JPS6035420B2 - 熱的に安定な非晶質磁性合金 - Google Patents

熱的に安定な非晶質磁性合金

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JPS6035420B2
JPS6035420B2 JP52016816A JP1681677A JPS6035420B2 JP S6035420 B2 JPS6035420 B2 JP S6035420B2 JP 52016816 A JP52016816 A JP 52016816A JP 1681677 A JP1681677 A JP 1681677A JP S6035420 B2 JPS6035420 B2 JP S6035420B2
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magnetic
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nickel
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紀繁 山口
一雄 大矢
修 河本
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は熱的に安定な非晶質磁性合金に関するものであ
る。
最近に至りこれまでの金属磁性材料より優れた磁気特性
に加えて、電気抵抗が高く、薄板加工性がすぐれている
ことから非晶質合金が高周波磁心用として注目されるよ
うになった。通常、金属は固体状態においては結晶とし
て存在している。しかしながら、ある種の合金融液を1
ぴ〜1び。0/secという大きい速度で急冷凝固させ
たような場合、固体状態でも、溶融状態に類似した原子
配列をもつもの、すなわち非晶質の合金が得られる。
この非晶質合金は、X線回折、電子線回折によっても結
晶構造を示すような回折像は得られず、結晶質とは異な
るアト・ランダムな原子配列を有するものであることが
確認されている。このような非晶質合金からなる磁性材
料は、通常の結晶に起因する磁気異万性を有しないため
、一般に保磁力が、小さい、初透磁率が大きい、電気抵
抗が大きい、硬度が高いなどの磁性材料に通した特徴を
有している。これまでに高透磁率非晶質磁性材料として
、Fe4.7Co7o.3Si,5Bo(Si十Bの合
計量yが本発明の範囲外)、およびFe6Co74B2
。(Si+Bの合計量yが本発明の範囲外)などの組成
点を有する磁性材料が発表されている。しかしながらこ
れらの組成の磁気特性は常温ではすぐれているが、20
0qC前後の温度で数時間加熱すると常温における初透
磁率が最初の値から60%〜80%減少し、熱的に極め
て不安定であることが明らかになった。例えばFe5C
o7oSi,5Bo(yの点で本発明の範囲外)は30
0ooで加熱することによって常温で初透磁率が1/6
にも減少することが報告されている。このように初透磁
率が熱に対して不安定であることは非晶質材料の実用化
の観点から大きな問題点となっていた。
特に非晶質磁性合金を磁気ヘッドに応用しようとする場
合上記の熱不安定性は大きな問題であった。これは磁気
ヘッドを製作するに際し、渦電流損失を少なくするため
に、ヘッドのコアは磁性材料の薄板を多数枚接着して積
層化して製作する必要があるが、この際薄板の積層工程
における接着材の熱硬化、および樹脂モールドなどのた
めに100つ○〜200ooの加熱が必要である。これ
までに発表されている非晶質磁性材料、例えばFe4.
