JPS6040019B2 - 静電荷像用現像剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は低電位の潜像でも濃度の高い画像を得ることが
できる、すなわち、潜像電位（Ｖ）一画像濃度（Ｄ）曲
線において高し、ッ値を有する静電荷像用現像剤に関す
る。

従来、電子写真法としては米国特許第２２９７６９１号
、特公昭４２−２３９１び号公報及び特公昭４３−２４
７４８号公報などに種々の方法が記載されているが、一
般には、光導電怪物質を利用し、種々の手段により感光
体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで現
像し、必要に応じて紙などにトナー像を転写した後加熱
、加圧或いは溶剤蒸気などにより定着するものである。
また、電気的潜像を現像するためのトナーとしては、従
来、ポリスチレンなどの結着樹脂中に着色剤（カーボン
ブラックなどの染顔料）を分散させたものを１〜３０仏
程度に微粉砕した粒子がトナーとして用いられていた。
かかるトナーは通常ガラスビーズ、鉄粉、ファーなどの
キャリア一物質と混合され、電気的潜像の現像に用いら
れている。また、最近、電子写真複写機をコンピュータ
ーの端末機として利用する研究やスクリーン感光体上に
静露潜像を形成した後、該潜像を利用して絶縁層上に潜
像を形成し、次いで現像、転写、定着を行ない、２回目
からはスクリーン感光体上での静電潜像形成が不要な高
速複写に適した電子写真システムの研究等が盛んである
。これらのシステムが画像に関して通常の電子写真複写
機と異なる特徴は、前者については階調再現が不要であ
ること、後者については解像力の良好な画像を得るため
に絶縁層表面の暗部電位と頚部電位のコントラストを小
さくしなければならないことである。従って、これらの
電子写真システムにおいて用いられる現像剤としては低
電位の潜像でも高い濃度が得られる、つまり高いｙ値の
Ｖ−○特性を有するものが要求される。コンピューター
の端末機としての複写機の場合には、必ずしも高いｙ値
のＶ−Ｄ特性を有する現像剤である必要はないが現像剤
が多数枚複写に適してなければならないこと、及び現像
剤の劣化がＶ−Ｄ特性のｙ値を低くする傾向にあること
を考慮すると、高いｙ値のＶ−Ｄ特性をする現像剤が望
まれる抜のである。それゆえ、本発明の目的は、現像電
極よりも高い電位の潜像を現像するための高いｙ値のＶ
−Ｄ特性を有する静電荷像用現像剤を提供することにあ
る。すなわち本発明は、トナ−とキャリア一とから成る
静電荷像用現像剤において、前記トナーが、キャリア一
の摩擦により正に帯電する染料を含有する負荷電性トナ
ーであることを特徴とする現像剤にある。本発明者は高
いｙ値のＶ−○特性を有する現像剤を開発する過程にお
いて、Ｖ一Ｄ特性とトナーのトリボ電荷量（トナー単位
重量あたりの電荷量）との間の相関々係を見し、出した
、それは、定性的に言うとトリボ電荷量が小さくなると
ｙ値が高くなるということである。

それでは、トリボ電荷量を小くすれば高いッ値のＶ−Ｄ
特性を有する秀れた現像剤が得られるかと言うと、そう
ではない。ただ単にトリボ電荷量を小さくしただけでは
、現像の際に潜像に強く保持されないトナー粒子がある
ために現像画像が不均一になったり、背景にカブリを生
じたりする。また、あまりにトリボ電荷量が小さすぎる
と、トナーが潜像に強く保持されないために画像は著し
く質の劣ったものとなり、又、ｙ値もきわめて低くなる
。従来、トナーのトリボ電荷量を下げる方法としては界
面活性剤をトナーに添加する方法があるが、この方法で
は、現像剤の湿度に対する安定性が低下するため好まし
くない。また、カーボンブラックを多量に含有させるこ
とにより、トリボ電荷量を下げることもできるが、背景
にカプリを生じ好ましくない。そこでさらに本発明者は
、トナーのトリボ電荷量が十分高くなるように処方を検
討し、その処方にキャリアとの摩擦により正に帯電する
染料を加えてトナーを作成することにより、均一で適度
にトリボ電荷量を４・さくした、背景にカブリのない高
いッ値のＶ−Ｄ特性を有する現像剤が得られることを見
し、出した。従来、トナーに荷電を付与するためにトナ
ー中に適当な染料を添加することが知られているが、本
発明においては染料を荷電付与のためではなく、均一に
トナーの荷電を減らすために使用しているのである。

それゆえに、キャリア一との摩擦により、染料はトナー
と反対磁性を持つことが必要なのである。本発明に使用
するキャリア一との摩擦により、正に帯電する料といま
、油滋染料、分散染料又は蓬梁染料などが好ましいが、
例えば次のようなものがある。

スミゾールブラックＡＲ（住友化学、油漆染料）、オイ
ルブラックＨＢＢ（オリエント化学、Ｃ．１．２６１５
０・Ｃ．１．ソルベントブラック３）、ニグロシン、ミ
ケスレン ブルーＲＳＮ（三井東庄、Ｃ．１．６鰍００
、Ｃ．１．バットブルー４）、セレスブルーＲ（バイエ
ル社、Ｃ．１．６１５０ｕＣ．１．ソルベントブルー７
８）、バリフアストブルー１６０５（オリエント化学、
油溶染料、Ｃ．１．７４１８０）くオイルブルーが（オ
リエント化学、油溶染料Ｃ．１．６１５５５）、ルラフ
ィツクス ルビンＢ（ＢＡＳＦ製、Ｃ．１．１１１１ふ
Ｃ．１．デイスパーズレツド１３）ルラフイツクス
フルーＦＦＲ（ＢＡＳＦ製Ｃ．１．６１５０的．１．デ
ィスパーズブルー３）、ルラフィックス ピンクＦＦ班
（ＢＡＳＦ製、Ｃ．１．６２０１をＣ．１．デイスパー
ズレツド１１）などがある。これらの染料は負荷電性ト
ナーのトリボ電荷量を均一に小さくするために適宜添加
されるが、一般には結着樹脂１０の重量部に対して０．
１〜３重量部の範囲で用いられる。

