JPS6031964Y2 - ステアリング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は車両の衝突時に乗員を衝撃から保護するよう
にしたステアリング装置に関するものである。

車両の衝突時に生じる衝撃力から乗員、特に運転者を保
護するために所謂衝撃吸収式のステアリング装置が提案
されている。

この種の装置として一般的なものは、ステアリングホイ
ールに連結したステアリングシャフトを軸方向に分割形
成すると共に両軸間にダンパーを介装したものであり、
衝撃力が生じたときにダンパーを作動させながら両軸が
軸方向に短縮し、乗員がステアリングホイールに衝突（
２次衝突）したときの衝撃を緩和するようにしているの
である。

このため、外観上の目的からステアリングシャフトを覆
うように設けているジャケットも、ステアリングシャフ
トと共に短縮作動させることが必要であり、従来では次
のような構成が採用されている。

即ち、第１図において１はステアリングホイール、２，
３はこのステアリングホイール１に連結したアッパ、ロ
ワの各ステアリングシャフトで、衝突時には内装したダ
ンパー（図示せず）を作動させながら短縮する。

４はこのステアリングシャフト２，３を覆うように外周
に嵌挿した筒状のジャケットであり、その上端部をアッ
パブラケット５を介して車体６（インストルメントパネ
ルの下側）に固定する。

ただし、２次衝突の時ステアリングホイール１に既定以
上の荷重が作用するとアッパブラケット５は車体６に対
して前方下方に摺動可能である。

ジャケット４の下端部は車体７（ダッシュパネル）に固
定したロワブラケット８に摺動可能に嵌挿している。

従って、この構成によれば、乗員がステアリングホイー
ル１に衝突する２次衝突時にステアリングシャフト２，
３が短縮する。

このとき、ジャケット４はその下端部がロワーブラケッ
ト８と摺動して車体下方（前方）へ移動し、前述したス
テアリングシャフト２，３の短縮を可能にするのである
。

ところで、従来のロワーブラケット８とジャケット４と
の嵌合構造は、第２図に示すように、ジャケット４の下
端部の外周数個所を外径方向に膨出して膨出部９を形成
し、これを円筒状に形成したロワーブラケット８内に圧
入した構成とされている。

このため、ジャケット４とブラケット８との間の摺動抵
抗は膨出部９の外径寸法とブラケツトの内径寸法等の関
係によって定められ、抵抗値を微細に調整することが困
難になる。

また、この構成ではジャケットとブラケットの軸心にず
れが生じると両者間にこじれが生じ、一方が変形する等
してジャケットの円滑な移動が妨げられるという問題も
ある。

この考案は以上の問題点に鑑みなされたもので、ジャケ
ットとブラケットのいずれか一方に円周方向に等配した
複数の舌片を形成し、かつこれら舌片を他方の周面に弾
性的に押圧してジャケットとブラケットを連結すること
により、両者間の摺動抵抗値の微細な調整を可能にする
と共に、両者の軸心にずれが生じた場合にも円滑な摺動
を可能にしたステアリング装置を提供することを目的と
している。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第３図乃至第５図はこの考案の要部を示しており、図に
おいて、３はステアリングシャフト、４はこのステアリ
ングシャフト３を覆うジャケット、１０はこのジャケッ
ト４の下端部を車両のダッシュパネルに支持するロワー
ブラケットである。

このロワーブラケット１０は略短円筒状の弾性材から形
成されそのフランジ１１をダッシュパネル７に固定し、
円周方向の３箇所に軸心方向の舌片１２ａ、１２ｂ、１
２ｃを形成している。

これら舌片１２ ａｔ １２ ｂｙ １２ ｃは、
第５図に示すように、その常態においてジャケット４の
外径寸法り。

よりも幾分小さい内径Ｄ□を保つように形成している。

そしてジャケット４はその下端部をこのロワーブラケッ
ト１０内に圧入し、前記舌片１２ａ、１２ｂ、１２ｃの
常態への弾性復元力によって各舌片１２ａｔ １２ｂ
、１２ｃにてジャケット４を握持しているのである。

