JPS6039705Y2 - 先止め式湯沸器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は凍結防止対策を考慮した先止め式湯沸器の改良
に関するもので、さらに詳述すれば、水圧作動装置の１
次氷室と２次氷室との差圧を熱交換器及び水量調節装置
の管路内通過抵抗でとり、前記熱交換器の吸熱管を器体
に対して傾斜して搭載すると共に冷却管も溜り部が生じ
ないように勾配をもたせて前記熱交換器の胴部に巻装し
、これらにより、排水時には管路内の水を確実に自重排
出して残溜水が溜るおそれがないようにしたものである
。

従来のこの種の先止め式湯沸器は、第１図に例示する如
く、水圧作動装置２′の１次水室２ａから熱交換器６へ
水量調節装置４を通水路５で連通させると共に、１次水
室２ａからベンチュリーｂを介してバイパス通路ａが前
記水量調節装置４より下流の通水路５に合流し、さらに
ベンチュリーｂのスロート部より前記水圧作動装置２の
２次水室２ｂへ圧力連絡管Ｃで連通させ、通水時の前記
ベンチュリーｂのベンチュリー効果により１次水室２ａ
と２次水室２ｂの間に圧力差が生じてガス応動バルブ９
を作動させる構造のものが一般的である。

このような従来例では、冬季または寒冷地等において気
温が氷点下まで下って器体内の凍結するのを防止するた
めに、給水弁１を閉威し、かつ給湯栓７を開成して大気
に開放すると共に、排水弁１３を開成して器体内の水を
させるのであるが、ベンチュリーｂのスロート部が極め
て小さな断面積であるため完全に排水することができず
に一部残留凍結し、再使用時に湯沸器が使えないという
不測の事態が発生したり、或いは空焚き状態となる危険
性がある。

また据置型先止め式湯沸器の熱交換器は第１図のように
吸熱管６ａおよび冷却管６ｂを水平に配設させているの
が一般的であり、このため設置条件により器体が水平よ
りも若干傾いて取付けられたときは、凍結防止のために
排水しても熱交換器の吸熱管や冷却管内に水が一部残留
し、それが凍結して前述と同様の不測の事態を招く惧れ
がある。

本考案は以上の如き従来品が有する欠点を克服する凍結
防止対策を考慮した先止め式湯沸器を提供せんとするも
のである。

以下本考案は実施の一例を第２図について説明する。

１は水道水に直結した給水栓、２は水圧作動装置で、該
水圧作動装置２は内蔵するダイアフラム３により１次水
室２ａと２次氷室２ｂに区画されている。

４は水量調節装置で、該水量調節装置は上流の前記１次
水室２ａと下流の熱交換器６を連通ずる通水路５の途中
に配設される、前記熱交換器６は、吸熱管６ａの出口側
が入口側より低くなるようにある傾斜角度θ傾斜させ、
かつその冷却管６ｂを溜り部ができないように勾配をつ
けて巻装させて形成される。

７は前記吸熱管６ａの下流で、かつ器体（図示せず）の
最上部に配設した給湯栓で、該給湯栓７は開成時におい
て給湯先は大気に開放される。

８は傾斜した前記吸熱管６ａの低位置側出口から前記給
湯栓７へ連通ずる流出路から分岐して前記２次水室２ｂ
へ連通させる比較的太い（例えば管径８ｍ、／ｙｒｔ）
圧力連結路、９は前記水圧作動装置２と連動するガス応
動バルブ、２ｃは前記２次水室２ｂ内に挿着されたスプ
リングで、前記ガス応動バルブ９が常態において閉成す
る方向に付勢している。

１０はガス栓、１１は前記吸熱管６ａ内の水を加熱する
メーンバーナ、１２は該メーンバーナに着火できるよう
に近接して設置されたパイロットバーナ、１３は器体の
最下部に配設された排水弁で、該排水弁１３の下流は器
体外の大気に開放され、上流は前記１次水室２ａおよび
２次水室２ｂの双方に連通している。

次に上述の構成よりなる本考案の先止め式湯沸器の作用
を説明する。

先ず先止め式湯沸器を使用する際は、ガス栓１０を開成
して適宜の点火手段（図示せず）にてパイロットバーナ
１２を点火する。

このときガス応動バルブ９は閉威された状態でメーンバ
ーナへはガスは流出されない。

次に給水栓１および給湯栓７を開成すれば、給水栓１か
ら流出した水は１次水室２ａへ流入したのち、水量調節
装置４て絞られて通水路５を経由して冷却管６ｂを経て
吸熱管６ａへ流入し、吸熱管６ａの低位置側出口から流
出した通水は二方向に分流され、一方は給湯栓７から器
体外へ流出し、他の一方は圧力連絡路８を経由して２次
水室２ｂへ流入する。