7Co7o.3Si,58o,Fe6Co74B2oな
どの高透磁率非晶質磁性合金は、この加熱によって初透
磁率が10000前後から2000〜3000・減少し
てしまい、十分な磁気ヘッドとしての特性は得られなか
った。本発明者らは、結晶化温度よりもかなり低い温度
での加熱によって、初透磁率が減少する原因について研
究を重ねた結果、80mh○e以下の低磁場では第1図
に示されるごとく加熱によりB一日ヒステリシスループ
が数十m比移動し、保磁力が増加するためであることを
見出した。第1図は、200001時間加熱して場合の
非晶質磁性合金例えば(Feo.のCoo.85Ni側
8)75Si,5Bo(yの点で範囲外)のB−日ヒス
テリシスループの移動を示すもので、図中符号1は加熱
前、2は加熱後のB−日ヒステリシスループを示すもの
である。
本発明者らは、B一日ヒステリシスループの加熱による
移動をo付近に押える方法について種々検討した結果、
Fe−Co−Ni系非晶質合金においては、ニッケル含
有量と非晶質化を助長する半金属成分の量に関係がある
ことを見出した。
すなわちニッケル含有量が少ない場合には、半金属成分
を多くすることによって熱的に安定な非晶質磁性合金が
得られ、一方ニッケル含有量が多い場合には、半金属成
分はある程度少なくても熱的に安定な非晶質磁性合金が
得られることを見出した。さらに遷移金属成分Fe,C
o,Ni中のNi含有量(C)と半金属成分量(y)の
関係について詳細に検討した結果、oScSO.45に
おいて半金属成分量が27.5−欧より多い場合、熱的
に安定な非晶質合金からなる磁性材料が得られることを
見出し本発明をなすにいたつた。すなわち本発明は熱的
に安定な実質的に非晶質な磁性合金からなる磁性材料を
提案するもので、鉄、コルト、ニッケル、シリコンおよ
びボロンからなり、これを一般式(FeaCobNic
)x(SieBf)yと表わすとき、×十y=100,
27.5一松≦y≦35−19a+b+c=1.00,
0.03ミaSO.091,oミcミ0.45,o≦e
y≦25,o<fyS30なる関係を有する非晶質な磁
性合金であることを特徴とするものである。
第2図は、半金属成分量を横軸に、遷移金属成分Fe,
Co,Ni中のNiの含有量を縦軸にとった場合の熱的
に安定な非晶質磁性合金が得られる組成範囲(a,b,
c,dで囲まれた範囲)を示すものである。
同図に基いて本発明をさらに詳しくいえば風鉄、コバル
ト、ニッケルの三元系組成からなる遷移金属成分65〜
76.1at%と剛シリコンまたはポロンからなる半金
属成分23.9〜3母t%からなり、遷移金属成分鉄、
コバルトおよびニッケル中の鉄の含有量{a}が0.0
3よりも多く0.091以下、ニッケルの含有量‘cー
が0.45以下であり、しかも半金属成分量yとニッケ
ルの含有量Cとの間で27.5−欧≦yミ35−IQな
る関係を満足する場合熱的に安定な非晶質磁性合金が得
られる。
さらにこの場合シリコンの含有量は2$t%以下、好ま
しくは5〜2世t%、ボロンの含有量が3瓜t%以下に
する必要がある。次に本発明の合金の成分組成範囲を限
定する理由を述べる。
遷移金属成分鉄、コバルト、およびニッケル中の鉄の含
有量‘a’が0.03より少ないとき、及び0.091
より多いときは、熱的に安定でしかも磁歪の小さな組成
の選択が不可能になり、初透磁率が減少し、磁性材料と
して十分な特性が得られないので0.03から0.09
1の範囲に限定する必要がある。
遷移金属成分鉄、コバルトおよびニッケル中のニッケル
の含有量{cーカ汎45より多いときは飽和磁束密度を
低下させるので0.60以下の範囲に限定する必要があ
る。
本発明組成を(FeaCobMc)x(SiB)yと表
わすとき、非晶質合金において示される半金属成分の量
yはニッケルの含有量cとの関係から、第2図よりy<
27.5−欲なる場合には、熱的に安定な非晶質磁性材
料が得られない。
またy>35−IQなる場合には、飽和磁束密度が低下
し磁性材料として十分な特性が得られないので半金属成
分の量yは、ニッケル含有量Cとの関係から27.5一
枕≦y≦35−19なる条件を満足する範囲に限定する
