JPS603321Y2 - タ−ボチヤ−ジヤの給油装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はエンジンの始動初期及びエンジンの停止後タ
ーボチャージャの軸受は部などに給油するターボチャー
ジャの給油装置に関する。

従来エンジンに装着されたターボチャージャはエンジン
の始動とともに高速回転を開始するが、このときまだ潤
滑系の油圧が十分に上っていないため、ターボチャージ
ャの軸受は部などに焼付きや異常摩耗が発生しやすい。

またエンジンを急停止させたような場合も、ターボチャ
ージャは慣性により高速で回転しているにもかかわらず
潤滑油の給油が停止されるため、ターボチャージャの軸
受は部に焼付きや異常摩耗が発生する不具合がある。

この考案はかかる不具合を改善する目的でなされたもの
で、運転中子め畜圧した油をエンジンの始動時及び停止
時にターボチャージャの軸受は部に給油するターボチャ
ージャの給油装置を提供して、エンジンの始動時及び停
止時にターボチャージャの軸受は部などが焼付いたり、
異常摩耗するのを未然に防止しようとするものである。

以下この考案をターボコンパウンドエンジンに実施した
例について図面を参照して詳述する。

図において１はエンジン、２はエンジン１に装着された
ターボチャージャで、エンジン１の排気により回転され
るタービン２ａと、このタービン２ａにより回転される
コンプレッサ２ｂよりなり、コンプレッサ２ｂによりエ
ンジン１を過給するようになっている。

また３は上記エンジン１の排気により回転されるリカバ
リタービンで、このリカバリタービン３の回転はギヤト
レン４及び流体変速機５を介してエンジン１の出力軸６
へと伝えられ、エンジン出力の増大に寄与するようにな
っている。

一方７はこの考案の装置を示すもので、密圧器８を有し
ている。

適圧室８は両端が閉塞されたシリンダ８ａと、このシリ
ンダ８ａ内に収容されたピストン８ｂ及び中空なスプー
ル８ｃとよりなり、スプール８ｃはシリンダ８ａの一端
側に収容された圧縮ばね８ｄにより蓄圧室８ｅ側へ付勢
されている。

また蓄圧室８ｅ側に位置するピストン８ｂのピストン杆
８ｆ先端は上記スプール８Ｃ内に挿入されていると共に
、ピストン杆８ｆの先端にはスプール８Ｃ内に設けられ
、かつ圧縮ばね８ｇにより圧力室８１側へ付勢された小
ピストン８ｈが固着されている。

そして８０の圧力室８１内にはエンジン１のオイルポン
プ９よりエンジン１の各摺動部へ供給される潤滑油の一
部がチェック弁１０及びシリンダ８ａの開口８ｊを介し
て導入されていると共に、蓄圧室８ｅにはオイルポンプ
９よりチェック弁１１を介してターボチャージャ２及び
リカバリタービン３の各軸受は部などに供給される潤滑
油の一部が絞り弁１２を介して導入されている。

また圧力室８１にはエンジン１のキースイッチ１３に電
気的に接続されていて、エンジンキースイッチ１３をオ
ンにすると遮断され、オフすると開放されて圧力室８１
内の油をオイルパン１０ヘドレンする電磁弁１４が接続
されている。

なお１５はオイルポンプ９の吐出圧を調圧する圧力調整
弁である。

しかしてエンジン１の運転時にはエンジン１のオイルポ
ンプ９より吐出された油によりエンジン１の各部及びタ
ーボチャージャ２、リカバリタービン３、ギヤトレン４
などが潤滑されると共に、油圧の一部はチェック弁１０
及び１１を介して圧力室８１及び蓄圧室８ｅへと夫々導
入されるため、蓄圧室８のスプール８Ｃ及びピストン８
ｂ。

