JPS6030589Y2 - 完全燃焼装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、燃えにくい廃棄物や廃タイヤ等をその臭気も
、排煙もなく完全燃焼させることの出来る燃焼装置の改
良に関し、その火炎燃焼を安定的に且つ確実に行えるよ
うにしたものである。

出願人は先に完全燃焼を実現する手段として第一次燃焼
室では意識的に不完全燃焼を起こさせる燻蒸燃焼方式を
採り、燃えにくい物をガス化して、この発生した可燃性
ガスを一気に火炎燃焼させる方法に着目し、燻蒸燃焼室
と火炎燃焼室と、助燃材を送り込む噴射孔及びコンプレ
ッサーを組合せた完全燃焼装置を開発した。

この装置は非常な威力を発揮し、廃タイヤ等でも臭気も
排煙もなく完全燃焼させることが出来ることを確認した
が、次のような技術的課題の存在することもわかった。

それは、燻蒸燃焼室の燃焼状態と火炎燃焼室の燃焼状態
の調和の問題である。

すなわち、燻蒸燃焼室が盛んにもえていると可燃性ガス
の発生も多く火炎燃焼も盛んになり、逆に燻蒸燃焼が衰
えると火炎燃焼も衰えることになる関係にあるが、この
二つの燃焼の組合せがうまくいって確実に完全燃焼する
ためには一定の許容範囲のあることが解った。

勿論、これには両燃焼室の大きさやその組合せ方によっ
ても、又燃焼物が異なることによる可燃性ガスの異いに
よっても大きく影響を受ける。

しかし、一般的には次のような場合に完全燃焼が不安定
になったり、全ての可燃性ガスを確実に完全燃焼させる
ことが難しいことに気がついた。

まず第一に燻蒸燃焼が衰えて可燃性ガスが少なくなると
、火炎燃焼室に入ってくる圧力も可燃性ガスの量も少な
くなって燃えにくくなり、火勢も失われて、温度も上が
らない。

このため、可燃性ガスの中に含まれている灰煙等を完全
に燃えつくさせることが困難になる。

このようなときには助燃材を多めに噴出して、調整する
のであるが、可燃性ガスとの混合も充分ではなくむらの
ある不安定な燃焼になりやすい。

第二に、燻蒸燃焼が盛ん過ぎて可燃性ガスが過剰に発生
して内圧力が強くなり、火炎燃焼室の通過と噴出力の勢
いが強くなりすぎると、助燃材を噴出してもよく混合さ
れなかったり、あるいはせっかく火種によって点火され
ても、噴出力が強すぎても吹き消されてしまったりする
現象が起きる。

このような火炎燃焼の不安定性と不完全性を防ぐことを
目的として改良したのが本考案である。

本考案を図示の実施例に基づいて詳細に説明すると、第
１図は本考案に係る完全燃焼装置の全体構造を示す縦断
側面図である。

図示の完全燃焼装置は、燃料投入口１と灰取口２とを有
する燻蒸燃焼室３と、該燃焼室３の側部より横方向に連
通ずるよう突出形成された筒状の火炎燃焼室４と、燻蒸
燃焼室３及び火炎燃焼室４の両室に設けた助燃付噴射孔
５．５’、５“、６．６’、６′とその助燃材を送り込
むコンプレッサー７と、火炎燃焼室４内に設けた火種装
置８とからなり、燻蒸燃焼室３で燃焼物Ａを可燃性ガス
化した後、火炎燃焼室４でこの可燃性ガスと助燃材及び
火種により火炎燃焼するようにしたものである。

尚燻蒸燃焼室３に設けた助燃付噴出孔５゜５′、５“・
・・は底部に小さな孔を多数はぼ均等に点在穿設したも
のである。

本考案は上記のような完全燃焼室における火炎燃焼室４
を改良したものである。

即ち、本考案に係る火炎燃焼室４は基端部がガス流入口
９で、先端部がガス流出口１０をなした筒状にして、そ
の内部が同軸状の内筒体１１により内筒室１２と外筒室
１３との二重構造に区分形成されている。

そして、当該外筒室１３内には助燃付噴射孔６．６’、
６″・・・と火種装置８が配設されてあり、この火炎燃
焼室４の先端部より噴き出す可燃性ガスを火炎燃焼させ
るようにしたものである。

