JPS60394Y2 - シ−ルド掘進機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はカッタ室内に掘削土（以下ズリという。

）が付着堆積するのを未然に防止し得るようにしたシー
ツ叶掘進機に関する。

最近、シールド掘進機ては粘性土の掘削に問題が生じて
いる。

すなわち、シールド掘進機ては、カッタて掘削したズリ
をカッタ室内に一旦導入し、そのズリをスクリューコン
ベヤ等て取込んで後方に排出するようにしている。

ところが、上記カッタ室内に導入されるズリが粘性土の
ような粘度の高いものであると、そのズリが上記カッタ
室内に付着堆積する結果となる。

このため、カッタ室内からスクリューコンベヤにズリが
送り込めなくなる。

また、そのことによって、カッタに設けられたズリ導入
用のスリットが上記カッタ室内の堆積ズリで塞がれるた
め、そのカッタ室内に後続のズリを導入できなくなり、
さらに、それに起因してカッタ負荷が過度になることか
らシールド掘進機が停止してしまう。

この考案は上記事情に鑑みて創案されたもので、その目
的は、シールド掘進時にカッタ室内に導入されるズリが
確実に攪拌されるようにして、たとえ高粘度のズリであ
っても、そのズリがカッタ室内に付着堆積するようなこ
とがなく粘性土の掘削をも円滑に行ない得るようにした
シールド掘進機を提供するにある。

以下に、この考案の好適実施例を図面に基づいて説明す
る。

ます、第１図に示すシールド掘進機において、円筒状の
シールドフレーム１内にはカッタ支持用の架台２が設け
られ、この架台２には、上記シールドフレーム１の軸心
部を中心に回転するカッタ３がカッタ軸受６を介して支
承させである。

上記カッタ３は、ズリ導入用のスリットおよび掘削ビッ
ト（いずれも図示省略）のそれぞれを有するカッタフレ
ーム４と、このカッタフレーム４の裏面側に一体形成し
たカッタ室５とによって構成されている。

また、上記カッタ３はシールドフレーム１内に設けたモ
ータＭで回転駆動すべく、このモータの出力軸に嵌着し
た主動ギヤ７と、カッタ３の後端部外周に嵌着した従動
ギヤ（カッタギヤ）８とを互いに噛合させている。

更にカッタ室５内には、スクリューコンベヤ等からなる
ズリ搬送手段９のズリ導入部側が臨ませである。

そして、上記カッタ室５内には、その内周面側に位置し
て軸方向に沿うズリ攪拌用の回転軸１０が軸受１２を介
して回転自在に支承させである。

この回転軸１０には半径方向に延びる複数の攪拌羽根１
１が所定の間隔て一体形成されている。

また、上記回転軸１０において、カッタ室５内からカッ
タ支持架台２側に導出した軸部には歯車１３が嵌設しで
ある。

この歯車１３は、上記シールドフレーム１の内周壁に沿
って環状に形成した固定側のラック１４と噛合させであ
る。

従って、上記歯車１３は、カッタ３が回転することによ
りその軸心部の周りを公転しつつ自転するようになって
いる。

つぎに上記実施例の作動を説明する。

シールド掘進に際してカッタ３のモータＭを起動させる
と、ぞの回転力か主動ギヤ７および従動ギヤ８を介して
上記カッタ３に伝達される。

もってカッタ３が回転すると、攪拌羽根１１の回転軸１
０の歯車１３が、これと噛合する固定側の環状ラック１
４上を転動することから、上記攪拌羽根１１はカッタ３
の回転に追従して回転する。

このような状態てシールド掘進作業が行なわれることに
より、カッタ室５内に導入されたズリは、カッタ３の回
転している限り上記攪拌羽根１１て常に攪拌されること
となる。

従って、カッタ室５内に導入されるズリが粘性度の高い
ものであっても、そのズリが上記カッタ室５内に付着堆
積するようなことがなくなる。

このようにカッタ室５内にズリが付着しないことから、
カッタ室５内に導入されたズリをズリ搬送手段９に常時
円滑に送り込むことができて、その搬送手段て系外へ効
率よく排出することかてきる。

第２図には本考案の他の実施例が示しである。

この実施例ては、上記攪拌羽根１１の回転軸１０からカ
ッタ室５内に粘性材乃至加圧水を噴射できるようにして
いる。

その手段として、上記回転軸１０は、その軸心部に沿っ
て流体通路１５が設けられ、且つこの流体通路１５とカ
ッタ室５内とを連通すべく攪拌羽根１１の相互間て開口
する複数の噴射孔１６を周壁部に設けて歯車１３側の導
出端を開口させた管状軸構成にしである。