必要がある。シリコンは合金組織の非晶質化を助長し、
かつ耐摩耗性の増大に寄与する元素であるが、2弦t%
より多いときは、現在の葛虫液を急冷して製造する非晶
質合金の製造技術の水準から、一般的に1ぴ〜1び。
0/secの急冷速度では非晶質合金とすることは困難
であり、かつ合金を腕化するので2母t%にする必要が
ある。
なお、半金属成分としてシリコンを用いずボロンのみを
用いても本発明の磁性材料として使用することができる
。ボロンはシリコンと同様、合金組織の非晶質化を助長
する元素であるが、3瓜t%より多いときは非晶質合金
とすることが困難であり、かつ合金を腕化するので3花
t%以下にする必要がある。
次に本発明の非晶質磁性合金の製造方法について説明す
る。本発明の熱的に安定な非晶質磁性合金は合金溶湯を
熔融状態から1ぴ℃/秒以上の冷却速度で超急冷し、固
化させることによって製造することができる。
熔融状態の合金を超急冷して、非晶質合金を得るには例
えば第3図に概略図で示すような装置が用いられる。
第3図において、1は溶融合金を噴出させるために、先
端が細くなった石英管ノズルである。この石英管ノズル
の中に、試料母合金3を装入し、加熱炉3で溶解する。
この際、試料母合金の酸化を防止するために、アルゴン
ガスなどの不活性ガスを石英管の上部7から低圧で流入
させる。4は溶融合金を超急冷させ、非晶質合金を得る
ための金属製回転ロールである。
この回転ロールはモーター5によって、周速が20m/
sec以上の速さで高速回転している。6は石英管ノズ
ルを支持して上下に移動させるためのヱアピストンであ
る。
試料母合金を石英管ノズル上部8からノズルの先端部に
挿入し、石英管ノズル上部7から流入される不活性ガス
による不活性雰囲気中で加熱し十分に溶解する。
加熱炉中心部で溶解した合金を高速回転ロールの円周部
に噴出させるために、すなわち第3.図に示す状態にす
るために、ェアピストンを用い、石英管ノズルを押し下
げ、ノズルの先端を加熱炉の中心部から高速回転ロール
の円周部に近かずける。次に石英管ノズル上部7からの
高圧の不活性ガスを流入し、ノズルの先端から溶融合金
を高速回転ロールの円周部に噴出させて超急冷すること
によって非晶質合金を得ることができる。このようにし
て厚さ20仏の〜60仏肌程度のリボン状薄板非晶質合
金を製造することができる。次に本発明の非晶質磁性合
金について実施例によりさらに詳細に説明する。実施例
1 (Fe。
QCoo.62Nj。.3o)73Si,6B,.の組
成になるように、純鉄(純度99.9%)、電解コバル
ト(純度99.9%)、モンドニッケル(純度99.9
5%)、シリコン(純度99.99%)、およびクリス
タルボロン(純度99.9%)の各原料をそれぞれ秤量
し、夕ンマン炉にてアルゴンガス気流中で熔解した。こ
の溶解した合金を石英管で吸上げ、急冷し母合金を調製
した。次いでこの母合金を第3図に示す製造装置により
、1ぴ。
0/sec程度の冷却速度で急冷し、厚さ40ムののI
Jボン状非晶質合金試料を作製した。
この試料についてX線回折、電子線回折を行った結果、
結晶構造を示す回折像は全く検出されなかった。次に得
られた試料をトロイダル状に捲いて環状の捲鉄心として
、その時の磁気特性(初期値)と20000−lh加熱
後、常温での磁気特性を測定し、各々第1表に示した。
第1表 第1表の結果よりニッケルを0.3併合有し、半金属成
分 y を y = 16十 11 = 27含む(F
eo.偽Co船2Ni帆。
)7ぶi,68,.なる組成点のものは、200oo−
lhの加熱によってB一日ヒステリシスループの移動が
なく、初透磁率がほとんど変化せず、熱的に安定な非晶
質磁性材料が得られることがわかる。実施例 2 実施例1と同様にして、種々の磁歪がほぼ0である組成
からなる鉄、コバルト、ニッケル、シリコン、ボロン系
非晶質合金の調製をした。
これらの各試料について急冷状態(初期値)と200q
0−1h力o熱後の磁気特性を測定し、第2表に示す。
船藤 処 鶴 し S 少 Q 亀 鎧 Q 悪 樽 Q 鷲 嚢 紙 セ こ ゆ ヱ S ※ ☆ 付 試料番号1から4番までの試料は、ニッケルを含まない
