JPS6033024Y2 - 筆記具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はノック式シャープペンシルと万年筆を組合せ
た筆記具に関する。

従来、２本の筆記体を平行させて軸筒の一端から交互に
露出する筆記具は公知である。

しかし、同方向から突出させる構造では軸筒先端の太さ
を大きしなければならない欠点があった。

この欠点のため、軸筒の両端に筆記体を配設した筆記具
が数多く提案されている。

しかしこのような構造でも筆記体が平行して軸筒内に設
置さる場合は軸筒の太さを任意の太さにすることは困難
であり、また、２つの筆記体が直線上に軸筒内に設置さ
れる場合は、通常の長さの軸筒に収納される筆記体は必
然的に短かくなり、そのため長期の筆記が困難であった
。

このような問題は、とくに筆記体として万年筆とシャー
プペンシルを組合せる場合はとくに問題が多い。

それは万年筆自体が筆記部としてペン先とう他の筆記体
の筆記部とは異なるはるかに大きい部材を使用しければ
ならないこと、インキの一定供給のためのペン芯を使用
せざるを得ないこと、万年筆そのものの使いすてができ
ずインキタンクを用いてインキの供給を行なわざるを得
ないことである。

そして、ペン先からインキタンクまでが一直線上に配置
されるのが常識であった。

一方、ノック式シャープペンシル自体も鉛芯という折曲
ができない固形体を使用しなければならないこと、鉛芯
の送り出しのため鉛芯押し出し装置を使用しなければな
らないこと、ノック式シャープペンシルそのものの使い
すてができず鉛芯タンクを用いて鉛芯の供給を行なわざ
るを得ない。

モして鉛芯押し出し装置から鉛芯タンクまでがこれも一
直線上に配置されるのが常識であった。

したがって、筆記体として万年筆とノック式シャープペ
ンシルを用いる以上、平行に配置する場合には、軸筒先
端は別にしても軸筒自体の太さは軽減できず、−直線上
に配置する場合には軸筒自体の長さが軽減できなかった
。

したがって、この考案の目的は、このような問題を解決
し、さらにインキと鉛芯の補充が簡便な筆記具を提供し
ようとするものである。

また、この考案の他の目的は万年筆とノック式シャープ
ペンシルの性能を損なわない筆記具を提供しようとする
ものである。

以下、この考案を図面により説明する。

ノック式シャープペンシル１は、断面が楕円のペンシル
軸筒２に、鉛芯押出し装置とこの装置に結合した鉛芯タ
ンク３とを軸筒２の軸心に対して偏心させて挿着すると
ともに、鉛芯タンク３の頭部を軸筒２の外端へ露出させ
、さらに鉛芯タンク３と軸筒２との間にインキタンク収
容部４を設けて形成されている。

鉛芯押出し装置は、軸筒２の先端に位置した口金５と、
軸筒２内に挿入され一端が口金５と結合した内筒６と、
内筒６に摺動自在に保持され、鉛芯タンク３と結合した
チャック７と、チャック７を挾持する締めリング８と、
内筒６と鉛芯タンク３の外周に固定したリングとの間に
位置するコイルスプリング９とで構成されており、コイ
ルスプリング９により鉛芯タンク３は鉛芯押し出し装置
に弾性的に結合されている。

一方、万年筆１０は断面が楕円の万年筆軸筒１１に、ペ
ン先１２を取付けたペン芯１３を軸筒１１の軸心と同心
に挿着し、かつこのペン芯にインキタンク１４を軸筒１
１の軸心に対して偏心させて連結し軸筒１１に配設する
とともに、インキタンク１４の頭部を軸筒１１の外端へ
露出させ、さらにインキタンク１４と軸筒１１とのの間
に鉛芯タンク収容部１５を設けるとともに、この収容部
の奥部に鉛芯タンク３の頭部と接触する衝接部１６を設
けて形成されている。

１７はキャップ、１８は消しゴム、１９は消しゴムの保
護筒を兼ねるノック式シャープペンシルの押圧子である
。

なお、ペン芯１３にインキタンク１４を連結する手段は
、第１図のように、インキタンク１４を結合する結合部
１１ａを軸筒１１と一体に形成して、ペン芯１３の一端
を結合部１１ａに位置させてもよく、このほか第４図の
ように筒状の結合部１１ｂを軸筒１１に取付けてもよい
。

要するにこれらの結合部は軸筒１１の軸心に対して偏心
しており、結合部に結合されたインキタンク１４を軸筒
１１の軸心に対して偏心させる。

そして、ノック式シャープペンシル１にはそのインキタ
ンク収容部４にインキタンク１４が収容され、万年筆１
０にはその鉛芯タンク収容部１５に鉛芯タンク３が収容
された状態で、断面が楕円の連継筒２０の一端がペンシ
ル軸筒２の外端に挿脱自在に結合され、連継筒２０の他
端が万年筆軸筒１１の外端に摺動自在に結合されて両者
の軸筒２．１１が連結されている。