したがって、この構成によれば、ジャケット４はロワー
ブラケット１０の各舌状１２ａ、１２ｂ、１２ｃの弾性
力によって生じる舌片１２ａ。

１２ｂ、１２Ｃとジャケット４との間の摺動抵抗によっ
て支持されることになる。

そして、この場合、支持力となる摺動抵抗の値は舌片１
２ａ、１２ｂ、１２ｃの弾性力、換言すれば内径り、の
値や舌片１２ａ、１２ｂ、１２ｃの板厚寸法等によって
極めて容易に調整できるので、結局支持強度の調整を行
なうことができる。

また、このように弾性舌片にて支持を行なっていると、
ジャケット４とロワーブラケット１０との間に軸芯の不
一致や寸法誤差等が生じた場合にも、両者の嵌合不一致
を舌片１２ａｔ １２ｂｔ １２ｃの弾性変形によ
り容易に吸収することができ、好適な支持構造を確保す
ることができるのである。

第６図及び第７図は他の実施例を示す。

この実施例はロワーブラケット８を単純な短円筒形に形
成する一方、ジャケット４の下端部に円周方向に３枚の
舌片１３ａ、１３ｂ、１３ｃを形成し、この舌片１３ａ
ｙ １３ｂ、１３ｃを外径方向に曲成した上でロワー
ブラケット８内に圧入したものである。

この場合、各舌片１３ａｖ １３ｂｔ １３ｃの常
態における外径寸法をロワーブラケット８の内径寸法Ｄ
２より幾分大きく形成し、圧入したときに舌片１３ ａ
、１３ ｂ、１３ ｃの弾性力にて摺動抵抗を生ぜしめ
てジャケットの支持を行なうようにすることは前例と同
じである。

この実施例においても、ジャケット４とロワーブラケッ
ト８との間の寸法誤差による嵌合の不一致や、軸芯のず
れによる嵌合の不一致を解消でき、好適な支持構造を維
持できることは言うまでもない。

以上のように、この考案のステアリング装置によれば、
ジャケットとブラケットのいずれか一方の円周方向に等
配して形成した複数の舌片を、他方の周面に弾性的に押
圧して両者を連結するようにしたから、ジャケットとブ
ラケットとの間に寸法上の誤差がある場合や両者の軸芯
が不一致の場合等にも舌片の弾性変形作用によって両者
を好適に連結することができると共に、舌片の弾性力を
調整するだけで両者の連結強度を極めて容易に調整する
ことができる等の大なる効果を奏するのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はステアリング装置の一部破断側面図、第２図は
従来装置の断面図、第３図はこの考案装置の要部断面図
、第４図は第３図のＩＶ−ＩＶ線断面図、第５図は舌片
の拡大断面図、第６図は他の実施例の断面図、第７図は
第６図の■−■線断面図である。 １・・・・・・ステアリ・ングホイール、２，３・・・
・・・ステアリングシャフト、４・・・・・・ジャケッ
ト ８ ｍ＠＠＠＊＠ロワーブラケット、１０・・・・
・・ロワーブラケット、１２ａ。 １２ｂ。 １２Ｃ９ １３ａ。 １３ｂ。 ３ｃ ・・・・・・舌片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ステアリングシャフトの外周に嵌挿したジャケットを、
   衝突時の衝撃力等の強制力によって軸方向に移動できる
   ようにブラケットを用いて車体に支持するようにしたス
   テアリング装置において、前記ジャケットとブラケット
   は夫々筒状に形成してジャケットをブラケット内に挿入
   し、かついずれか一方の円周方向に等配して形成した複
   数の舌片を、他方の周面に弾性的に押圧して両者を連結
   したことを特徴とするステアリング装置。