JPS6036491Y2 - 自動防眩バックミラ−の受光用マスク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車の運転席に取付ける自動防眩バックミ
ラーにおける受光素子の前面に装着するマスクに関する
ものであって、このマスクを右ハンドル車と左ハンドル
車とに共用できるようにしたものである。

運転席に設けるバックミラーは、夜間後続車のヘッドラ
イトビームを受けて反射し、運転者の視界を眩惑するこ
とがある。

これを防ぐため自動防眩バックミラーはそのボデー内に
反射板を可動式に配置し、眩惑を与えるヘッドライトビ
ームを受けたとき前記反射板を傾けて運転者に眩しさを
与えないようにするものであり、特に反射板の駆動を電
磁石等を利用して自動的に行なわしめるようにしたもの
である。

そしてこの種のバックミラーに於て夜間後続車のヘッド
ライトビームを受けたときは、これを通常はバックミラ
ーのボデーに取付けた受光素子が感知して、電磁石等の
アクチュエータを作動させるようになっているものであ
るが、光を取入れる受光用マスクの取付角度は、右ハン
ドル車（操縦ハンドルを車内右側に備えている自動車）
と左ハンドル車（操縦ハンドルを車内左側に備えている
自動車）とで相違している。

すなわち右ハンドル車と左ハンドル車とでは、運転者の
座席位置が相違するため、当然のことながら使用時にお
けるバックミラーの水平方向の角度も相違し、第９図Ａ
−Ｂに示す如く、運転者が車両後方を常時安全に確認で
きるような角度に位置決めされる。

その角度は右ハンドル車と左ハンドル車とではほぼ正反
対になることが多い。

そこでミラーボデーに取付ける受光素子も上述のような
使用時におけるバックミラーの傾きに応じ、車両後方か
らの運転者に眩しさを与える入射光のみを検出するよう
に位置設定しなければならず、従って右ハンドル車と左
ハンドル車とでは受光マスクの取付角度も全く逆になっ
ている。

そのため自動防眩バックミラーは右ハンドル車と左ハン
ドル車との間で共用できないから、自動防眩バックミラ
ーの各部を右ハンドル車用と左ハンドル車用とに別個に
製造組立てなければならない作業上の不利があり、コス
トアップなどの不利益をもたらすものである。

本考案は上記実用新案登録請求の範囲の構成を採用して
、マスクを１８０度鉛直面内方向に反転させるだけで、
右ハンドル車と左ハンドル車のいずれにも使用できるよ
うにして、これにより従来型の欠点を除去したものであ
る。

以下本考案を図示の一実施例に基づいて説明する。

第１図は本考案の受光マスクとこのマスクを装着する受
光素子ならびにミラーボデーの一部を示すもので、図に
於て符号１が樹脂成型品であるバックミラーボデー、２
はこのボデーの中央下部に凹設した受光素子の保持部で
ある。

この保持部は前面が開放されており、内側に左右一対を
なす受光素子保持リブ４，４があり、上部にはボデーの
縁と一体をなす挟持体５が設けられている。

符号６が受光素子３の前面に装着するマスクであり、こ
のマスクは受光素子と同様にミラー中心を通る鉛直面上
に配設され、マスク正面がミラーと同様に車両後方に対
面するように取付ける。

第２〜３図から明らかなように、マスク６の外形は左右
対称形状に形成されており、７はその正面両側に突設さ
れたストッパーである。

マスク正面のほぼ中央部には一端は正面に開口し、これ
と連続する他端がマスク裏面の受光素子３に向って開口
するように入射光、すなわち眩惑光の通過する通路８を
形成する。

そして前記正面に開口する開口部９はマスク中央の対称
軸Ｙを境としてその左右いずれかの側（第２図では左側
）に偏在するように構成すると共に、光の通路８はバッ
クミラーの使用時の傾きと運転者の座席位置とを考慮し
て水平方向に傾けて、裏面側開口部１０を第３図に示す
ように対称軸Ｙ上に形成するものである。

上記のように構成される本考案は次の如くしてミラーボ
デー１に組付ける。

すなわち第５図に示すように受光素子３の前面にマスク
６を重ねたうえで、または順次ボデー下部に凹設した保
持部２内に押込み挿入し、これらを保持リブ４と挾持体
５との間に弾性的に挟着保持し、更にストッパー７によ
り抜は出ないように固定するものであり、第６図及び第
７図は組付後の状態を示すものである。

なお、第１図の例はマスク正面の開口部９を対称軸Ｙの
左側に偏在させたものであり、右ハンドル車に適用する
ものである。

一方、第２図のマスクを左ハンドル車に適用するときは
、このものを１８０度鉛直内面方向に反転させて、第８
図の如くなした後、これを前記と同様な手順でミラーボ
デーに組付けるのである。

なお、上記実施例においてはマスク６をミラーボデー下
部の保持部に挿入することにより固定したものであるが
、ねじ止め等の手段によりこのマスクを保持部に固定す
ることもある。

以上詳述したように本考案のマスクは右ハンドル車と左
ハンドル車のいずれにも共用できるから、従来のように
右ハンドル車用と左ハンドル車用とを別個に製作しなけ
ればならない不利を一掃できる点で実用上の効果が高い
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の受光マスクとこのマスクを装着する受
光素子ならびにミラーボデーの一部を示す組立説明図、
第２図は本考案マスクの正面図、第３図は同上横断平面
図、第４図は同上縦断立面図、第５〜６図は本考案マス
クと受光素子をミラーボデーに組付ける前後の異なる状
態を示す要部断面図、第７図は同じく組付後の状態を示
す斜視図、第８図は第２図のマスクを反転させた状態の
正面図、第９図ＡとＢはそれぞれ右ハンドル車と左ハン
ドル車における従来型自動防眩バックミラーの使用時の
角度を示す平面図である。 １：ミラーボデー、２：保持部、３：受光素子、４：保
持リブ、５：挾持体、６：マスク、７：ストッパー、８
：通路、９：正面開口部、Ｙ：ミラー中心の垂直線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動防眩バックミラーのミラーの中心を通る鉛直面上に
   取付けられる受光素子３の前面に装着するマスクであっ
   て、マスク外形を左右対称形状とし、そのほぼ中央部に
   光の通る通路８を形成して、その一端をマスク正面部に
   開口させ、他端はマスク裏面部に設けた受光素子３に向
   って開口させると共に、前記前面に開口する開口部９を
   マスク中央の対称軸Ｙを境としてその左右いずれかの側
   に偏在させ、また、光の通路８は水平方向に傾斜させて
   裏面側開口部１０を前記対称軸Ｙ上に設けたことを特徴
   とする自動防眩バックミラーの受光用マスク。