鉄、コバルト、シリコンおよびボロン系非晶質合金であ
る。
この系では加熱によりB一日ヒステリシスループの移動
が生じない、熱的に安定な組成は半金属成分であるシリ
コンとボロンの総量が27.弦t%以上の範囲である。
しかし半金属成分の総量が3弦t%より多くなると飽和
磁束密度が低下し、磁性材料としては十分な磁気特性が
得られないので、この系での、熱的に安定な組成は半金
属成分の総量が27.既t%から3弦t%の範囲にある
ことがわかる。試料番号5から7番までの試料はニッケ
ルを0.2併合有する、鉄、コバルト、ニッケル、シリ
コンおよびボロン系非晶質合金である。
半金属成分の総量が2飴t%より多くなれば熱的に安定
な組成となり、さらに31at%より多くなれば飽和磁
束密度が低下するので、熱的に安定な組成となる半金属
成分の総量は2食t%から31at%の範囲であること
がわかる。試料番号11から12番までの試料はニッケ
ルを0.45含有する非晶質合金である。
飽和磁束密度を満足し、熱的に安定な組成となる半金属
成分の総量は2鉾t%であることがわかる。試料番号1
からIZ蚤の試料で、熱的に安定な組成となる半金属成
分の総量とニッケル含有量の関係について見ると、ニッ
ケル含有量が少ない組成系では半金属成分の総量が多く
なり、一方ニッケル含有量が多くなる組成系では半金属
成分の総量が少なくなる傾向にある。
次に磁性材料として飽和磁束密度を満足する組成となる
半金属成分の総量とニッケル含有量の間には、ニッケル
含有量が多くなれば、半金属成分の総量を少〈なくせね
ば飽和磁束密度が満足しない関係にある。
試料番号13から1帯電の試料は半金属成分であるシリ
コンおよびボロンの構成比を変えた試料であるが、シリ
コンおよびボロンの構成比が異なっても十分に熱的に安
定な非晶質磁性合金が得られることがわかる。
以上述べた実施例により、非晶質高透磁率材料の最大の
問題点であった、100〜200ooの加熱による初透
磁率の大中な減少、すなわち熱に対する不安定性が解決
され、そしてこのことにより、非晶質磁性材料が結晶磁
気異方性をもたないことにもよるが、滋歪を組成的に1
×10‐6以下におさえることで、実用的でしかも優秀
な磁気特性を有する欧磁性材料を得ることが可能になり
、本発明の非晶質磁性合金は電子計算機、緑画用、カー
ドリーダー用およびオーディオ用ヘッドおよび巻鉄心、
磁気シールド材、電磁石などの磁性材料として非常に好
適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は20000−lh加熱によるB−日ヒステリシ
スループの移動を示すものであり、図中符号1は加熱前
のB−日ヒステリシスループ、符号2は加熱後のB−日
ヒステリシスループである。 第2図は半金属成分を機軸に遷移金属成分Fe,Co,
Ni中のNiの含有量を縦軸にとった場合の熱的に安定
な本発明の組成範囲(a,b,c,dで囲まれた範囲)
を示すものである。第3図は本発明の非晶質磁性合金を
作るに用いられた装置の1例を示す概略図であり、図中
符号1は石英管ノズル、符号2は試料母合金、符号3は
加熱炉、符号4は回転ロール、符号5はモーター、符号
6はェアピストンである。好’図第2図 劣5図

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 鉄、コバルト、ニツケル、シリコンおよびボロンか
    らなり、これを一般式(FeaCobNic)x(Si
    eBf)yと表わすとき、x+y=100、27.5−
    8c≦y≦35−19c、a+b+c=1.00、0.
    03≦a≦0.091、0≦c≦0.45、0≦ey≦
    25、0<fy≦30なる関係を有する熱的に安定な実
    質的に非晶質な磁性合金。
JP52016816A 1977-02-18 1977-02-18 熱的に安定な非晶質磁性合金 Expired JPS6035420B2 (ja)

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