この火炎燃焼室４に設けた助燃付噴射孔６．６’、６“
・・・は、コンプレッサー７と連結したパイプ１７．１
７’の先端口を火炎燃焼室４の外筒室１３内に開口した
もので、その開口は、実施例では外筒室１３内のガス流
入口９及びガス流出口１０の近傍位置に設けられ、この
両助燃材噴射孔６．６’、６’−・・の間に火種装置８
を設けるように構成されている。

尚この外筒室１３内の助燃付噴射孔６．６’、６″・・
・及び火種装置８の配設位置と数は、この実施例に示さ
れたものに限られる必要はなく、具体的な火炎燃焼室４
ごとに適宜配設してもよい。

また、図中１４は外筒室１２内のガス流入口９近傍に設
けられた誘導板で、これは点火された助燃材が、内筒室
１１内を通過した可燃性ガスを包囲するように、燃えな
がら噴き出して可燃性ガスに周囲から全体的に点火する
ようにするとともに、その外側から更に助燃材を噴射し
て燃焼をより一層完全なものにするためのものである。

尚、図中、１５．１５’、１５“はコンプレッサー７か
ら送られる助燃材を調整するための調整弁であるが、こ
こに助燃材とは酸素、空気、プロパンガス、都市ガス等
助燃効果のあるものなら何でもよく、特に限定されるも
のではない。

本考案は以上のように、燻蒸燃焼室３にて燃焼物Ａを可
燃性ガス化したものを火炎燃焼室４で一気に完全燃焼さ
せるために、火炎燃焼室４を同軸状の内筒体１１により
内筒室１２と外筒室１３の二重構造にし、燻蒸燃焼室内
の可燃性ガスの発生状態や室内の圧力変化を緩和して先
端部からの可燃性ガスの噴出状況がほぼ均一になるよう
にした。

この結果燻蒸燃焼室３の燃焼状況に多少の盛衰があって
も、常に安定した燃焼を確保することができるようにな
った。

また、このように火炎燃焼室４を二重構造にして、外筒
室１３内を通過する可燃性ガスを調整したうえで、外筒
室１３内に助燃付噴射孔６．６’、６″・・・と火種装
置８とを設け、ます外筒室１３内で予備燃焼させるよう
にしたので、種火が不用意に吹き消されたり、着火しな
かったりすることがない。

しかもこの予備燃焼は助燃材の効果によって火勢を大き
くし、それから主流である内筒室１２通過の可燃性ガス
に点火するので主流噴出可燃性ガスへの着火も確実なも
のとなる。

しかも、その点火に際しては内筒室１２通過の主流可燃
性ガスの周囲を外筒室から噴出する火炎で包むようにす
るので当該主流可燃性ガスの火炎燃焼が完全に且つ効率
良く行なわれるので煤煙や臭気を出すことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る完全燃焼装置を示す縦断側面図、
第２図は本考案に係る火炎燃焼装置を示す側面図で、第
３図は同火炎燃焼装置の縦断側面図である。 ３・・・・・・燻蒸燃焼室、４・・・・・・火炎燃焼室
、５゜５′、５″・・・・・・助燃付噴射孔、６．６’
、６″・・・・・・助燃付噴射孔、７・・・・・・コン
プレッサー、８・曲・火種装置、１１・・・・・・内筒
体、１２・・・・・・内筒室、１３・・・・・・外筒室
、Ａ・・・・・・燃焼物。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）燃料投入口と灰取口とを有する燻蒸燃焼室と、該
   燃焼室の側部より横方向に連通ずるよう突出形成された
   筒状の火炎燃焼室と、燻蒸燃焼室及び火炎燃焼室の両室
   に設けた助燃付噴射孔とその助燃材を送り込むコンプレ
   ッサーと、火炎燃焼室内に設けた火種装置とからなり、
   燻蒸燃焼室で燃焼物を可燃性ガス化した後、火炎燃焼室
   でこの可燃性ガスと助燃材及び火種により火炎燃焼する
   ようにしてなる燃焼装置において、当該火炎燃焼室は、
   基端部がガス流入口で、先端部がガス流出口をなした筒
   状にしてその内部が同軸状の内筒室と外筒室の二重構造
   に区分形成されており、当該外筒室内には助燃付噴射口
   と火種装置を設け、火炎燃焼室の先端部より噴き出す可
   燃性ガスを火炎燃焼させるようにしたことを特徴とする
   完全燃焼装置。
2. （２）火炎燃焼室の助燃付噴射孔を外筒室内のガス流入
   口及びガス流出口の近傍位置に設け、これらの助燃付噴
   射孔の間に火種装置を設けたことを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の完全燃焼装置。