JPS6032901Y2 - 折曲げ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、プレスブレーキの如き折曲げ装置に係わり
、更に詳しくは、ワークの深絞り加工時に、ワークの支
持及び、ワークの位置決めを正確に行なうワーク位置決
め用ホルダを設けた折曲げ装置に関するものである。

従来、この種の折曲げ装置によって、ワークの深絞り加
工を行なう場合、絞り加工が進行するに従って、ワーク
が上下にハネ上ったり、下ったりするが、ワークを支持
する手段、並びにワークを位置決めする適宜な手段が設
けられていなかったため、ワーク加工後の寸法を正確に
得ることが不可能であった。

この考案は、かかる従来の問題点に鑑み創案されたもの
で、その目的とするところは、ワークの深絞り加工開始
前に、ワークの位置決めを正確に行ないワークの絞り加
工中は、完全にワークを支持して、加工精度を著しく向
上させた折曲げ装置を提供するものである。

以下、添付図面に基づいて、この考案の好適一実施例を
説明する。

第１図は、この考案に係る折曲げ装置本体１を示し、こ
の折曲げ装置本体１の上部には、板状の上部エプロン３
が固着されている。

前記上部エプロン３の下端には、パンチ５（固定金型５
）が、押え板７を介してポルト９，９によって固着され
ている。

また、前記折曲げ装置本体１の下部には、上部エプロン
３と対向する位置に下部エプロン１１が昇降自在に設け
られ、下部エプロン１１の上端には、ダイ１３（移動金
型）が押え板１５．１５を介してボルト１７．１７によ
り固着されている。

折曲げ装置本体１の下部には、ペダル１９が軸２１を中
心として上下方向に揺動自在に設けられており、このペ
ダル１９は、下部エプロン１１を昇降操作するもので、
弾機２３により常時上方向に揺動するよう付勢されてい
る。

前記下部エプロン１１に取付けられたグイ１３には、第
２図〜第４図に示すように、ダイ１３の上面１３ａから
下方に向ってほぼＶ字状の絞り溝２５が形威されており
、この絞り溝２５内には、昇降自在なストリッパー２７
が収容されている。

このストリッパー２７の底部には、ピストンロッド２９
の一端が連結螺着され、ピストンロッド２９の他端部は
、前記ダイ１３内に形威されたシリンダ室３１内を昇降
するピストン３３に連結されている。

ピストン３３は、シリンダ室３１の底壁と、ピストン３
３の底面との間に介装されたスプリング３５によって、
常時上方に附勢され、この結果、ピストン３３と連結す
るピストンロッド２９を介してストリッパー２７も、絞
り溝２５内を常時上方に附勢されるものである。

前記ダイ１３の両側壁には、後述する位置決め用ホルダ
３７を案内する長方形状のガイド溝３９を構成したガイ
ド部材４１ａ、４１ｂが、複数のボルト４３を介して装
着されている。

前記ガイド溝３９内には、前述のストリッパー２７の両
側面と一体的に連結するガイドアーム４５が昇降自在に
設けられており、このガイドアーム４５の端面には、位
置決め用ホルダ３７を備えたガイドアーム４７が、ボル
ト４９を介して夫々取付けられている。

位置決め用ホルダ３７は、第２図、第４図に示す如く、
ホルダーアーム４７の一端に夫々形成された段状の支持
部５１の側壁に、ガイドボルト５３が植設され、このガ
イドボルト５３に２個の六角ナツト５５ａ、５５ｂによ
り挾持固定されたホルダプレート５７が取付けられて構
成されている。

前記ホルダプレート５７は、前記ストリッパー２７に取
付けられたガイドアーム４５と平行状態となっており、
前記六角ナツト５５ａ、５５ｂを緩めることによって、
ガイドボルト５３及び、支持部５１の底面に沿って位置
調整が可能である。

次に前記、パンチ５の上部側面には、ワークＷの絞り加
工時に、ダイ１３の絞り溝２５の上端縁部５９と係合し
、かつワークＷの折曲げ角αを所定の角度に設定する加
工段部６１が形威しである。

この加工段部６１並びに絞り溝２５の上端縁部の折曲げ
角αは、ワークＷの深絞り角度がゆるい角度となるよう
に形威しであるため、ワークＷは、いわゆるスプリング
イン現象により、加圧力を取除いた後、正確な角度、即
ち直角となる。

この結果、絞り加工時における加圧力は極めて小さくて
すみ、経済的である。

なお、上記の実施例において、位置決め用ホルダ３７を
、ガイドアーム４５を介してストリッパー２７に取付け
であるが、シリンダ室３１内のピストン３３に取付ける
ことも可能であり、また位置決め用ホルダ３７がダイ１
３の両側部にあることを限定するものではない。

またホルダプレート５７の位置調整を正確に設定するた
め、図示しない微調整用の指針を取付けることも可能で
あり、更にホルダプレート５７の移動を、図示しない油
圧、空圧等のアクチュエータ手段にて行なうことにより
、複数の位置決めが可能となるものである。