このとき水量調節装置４、通水路５、熱交換器６の管路
内通過抵抗によって１次水室２ａと２次水室２ｂの間に
圧力差が生じ、タイヤフラム３が２次氷室側に移動して
ガス応動バルブ９を開成させ、メーンパーナ１１までガ
スが流出され、既に点火しているパイロットバーナ１２
により着火されてメーンバーナ１１が燃焼を始め、吸熱
管６ａを加熱して通水を所望温度の湯水とする。

給湯栓７を閉威すれば、通水がないために１次水室２ａ
と２次水室２ｂの間に圧力差がなくなり、スプリング２
ｃの付勢によってガス応動バルブ９が閉威されてメーン
パーナ１１は消火し、パイロットバーナ１２のみ燃焼し
つづける。

次に、先止め式湯沸器を使用しない状態において、気温
が氷点下以下になり器体内の水が凍結するのを防止する
ために排水する場合は、ガス栓１０を閉威してパイロッ
トバーナ１２を消火したのち、給水栓１を閉威し、給湯
栓７は開成したま）で給湯先を開放させ、水量調節装置
４を全開にした状態で排水弁１３を開成すれば、冷却管
６ｂ内の水は自重により通水路５を通り水量調節装置４
を経由して１次水室２ａから排水弁１３へ流出し器体外
へ排出する。

吸熱管６ａ内の水は自重により圧力連絡管８を通り、２
次水室２ｂから排水弁１３へ流出し器体外へ排出する。

また給湯栓７より上流の給湯配管内の水は自重により前
述の２通りの順路で器体外へ排出する。

このようにして器体内の水は完全に器体外へ排出される
。

本考案の先止め式湯沸器は、上述の構成よりなるので、
以下述べるような効果を奏することができる。

（１）水圧作動装置の１次氷室と２次氷室の圧力差を比
較的太い管路で連通ずる熱交換器と水量調節装置の通過
抵抗でとり、排水時における通水抵抗を極力小さくした
ので、残留水が通水管路内に止まることなく確実に自重
排出される。

（２）据置型先止め式湯沸器において、設置状態の不備
により若干器体が傾斜して取付けられても、熱交換器の
吸熱管と冷却管が予め勾配がつけられているため、排水
時に熱交換器の通水管路内に残留水が溜まることがなく
、これと前記（１）による確実な排水とが相まって水の
凝固膨張による通水管路内の損傷を確実に防止すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来品の据置型先止め式湯沸器の概略説明図、
第２図は本考案の先止め式湯沸器の概略説明図である。 １・・・・・・給水栓、２・・・・・・水圧作動装置、
２ａ・・・・・・１次水室、２ｂ・・・・・・２次水室
、２ｃ・・・・・・スプリング、３・・・・・・ダイア
フラム、４・・・・・・水量調節装置、５・・・・・・
通水路、６・・・・・・熱交換器、６ａ・・・・・・吸
熱管、６ｂ・・・・・・冷却管、７・・・・・・給湯栓
、８・・・・・・圧力連絡路、９・・・・・・ガス応動
バルブ、１０・・・・・・ガス栓、１１・・・・・・メ
ーンパーナ、１２・・・・・・パイロットバーナ、１３
・・・・・・排水弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水圧作動装置の１次氷室と２次氷室との差圧によりガス
   応動バルブを開くようにした先止め式湯沸器において、
   水圧作動装置の１次氷室と熱交換器の流入路とを水量調
   節装置を介して通水路で連通ずると共に、前記熱交換器
   の吸熱管の出口から給湯栓に至る流出路より分岐した圧
   力連絡路を前記水圧作動装置の２次氷室へ連通させて１
   次氷室と２次氷室との差圧を熱交換器および水量調節装
   置の管路内抵抗でとる如く構威し、さらに前記熱交換器
   の吸熱管を出口側が低くなるように傾斜させると共に、
   その熱交換器の冷却管を溜り部ができないように勾配を
   つけて胴部に巻装したことを特徴とする先止め式湯沸器
   。