JPS6033687Y2 - 鉄線鎧装長尺体の船上仮引留装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は鉄線鎧装長尺体を船上に仮引留めする鉄線鎧装
長尺体の船上仮引留装置に関するものである。

海底に布設された鉄線鎧装ケーブルの如き鉄線鎧装長尺
体が故障した場合、この鉄線鎧装長尺体の故障部分を船
上に引き上げ、修理を行う必要がある。

この際に、引き上げた鉄線鎧装長尺体がずり落ちないよ
うに仮引留めしなければならない。

このような場合、従来は第１図に示すように鉄線鎧装長
尺体１にロープ又はワイヤー２を巻付け、このロープ又
はワイヤー２を船３に固定することにより仮引留めを行
っていた。

しかしながらこのようなやり方では、鉄線鎧装長尺体１
を絞ることになり、鉄線鎧装長尺体１に障害を与える関
係で、高水深化及び高張力化する鉄線鎧装長尺体の布設
現状に対応できなくなってきている。

本考案の目的は、高水深下に布設されている鉄線鎧装長
尺体の修理時にもこの長尺体に障害を与えずに船上に仮
引留めすることができる鉄線鎧装長尺体の船上仮引留装
置を提供するにある。

以下本考案の具体例を第２図乃至第５図を参照して詳細
に説明する。

修理を行うべき船３の両舷上に嵌合凹部４Ａを有するＵ
字状の金物からなるストッパーホルダー４を溶接等で固
設しておく。

か）る船３の上に海底５の鉄線鎧装長尺体１の故障箇所
を引き上げ、船３上で故障箇所の鎧装鉄線層ＩＡを剥い
て長尺体本体ＩＢを露出させ、この長尺体本体ＩＢの修
理を行うに先だち、鎧装鉄線層１Ａの端末にストッパー
６を取付ける。

このストッパー６は、鉄線鎧装長尺体１の鎧装鉄線層１
Ａの端部側の外周に嵌合した雄型挾持金具７と、露出さ
れた長尺体本体１Ｂの外周に嵌合された雌型挾持金具８
とを有する。

雄型挾持金具７はその中央に雄型挾持部７Ａを有し、こ
の雄型挾持部７Ａの中心に孔７Ｂを備え、この孔７Ｂに
鉄線鎧装長尺体１を貫通させており、雄型挾持部７Ａの
外周にはフランジ部７Ｃが設けられた構造となっている
。

雌型挾持金具８はその中央に雌型挾持部８Ａを有し、こ
の雌型挾持部８Ａの中心に孔８Ｂを備え、この孔８Ｂに
長尺体本体ＩＢを貫通させており、雌型挾持部８Ａの外
周にはフランジ部８Ｃが設けられた構造となっている。

鎧装鉄線層ＩＡの端部は雄型挾持部７Ａの外周に折り返
され、この折返し部ｌＡ’は雄型挾持部７Ａと雌型挾持
部８Ａとで挾まれ、一方のフランジ部７Ｃに植設されて
他方のフランジ８Ｃを貫通するボルト９と、このボルト
９の先端に螺合されたナツト１０の締付けにより雄型挾
持部７Ａと雌型挾持部８Ａとの間隔が狭められて折返し
部ＩＡ′が締付けられストッパー６の固定が行われるよ
うになっている。

ストッパー６の形成ができたら、このストッパー６を第
５図に示すようにストッパーホルダー４に係止させて鉄
線鎧装長尺体１を船３に引留める。

この場合、海側に鉄線鎧装長尺体１を引っ張る大きな張
力がストッパー６に作用するが、ストッパー６は鎧装鉄
線層ＩＡに固定されているので、張力を鎧装鉄線層ＩＡ
に負担させることができ、長尺体本体１Ｂを張力から保
護することができる。

鉄線鎧装長尺体１をこのようにして船３に仮引留めした
ら、長尺体本体１Ｂの修理を行い、接続部１１を形成す
る。

その後、両方のストッパー６間をワイヤー、ロッド等の
テンションメンバーでつなぎ、接続部１１、テンション
メンバーを覆うように両方のストッパー６間にまたがり
二つ割りの防護カバーをかけて、これをストッパーに固
定し、か）る状態でストッパー６をストッパーホルダー
から外して鉄線鎧装長尺体１を海に戻す。

なお、２重鉄線鎧装長尺体に対しても外側或は外側及び
内側の鎧装鉄線層に同様にストッパー６を取付けること
ができる。

以上説明したように本考案に係る鉄線鎧装長尺体の船上
仮引留装置においては、船上に引き上げた鉄線鎧装長尺
体にその鎧装鉄線層の端部の折返し部を雌雄の挾持金具
で挾持して成るストッパーを取付け、このストッパーを
船上のストッパーホルダーで係止させて引留める構造と
したので、張力を鎧装鉄線層に負担させることができ、
長尺体本体に張力負担をさせずに仮引留めを行うことが
できる。

従って、本考案によれば高水深下に布設されている鉄線
鎧装長尺体の修理を支障なく行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の鉄線鎧装長尺体の船上仮引留状態の説明
図、第２図は鉄線鎧装長尺体の船上への引き上げ状態を
示す説明図、第３図は本考案で用いるストッパーホルダ
ーの一例を示す斜視図、第４図は本考案で用いるストッ
パーの一例を示ス縦断面図、第５図は本考案の仮引留状
態を示す側面図である。 １・・・・・・鉄線鎧装長尺体、ＩＡ・・・・・・鎧装
鉄線層、１Ｂ・・・・・・長尺体本体、３・・・・・・
船、４・・・・・・ストッパーホルダー、４Ａ・・・・
・・凹部、５・・・・・・海底、６・・・・・・ストッ
パー、７・・・・・・雄型挾持金具、７Ａ・・・・・・
雄型挾持部、７Ｂ・・・・・・孔、７Ｃ・・・・・・フ
ランジ、訃・・・・・雌型挾持金具、８Ａ・・・・・・
雌型挾持部、８Ｂ・・・・・・孔、８Ｃ・・・・・・フ
ランジ、９・・・・・・ボルト、１０・・・・・・ナツ
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鉄線鎧装長尺体を船上に仮引留める鉄線鎧装長尺体の船
   上仮引留装置において、前記船上に固設されたストッパ
   ーホルダーと、前記鉄線鎧装長尺体の外周に嵌合されて
   この鉄線鎧装長尺体の鎧装鉄線層の末端の折返し部を雄
   型挾持金具と雌型挾持金具とで挟持してなるストッパー
   とを備え、前記ストッパーが前記ストッパーホルダーに
   係止されて前記鉄線鎧装長尺体が仮引留めされているこ
   とを特徴とする鉄線鎧装長尺体の船上仮引留装置。