JPS6030563Y2 - 立形給水加熱器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば火力発電や原子力発電プラントに使用
される立形給水加熱器に係り、特に、この立形給水加熱
器における水位測定装置に関する。

従来の立形給水加熱器の水位測定装置は、第１図及び第
２図に示されるように、給水装置ａの上部に密閉された
有底円筒状をなす縦長の本体すを設け、この本体すの一
側下部に蒸気流入口Ｃを設け、この蒸気流入口Ｃの反対
側に位置する本体すに流量調節弁ｄを備えたドレン排出
口ｅを設け、さらに、上記本体す内に上記給水装置ａに
連通ずる熱交換用の加熱管ｆを各支持板ｇで保持し、上
記本体す内の下部に中仕切板りで区分して形成されるド
レン排出口ｅがわのドレン室ｉに複数のバッフル板ｊを
設け、上記中仕切板りで形成される蒸気流入口Ｃがわの
キャビンｋに複数のバッフル板１を設け、上記ドレン室
ｉの位置する上記本体すの外がわに配設される水位検出
器ｍの下部取付管ｍ□を上記ドレン室ｉに連通して設け
、上記水位検出器ｍの上部取付管ｍ２を上記本体すの上
部に連結し、さらに、上記水位検出器ｍを上記流量調節
弁ｄに電気的に接続したものである。

従って、上記蒸気流入口Ｃから流入する例えばタービン
で仕事をした一部の蒸気は、上記キャビンに内の各バッ
フル板１によって蛇行して形成された通路ｎを蛇行しな
がら加熱管ｆ内の水と熱交換して蒸気流入口に１から上
記本体すの上方へ上昇して熱交換を促進し、他方、熱交
換時に生じたドレンは、上記ドレン室ｉ内に上記加熱管
ｆを伝って落下して貯溜され、上記流量調節弁ｄを開弁
することにより、上記ドレン排出口ｅから器外へ放出さ
れるようになっている。

一方、ドレン室ｉ内のドレンの水位が基準水位にないと
き、例えば水位が低くすぎれば、ドレンによる熱交換面
積が少くなるため、熱交換が十分に行われず、発電プラ
ントにおける熱効率を低下させる原因になる。

他方、上記水位が基準水位より高すぎるとき、ドレン室
ｉの水面と上記蒸気流出口に１とが略同−位置にあると
、この水面の水位が上記蒸気流出口に□に達し、しかも
、この蒸気は高速度で流出するため、凝縮したドレン粒
子を巻き込み、これらを上記本体すの内壁面や各加熱管
ｆに打ち付けて、経時的にこれらを亀裂したり、損傷す
るおそれがある。

特に、この種の給水加熱器は、圧力容器として構成した
ものであるから、徐々に減肉や浸蝕によって内部の高温
高圧蒸気が外部（大気中）に放出されると、大きな事故
の原因となり、発電プラントの信頼性や安全性に大きな
影響を与える。

そこで、上記ドレン室ｉ内のドレン水位が適正水位にあ
ることを検知して制御することは、発電プラントにおけ
る給水加熱器として重要な問題になっている。

しかして、上記水位検出器ｍは、上記ドレン室ｉのドレ
ン水位を検出し、ドレン水位の高いときは、ドレン排出
口ｅの流量調節弁ｄを開いて、ドレンを適正水位になる
まで放出し、他方、ドレン氷位の低いとき、上記流量調
節弁ｄを閉弁して、ドレンを貯溜してドレン水位を基準
水位に保持するようになっている。

しかしながら、上述した従来の立形給水加熱器の水位測
定装置は、下部取付管ｒｒ！１の取付位置を複数のバッ
フル板ｊの下位に位置するドレン室ｉにあるため、ドレ
ンの圧力損失は低い水位となり、測定誤差を生じ、これ
に起因して流出した蒸気がドレンを巻き込み、本体内部
の内壁面や各加熱管等を損傷することが予測される。

本考案は、上述した点に鑑み、本体内の下部に中仕切板
及び囲い枠部材でドレン室及びキャビンを設け、上記ド
レン室を形成する上記中仕切板及び囲い枠部材に複数の
バッフル板を設け、上記本体の外がわに配設される水位
検出器の下部取付管を上記キャビンの位置する上記本体
に、他方、上記水位検出器の上部取付管を上記本体の上
部にそれぞれ設け、これにより下部取付管の位置するキ
ャビン内にバッフル板等によるドレンの圧力損失を生じ
ないようにして圧力を正確に測定するようにし、併せて
水位制御を行うようにしたことを目的とする立形給水加
熱器を提供するものである。

