JPS6038617Y2 - 糸巻きボビン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は糸巻きボビンに関し、特にボビン上に糸を巻き
取るに際し、糸掛けが容易であり、かつ糸止め後の糸を
容易に切断することができる糸巻きボビンに関する。

繊維製造工程におけるボビンへの糸巻き作業は連続的で
あり、また送られてくる糸速は高速であるため、糸掛け
、ボビンの交換をスムーズに行なう必要がある。

通常、糸速かそれ程速くない場合には最初、ボビンを停
止しておき、糸端を１回、ボビン上に巻きつけた後にボ
ビンを駆動しているが、ボビン数が増すとこの作業にか
なりの時間を費す欠点があった。

また、一つのボビンが満管になったとき、最後の糸端を
ボビン端部周面に設けられた糸止め溝に糸を止め、糸を
切断し、新しいボビンをセットして、またボビンに一周
糸を巻いてから駆動させることになり、その間に送られ
てくる糸はウェスト糸として処理しなければならなかっ
た。

本考案はこのような糸掛け、糸の切断をより容易に行な
うべく鋭意検討を重ねた結果、次のような本考案に至っ
た。

即ち、本考案は両端が開放された円筒管からなる糸巻き
ボビンにおいて、該円筒管の端部円周面の少なくとも１
箇所に凹部を設け、該凹部の底が円筒管端面に突き出し
て凸部を構成していることを特徴とする糸巻きボビンで
ある。

以下、図面を参照して本考案を具体的に説明する。

第１図は本考案による糸巻きボビンの斜視図であり、円
筒管１の端部円周面に凹部２が設けられている。

この凹部２の同期周面上には糸止め溝３が設けられてい
る。

第２図は第１図のＡ−Ａ線矢視図であり、凹部２は円筒
管１の周面から下がっていることがわかる。

また、凹部２の底は円筒管端面５に突き出しており、凸
部４を形成している。

第３図はボビンに糸を巻いた状態を示す部分断面図であ
るが、本考案のボビンは凸部４が円筒管１の端面５から
突き出しているため、たとえばこのボビンを支持するボ
ビンチャックあるいは隣のボビンの端面６に凸部４が当
接し、わずかな隙を生ずる。

そこで、糸の巻取りスタートまたは、ボビン交換の際、
ウェスト糸をこの凸部４と端面６の間に挟持したのち、
糸巻きを開始することができるのである。

ボビンに巻かれた糸は第３図の点線のように山形に巻か
れるが、満巻後、最後の糸は凹部２の上に巻かれ、糸止
め溝３に止められる。

そして、次の新しいボビンに連続的に巻きとられるが、
その際、ボビンの交換にともない糸を切断断する必要が
ある。

ところが本考案のボビンは円筒管端部に凹部２が設けら
れており、この凹部２の上に糸が巻かれているのでこの
部分を刃物で切ることにより、簡単に切断ができるので
ある。

また、第４図はエキスバンド式スピンドル８に２本の円
筒管１，１′を固定し、満巻になった状態を示す断面図
であり、このような状態で円筒管をスピンドルからはず
す際、スピンドルに内蔵されたウェスト糸切断装置（図
示せず）で、スピンドルに巻かれたウェスト糸９を自動
的に切断でき、作業効率が極めてよくなる。

本考案の糸巻きボビンは紙、プラスチック、金属または
これらの複合材料でつくることができ、円筒管の端部周
面に凹部２に見合う形のものを押しつけることにより、
簡単に凹部２及び凸部４を形成することが可能である。

また、プラスチックの場合には凹部２および凸部４のつ
いた型を用い一体形成することもできる。

本考案の糸巻きボビンは次のような利点を有する。

（１）円筒端面５に凸部４を有しているため、隣のボビ
ンあるいはボビンチャックの端面との間に間隙を生じ、
糸掛けが容易となる。

（２）円筒端部周面に凹部２を有するので糸止め後、糸
の切断が容易である。

（３） 凸部４および凹部２の形成が容易であるため
、製造が簡単である。

本考案の糸巻きボビンは合成繊維、天然繊維あるいはこ
れらのリボン状糸条の糸を巻く工程に適用することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の糸巻きボビンの斜視図、第２図は第１
図Ａ−Ａ線矢視図、第３図、第４図は本考案のボビンを
使用したときの状態を示す断面図である。 １・・・・・・円筒管、２・・・・・・凹部、３・・・
・・・糸止め溝、４・・・・・・凸部、５・・・・・・
円筒管端面、７・・・・・・糸、８・・・・・・スピン
ドル、９・・・・・・ウェスト糸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両端が開放された円筒管からなる糸巻きボビンにおいて
   該円筒管の端部円周面の少なくとも１箇所に凹部を設け
   、該凹部の底が円筒管端面に突き出して凸部を構成して
   いることを特徴とする糸巻きボビン。