８ｈは第２図ａの位置、すなわちスプール８Ｃがシリン
ダ８ａ内のストッパ８ｋに、またピストン８ｈがスプー
ル８Ｃ内のストッパ８１に当接した状態で停止している
。

なおこのときの圧縮ばね８ｄ、８ｇの圧縮力及び蓄圧室
８ｅ及び圧力室８１の圧力Ｐ１．Ｐ２はともに最大であ
る。

次にエンジン１を停止すると、これに伴いオイルポンプ
９も停止して吐出圧は０になると同時に、いままで蓄圧
室８ｅ内の圧力により圧縮されていた圧縮ばね８ｄが伸
長して、蓄圧室８ｅ内に畜圧された油を絞り弁１２を介
して除々にターボチャージャ２及びリカバリタービン３
など供給し、エンジン１の停止後慣性で回転を続けるタ
ーボチャージャ２などの軸受は部を潤滑する。

このとき圧力室８ｉ内の圧力はまだ保持されているので
スプール８ｃは圧縮ばね８ｄの伸び切った第２図すに示
す位置で停止し、蓄圧室８ｅ内にはほぼ２分の１程度の
油が残存される。

次にエンジン１を始動すべくキースイッチ１３をオンに
すると、これによってエンジン１が起動されると同時に
、電磁弁１４が開放されて圧力室８１内の油がオイルパ
ン１ａにドレンされるため、圧縮ばね８ｄが伸長してピ
ストン８ｈを第２図Ｃに示す位置までは押圧する。

これによって蓄圧室８ｅに残存する油がターボチャージ
ャ２などの軸受は部へ徐々に供給されるため、オイルポ
ンプ９の吐出圧が上昇する前にターボチャージャ２など
が高速で回転しても、軸受けなどが焼付く虞れがない。

なお圧縮ばね８ｄ、８ｇのスプリング力の変化及び蓄圧
室８ｅ、圧力室８１の油圧の変化を動作図と併記して第
２図ａないしＣに示した。

またこの図でに１．に２は圧縮ばね８ｄ、８ｇのばね定
数を示すものである。

さらに上記実施例ではターボコンパウンドエンジンの給
油について述べたが通常の過給エンジンにも勿論採用で
きるものである。

この考案は以上詳述したように、エンジンの運転中に畜
圧した油をエンジンの停止時及び始動時の２回に分けて
供給するようにしたことから、エンジンを急停止した場
合など慣性によりターボチャージャが高速回転していて
も給油不足により軸受けなどが焼付いたり異常摩耗を起
すことがない。

またエンジンの始動と共にターボチャージャの軸受は部
へ残りの油が給油するため、オイルポンプの吐出圧が上
昇する前にターボチャージャが高速回転しても給油不足
をきたす虞れがなく、これによってターボチャージャの
耐久性を一段と向上させることができるようになる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は概略構成図
、第２図ａないしＣは作用説明図である。 １はエンジン、２はターボチャージャ、８は蓄圧器、８
ｂはピストン、８Ｃはスプール、８ｄ及び８ｇは圧縮ば
ね、８ｅは蓄圧室、９はオイルポンプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンのオイルポンプ９より吐出された油をターボチ
   ャージャ２の各軸受は部などへ給油するものにおいて、
   上記オイルポンプ９の吐出圧の一部を畜圧する密圧器８
   を設け、この密圧器８内には圧縮ばね８ｄにより蓄圧室
   ８ｅ側へ付勢され、かつエンジン１の停止とともに適圧
   室８ｅの一部をターボチャージャ２側へ給油するスプー
   ル８Ｃを設け、このスプール８Ｃ内の圧力室８１には、
   スプール８ｃ内に収容された圧縮ばね８ｑにより上記蓄
   圧室８ｅ側へ付勢され、かつ蓄圧室８ｅ側に設けられた
   ピストン８ｂとピストン杆８ｆにより連結された小ピス
   トン８ｈを設けると共に、上記スプール８ｃ内の圧力室
   ８１をエンジン１の潤滑系へチェック弁１０を介して接
   続してなるターボチャージャの給油装置。