本発明に使用するトナーの結着樹脂としては、従来より
トナーに用いられているものがすべて使用可能であるが
好ましいものとしては、例えば次のようなものがある。
ポリスチレン、ポリＰークロルスチレン、ポリビニルト
ルェンなどのスチレン及びその置換体の単重合体、スチ
レンーＰークロルスチレン共重合体、スチレンービニル
トルェン共重合体、スチレンービニルナフタリン共重合
体、スチレンーアクリル酸メチル共重合体、スチレンー
アクリル酸エチル共重合体、スチレンーアクリル酸ブチ
ル共重合体、スチレンーアクリル酸オクチル共重合体、
スチレンーメタアクリル酸メチル共重合体、スチレンー
メタアクリル酸エチル共重合体、スチレンーメタアクリ
ル酸ブチル共重合体、スチレンーＱクロルメタアクリル
酸メチル共重合体、スチレンーアクリロニトリル共重合
体、スチレンービニルメチルェーテル共重合体、スチレ
ンービニルェチルェーテル共重合体、スチレンービニル
メチルケトン共重合体、スチレンーブタジェン共重合体
、スチレンーィソプレン共重合体、スチレンーアクリロ
ニトリルーインデン共重合体などのスチレン共重合体、
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ピニル、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリウレ
タン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラー
ル、ロジン、変性ロジン、テルベン樹脂、フェノール樹
脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂
、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどがある。

また、本発明に使用するキャリア一としては公知のもの
がすべて使用でき、例えば、鉄粉、フェライト粉、ニッ
ケル粉、コバルト粉、表面を樹脂等で処理した鉄粉、ガ
ラスビーズ、ファーなどがある。また、トナーの着色剤
としては従来より使用されている染料、顔料を使用すれ
ばよく、更に荷電制御剤なども適宜使用することが書出
来る。要するに、本発明のトナーは結着樹脂、着色剤、
荷電制御剤などを用いて、使用するキャリア−に対して
強い負荷電性を示すトナー組成物を用意し、その組成物
に更に前述のキャリア一に対して正に帯電する染料を適
宜添加してトナーのトリポ電荷量を制御したものであり
、これにより高いｙ値のＶ−Ｄ特性を有する静電荷像用
現像剤が得られるものである。以下本発明を実施例によ
り具体的に説明する。実施例 １ スチレンーブタジェン共重合体（モル比：スチレン／ブ
タジオェン＝８０／２０）１００重量部、ザボンファー
ストブラックＢ（ＢＡＳＦ製、合金染料）２重量部、カ
ーボンブラック６重量部、スミゾールプラックＡＲ（住
友化学製、油溶性染料）１重量部をボールミルで混合し
、ロールミルにて熔融混練後冷却してハンマーミルを用
いて粗粉砕し、次いで超音速ジェット粉砕機を用いて微
粉砕する。

得られた粉体１０重量部とキャリア‐鉄粉ＥＦＶ２００
〜３００（商品名．日本鉄粉社製）９匹重量部とを混合
し現像剤とした。この現像剤を用い、普通紙電子写真複
写機（商品名．ＮＰ−５０００．キャノン製）にて画出
しをしたところ、鮮明な画像が得られた。さらに、Ｖ−
○特性を測定したところ、図面の１に示す如く高いｙ値
のＶ−○曲線が得られた。トナ−のトリポ電荷量は−４
．０仏ｃ／夕であった。実施例 ２ スミゾールブラツクＡＲの代わりにミケスレンフルーＲ
ＳＮ（三井東庄製．建築染料）１重量部を用いることを
除いては、実施例１と同様に行なったところ、図面の２
に示す如く、高いｙ値のＶ−Ｄ曲線が得られた。

トナーのトリボ電荷量は−４．かｃ／夕であった。参考
例 １ スミゾールブラツクＡＲを用いないことを除いては実施
例１と同様に行なったところ、図面３に示す如く、高い
ｙ値のＶ一Ｄ曲線は得られなかった。

トナーのトリポ電荷量は一７．１仏ｃ／夕であった。実
施例 ３〜１０ 下記の処方により実施例１と同様に行なったところ、い
ずれも高いｙ値のＶ−Ｄ曲線が得られた。

（部数はすべて重量部である）但し、各実施例に於てト
ナーのトリボ電荷量は温湿度２５００、６０％の環境条
下でアルミ製容器にてフローオフ法により測定し、又、
染料単独の電荷も同様にして測定できる。

【図面の簡単な説明】

図面は実施例１、２及び比較例１の現像剤の潜嫁電位（
Ｖ）一電像濃度（○）曲線を示すグラフである。 １・・．・・・実施例１の現像剤のＶ−Ｄ曲線、２・・
・・・・実施例２の現像剤のＶ−Ｄ曲線、３・・・・・
・比較例１の現像剤のＶ−Ｄ曲線。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ トナーとキヤリヤーとから成る静電荷像用現像剤に
   於て、トナーが、キヤリヤーとの摩擦により正の帯電す
   る染料を含有する負荷電性トナーであることを特徴とす
   る静電荷像用現像剤。