このように構成した筆記具は、押圧子１９を押圧すると
衝接部ｆ↑・６が鉛芯タンク３の頭部をコイルスプリン
グ９の弾力に抗して押圧し、締めリング８により求心方
向に締めつけられたチャック７が鉛芯を挟持して前進す
る。

チャック７と共に動く締めリング８がチャック７の前進
の途中で口金５に設けた設地Ａにより止められるとチャ
ック７が外方に開き鉛芯の挟持が解かれる。

次に押圧１９の押圧が解除さされれるとコイルスプリン
グ９の弾力によりチャック７が後退し、内筒６に設けた
設地Ｂに止められた締めリング８により再たび求心方向
に締めつけられて露出状態の鉛芯が固定される。

この筆記具のペン先１２を用いるには、キャップ１７を
外してペン先を露出し筆記を行なう。

インキと鉛芯の補充は、ペンシル軸筒２から連継筒２０
を抜き去り、インキタンク１４自体の交換あるいはイン
キタンク内へのインキの補充により、また鉛芯タンク３
内へは鉛芯を挿入して行ない、こののち軸筒２に連継筒
２０を嵌合して元の状態に戻す。

この場合、ペンシル軸筒の外端と、この外端に結合する
連継筒の一端とが断面楕円形であるので、連継筒とペン
シル軸筒は相互に回転しない。

このためインキタンクに対する鉛芯タンクの押圧接触が
なく、鉛芯タンクとインキタンクの曲がりが防止できる
。

また、以上に述べた鉛芯押し出し装置の他の形式、すな
わち、口金、内筒、締めリングを用いず、ペンシル軸筒
の開口端内側にコイルスプリング９の一端を定するとと
もに、チャックの先端をペンシル軸筒の外に露出した鉛
芯押し出し装置も使用できることは勿論である。

以上に述べたこの考案の筆記具によれば、鉛芯押し出し
装置とこの装置に結合した鉛芯タンクはペンシル軸筒の
軸心に対して偏心させて挿着しており、一方ペン先を取
付けたペン芯は万年筆軸筒の軸心と同心に挿着するが、
このペン芯にインキタンクを万年筆軸筒の軸心に対して
偏心させて連結し万年筆軸筒に配設し、この両軸筒を連
継筒を用いて連結した状態においては、ペンシル軸筒に
はインキタンクを収容し、万年筆軸筒には鉛芯タンクを
収容した構造をとっているため、全体の軸筒の太さを細
くでき、かつ両筆記体を通常の長さの軸筒に収容できる
。

さらに、連継筒はインキタンクと鉛芯タンクが平行にな
っている部分で両軸筒を連結し、かつペンシル軸筒に挿
脱自在であるためペンシル軸筒ど連継筒を分離するとイ
ンキタンク、鉛芯タンクが軸筒外に露出するのでインキ
、鉛芯の補充が極めて容易であるなどの効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の筆記具の縦断面図、第２図は第１図
の２−２線断面図、第３図は第１図の３−３線断面図、
第４図はペン芯にインキタンクを連結する変形例を示す
一部断面図である。 １・・・・・・ノック式シャープペンシル、２・・・・
・・ペンシル軸筒、３・・・・・・鉛芯タンク、４・・
・・・・インキタンク収容部、５．６．７．８．９・・
・・・・鉛芯押し出し装置、１０・・・・・・万年筆、
１１・・・・・・万年筆軸筒、１２・・・・・・ペン先
、１３・・・・・・ペン芯、１４・・・・・・インキタ
ンク、１５・・・・・・鉛芯タンク収容部、１６・・・
・・・衝接部、２０・・・・・・連継筒。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １（Ａ）ペンシル軸筒２に、鉛芯押し出し装置とこの装
   置に弾性的に結合した鉛芯タンク３をペンシル軸筒の軸
   心に対して偏心させて挿着するとともに、前記鉛芯タン
   クの頭部を前記軸筒の外端へ露出させ、さらに鉛芯タン
   クと前記軸筒と間にインキタンク収容部４を設けたノッ
   ク式シャープペンシル１と、 （Ｂ） 万年筆軸筒１１に、ペン先１２を取付けたペ
   ン芯１３を万年筆軸筒の軸心と同心に挿着し、このペン
   芯にインキタンク１４を万年筆軸筒の軸心に対して偏心
   させて連結し万年筆軸筒に配設するとともに、前記イン
   キタンクの頭部を万年筆軸筒の外端へ露出させ、さらに
   インキタンクと万年筆軸筒との間に鉛芯タンク収容部１
   ５を設けるとともに、この収容部の奥部に鉛芯タンクの
   頭部と接触する衝接部１６を設けた万年筆１０と、 （Ｃ） インキタンク収容部にインキタンクを収容し
   たノック式シャープペンシル軸筒の外端に一端を挿脱自
   在に結合し、鉛芯タンク収容部に鉛芯タンクを収容した
   万年筆軸筒の外端に他端を摺動自在に結合して両者の軸
   筒を連結した連継筒２０とからなる筆記具。 ２ 少なくともペンシル軸筒の外端と、この外端に結合
   する連継筒の一端とが断面楕円形である実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の筆記具。