以下、本考案を図示の一実施例について説明する。

第３図及び第４図において、符号１は、給水装置であっ
て、この給水装置１の上部には有底円筒状をなす密閉さ
れた本体２が垂直方向にして設けられており、この本体
２の下部−側には蒸気流入口３が附設されており、この
蒸気流入口３の反対側に位置する上記本体２には流量調
節弁４を備えたドレン排出口５が設けられている。

又、上記本体２内には上記給水装置１に連通ずる熱交換
用の加熱管６が各支持板７によって保持されており、上
記本体２内の下部には過熱蒸気熱交換室８及びドレン貯
溜室９が中仕切板１０によって区分して形成されている
。

さらに、このドレン貯溜室９はドレン室１１とキャビン
１２とに囲い枠部材（第４図参照）１３で区分されてお
り、この囲い枠部材１３及び上記中仕切板１０の壁面に
は複数のバッフル板１４が設けられている。

又、上記囲い枠部材１３の上部には複数の小孔１５（若
しくはスリット）が穿設されており、この小孔１５はド
レン室１１とキャビン１２とを潜りオリフィスのように
して連通している。

他方、上記本体２の外がわには、上記流量調節弁４に連
動する水位検出器１６が配設されており、この水位検出
器１６の下部取付管１６ａは上記キャビン１２の位置す
る上記本体２に連通して設けられている。

さらに、上記水位検出器１６の上部取付管１６ｂは蒸気
凝縮室２ａの位置する上記本体２の上部に連結されてい
る。

従って、蒸気流入口３から流入する高圧蒸気は過熱蒸気
熱交換室８内の各バッフル板８ａによって蛇行するよう
に形成された流路１７を蛇行しながら、加熱管６内の水
と熱交換して蒸気流出口８ｂから上記本体２の凝縮器２
ａへ上昇して、さらに熱交換を促進し、他方、熱交換時
に生じたドレンは、上記ドレン貯溜室９に上記各加熱管
６を伝って落下して貯溜され、このドレン貯溜室９内の
ドレンが基準水位に達すると、上記水位検出器１６がこ
れを検出して、流量調節弁４を開閉してドレン量を自動
的に制御するようになっている。

特に、本考案は、円弧状をなす囲い部材１３でキャビン
１２を設け、このキャビン１２に水位検出器１６の下部
取付管１６ａを設けであるため、バッフル板１４等によ
るドレンの圧力損失を生じないようにして、圧力を正確
に測定できるから、流出した蒸気がドレン粒子を巻き込
んで、加熱管等を損傷するおそれはなくなる。

以上述べたように本考案によれば、蒸気流入口３及びド
レン排出口５を備えた本体２内の下部に中仕切板１０及
び囲い枠部材１３でドレン室１１及びキャビン１２を設
け、上記ドレン室１１を形戒する上記中仕切板１０及び
囲い枠部材１３に複数のバッフル板１４を設け、この囲
い枠体１３の上部に小孔１５若しくはスリットを穿設し
、上記本体２の外がわに配設される水位検出器１６の下
部取付管１６ａを上記キャビン１２の位置する上記本体
２に、他方、上記水位検出器１６の上部取付管１６ｂを
上記本体２の上部にそれぞれ設けであるので、バッフル
板１４等による圧力測定誤差を解消できるばかりでなく
、構成も簡素であると共に、囲い枠体１３に穿設された
小孔１５から少しづ）ドレンをキャビン１２へ流入する
ようになっているから、液面への変化が少なくなり、水
位検出器１６の精度を向上することができるし、さらに
、装置全体の信頼性及び安全性を向上することができる
。

【図面の簡単な説明】 第１図及び第２図は従来の立形給水加熱器を説明するた
めの各図、第３図は本考案による立形給水加熱器の要部
のみを示す断面図、第４図は第３図中の鎖線Ａ−Ａに沿
う横断面図である。 ２・・・・・・本体、３・・・・・・蒸気流入口、５・
・・・・・ドレン排出口、６・・・・・・加熱管、８・
・・・・・過熱蒸気熱交換室、９・・・・・・ドレン貯
溜室、１０・・・・・・中仕切板、１１・・・・・・ド
レン室、１２・・・・・・キャビン、１３・・・・・・
囲い枠部材、１４・・・・・・バッフル板、１５・・・
・・・小孔、１６・・・・・・水位検出器、１６ａ・・
・・・・下部取付管 １６ｂ・・・・・・上部取付管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蒸気流入口及びドレン排出口を備えた本体内の下部に中
   仕切板及び囲い枠部材でドレン室及びキャビンを設け、
   上記ドレン室を形成する上記中仕切板及び囲い部材に複
   数のバッフル板を設け、この囲い枠体の上部に小孔若し
   くはスリットを穿設し、上記本体の外がわに配設される
   水位検出器の下部取付管を上記キャビンの位置する上記
   本体に連通して設け、上記水位検出器の上部取付管を上
   記本体の上部に連通して設けたことを特徴とする立形給
   水加熱器。