそれぞれ接続する第３
   、第４の管路を取付け、上記第１ないし第４の管路それ
   ぞれに開閉手段を設けたことを特徴とするローディング
   ショベルの油圧回路。
2. （２）上記開閉手段としてストップバルブを用いたこと
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載のロー
   ディングショベルの油圧回路。