そして、このように構成した回転軸１０は、回転継手１
７を介して流体供給管１８と接続させてあり、それらの
具体的構成を以下に述べる。

すなわち、上記回転継手１７は、カッタ支持架台２の側
面部に設けてカッタ３に対して同心環状に形成した固定
側リング１９と、この固定側リング１９に回転自在に取
付けた可動側リング２０とからなり、これらの周リング
１９，２０間に環状流体通路２１を設けた構成になって
いる。

このような回転継手１７において、固定側リング１９に
設けた管接続孔を介して流体供給管１８が上記環状流体
通路２１と連通させである。

一方、上記可動側リング２０には、第３図に拡大示した
ことく環状流体通路２１に通じる継手管部２２が一体形
成されている。

この継手管部２２にシール付軸受２３を介して上記回転
軸１０の導出端部が回転自在に接続しである。

従って、カッタ３の回転時には、攪拌羽根１１の回転軸
１０が前実施例の場合と同様に自転しながら公転すると
共に、その回転軸１０とシール付軸受２３のそれぞれを
介して回転継手１７の可動側リング２０が上記カッタ３
と同軸回転することになる。

このため、カッタ３の回転により上記回転軸１０が如何
なる位置に変位しても、この回転軸１０の流体通路１５
は回転継手１７の環状流体通路２１を介して流体供給管
１８と常に連通することになる。

尚、上記流体供給管１８が粘性材乃至加圧水供給源に接
続されることは勿論である。

つぎに上記第２実施例の作動を説明する。

シールド掘進に際してモータＭてカッタ３を回転駆動さ
せることにより、その回転に追従して攪拌羽根１１が回
転することは上述した通り前実施例の場合と同じである
。

このような作動状態て流体供給管１８に粘性材乃至加圧
水を供給すると、この粘性材乃至加圧水は回転継手１７
の環状流体通路２１を通って回転軸１０の流体通路１５
に送り込まれ、次いて噴射孔１６からカッタ室５内に噴
射される。

従って、上記攪拌羽根１１は粘性材乃至加圧水を噴射し
ながらカッタ室５内のズリを攪拌することになる。

このことによって明らかなごとく、シールド掘進時にカ
ッタ室５内に導入されたズリは粘性材乃至加圧水と確実
に攪拌混合される。

このため、上記ズリは粘性土のようなものであっても確
実に泥水化されてカッタ室５内に付着堆積するようなこ
とはなくなる。

また、切羽地山が透水性の高い土質の場合には、上記噴
射孔１６から粘性材を噴射させることにより透水性の高
い切羽地山を粘性化することができる。

これによって切羽地山からの湧水を抑えることがてきる
ため、切羽地山の安定にも効果的である。

なお、第１図および第２図ては、回転軸１０と攪拌羽根
１１とによって構成された所謂羽根車をカッタ室５内に
１個しか図示していないが、カッタ室５内にはその周方
向に沿って隣合う複数のバケット室が区画形成されてい
るので、それらの各パケット室内に上記羽根車がそれぞ
れ設けられるのである。

また、上記攪拌羽根１１の形状は限定されるものではな
い。

以上要するにこの考案ては次のような優れた効果を発揮
する。

（１）シールド掘進機のカッタ室内に、このカッタ室の
回転に追従して回転する攪拌羽根を設けたのて、カッタ
室の回転力で上記攪拌羽根を回転させ得ることと相俟っ
て、その攪拌羽根によりカッタ室内のズリを効率よく確
実に攪拌することができる。

このため、カッタ室内に導入されるズリが粘性土のよう
な粘度の高いものであっても、そのズリが上記カッタ室
内に付着堆積するようなことがなくなる。

（２） 従って、この考案によれば、たとえ高粘度の
ズリであっても、それをカッタ室からズリ搬送系統に円
滑に送り込むことができ、カッタ室内におけるズリの付
着堆積に起因してカッタ負荷が過度になったり機械が停
止する等の問題を解消できる。

（３）また、上記（１）項の記載で明らかな如く、攪拌
羽根は専用の駆動手段を必要としないので、構成が簡素
化してメンテナンスにも有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の好適一実施例に係わるシールド掘進
機の断面図、第２図はこの考案の他の実施例に係わるシ
ールド掘進機の断面図、第３図は第２図の要部拡大断面
図である。 図中、１はシールドフレーム、５はカッタ室、１０は回
転軸、１１は攪拌羽根、１３は歯車、１４はラックであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒状のシールドフレーム内に、その軸を中心に回転自
   在にカッタ室を形成したシールド掘進機において、上記
   カッタ室内にその軸方向に沿って回転自在に支持された
   回転軸を設け、該回転軸に半径方向に延ひた攪拌羽根を
   設けると共に該回転軸に歯車を設け、該歯車に噛合する
   ラックを上記シールドフレームの内壁に沿って環状に形
   成して、上記カッタ室の回転に追従させて上記攪拌羽根
   を回転させるように構成したことを特徴とするシールド
   掘進機。