またホルダープレート５７のワークＷの当接面に、図示
しないマグネット部材を設けることにより、確実なワー
クＷの位置決めが可能である。

次に、上記のような構成から成るこの実施例の作用を、
第５図Ａ〜第５図Ｅに基づいて説明する。

まず、第５図Ａに示すように、ダイ１３の上面１３ａ上
にワークＷを送り込み、ワークＷの位置決めを完了した
後、深絞り加工を開始する。

第５図Ａの状態から上部エプロン３の取付けたパンチ５
を下降させて、ワークＷを絞り溝２５内に押し込んで行
くと、これと同時に、パンチ５の加圧力により、ストリ
ッパー２７及びこれとピストンロッド２９を介して連結
するピストン３３が、スプリング３５を圧縮しながら下
降し、またストリッパー２７に、ガイドアーム４５を介
して連結する位置決め用ホルダ３７も下降する。

そしてパンチ５が、第５図Ｂに示すように最下降端に位
置した段階で、ダイ１３の上端縁部５９と、パンチ５の
加圧段部６１とで、ワークＷの裾部を折曲げ、１回目の
深絞り加工を完了する。

次に、パンチ５を元の位置まで復帰すべく上昇させると
、絞り加工されたワークＷは、第５図Ｃに示すように、
ピストン３３を上方に押圧するスプリング３５の弾性力
により、ピストン３３．ピストンロッド２９及びストリ
ッパー２７を介して、ダイ１３の上面１３ａ上に押し上
げられ、ワークＷの次の加工部までの送り込みが可能と
なる。

ゆるい角度で絞り加工されたワークＷは、前述のように
、いわゆるスプリングイン現象により、内側に弾性変形
して、直角に折曲った状態となる。

次に、同じワークＷで連続して深絞り加工を行なうとき
には、あらかじめ位置決めしたホルダープレート５７の
当接面に、第１回目の絞り加工した加工側面を当接させ
る（第５図Ｃ参照）。

そして、ホルダープレート５７の上面及びダイ１３の上
面１３ａで支持されているワークＷを、前記第５図Ｂと
同様な操作により、パンチ５を下降させて、第２回目の
絞り加工を行なう（第５図り参照）。

このとき、第１回目の絞り加工された加工部及び、ワー
クＷの供給部は、第５図りに示すように、パンチ５側に
ハネ上がるが、位置決めホルダ３７により位置決めされ
た加工位置をパンチ５により確実に加圧するため、加工
後の寸法誤差は生じない。

そして第５図Ｅに示すように、パンチ５を最下降位置ま
で降下した段階で、第２回目の深絞り加工は終了する。

なお、第２回目の深絞り加工時に、第１回目の絞り加工
部も、ダイ１３の側面側に折り曲がるが、位置決め用ホ
ルダ３７は、ストリッパー２７の下降と同時に降下する
ため、第１回目の絞り加工部が位置決め用ホルダ３７に
当接するようなことはなく、円滑に加工作業が進行する
。

以上のような操作を繰返し行なうことによって、連続し
た深絞り加工ができるものである。

以上のごとき実施例の説明より理解されるように、要す
るにこの考案の要旨は実用新案登録請求の範囲に記載の
とおりの構成であるから、次のごとき作用効果を奏し得
るものである。

■ 絞り加工開始前に、ワークＷの位置決めが確実に行
なうことができるので、加工後の寸法を正確に得ること
ができる。

■ ワークＷの深絞り加工時に、ストリッパー２７とと
もに位置決めホルダ３７も下降するため、連続した深絞
り加工を行なっても、位置決めホルダ３７が邪魔になる
ということもなく、能率良く深絞り加工を行なうことが
できる。

■ また深絞り角度αがゆるい角度であるため、加圧力
を除いた後のワークＷは、スプリングイン現象により正
確な折り曲げ角となり、従って、加圧力が小さくてすむ
ことから極めて経済的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、折曲げ装置の概略正面図、第２図はパンチと
、ダイとの関係を示す拡大正面図、第３図は第２図の■
−■線に沿う縦断側面図、第４図は第２図のＩＶ−ＩＶ
矢視側面図、第５図Ａ〜第５図Ｅは深絞り加工の加工順
序を示した説明図である。 図面中に表わされた主要な符号の説明、３・・・・・・
上部エプロン、５・・・・・・パンチ、１１・・・・・
・下部エプロン、１３・・・・・・ダイ、Ｗ・・・・・
・ワーク、１３ａ・・・・・・ダイの上面、３７・・・
・・・位置決め用ホルダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 折曲げ装置本体１の上部に装着された上部エプロン３に
   パンチ５を装着して設け、上部エプロン３と対向して前
   記本体１に装着された下部エプロン１１に、上記パンチ
   ５と協働してワークＷの絞り加工を行なうダイ１３を装
   着して設け、上記ダイ１３に形成されたＶ字型状の絞り
   溝２５内にストリッパー２７を昇降自在に配置して設け
   ると共に上方向へ付勢して設け、上記ストリッパー２７
   と一体的に設けたホルダーアーム４７をダイ１３の長手
   方向と直交する方向へ水平に延伸して設け、このホルダ
   ーアーム４７の先端部に、ワークＷを支持自在のホルダ
   プレート５７を前記ストリッパー２７とほぼ同一高さに
   設けると共にホルダーアーム４７の長手方向へ位置調節
   自在に設け、前記パンチ５の両側部に、前記ダイ１３の
   絞り溝２５の上端縁部５９と係合自在な加工段部６１を
   形成してなることを特徴とする折曲げ装置。